リアルタイム感想文 DokiDokiからくりサーカス その1
鳴海のいる日々〜黒賀村の春〜黒賀村の夏 編
◆ご挨拶◆(感想を毎週更新していた当時のものです)
藤田先生の前作「うしおととら」は良くも悪くも少年漫画でした。
壮大なスケールで描かれるドラマチックな展開は見事でしたが、
いつもいつも戦ってばかりで、少年の心を失いかけている私には正直ウンザリでした。
しかし、からくりサーカスは違います。
1~3卷におよぶプロローグ『勝』編は、衝撃的な結末を除けば比較的普通の少年漫画でしたが、
続いて始まった、一見すると後日談的なエピソードに見える『サーカス』編で、私の心は惹きつけられました。
もちろんサーカス編でも(藤田先生の間が持たないのか)激しいアクションは用意されているのですが、
そこにはうしとらにはない日常が描かれていました。
鳴海を失った悲しみをいつまでも引きずりながら、それでも精一杯生ていこうとする勝君としろがねがたまらなく愛おしく、
本来は凶悪な破壊兵器でありながら平和利用されるマリオネットあるるかんがたまらなく愛らしく描かれているのです。
もちろん勝君にラブラブモード全開のリーゼロッテさんも見逃せません(^^)
個人的には『からくり』編が始まらなくても最後までつき合うつもりでした(笑)
そしてコミックを買うことになったのは『サーカス編最終章』がきっかけです。
謎が謎を呼ぶ展開に、立ち読みだけでは付いていけず、いつでも読み返せるように全巻購入しました。
今ではサンデーを毎週購入して読み返さずにはいられないほどハマっています。
はたしてこれからどんな展開が待ち受けるのか、そして何巻まで続くのか(笑)。
勿論何年続こうが、私は最後までつき合うつもりです。
これ程面白い漫画をリアルタイムで読み続けられるチャンスなんて、滅多にありませんからね(^^)
※中途半端なところからスタートして申し訳ありません。ガチのリアルタイム感想なのです。
■本編~鳴海がいる日々 第9幕 そして彼女は刃にキスをする
■掲載>2003年週間少年サンデー4・5号(03年最後の号)
フランシーヌ人形が生命の水に溶けたことを語りながら、フランシーヌの髪も溶けていたことは語らない。
エレオノールの母親がアンジェリーナ…つまり、祖母がルシールであることは知らせない。
ギイが事件に関係していることを教えながら、ギイの居場所は教えない。
フウは明らかに、鳴海がエレオノールに殺意を抱かせるよう偏った情報を与えています。目的は勿論、ドラマチックな展開を観客として楽しむため以外に考えられません。記憶を取り戻し、全てを知った鳴海のショックと葛藤を見たくてたまらないのです。悪質ですねえ。フウさんからは巨悪の臭いがプンプンしております。
「だからといってあたしは、フェイスレスにはなれなかったがね。」
というフウの言葉は、私には「せっかくの才能をたった一人の娘の愛を得るために使うなんて、フェイスレスはなんて馬鹿なんだろう。あたしだったらもっと賢く使うね。例えば世界制服とかさ。」…と言っているようにしか思えないのですが。
はたして?
■本編~鳴海がいる日々 第10幕 一時閉幕
■掲載>2004年週間少年サンデー6号(04年最初の号)
強盗にバスジャックされるは、鳴海の空白を埋めるエピソードが始まるはで、一体どこが『鳴海がいる日々』なのかさっぱり分かりませんでしたが、最後の最後でようやく見せてくれました。これです! これが見たかったのです! この緊張感溢れる仲町サーカスの日常が! 仲町サーカスの面々と鳴海がどのようなつき合い方をしているか、どのようにつき合っていこうとしているかが分かって嬉しかったです。一番知りたかったことですから。
本エピソードでの注目株はなんといいましてもノリさんです。他のキャラの鳴海への対応は予測の範囲内でしたが、ノリさんは明らかに変化が見られます。これまでヒロさんと似たり寄ったりだったのに、表情がまったく違います。しろがねを無碍に扱う鳴海に男集を代表してブチ切れ、涼子の涙をきっかけに鳴海の本性を見定めようと行動する……。鳴海という不安材料が加わったことで、「アニキ」としての自覚と責任感が彼を男(さすがに漢とまでは言えない)にしたのかもしれません。
思えば鳴海には友がいません。ギイさんを友と呼んでよいものか難しいところですし、友になれたはずのしろがね達はみんな死んでしまいました。もしかするとノリさんは鳴海にとって初めて友と呼べる人物なのかもっしれません。…な~んて期待を持たせてくれる後読感の良さが、なんとも心地よかったです。
■本編~黒賀村の春 開幕ベル
■掲載>2004年週間少年サンデー7号
戦いに勝利するところから始まるくだりや、すでに何回かゲェム行われていたとこなんかは、予想通りというか…期待通りだったのですが、トビラ絵にしてやられました。なんと今回はれんげ姉との絡みっすか~~~!!! 実はれんげ姉のトロ~ンとした目つきが大好きでしてねえ(^^) しかしそうなりますと、当然菊姉との絡みもエピソードとしてあるわけでして……。
はっ!! 待てよ? 菊姉15歳。れんげ姉14歳。百合姉13歳。……そっそういうことだったのか!!
中学生の美少女3姉妹という設定に、物語上のどんな必然があるのか計りかねていたのですが、やっとわかりました。全てはリーゼさんエピソードの布石に違いありません。勝君が阿紫花3姉妹とイイ関係になったところをリーゼさんが目撃して、大変なことになってしまうんですよ(笑)
年上のおばさんやしろがね(エレオノール)が勝君の世話をする分は問題ないでしょう。しかし、リーゼさんと同世代…それも1歳年下の百合さんに世話される勝君を見てしまったら……一体リーゼさんはどうなってしまうんでしょうね。嫉妬に狂って壊れてしまう(笑)のか、失恋したと思ってアメリカへ帰ってしまうのか……。そもそも勝君はリーゼさんのことをどう思ってるんでしょう。なんだか一波乱も二波乱もありそうな嬉しい予感がしますが、どんなに早くてもその展開は半年くらい先でしょうねえ(笑)
それにしてもれんげ姉の彼氏、あんましイケてないですねえ。まあ、イケててもシャクですが(^^;
■本編~黒賀村の春 第2幕 花畑
■掲載>2004年週間少年サンデー8号
独りぼっちの辛さ、寂しさを誰よりも知っている勝君が死に物狂いになってれんげの花畑を捜すのは分かるのですが、結果的にれんげ姉が『この春、大学に入ったカレ』と別れることになったらどう責任を取るつもりなんでしょうか。まあ、責任取られてもれんげ姉が困るでしょうが(笑)
考えてみれば……「うしおととら」のうしお君には最初から幼なじみのカノジョがおりましたが、勝君って完全にフリーなんですよね。まあ、小学生のうちはそれでもオッケーなんですが、春機発動期(笑)に突入してしまうとそうも言ってられませんよねえ。フェイスレス指令とのゲェムに2年間つき合うということは、少なくとも中学生になった勝君も描かれるわけですから。
・「あんた、れんげ姉にキョーミあるの?」>そうでは無さそうだと感じてホッとする百合姉がなんとも(^^;
・今回になって気付いたのですが、百合姉って着物が普段着なんですね。しかも先週、29卷の表紙、30卷と全部柄が違います。帰国子女扱いのリーゼさんと対極をなす、正に大和撫子な少女ですね。流石はリーゼさんの恋敵(?)です。
・「「女」のためだな」>流石はギイさん。そう言うことにはもの凄く敏感です。勝君がどう考えようと、周囲の人達にはそういう風にしか受け取れませんしねえ。それにしても生殖なんて難しい言葉、普通の小学生には分かりませんよねえ(笑)
・れんげ姉小学生>その帽子は…………もしかしてタイガースファン?(^^;
おまけ 今週の「かってに改蔵」
「まあ、サンデー読者の8割にとっては、たしかに常識かもしれませんが…」とか、
「君は、宇宙戦士バルディオスを知っているかい?」など、刺激的な発言が飛び交いましたが、何よりも
「晴海も知らない小娘が、大きな口をたたくな!!」に、してやられました(笑)
幕張デビューの私はまだまだ青二才なんですねえ。
■本編~黒賀村の春 第3幕 明神様の洞
■掲載>2004年週間少年サンデー9号
げえぇぇぇ!!! ま、ま、まさか、あの人形は………
操り人形アンラッキー!?(笑)
まさか本当に漫画に出すとは…あんたぁ凄いよ藤田先生。おまけにアンバランスな足の太さまで再現するなんてねえ(^^; するともしかして、必殺技「血の歌」も来週お披露目なんでしょうか? ますます目が離せない黒賀村編です(笑)
注)「アンラッキー」の事を知りたい人は、からくりサーカス第19巻の巻末おまけを見てね?・
おまけ 今週の「かってに改蔵」
「アフロディアはめがね萌えの原点なのです。」
ガ~~~~ン!! 言われてみれば確かに!! 迂闊だった~。やっぱり私は幕張デビューの青二才なのかぁ!!
■本編~黒賀村の春 第4幕 アンラッキー
■掲載>2004年週間少年サンデー10号
う~ん、とってもアンラッキー(笑)。1週遅れでアンラッキーの事を紹介してくれるところがなんとも心憎いですね。ところで、デザインは3年近く前のものですが、そのコスチュームからガッシュ・ベルを連想するのは私だけ?(^^;
足のカッターが変形してローラーダッシュとはこれまた心憎い。ボトムズ好きにはたまりません(笑)。そんなギミックが内蔵されていたから左足が異様に太かったとは、上手い解釈です。そしてまたまたリーゼさんが知ったら卒倒しそうな展開が(笑)
・「自分で選んだコトやってる時って、思ったよりしんどくないんだよね。」>そんなコメントが出てしまうと気になってしまいますね。れんげ姉が東京へ家出してしまうことが本意なのかどうか。黒賀村を出たい理由は「だぁれも見つけてくれないから」。ということは「見つけてくれる」人がいれば、焦る必要もないわけで…。東京への家出も、反抗期からくる阿紫花夫妻への反発と、押しの強いカレシの誘いを断り切れなかっただけかもしれません。家出がれんげ姉の「自分で選んだコト」なら、勝君にだって止めることは出来ないのですから。このエピソードの最後にれんげ姉が「自分で選ぶコト」とはなんなのでしょう。
最後の最後でマリオネットであることが明らかになるアンラッキー。手加減を知らないという人形使い正体とは? 崖下の勝君に襲いかかるアンラッキーの操り糸の長さは? そしてれんげ姉と勝君の関係はどこまで進展してしまうのか(笑) などと気を持たせつつ、次回へと続くわけですね。
■本編~黒賀村の春 第5幕 れんげの花畑
■掲載>2004年週間少年サンデー11号
う~ん。どうにもれんげ姉がマジョポン(おジャ魔女どれみ)に見えてしょうがないのですが(^^;
・「黒賀の人形使いだったけど、都会で会社員になっと父さんと…」>う~む。となりますと、れんげ姉の両親が、本当に交通事故死だったのか分かりませんね。貞義との戦いの中で命を落としたのかもしれませんし、何か人には言えない使命を帯びていたのかも。まあ、お母さんはその戦いに巻き込まれたのかもしれませんが。
・キャプテンネモの剣の一撃を食らっても壊れないアンラッキー>ジャックオーランターンの高周波ブレードには及ばないまでも、剣を武器にしている以上はそれなりの攻撃力があるはずなのに、まったく壊れないアンラッキーちゃん。アンラッキーちゃんがそれだけ頑丈なのでしょうか。それとも修行なので、キャプテンネモの装備を攻撃力の低い剣に変更しているのでしょうか。
・「ぼくは、僕の近くで泣いているヒトを、もう見たくない。」>色恋沙汰には奥手というか、まだ興味が無いのに、こういうことには無茶苦茶強引な勝ちん。んでもって、押しの強い男に弱そうなれんげ姉。まあそれはともかくとしまして、読者サービスは分かりますが、早くれんげ姉にズボンを履かせてあげてください藤田先生(笑)。
■本編~黒賀村の春 第6幕 最後の試練
■掲載>2004年週間少年サンデー12号
アクセス解析によりますと、「れんげ」で検索して当サイトにアクセスする訪問者が急増中です。きっとれんげ姉のおぱんつにメロメロになったに違いありません(笑) 今回のエピソードは、藤田先生にしては珍しく正統派ラブコメ少年漫画してますしね(^^;
・ついにアンラッキーちゃんのジェットストリームアタック(笑)を破った勝ちん。そうか、長老会の爺ちゃん達は黒い三連星だったのネ。
・「ワシらの村でも、伝説になってる人形使い…」>ということは「女子(おなご)に手が早い」のも黒賀村では伝説なのかギイさん(^^; まあ、ちょっかい出されたご婦人方も、すでにおばあちゃんでしょうけど。
・「まったく、アンラッキーめ! あたしのズボン、どうしてくれんのよ~~」>わざとか? わざとなのか長老会の爺ちゃん達(^^;
・「キャプテン・ネモ、水上ライブ!」>なにぃ!? 水陸両用だとぉ~!? 以前から何故3体だったのか疑問だったのですが、勝ちんのマリオネットのコンセプトはゲッターロボだったんですね。空を飛ぶジャック・オー・ランターン。水上戦(さすがに水中戦は無理?)が可能なキャプテン・ネモ。すると地上戦に特化されたと思われるゴイエレメスにも、何か特殊機能があるんでしょうか。大雪山下ろしとか?(^^;
~ 幕間 ~ からくりサーカス第31卷
久々に表紙に3人の顏が揃いました。白銀、白金、フランシーヌの3人がそろった第15卷を除けば第2巻以来です。長かったですね。立場はすっかり変わってしまいましたが。でも、物語はようやく『本編』が始まったばかり。白面の者を倒すことが最終目標で、比較的早い段階で明かされた『うしおととら』と違い、『からくりサーカス』がどこへ向かおうとしているかは未だ明らかではありません。勝君が2年間エレオノールを守りきったところで、ゾナハ病の蔓延を止めることは出来ませんし、鳴海がフランシーヌ人形(の記憶を持ったエレオノール)からゾナハ病の止め方を聞き出せても、フェイスレス指令の野望が留まるわけがありません。では、フェイスレス指令率いる『新生真夜中のサーカス』を倒したとして、それが本当に結末となり得るのか? それもまた通過点でしかないように思えます。恐らく、鳴海(白銀)、勝(白金)、エレオノール(フランシーヌ)の3人が絆を取り戻したときこそが、真の結末ではないかと思うのですが……。そこまでにどんな物語が繰り広げられるのか、毎週毎週楽しみでなりません。(^^)
■本編~黒賀村の春 第7幕 明神様
■掲載>2004年週間少年サンデー13号
うっかり書き忘れましたが、先週のサンデーで最も心に残ったのは、目次にある『先生、質問です』における藤田先生のお言葉でした。
質問>二度としたくない! と思った苦労話をひとつ。
藤田先生のお答え>長い漫画に長ーい回想エピソードを人気低迷覚悟で入れるコトよ…。
うううっ…苦労したんスね(T T) でもその回想エピソードのお陰で、私はサンデーを毎週買わずにはいられなくなる程ハマってしまったんですけれどね(^^)
・「あのサカナがきっと「明神様」なんだ」>実は仙人の姿をした本当の明神様が別にいたなんてオチがついたらひっくり返りますが、違う作品になってしまいますね(^^;
・「キャプテン・ネモ、水中ライブ!」>バトロイド形態からガウォーク形態に、そしてファイター形態ですかっ! フェイスレス指令、絶対ロボットアニメの影響を受けてますよ(^^; それにしても、どれほどの科学力があればこれ程のマリオネットを作り出せるんでしょうか? そして動力源は? あるるかんなんかは絶対ゼンマイ仕掛けに違いないと思ってるんですが(笑)、フェイスレス指令が作ったマリオネットなら核融合エンジンかも(笑) でなけりゃゲッター線(^^;
・浮き輪を放出するキャプテンネモ>どう考えても水難救助用…ですよね。フェイスレス指令には不要なものが何故装備されているのでしょう? 勝君として生きるならカムフラージュとして人助けもするだろうと(エレオノールにますます惚れさせるため)想定していたのでしょうか?
■本編~黒賀村の春 第8幕 一時閉幕
■掲載>2004年週間少年サンデー14号
色々忙しくて『先々週のからくりサーカス』となってしまいました。ごめんなさい(^^;
絵的にも話的にも綺麗に終わりましたね。れんげ姉の恥ずかしい格好を除けば(笑) 話自体にはツッコミどころがないので総論を。1人の美少女が勝君に惚れるまでの過程をじっくり描いた…という意味では、リーゼさん話と比較する事が出来ます。何十人もの尊い命が失われなければ読者を惹きつけることが出来なかったリーゼさん話と、誰1人死ぬことなく読者を惹きつけたれんげ姉話を比較すれば、圧倒的に今回のエピソードの方が素晴らしいです。(でもれんげ姉も可愛いけど、一番好きなのはリーゼさん(*^_^*))藤田先生のスキルがいかに高まったかが明快に分かって嬉しくなりました。ホント長年読み続けてきて良かったです。
■本編~黒賀村の夏 開幕ベル
■掲載>2004年週間少年サンデー15号
色々忙しくて『先週のからくりサーカス』となってしまいました。ごめんなさい(^^;
またまた良い意味で裏切ってくださいましたね。てっきり仲町サーカスの話に入るのかと思いきや、続けて黒賀村でしかも『夏』ですか。ということは『黒賀村の秋』『黒賀村の冬』と続く流れは確定でしょうか。
・最初に注目すべきはTシャツです。勝君の『NEWYOWK1997』って渋すぎ(^^; 政府に利用されながらも最後には出し抜くスネークは永遠のアンチヒーローです。百合姉の『RAINBOW STAR GAZER』のれんげ姉の元ネタはよく分かりませんが。平馬の『70's Rock』はネタ切れ…かな? それにしても、百合姉、れんげ姉の共鳴によって発生したラブラブ空間に力ずくで割って入り、男の友情を優先させる平馬君が何ともステキです(^^)
・続けて注目すべきは水着です。それぞれ個性が反映された水着を着てますが、どうしても気になってしまうのが百合姉のスクール水着です(^^;
・ついに菊姉の出番です。『特別クラス』や勝君との因縁がついに明らかになるに違いありません。
・しろがねからのハガキで仲町サーカスが黒賀村に来ることが明らかとなりましたが、実際に来るのは『黒賀村の秋』になるのではないかと予測されます。
・「7ヶ月間にO(オー)7体」、自動人形を8体か……」久々に登場のフェイスレス指令お。なんだか低視聴率に悩む番組プロデューサーのようです(笑) 硬派な熱血バトルよりも軟弱なラブコメ路線に走り、出番が無くなりつつあることに危機感を覚えているのかもしれません。視聴率が低迷する番組のテコ入れ手段としてゲストに『ビートたけし』を招くという方法が実際にあったらしいですが、若手で視聴率は取れないと判断したのか、同じようにベテラン自動人形『シルベストリ』のゲスト出演を決定したフェイスレスプロデューサー。その結果は今週明らかになるんでしょうか?
■本編~黒賀村の夏 第2幕 「進化」の反対
■掲載>2004年週間少年サンデー16号
「進化」の反対とは何とも含みのあるタイトルです。今回のテーマでしょうか? ところで今週、何よりショックだったのが、『からくりサーカス』の掲載されている順番が後ろから2番目だったことです。いつもなら『勝手に改蔵』より前に掲載されてるのに~~~(笑) ヤバいんっスか! いまいちっスか! からくりサーカスの面白さは未成年には伝わらないんっスか!(それとも表紙にある『サンデー維新』とやらに関係あるのかな?)
仲町サーカスは秋に来るのかと思いきやもう来ちゃった(^^; れんげ姉話はじっくり描いたんで、メリハリを付けるために三つ巴に展開させようって事なんでしょうか。ちょっと整理してみますと、
菊姉との交流話>勝君に敵対心丸出しの菊姉が、ツンツンからニコニコになる日が来るのか?
仲町サーカス、黒賀村へ>勝&ギイは鳴海と再会するのかしないのか? また、リーゼさんの出番は増えるのか?(笑)
そしてエレオノールの人形繰りは黒賀村の人々にどう評価されるのか?
そう言えばオリンピアは今どこに? 仲町さんとこ?
ゲェムのテコ入れ>自動人形シルベストリの実力は? そして今度こそゴイエレメスの出番か?
…ってな感じでしょうか。う~む、これだけのエピソードをやるとなると、一時閉幕するまで何週かかるんでしょうね。気が付いたら本当の夏になっていたりして(^^;
今週の一押しキャラ>なんと言っても菊姉のクラスメイトの、三つ編みで細目のおねーさんだぁぁぁぁ!!!(笑) 藤田作品の主要ヒロインは美人揃いなので、こんな地味なおねーさんが逆に眩しく映ってしまうんですよ。8カットも登場しててイイ感じです。あとは名前が知りたいなあ…。
■本編~黒賀村の夏 第3幕 シルベストリ
■掲載>2004年週間少年サンデー17号
シルベストリの強さを描くようにみせかけて、すっかり落ちぶれてしまった『最古の四人』、パンタローネ、アルレッキーノ、コロンビーヌの3人の辛い立場を描くエピソード。鳴海達と戦った『現役』時代よりも戦闘能力が落ちていて、他のオートマータ達より弱いことが最初から分かっているのですから、シルベストリに勝てるわけがありません。それはパンタローネもアルレッキーノも承知の上だったのでしょう。フェイスレス指令もそんな二人の心理に興味があってシルベストリとの戦いを許したんでしょうね。
恐らくは最初に作られた時の戦闘力しか与えられなかったパンタローネとアルレッキーノ。そして戦闘力すらない(?)少女人形のコロンビーヌ。彼等は何を想うのか。戦力外の彼等がこれからの物語にどう関わるのか。興味は尽きませんが、本幕での出番は無さそうですね。コロンビーヌ以外は。
今週の一押し>帽子を落とした乱れ髪のアレッキーノが何ともセクシー。女性ファンが悲鳴を上げそうです(^^)
■本編~黒賀村の夏 第4幕 仲町サーカス 黒賀村に来たる
■掲載>2004年週間少年サンデー18号
ふと思ったのですが、『黒賀村の夏』のテーマは『進化』と『道化』でありましょうか(笑)
勝と会わない鳴海>再会には描くべき事がたくさんあり過ぎる中で勝君と鳴海が再会すると、他の全てが吹っ飛んでしまいますから納得の展開です。サーカスの知識も深まって一石二鳥ですし(笑) ただ、本当に再会しないまま終わるかどうかはまだ分かりません。3つのエピソードを一つにまとめているだけに長くなりそうですし。最低でも20幕以上は続くのではないかと予測しているのですが。
仲町サーカスに大歓迎の黒賀村>ロボット工学の教授くらいしか関心を持たない黒賀村に、初めてサーカスが来たのですから大歓迎ぶりも分かります。仲町サーカスの目玉「あるるかん」は目玉とはなり得ませんが、エレオノールの人形繰りのテクニックに注目が集まる可能性はかなり高いです。以前百合姉が言っていた、黒賀の伝統「人形舞いの芸」(29卷139ページ)が夏祭りで披露されるとすれば、ゲスト参加することになるかもしれません。
黒賀村の夏。再会。そして…>百合姉をあおるれんげ姉、れんげ姉の発言につい反応してしまう百合姉。次回はいよいよ阿紫花3姉妹とリーゼさんの直接対決か? 黒賀村に血の雨が降る?(笑) ところで平馬は?(^^;
無関心の菊姉ですが、興味がないのに何故仲町サーカスを見に来たかというと、「くっだらない」と捨て台詞を吐きたかったからに他なりません。つまり負け惜しみ(笑)です。勝君に負けたくないという闘争心がそうさせるのでしょうが、捨て台詞を吐く時点ですでに負けなんですよね。彼女はこのエピソードでどのように変わっていくのでしょう。
■本編~黒賀村の夏 第5幕 肝だめし大会
■掲載>2004年週間少年サンデー19号
毎度毎度密度の濃い「からくりサーカス」ですが、今回も見どころがいっぱいです。おまけに今週のトビラは間違い探しになっております(^^; どこが間違っているか、毎週欠かさず読んでるファンなら一目でわかりますネ。
分からない人のために、答えはこちら>『鳴海と四国へ行ったはずの怒鳴りんジイがいる』
10日ほど出かけるギイさん>このタイミングでギイさんが出かけるのは、フウの策略に違いありません。ギイさんとエレオノールが接触して情報交換をしてしまうと、フウの仕掛けた心理ゲェムが台無しになってしまいます。仲町サーカスが黒賀村に向かうのは事前に分かっていたので、同じ期間に「情報を直接渡したいのでイギリスに来て欲しい」とギイさんを呼びつけたのでしょう。だけど、ホントに10日ほどで帰って来られるのかな?
ギイさんの頬の傷>『黒賀村の春』で消えたギイさんの頬の傷が、駄菓子屋で売り子をしている時には再び出て、今回またまた消えています。当初は単なる書き忘れかと思っていたのですが、もしかすると女性が側にいると気持ちが高揚して傷が浮き出るのかもしれません(^^;
仲町の面々に気を利かせるしろがね>エレオノールは先週メインだったせいか今回ほとんどセリフがありません。
リーゼさんに気を利かせるヴィルマ>リーゼさんが消極的なのは、勝君に相応しい女性になるべく大和撫子を目指しているのと、積極的にアピールすると勝君が固まってしまうからなんですが、ヴィルマさんにしてみれば焦れったいんでしょうね。それ以降誰も邪魔をしない所から察するに、仲町サーカスにおいてリーゼさんと勝君の交際は全員に認められているようです。勝君に自覚があるかどうかは別ですが(^^;
勝君と同じ目線で話すリーゼさん>涼子ちゃんを含めて全員勝君を上から見下ろしているのに、ただ1人、リーゼさんだけが勝君と同じ目線で会話をします(7ページ目の最後のコマ)。たった一コマですが、リーゼさんのゾッコンぶりがよく分かりますネ。
動揺する阿紫花姉妹>リーゼさんの動揺を予測&期待していたのですが、実際に動揺したのは百合姉とれんげ姉でした。これはこれでステキな展開です。流石は藤田先生。いつも良い意味で期待を裏切ってくださいます(^^)
黒賀村を目指すシルベストリ>むう、『新生真夜中のサーカス』はいつの間にやら海外へと拠点を移動していたのですね。それにしても『笑い方』を研究するはずが、人間の中に潜んでいる間に哲学者になってしまうとは。
「日本まではもう少しかかりますぜ」>永遠を生きるオートマーターの「もう少し」ってどれくらいなんでしょう。10幕くらいは先かな?(^^;
「あっ、6時半だ。」約束があったとはいえ、あっさり帰ろうとする、つれない勝君。それじゃあリーゼさんが可哀想ですよ。まあ、その直後に嬉しい展開があるんですけど(^^)
勝君を押し倒す?(*^_^*)リーゼさん>阿紫花姉妹の突き刺すような視線に硬直してしまう勝君(笑) 思えばこの瞬間を描くために黒賀村編はあったのかもしれません(^^; 阿紫花姉弟に焦りながら言い訳してる勝君に対して、天使の微笑みで挨拶するリーゼさん。久々に(仕方なく)勝君に抱きつくことが出来て幸せいっぱいですし、なんといいましても仲町メンバー全員の公認ですから余裕です。
肝試し大会>おおっ、フェイスレス指令に手足の関節をはずされた青年団団長の加納大輝さんが進行役?で復活です。青年団あげての肝試しとなりますと、マリオネットを使った大がかりなものになりそうな予感。もしやアンラッキーちゃんの再登場もあり?
脂汗を流すほど動揺する平馬(笑)>まさか平馬君にこのような展開が用意されようとは! それにしても硬派な平馬君が何故リーゼさんに? …………はっ! さては! いつも猛獣みたいに野蛮だから、猛獣使いであるリーゼさんの魔眼(チャームアイズ)の虜になりそうで、焦っているのかもしれませんねっ(笑) 本筋はあくまで菊姉話なんでしょうけど、こっちはこっちで気になる展開です。
今週の服装チェック>れんげ姉のバンダナには『アメージングストーリー』。平馬君のシャツの背中に書かれてあるのは…『ダイハード』かな? 菊姉のシャツの胸のマークはもしかして『獣の槍』?
ところで… からくりサーカスの次のページだったので、今日になって初めて『ザ・プレゼント』の存在に気が付きました。目的は懸賞ではなくアンケートです。『週間少年サンデーの中で一番面白かった記事、漫画をひとつ選んで、番号で記入してください』。勿論『からくりサーカス』に決まってます。藤田先生の後方支援のためにはアンケートに答えねばなりますまい。応募締め切りを見ると17号のアンケートが本日締め切りでしたので、今週号含め、早速記入してハガキを出しました。これからも毎週出すことにします(^^)
■本編~黒賀村の夏 第6幕 肝だめしと菊と勝
■掲載>2004年週間少年サンデー20号
すでに21号が発売されているんですが、感想を書かないと読むわけにも行かないので、慌てて書いてるところです(^^;
密度が濃すぎた先週に代わり、菊姉と勝君との交流をじっくり描れてます。良い話なんですが、テーマ優先なのでツッコミどころが少なく(笑)、書くことがあまりありません。
今週のリーゼさん>猫目になって恐怖するリーゼさん。初めて見せる表情です。百合姉とキャラがかぶらないようするためだと思われます。3カットしか描かれてないのがちょっち不満ですが、きっと来週号(これを書いている時点ですでに発売されてますが)にはいっぱい登場するに違いないと信じましょう。
目が離せない平馬君>青年団の怪談話に恐怖する子供達の中、リーゼさんから目が離せない平馬君。その真意は次週明らかになる? 第7幕タイトルは『肝試しとリーゼと平馬』…かな?
『懐中電灯』>確かにあれば便利ですが、頼りすぎるのも考え物です。突然役に立たなくなってしまうことだって人生では多々ありますからね。勝君にとっては『懐中電灯』が壊れた状態がずっと続いているわけですし。
「これで勝ったなんて思わないでね!!」>と敗北宣言してしまう菊姉(^^; 賢いが故に勝君の発言の真意を即座に理解できてしまうんですねえ。
■本編~黒賀村の夏 第7幕 夏祭りの前
■掲載>2004年週間少年サンデー21号
リーゼさんに手なずけられる平馬君(笑)>あの乱暴者が恋の奴隷に? 流石は猛獣使いであります(^^) それにしても平馬君の前では、やたらと美少女なリーゼさん。勝君の前でそんな表情をすると勝君が固まってしまうので封印していたのか、それとも平馬君の主観だと絶世の美少女にしか見えない為なのか……。
涼子ちゃんと共闘する百合姉>顔に書いてても否定し続けていた百合姉がとうとう認めてしまいました。しかし『涼子ちゃん情報』では勝君が誰と戦っているかなんて分かりませんし、はたして役に立つんでしょうか。
勝君の『やらないといけないこと』>天才でありながらエリート街道を進まない勝君を軽蔑していた菊姉でしたが、それ故に何故勝君が道を踏み外したのか追究しませんでした。しかし今なお勝君の天才ぶりは健在なわけで、会話を交わせば論破されてしまいます。何故勝君は道を踏み外したのか。真実を追究してみたくなるのも天才故の性なんでしょう。
はたして菊姉はゲェムの目撃者となるのでしょうか! NEXT!(笑)
シルベストリ現る>『黒賀村の夏』では描くべき事が沢山あるだろうに、私が予想していたより早く黒賀村に現れたシルベストリ。対シルベストリ戦はクライマックスかと思ったけど、実は前座に過ぎなかった? ところでコロンビーヌはどうやって日本に来たんでしょうか。第5幕でアノスとケノスの会話で出てきたフェイスレスのジェット機かな?
コロンビーヌにタメ口>最古の四人であるコロンビーヌを、見下してはいないが敬意も払わないシルベストリ。まあ、アルレッキーノとパンタローネに圧勝しちゃったんだからしょうがないけど。それにしてもシルベストリって誰に作られたんでしょう。アプ・チャー同様「笑い」を研究するために人間の中に潜んでることを考えるとフランシーヌ人形になんでしょうか。
待ち受ける勝君>その巨大なトランクは…やはりゴイエレメスか! 指ヌキらしきものもすでに装着済み。周囲に人がいないのは事情を知っている黒賀の人形使い達の協力があってのことでしょうか。戦闘準備完了って感じの勝君ですが、問題はフェイスレスからダウンロードされた記憶にシルベストリの情報があるかどうかって事ですね。居合い抜きのオートマーターにパワー型のゴイエレメスでどう戦う? 勝君!!
■本編~黒賀村の夏 第8幕 夏祭り
■掲載>2004年週間少年サンデー22・23号(4月28日発売)
特報・公式ガイドブック発売決定!!>「ガイドブックに載せる読者の声を、5月12日からウェブサンデー上で募集!! http://websunday.net/」だそうです。むう、これは是非とも投稿せねば!
仲町サーカスは演目を変更>伏線は第4幕ですでに張られておりましたが、どうやらあるるかんはまったく登場しないようです。今のところエレオノールも完全に脇役ですし。今回は子供達中心で物語が展開していますから、余計な大人の物語を一切排除しているのかもしれません。まあ、これからどうなるかは分かりませんが。
今週のリーゼさん>演目が変更されたお陰でリーゼさんはお姫様(お嬢様)から看護婦さんへと原点回帰です(^^) もしかすると1年ぶりでしょうか。
「今回はあとから手伝いにいらっしゃる」>今回は勝君にとって非常に厳しい戦いとなります。シルベストリに無傷で勝利しなければならないのですから。何故なら、戦いで傷を負ってしまえばエレオノールに気付かれてしまうからです。しかし、夏祭に参加しなければみんなに心配をかけてしまいます。勝君は傷を負うわけにはいかないのです。
勝君の秘密に関わる菊姉>まあ予定通りというか、予想通りなので、特に書くことはありません(^^) 気になっていることといえば、オートマータが菊姉に気付くかどうかですね。その場合『観客』として認められるのか、『人質』という形でゲェムの駆け引きに使われてしまうかまでは流石に読めません。
「シルベストリ…って言ったよね……」>勝君のこの一言には含みがあってステキです。一見何気ない一言のようですが、一度見聞きしたことは決して忘れない勝君が、カラス君とコロンビーヌから聞かされているのにもかかわらず、名前を確認するなんて変だと思いませんか?
実は勝君は目の前にいるオートマータが、本当に『居合い抜きの達人シルベストリ』であるか確認したかったのではないでしょうか。何故なら、勝君にダウンロードされたフェイスレスの記憶にあるシルベストリのデータと、目の前にいるシルベストリでは、見た目があまりにも違いすぎるからです。勝君(あるいはグリポン君かもしれません)がシルベストリのデータを持っていたことは、対策を立てていたことからして明らかですし。
どこまで明かす? フー・ボワロー>『黒賀村の夏』での藤田先生のテーマは『三つ巴』なんだなあと改めて感じさせられました。最初は『黒賀村×仲町サーカス×新生真夜中のサーカス』だったのが、今回からは『対シルベストリ戦×夏祭り×ギイとフウの駆け引き?』と、新たな三つ巴へとスライドしていきつつあります。
フウは勝君の秘密をどこまで知っているのでしょうか。『化け物級の天才』である勝君の出生は今もって謎のままです。勝君のお母さん『中川直美』さんは本当に勝君の生みの母なのか。そして実の父親は何者なのか…。もしかするとフェイスレスさえも知らない秘密が勝君にはあるのかもしれません。フウの口振りだと、何か明かされそうな感じなんですが、はたして?
ゴイエレメスを片手で操る勝君>出ろ!ゴッドガンダム!…じゃなくてゴイエレメス! 刀も持ってますし、これでマントを羽織ればドモン・カッシュです(笑) しかもすでに明鏡止水の境地に達しているのかも(^^;
中距離戦ではパワーと装甲のゴイエレメス。接近戦では小刀『雷迅』。おそらくはシルベストリの性能を知った上での対策でしょう。片手でゴイエレメスを操れるのは、1)そのように改造した。2)グリポン君のサポートがある。3)パワー型のゴイエレメスはジャックオーランタンやキャプテンネモと違って元々複雑な操作を必要としない。の3つが挙げられます。勿論最大の理由が勝君が天才だからなんですが(^^;
ちなみに刀と人形の二段構えという戦い方には先駆者がいます。まさるくんの大好きな正二おじいちゃんです。貞義との高速道路での戦い(27卷)で、人形はトラップ的な使い方でしたが。今回はその戦法を発展させたものと考えてよいのではないかと思います。
続きは2週間待たないと読めないとは。ちょっち辛いなあ。しょうがないんだけど。
■本編~黒賀村の夏 第9幕 天才の理由
■掲載>2004年週間少年サンデー24号(5月12日発売)
早速『ガイドブックに載せる読者の声』を出そうと思ってウェヴサンデーにアクセスしたのですが、アンケートの内容を絞り込むのに丸1日かかって(好きなキャラを3人になんて絞り込めないよ~~。一押しはリーゼさんだけど。)しまった上に、送信する直前にマシンがフリーズしてしまい、1日の苦労が水泡に帰してしまいました(T_T)。気を取り直すにはちょっと時間がかかりそうですが、2週ぶりの『今週のからくりサーカス』いってみましょう!
グリポン君のサポートと勝君の秘策>ゴイエレメスに関してのサポートは指ヌキを勝君に付けるところまでのようです。ですが指ヌキの付ける指を間違えるとゴイエレメスはちゃんと動いてはくれませんので、これはこれで猛特訓があったに違いありません。
そして一見足を引っ張っているように見える戦闘中のグリポン君のおしゃべりですが、実はシルベストリを誘うための作戦でした。ゴイエレメスの凶悪な攻撃力も当たらなければどうってことありませんし、強固な装甲にもわずかながら弱点があります。そして片手で操れるほどのシンプルな操作性は動きを大味にします。こちらが隙を見せればシルベストリは必ず弱点を突いてくる。そうにらんでの秘策だったようです。
天才の理由>勝君の出生は今もって謎のままで、私にとっては気になることなんですが、そのようなことはどうだっていいというわけですね。重要なのはどのような星の下に生まれたかではなく、どのように生きたかである。確かにその通りです。
痛み分け?>ゴイエレメスの必殺パンチを食らい、唯一?の武器を手放してしまったシルベストリ。作戦のうちとは言えゴイエレメスの左腕を失い、自身も右腕に深手を負ってしまった勝君。そしてコロンビーヌに捕まってしまう菊姉。シルベストリの問いに勝君はまだ答えてませんし、次週からは舌戦(心理戦)が始まる?
■本編~黒賀村の夏 第10幕 質問の答え
■掲載>2004年週間少年サンデー25号(5月19日発売)
シルベストリの剣>ゴイエレメスの必殺パンチをカウンターで胴体に食らいながら、大したダメージが無いように見えるシルベストリ。実は胴体はがらんどうで剣のスペアが6振りも収納されておりました。剣が収納されていた右腕の関節は一体どうなっているのかずっと疑問だったのですが、これでようやく謎が解けました。普通の剣が横腹にダメージを受ければ折れてしまいます。しかしシルベストリの剣は、縦の刃は剛性、横腹は弾性に富んでいたのですね。だから右腕の関節も曲げることができるし、ゴイエレメスのパンチを食らっても、折れるどころか本体への衝撃を和らげてしまったわけです。
雷刄を逆に持つ勝君>両手を使ってはいますが、勝君の構えはシルベストリのそれと酷似しています(忍者や座頭市風に刀を逆に握っている。)。一度見た技なら完璧に再現できる勝君のことですから、早くもシルベストリの技をコピーしたのでしょうか? それとも動揺を誘うための作戦?
そして、オジさんは…さみしかったんでしょ!?>勝君はここに来てシルベストリを『オジさん』と呼びはじめます。年寄りの姿をしたシルベストリに対する自然な反応なのか、それともこれもまたシルベストリの動揺を誘う作戦か……。そして「さびしかったんでしょ」の一言に明らかに動揺するシルベストリ。一方、勝君の心理攻撃とは関係なく、剣での一騎打ちとなってからのシルベストリは、言葉とは裏腹に太刀筋には迷いがあるように感じられます。心理攻撃が通用すると言うことは、シルベストリに心がある何よりの証拠です。第7幕の回想に登場した少女との出会いが、シルベストリの心理に変化をもたらしたのでしょうか。次週で明らかになる?
しかし戦いは不利?>シルベストリの動揺を誘うことで戦いを有利に進めているように見える勝君ですが、斬っても突いてもシルベストリに決定打を与えることが出来ません。小刀『雷刄』は大刀『虚空』と共に、対オートマータ用に鍛えられた武器ですが、しろがねの血を抜き、少しずつ刃の上に流すことで本当の力を発揮する捨て身の<血刀>です。勝君の血に流れるアクア・ウイタエは少なすぎて役に立たないでしょうし…。今のままでは負けないだけで勝つことが出来ない勝君。はたして秘策はあるのでしょうか?
観客からサーカスアーティストへ>かつてリーゼさんがビーストと闘ったとき、勝君は『観客』でした。見てることしかできない勝君でしたが、見ていてくれたからこそ、リーゼさんはビーストと、そして己の弱い心と闘い、勝利できたのです。それが今や観客に見てもらえる立場に…。成長しましたねえ、勝君。もう軟弱坊やとは言わせないぜっ。
オートマータは進化できるか?>答はイエスです。『観客』さえいればオートマータも『進化』します。
彼ら真夜中のサーカス団の『芸』を見るのは、『同業者』であるオートマータとO(オー)達と、『リングマスター』であるフェイスレス指令のみ。そこに『観客』はいません。しかし炎の中、ギュンター公という『観客』がいることに気付いたアプ・チャーさんや、エレオノールという『観客』を得て笑うことが出来たフランシーヌ人形は確かに『進化』しました。アプ・チャーさんはともかく、フランシーヌ人形が心を持って溶けていったことは(間接的な情報ではあるものの)正二さんの記憶にあるので、オートマータも進化できることは勝君も知っているはずです。
「ぼくは…オジさんの質問を、ずっと考えてた……」と言う勝君ですが、「人間は何故群れるのか」の答なら、天才少年の勝君なら数秒とかからないはずです。実は勝君が考えていたのは「何故シルベストリがそんな疑問を持つに至ったか」でした。シルベストリが『進化』や『変化』の話題を振ったわけでもないのに、「オジさんは変われるの?」と切り返したり、オートマータが条件次第で『進化』できると知りながら「進化できるの?」と挑発したのも、シルベストリが本当に知りたいのは、フランシーヌ人形が笑えるように『進化』する方法だと見抜いたからではないかと思われます。
はたしてシルベストリは『進化』出来るのか? それともすでに『進化』しているのに、それに気付いていないだけなのか?
次回で明らかに?
~ 幕間 ~ からくりサーカス第32卷
表紙絵は大人への階段ならぬ、ヒーローへの階段を登り続ける勝君ってイメージ。勿論この階段に終わりはありません。諦めない限り死ぬまで続く登り階段です。そしてその時は、正二さんの想いを勝君が受け継いだように、勝君の想いを受け継ぐ者が、勝君に代わって階段を上り続けるのです。
■本編~黒賀村の夏 第11幕 輪の中へ
■掲載>2004年週間少年サンデー26号(5月26日発売)
シルベストリの敗因>フランシーヌ人形が笑う方法を探すために人間達の中に紛れ込んだシルベストリは、その目的故に他のオートマータより『探求心』が飛び抜けています。そのためか、勝君に問いかけられたり、質問の答を語られてしまうと、一言一句を注意深く聞かずにはいられなくなってしまいます。それが例え耳の痛いものであったとしても…。そしてその度に剣を止めてしまっていたのではないでしょうか。勝君との対話そのものが彼の敗因だったのです。
シルベストリの進化>シルベストリに必要だったのは人と人ならざる物の垣根を取り払うこと。分かりやすく言えば『素直』になることだったのです。でもオートマータに限らず、人間でも歳を取ると、なかなか出来ないんですよね。それをやるためには自分自身の価値観をぶち壊すしかないのですが、自分の力で壊せる物ではありません。変わるためにはどうしても外部からのインパクトが必要です。結果的に価値観どころか、自分のボディが修復不能なまでに破壊されて初めて進化するのですが………。
オジさんの手が剣じゃなかったら……ぼくは、手をつなげるよ。>罪を憎んでオートマータを憎まず。流石は愛を背負いしヒーロー勝君です。オートマータへの憎しみを背負ってしまったダークヒーロー鳴海には、決して言えない言葉ですね。
そしてどうなる?シルベストリ>ところで、勝君とのゲェムに敗れたオートマータやO(オー)達のボディは、どうなってしまったのでしょう? 『真夜中のサーカス』にとっては負けたヤツなどどうでもよいみたいですし、フウの手の者によって回収されたのでなければ、不法投棄ゴミとして扱われているのかもしれません。問題は原形をとどめているシルベストリです。自爆装置は付いてないようですし、黒賀村ではフウも暗躍しづらいでしょう。これまでの経緯を考えるとコロンビーヌが持ち帰ることもないでしょうし。人間のように埋葬されるんでしょうか。それとも……勝君に修理されて再登場とか?(^^; でも、頭部を破壊されていますからねえ。微妙なところではあります。
■本編~黒賀村の夏 第12幕 一時閉幕
■掲載>2004年週間少年サンデー27号(6月2日発売)
黒賀村の夏が終わってしまいました(TT) 仲町サーカスが黒賀村に来たりと、ネタ的にはもっと膨らませられるエピソードだっただけに惜しまれますが、テーマ的には確かに引き時です。何とも残念ですが、喜ばしいのは何と言いましても細目のおねーさんの復活だあああっ!!(笑)
勝君は本当にオートマータと手をつなげるのか?>フランシーヌ人形はアクア・ウィタエによって誕生した唯一のオートマータ。人間の血液を必要とする疑似体液で動くコロンビーヌ達とは別物であるため、ここでフランシーヌ人形を例えに出しても説得力はありません。それよりは、グリポン君とどうやって折り合いを付けているかを語った方がよっぽど説得力はあると思うのですが。そんなわけで改めて疑問。グリポン君は人間の生き血を必要とするのか、しないのか。
そして盆踊り>どうやらみんなには、勝君がサーカスに来なかったのは、菊姉に夏祭へ参加するよう説得していたと解釈されたようです。腕の傷も浴衣で隠れますし。
すっかりうち解けてしまった阿紫花姉妹と仲町ガールズ。勝君をめぐってもうちょっともめてほしかったなあ(笑) 『うしとら』でもそうだったけど、藤田ヒロインは全体的に良い子すぎなカンジですねえ。それがイカンとは言いませんが。
結局あんまりリーゼさんには相手にされなかった平馬君。ひと夏の恋は終わった?(^^;
コロンビーヌを待ち受けるは…>ああっ! フェイスレス指令のヒゲがスーパーモードに(笑) そしてやたらと濃いフランス人形風のオートマータは何者? …と、一時閉幕なのに『つづく』な終わり方ですが、次週明らかになるのでしょうか。それとも期待させながら仲町サーカス編を始めて、2ヶ月ぐらい引っ張るんでしょうか? そして『本編~黒賀村の秋』『本編~黒賀村の冬』はあるのでしょうか? 来週が楽しみです。
続きが気になる方はこちらをどうぞ。>http://omoi.lolipop.jp/karakuri/index.html
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藤田先生の『からくりサーカス』が連載されていた当時に書いた、リアルタイム感想文です。当時の生の反応を楽しんでいただけましたら幸いです。ここでは『鳴海のいる日々(途中)』から『黒賀村の春』そして『黒賀村の夏』までの3編を掲載します。続きが気になる方はこちらにどうぞ。>http://omoi.lolipop.jp/karakuri/index.html