タウラスを倒して三日が過ぎた。
季節は冬に変わり寒い日が続くなか、二組の子が一夏に相談しにきた。
「鈴の様子がおかしい?」
「うん、何か前はネコみたいに人なつきがよかったのだけどこの三日、冷たくあしらわれてるの。だから何か知らないかなと思って。」
その言葉に一夏は考える。
確かに少し様子がおかしいと思っていた。
鈴の異変を調べるいい機会だと思い、頼みを受けることにした。
「・・わかった、こっちでも調べておく。」
「ありがとう。」
次の日、一夏は鈴と共に出かけないかと誘うも・・。
「・・興味ない。じゃあね。」
鈴音はそう言って外へ出かける。
「・・・。」
一夏は鈴が誘いを断るなんて考えられなかった。
そして正体を見破られていない鈴音は・・。
「ヒ、ヒィ・・!」
「・・あなたのバリアがどんなに優れていても内側からの攻撃を防ぐことはできない・・。」
クイーンドーパントの顔を持ち上げながら鈴音はそう言った。
「や、やめ・・。」
「爆ぜろ。」
クイーンの命乞いを無視してさらに持ち上げる鈴音。
そして・・。
ドゴーン!
「か・・は・・。」
鈴音はエネルギーをクイーンの口を介して体内へと送り込み、内側から発生した爆炎に体を包まれクイーンはメモリを排出、女は気絶。
「ふん、たかが誰にも破られないバリアを張れる位でいい気になるのは愚か者の末路ですよ。」
鈴音はそれを乱暴に放り投げた後、手を握ったり開いたりを繰り返す。
「・・なかなかいい感じになってきましたね。」
鈴音は右手を見つめながら妖艶な笑みを浮かべその場をあとにする。
日曜日、鈴音はとんでもないことを言い出した。
「仮面ライダー部をやめるだと!?」
「そ。私は馴れ合いをする気はないの。」
普段は活発で怒らないゼシカもこの鈴音の言葉には怒りを隠せなかった。
「なら、なぜこの時期に言うのさ!?ホロスコープスを全て倒した訳じゃないのに!」
「・・何かあれば一夏やロックオンばかり。その事にいい加減嫌気がさしてたのよ。ロックオンと愛し合ってるシャルとか見てるとね、ヘドが出るの。・・私たちは元々国からしたら敵同士、その関係に戻るだけよ。じゃあね。」
箒、ゼシカにそう言って鈴音はその場を去る。
この事が後にシャルを苦しめることになるとはこの時思いもしていなかった・・。
二人が呆然と歩いているとシャルが現れる。
「あれ、どうしたの?」
シャルが声をかけるとリブラが現れる。
「見つけたわ、フォーゼ!」
「・・リブラ!箒、ゼシカ、隠れて!」
シャルはドライバーを装着、トランスイッチをオンにする。
(3・・2・・1・・)
「変身!」
レバーを操作してフォーゼに変身。
「・・行くよ!」
リブラに肉弾戦を挑むフォーゼ。
「・・これで!」
ロケットとチェーンアレイを交換してオンにする。
(チェーンアレイ)
(チェーンアレイ・オン)
「ええーい!」
右腕にチェーンアレイを装着、振り回して勢いをつけて投擲。
「甘いわ!ふっ!」
「やっぱり、これしかないか!」
フォーゼはチェーンアレイをオフにしてコズミックを取りだし、交換してオンにする。
(コズミック)
(コズミック・オン)
フォーゼはコズミックステイツにステイツチェンジ。
「みんなの絆で、宇宙を掴む!」
ブーストモードのソードを手に立ち向かうフォーゼ。
リブラは錫杖で受け流す。
そして・・。
「そういえば鳳鈴音のことだけど・・放っておいていいのかな?」
「・・・!?君には関係ない!」
もう一度立ち向かおうとしたその時・・。
バチ、バチバチ・・!
「え!?う・・!うう・・!うああ!」
何とコズミックステイツが解除されてベースステイツへと戻り、足元には吸収したスイッチが転がる。
「・・うそ!?」
「バカな・・!どうしてコズミックステイツが解除される!?」
「ふふ、はぁ!」
「う、くうう・・!」
箒とゼシカはコズミックステイツが解除されたことに驚く。
リブラの猛攻を受け続けるフォーゼ。
フォーゼは足元に転がるNマグネットスイッチ、Sマグネットスイッチを手に取り、コズミックとレーダーと交換。
「この状況を打開しないと・・!」
(Nマグネット・Sマグネット)
(NS・マグネット・オン)
中間ステイツのマグネットステイツにステイツチェンジ。
キャノンを連射、距離を取ってドリルとガトリングを交換、ランチャーをオンにする。
(ガトリング)
(ランチャー・ガトリング・オン)
「いっけー!」
「うああ!」
ミサイル、ガトリング、キャノンの一斉射を受けてリブラは吹き飛ぶ。
止めを刺そうとレバーに手をかけた瞬間、炎がフォーゼに襲いかかり、マグネットステイツが解除される。
「・・なんだ!?」
「あれは・・!」
リブラの上で浮かんでいる鳳凰座のゾディアーツ・・フェニックス。
背中には巨大で先端が青い真紅の翼。
炎の不死鳥を彷彿とさせる青と赤を基調とした全身を覆う生体装甲を纏っている。
「・・・。」
フェニックスは何も言わず手を横に振るう。
すると手を振るった軌道に沿って火柱が巻き起こる。
「・・危ない!」
フォーゼは前転で火柱を回避。
火柱が起こった所を見ると地面が抉れていた。
「何て威力・・、地面が抉れているなんて・・。」
そしてフェニックスとリブラは姿を消していた。
箒とゼシカはフォーゼに駆け寄る。
「シャル、大丈夫!?」
「なぜコズミックステイツが解除されたのだ?」
「その前に・・鈴と何があったの?」
箒とゼシカは鈴が仮面ライダー部をやめると言ったことをはなした。
「・・まさかとは思いたいけど・・。」
フォーゼはコズミックスイッチを手に取り、差し込んでオンにする。
(コズミック)
(コズミック・オン)
再びスイッチが吸収されてシルエットが変わるが・・。
「・・く、くうう・・!ダメだ!」
「なぜだ!なぜコズミックステイツにすらなれない!?」
フォーゼに吸収されるはずのスイッチが吸収されず、ベースステイツに戻ってしまう。
その事に箒は憤慨するがフォーゼは原因をわかっていた。
「・・原因はわかってるよ。」
「何!?原因は何なのだ!?」
「・・コズミックステイツは絆のステイツの異名を持つ・・。」
「・・え?」
フォーゼの言いたいことをまだわからない箒とゼシカ。
「鈴との絆が揺らいだから・・コズミックステイツにステイツチェンジができない・・。」
「どういうことだ・・。」
フォーゼは変身を解き、箒とゼシカにステイツチェンジできない理由を話す。
「コズミックステイツは仮面ライダー部全員との絆があって初めてステイツチェンジできる・・。」
「そんな・・。」
「じゃあ、鈴が離れたからコズミックステイツが使えない・・!?」
鈴の心が離れたことにより、コズミックステイツ・・使用不可。
はい、コズミックステイツ使用不可の回です。
やはり一回は入れときたい話ですね。
シャルとロックオンは百合な関係です。
一夏もそれを知ってます。
謎のフェニックスゾディアーツ。
一体誰が変身しているのか。
そしてコズミックステイツ無しで立ち向かうことは可能なのか?
次も頑張ります!
では、感想待ってます!
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謎のゾディアーツ出現。
鈴音、行動開始。