「ハニィーっ!」
「うおっ!? いきなり飛びつくな。危ないだろ」
「えへへっ。ねぇハニー、ミキ今日ねお仕事頑張ったんだよ? ハニーのために一生懸命頑張ったの!」
「まぁ、頑張るのは普通だが美希にしてはよく頑張ったな」
「えへ~♪」
ミキの頭を撫で撫でと優しく撫でてくれる。
見た目はおじさんだけど、とても大好きな人なの。まぁ、初めは結構テキトーに扱っていたんだけどね。
いつからなのかな? この人のことが大好きになったのは。
ミキだけのハニー。そんな風に思うようになったのは……
だって、初めはハニーのことを『そこのおじさん』って呼んでたんだよ? それが今はハニー。
えへへ……凄くおかしいの。あの頃のミキには考えられない呼び方だって思うな。
我儘でやる気のないゆとり……律子、さんはそんな風にミキのことを言ってたかな。
うん、正直ミキもあの頃はアイドル活動なんてあまりやる気なかったの。だってテキトーにしても問題なかったし。
だからダラダラとしながらアイドル活動をしてたの。
そんなミキを見てハニーは色々と文句を言ってたよね。それでも怒ったりはしなかったけど。
なんていうのかな。子供を諭すような……そんな風に接してくれてたの。根気強く接してくれてたの。
まぁ、それでもハニーへの呼び方は『おじさん』だったんだけどね、あはっ♪
そんな日々が続いてたら、普通ならミキの担当を外れたい。そんな風に思っちゃうよね。
でもハニーはずっとミキの側に居てくれたの。
あの時は若いミキの近くに居たいのかな、なんて思ってたんだけどね。だけど、それは違ったんだよね。
ハニーはミキのことを一番に考えてくれてたの。ミキがアイドルとして成功出来るように頑張ってくれてたの。
それを知ってからかな。ミキがハニーのことをハニーって呼ぶようになったのは。
夜、遅くまでミキのために一生懸命働いてる姿。そんな姿を何日も見てたらハニーって呼びたくなっちゃうの。
ミキの大事な大事なハニー。見た目はおじさんだけど、凄く温かい人。
だからね、愛情を込めて何度でも呼びかけるの。『ハニー』って。
「ねぇ、ハニー。ミキ、お腹空いたの。何か奢って欲しいなって思うな♪」
「――はいはい。奢ってやるから、抱きつくのは止めろ」
「嫌なの。ミキはハニーから絶対に離れないの!」
グリグリと頭をハニーの身体に擦りつける。
これでハニーの身体にはミキの匂いがたくさんつくの。あはっ♪ ハニーの身体に他の女の匂いなんて残させないの。
「離れないと飯を奢らないぞ」
「それも嫌なの! ハニーにご飯を奢ってもらって、抱きついているの!」
ライバルが多いからね。ハニーは凄くおじさんだけど、皆から好かれてるの。
まぁ、ミキが惚れちゃうような人だもんね。皆に好かれるのも分かっちゃうの。
だけど……だからといって、ハニーを誰かに渡そうだなんて思わないよ。ハニーはミキのモノなんだから。
「あまり我儘をだな……」
「我儘でも何でもいいの! ハニーはミキのハニーなんだから」
躊躇なんてしてたら、誰かにハニーを取られちゃうの。
だからミキはどんどん攻めちゃうの。待っているだけじゃハニーは手に入らないからね。
我儘――確かにそう見えちゃうけど、ハニーならミキの我儘を許してくれるよね?
だって、昔のミキの我儘を許してくれてたハニーなんだもん。女の子の恋する我儘を許してくれないわけがないの。
ねぇ知ってる? 女の子は恋をしたらキラキラと輝けるんだよ?
ハニーに恋してるミキはキラキラと輝いてステージの上に立つの。そしてステージの上でもっとキラキラしちゃうの。
キラキラと輝いてトップアイドルになったら、その時は覚悟しててね?
ぜーたいにハニーをミキだけのハニーにしてあげるんだからね。
ハニーはプロデューサーだからミキに手を出せないんだよね? でもミキがトップアイドルになったら我慢しなくていいんでしょ?
ミキが十六歳になったら遠慮しなくていいんだよね?
えへへっ、ミキの本気甘くみないで欲しいの。ミキは絶対にハニーのお嫁さんになるの!
これは決定事項なの。他の誰にも譲らないんだからね。
ね、ハニィー♪
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へい、今回は美希ですよっと。
モテモテなおっさんで羨ましい限りだよ。