No.442187

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2012-06-26 18:17:30 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4797   閲覧ユーザー数:4533

 

 

 

episode13 苦労が絶えない・・・・

 

 

 

 

そして土曜の午後五時の第四アリーナ・・・・・

 

 

 

 

 

「今日はこのくらいで終わってやろう」

 

と、隼人は肩にバスターソードを預けて一夏を見る。

 

「こ、このくらいでって言うなよ・・・・一時から休憩無しでやっているんだぞ」

 

と、一夏は息を整えて真っ直ぐに立つ。

 

「このくらいマシなほうと思っておけ」

 

「これでマシなのか?」

 

「あぁ。明日はほぼ一日でやる予定だ」

 

「う、うそだろ」

 

「そう言っていられる余裕があると思っているのか?」

 

「・・い、いや・・」

 

一夏は余裕が無いことだと言うことは分かっているので、反論できなかった。

 

「今日はゆっくり休め・・・。あしたはコーチ二人も加えての特訓だ」

 

「うぇ・・・お前はスパルタ教官かよ!?」

 

「俺はやるといったらやるからな」

 

「・・・・・・」

 

「まぁ、後で一本飲み物奢ってやるよ」

 

そして二人はピットに戻っていった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・」

 

そして隼人は一夏に飲み物を奢った後、IS学園内にある第二格納庫に向かっていた。

 

(簪はよく第二格納庫に居るって言われているからな・・・。あのときだって居たしな)

 

 

 

 

(それで、私に何の用でしょうか?)

 

そして隼人は神様を呼び出した。

 

(なぁ・・・お前の力でどうにかなれんのか?)

 

(どうにかなれないかと言われても・・・・神の力がそう簡単に介入なんかしたら、この世界のパワーバランスが崩れる恐れがあります)

 

(・・・だよな・・・・でもな・・どうにか簪の力になってやりたいんだがな)

 

(そう言われましても・・・私にできることは・・・)

 

(・・・分かったよ・・・俺自身でやればいいんだろ)

 

(・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

そして隼人は第二格納庫に到着すると、簪を探す。

 

(さすがに時間帯的にそんなに居ないか・・・・)

 

そして少し探していると・・・・・・

 

 

 

 

 

(・・・いたいた)

 

そして格納庫の隅でISを調整している簪を見つけた。

 

「ここにいたのか・・・簪」

 

 

 

「・・・隼人・・?」

 

そして簪はゆっくりと後ろを向いて隼人を見る。

 

「どうしたの・・?」

 

「そりゃココに来るって事はISの微調整さ」

 

「・・そう」

 

すると簪の表情が曇る。

 

(やべ・・・専用機があって、それを見せびらかしているようになっている・・・)

 

隼人は内心で慌てる。

 

「・・・・隣でやるけど・・・別にいいか?」

 

「・・う、うん」

 

そして隼人は簪の隣でバンシィを単独展開させて立たせた。

 

「さてと・・・」

 

そして隼人は投影型モニターとキーボードを出し、調整に入る。

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

簪はちらっと何度も隼人のほうを見ていた。

 

 

「うーん・・・アームド・アーマーBSのセンサーに少しずれがあるか・・・修正と少しばかり出力調整を・・。それにバンシィの反応速度に若干遅れがあるな・・・少し感度を上げるか」

 

そして隼人はキーボードを操作して調整を施していく。

 

(・・・・凄い・・・あんなにスラスラとできるなんて・・・)

 

簪はそれを見て息を呑む。

 

「・・・・まぁ、こんなところかな・・」

 

と、隼人はモニターとキーボードを収納した。

 

「・・・どうした?」

 

そして隼人は後ろを向いて簪を見た。

 

「な、なんでもない・・・」

 

そして簪は慌てて自分のISの方を向いて作業をする。

 

「・・・・・・」

 

隼人はバンシィをそのままにしておいて、簪に近寄った。

 

「・・大きなお世話かもしれないが、何か手伝うことはないか?」

 

「・・・・・・・」

 

すると簪の手が止まる。

 

「・・・無い・・ようだな・・・」

 

そして隼人はバンシィの方に向かうが・・・・

 

 

 

 

「待って・・・」

 

すると簪が呼び止めた。

 

「・・・手伝って」

 

「そうか・・・分かった」

 

そして隼人は簪のほうに行き、簪の隣に立った。

 

「・・・そういえばIS自体は完成しているのか?」

 

「・・・外見は・・・。でも、中身が完成していない・・・」

 

「そうか・・・言わば抜け殻って所か」

 

「・・・・・」

 

「それで、何を見ればいいんだ?」

 

「・・・ここ」

 

簪が投影型モニターに表示されたISの図面のあるところを指す。

 

「ISの回路の部分?・・・・俺がやっていいのか?」

 

「・・・私は・・・・もっと大事なところを・・・やっているから」

 

「そうか・・」

 

そして隼人はモニターをこちらに寄せて、回路を見ていく。

 

「・・・・・・・・」

 

そして回路を見ていくと・・・・

 

 

 

 

「・・・ん?」

 

そして隼人は何かに気付いた

 

「・・なぁ簪」

 

「なに?」

 

「・・ここの回路・・・配列パターンが違うぞ」

 

「え・・?」

 

簪は回路を見て「あっ」と声を漏らす。

 

「ここの回路はこっちで、この回路はここなはず」

 

「・・・・・」

 

「それに、ここの配列はずれているよ」

 

「・・・本当だ・・・」

 

「・・・ここを直せば稼動まではなるんじゃないか?」

 

「・・・・そうかも・・しれない・・」

 

「なら、やっておくよ」

 

そして隼人は回路の修正作業に入った・・・・・

 

 

 

「・・・・・」

 

「どうした?」

 

「・・・詳しいんだね・・・・・私より」

 

「そうか?」

 

「う、うん・・」

 

「俺は・・・ただ教科書に載っていることを言っているだけさ。応用とか、深いところになると難しいんだ」

 

「・・・羨ましい」

 

「え・・?」

 

「・・・隼人も・・・凄い・・・あの人のように・・」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・私なんか・・・・隼人や・・あの人の足元にすら・・・・・及ばない」

 

「・・・なぜそう思う」

 

「・・・あの人は・・・私と違って・・・一人で専用機を作り上げた・・・」

 

「・・・・・」

 

「私がやっても・・・・できない・・・」

 

「・・・それは違うよ・・簪」

 

「え・・?」

 

「・・・・・楯無さん・・・一人でISを完成させたわけじゃないんだ」

 

「・・え・・・・!?」

 

簪は唖然とした。

 

「楯無さんは色んな人たちからの助けを受けてISを完成させたんだ」

 

「そ、そんな・・・だって・・・」

 

「たぶんそれはデマだろうな。生徒会長と言う事で、誰かが大げさに言ったんだろう」

 

「・・・・・・・」

 

「人間誰しも完全無欠じゃないんだ。一人で何でもできるやつなんか居ない」

 

「・・・・・・」

 

「だからこそ、人は助け合うんだ」

 

 

「・・・・隼人・・」

 

「・・・だから、俺は君に協力する。君が必要と思っていなくても」

 

「・・・・・・」

 

「・・・無責任なことかもしれない・・・だけど・・・・楯無さんを避けないで欲しい」

 

「・・・・・・」

 

「・・・楯無さんだって・・・・君を大切な妹として思っているんだ・・・」

 

「・・・だからって・・・あんなひどいことを・・・言えるの・・・・・」

 

「そうじゃない・・・楯無さんはただ不器用なだけなんだよ・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「本当の思いを簡単に伝えることができない・・・だから遠回し的に言ってしまう」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・結果的にどう思うのかは・・・君次第だけどな」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

そうして二人はそのまま話すことなく、作業に没頭する・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・はぁ」

 

そして隼人は寮のロビーにあるイスに座って、ため息をつく。

 

(・・・・俺は無力だ・・・あの二人に・・・何もしてあげられないのか・・・)

 

と、そのまま頭を下げる・・・・・

 

 

 

 

 

「・・・・?」

 

すると、頭にタオルが被せられた。

 

冷たい水で湿らされているため、ひんやりして気持ちがよかった。

 

「・・はいこれ」

 

そして隼人が顔を上げると、スポーツドリンクが入ったペットボトルを差し出された。

 

「・・喉・・渇いているでしょ?」

 

そこには鈴がいた。

 

「鈴か・・・。すまないな」

 

そして隼人はタオルを首に掛けてから鈴からペットボトルを受け取ると、蓋を開けて飲む。

 

「・・・悩んでいるね」

 

「・・まぁな」

 

そして鈴は隼人の隣に座る。

 

「珍しいよね・・・隼人がそんなに悩むなんて」

 

「俺だって人間だ・・・悩み一つか二つ持っている」

 

「・・そうだよね」

 

と、鈴は苦笑いする。

 

「隼人が悩む姿なんて、初めて見たからね」

 

「・・そうか」

 

「・・・・・」

 

 

 

「・・・・なぁ、鈴」

 

「なに?」

 

「・・・・深い隔たりができた姉妹を仲直りさせるのって・・・難しいよな」

 

「え・・?」

 

鈴はいきなり重い事を言われて唖然とした。

 

「・・・いきなり過ぎたな・・・いや、鈴には分からないよな」

 

「・・そ、そりゃ・・・あたし一人っ子だし」

 

「・・・だよな・・・すまない」

 

「・・・なんか凄く重い内容なんだけど・・・どうしたの?」

 

「いや・・・気にしなくていいんだ・・・。俺に頼まれたことだからな」

 

「・・・・・・・」

 

そして隼人はスポーツドリンクを一口飲む。

 

「・・・・あ、あのさ・・・別に姉妹が居るんじゃないの?」

 

「・・・確かに居るな・・・似たような境遇の姉妹が」

 

「・・・・・・」

 

「・・でも、聞かないさ。傷つけたくないからな」

 

「・・・傷つける?」

 

「・・・さてと・・・スポーツドリンクありがとうな」

 

そして隼人はイスから立ち上がる。

 

「あ、う、うん・・・。お礼なんか別にいいのに」

 

「俺は言うけどな・・・。必要がなくても」

 

そして部屋のほうに向かっていく・・・・

 

 

 

 

「・・・・隼人」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・」

 

そしてため息をついて部屋に入る。

 

「おかえり隼人君」

 

そして楯無が出迎えた。

 

「今日は遅かったのね」

 

「まぁ一夏の訓練に付き合ったりしましたからね」

 

「そう・・・」

 

「・・・それと・・・簪と話していました」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・恐らくですが・・・それなりの手ごたえはあったと思います」

 

「・・そう」

 

「後は・・・楯無さんにお任せします。ここからは楯無さん次第です」

 

「ありがとうね・・・隼人君。苦労を掛けて」

 

「別にいいんですよ」

 

そうして少しばかり雰囲気が和んだ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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