そこは暗闇だった。
そこには1つの気配しかなかった。
「ふふふ…また、新たな外史が開くか…」
その気配は心底楽しそうに呟いた。
「報告致します。新たな外史に北郷一刀が転生しました。」
暗闇の中に新たな気配が突如現れた。
「そうか…今回は転生したか…
して、誰に転生したのだ?」
最初の気配は新しい玩具が増えたとばかりに喜んだ。
「それが…」
新たな気配は躊躇いながらも教えた。
「そのような人物は正史にいたか?我が記憶が確かならば存在しないはずの人間だぞ?」
「はい。確かに正史にはいませんが、恐らくは外史の影響が濃く出ている影響かと…」
2つの気配は怪訝な反応を示しつつも、新たに開かれた外史に興味を持っていた。
「ふふふ…面白い。この先がどうなるのか楽しみだ。」
そう言い残して、暗闇から気配が消えた。
消えた気配とは別の気配が暗闇の中に現れた。
消えた気配が闇だとしたら、新たに現れた気配は光。
「この外史は絶対に守らんといかんなぁ~…」
新たな気配は拳を握り締めながら誰に言うでもなくそう呟いた。
「新しい人生や♪
幸せになりぃ…カズピー」
新たな気配はそう言い残して暗闇から消えた。
そこは言い表すなら光の世界だった。
俺こと、北郷一刀はなぜこんな場所にいるのかわからなかった。
イヤ!マジで!!
「俺…死んだのか?」
「正解やで、カズピー♪」
急に声がしたので振り向くとそこには悪友が立っていた。
「及川?お前も死んだのか?
いや、お前が死ぬのはわかるとして…なんで俺まで?」
「相変わらずカズピーは冷たいわ~
まぁ、わいは死んでへんけど、カズピーは連続殺人犯に運悪く出くわして御陀仏や」
及川が言うには週末の放課後、何時もどうり部活を終わらせて浅草にある実家に
向かっていたら、最近東京で事件になっている連続殺人犯に襲われそうになっている
後輩の女生徒を庇って殺人犯を気絶させたものの多量出血で失血死したそうだ。
丁度そこに近所のおばさんが通りがかって犯人は捕まったものの、俺はギリギリOUT!
だったそうだ。
「爺ちゃん、婆ちゃん、父さん、母さん、先立つ不幸をお許しください。」
俺は冗談めかしてヨヨヨと崩れるように言うと、
「なぁ…カズピー……転生できるっちゅうたら…どないする?」
及川がいつもとは違う真剣な表情で聞いてきた。
「転生?」
「せや!今の記憶・知識・力を引き継いで2度目の人生を歩むんや!」
「そりゃぁ…出来るなら…歩みたいけど…」
俺は素直に及川に指し示された選択肢を選んだ。
「なら…[全てを引き継いで新たな人生を選ぶ]
そう言えば2度目の人生の始まりや。」
及川に教えられた通りに俺は叫ぶ。
いや…叫ばなければならない。そんな気がした。
「俺!!…北郷一刀は!!全てを引き継いで、新たな人生を選ぶ!!!
この選択に悔いは無い!!!」
そう叫んだ後目の前が真っ白になっていった。
及川が何か叫んでいたが、一言だけしか聞き取れなかった。
「またな…親友」
最後に見たのは笑顔だった。
ボロボロ泣きながら笑っている及川の…
2度目の人生…
それがどんな道になるかは俺にはわからない…
けど…道を教えてくれた及川のためにも…
後悔だけは絶対にしない!!
真・恋姫†無双 ~月の守護者~
始まります!!
後書のようなもの
皆様、初めまして。
紫蒼の慧悟と申します。
長いと思われた方は「しっけい」とでも読んでくださいww
一応この作品は月ルートになりますが、作者はリアルでいろいろあるため
更新が途切れがちです。
まあ…生きてはいると思いますので、気長にお待ち頂ければ幸いです。
短いですが今回はこれで失礼します。
御意見、御感想、待っております。
あ、誹謗中傷はご勘弁下さい(汗
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恋姫のSSです。
処女作ですので、至らぬ点が多々有りますが
生暖かい目で見守っていて下さると幸いです。