No.439335 IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−ファントムさん 2012-06-19 19:14:51 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:5070 閲覧ユーザー数:4803 |
episode09 専用機
そして次の日の三時限目・・・・・
「では、これで授業を終わる」
そして三時限目の終わりのチャイムが鳴った。
「・・・それと、織斑」
「は、はい」
「今度のクラズ代表決定戦についてだが・・・学園側から準備ができる予備機がない」
「・・はい?」
「そのため、お前には専用機が与えられる事になった」
「???」
一夏は全然理解できていなかったが、回りではざわめきが起きていた。
「え!?こんな時期に専用機を!?」
「それってやっぱり政府からの支援があるってこと?」
「あぁいいな!私も専用機が欲しい」
「・・えぇと・・どういうこと?」
バシン!
「教科書を読め」
「は、はい!」
そして一夏は慌てて教科書を読む。
長いので簡潔に言うと・・・・・
①ISのコアは世界に467機しかない
②コアは篠ノ之博士にしか作れない。篠ノ之博士はもうコアを作っていない
③コアは基本的に国家機関と企業、研究機関にしか与えられない
「つまりそういうことだ。本来なら専用機は国家代表、もしくは企業の所属の者。そして一定の実力を持つ代表候補生にしか与えられない。が、お前は事情が事情だ。データ収集が目的で専用機が与えられる。分かったか」
「はい・・なんとなく」
付け加えると、一夏は特別待遇だが、根本は実験体として扱われている・・・
「あ、あの織斑先生・・・。神風君には専用機はないんですか?」
すると恐る恐る女子生徒が聞いてきた。
「いや、神風にはもう既に専用機がある。まぁ、入手経緯は聞いていないがな」
と、千冬が言うと、教室中でざわめきが起こる。
「えぇ!?神風君って入学前に専用機を!?」
「でも、入手経緯が分かっていないって・・・」
「あぁでも、見てみたい」
(今は見せねぇよ)
と、内心で突っ込んで・・・・
「まぁしかし、安心しましたわ」
「なにを」
と、昼休みに入ると、セシリアが俺の前にやってきて、腰に手を当ててポーズを取る。好きだねそのポーズ・・・どうでもいいけど
「もちろんあなたが専用機を持っていることですわ。まさか訓練機と戦うのかと思いましたわ」
「あぁそうですか」
「しかし、織斑先生があそこまでおっしゃっていますが、まぁわたくしが負けることなどありませんわ」
そしてセシリアはそのまま自分の席に戻っていった・・・・
「・・・なぁ、一夏」
「な、なんだ?」
と、隼人から威圧感を感じて、一夏は少しビクッとする。
「・・あいつをフルボッコにしてもいいよな」
「ちょっ?!何言ってんだよ隼人!?」
「安心しろ。次の決定戦のことだ、まぁ、死なない程度にやるから安心しろ」
「いやそれもひでぇぞ!?」
「なんてな。半分冗談さ」
「・・残りは本気なのかよ」
「あぁ」
「いや即答するなよ」
と、一夏は突っ込みを入れる。
「はぁ・・・そういうところは変わってないのかよ」
「お前も相変わらず『あれ』は変わってないな」
「なんだよ『あれ』って・・」
「自分でも気付かないんじゃ、駄目だな」
「だからどういう意味だよ」
「さぁな・・・。さてと、昼飯でも食べに行くか」
そして隼人は席を立ち上がって教室を出る・・・・・
「・・・隼人?」
「・・簪か」
そして隼人は食堂に入ると同時に、簪と出会った。
「お前も昼飯を食いに来たのか?」
「う、うん」
「それじゃ一緒に頼むか」
そして隼人と簪は食堂の食券を取りに行く。
「今日の日替わり定食は牛丼に赤味噌の味噌汁か・・・。簪はどれにする?」
「・・隼人と・・・一緒でいい」
「そうか」
そして隼人は食券を二枚取ると、カウンターに持っていっておばちゃんに食券を渡す。
「・・・・・・」
そして隼人は定食が来るまでカウンターに待つ間、簪をチラ見しながら考える。
(さて・・・どう話せばいいか・・・)
内容はもちろん姉妹関係のことだ。
単刀直入で話しては意味がない・・・少しばかり遠回し気味で話していくのが最もな方法だろう。
「・・・・・・・」
「お待ちどう」
そして定食がカウンターから出てきた。
「簪、空いた席に座るか」
「う、うん」
そしてトレーを取って、二人は空いて席に座る。
「いただきます、と」
隼人は割り箸をパキっと割るが、若干ずれて「むっ」と顔をしかめるが、別に気にせず牛肉と一緒にご飯を食べる。
(うーん・・・IS学園の食堂の飯はどれも最高だな・・・まぁ購買所のパンもどれもおいしいけど・・・)
隼人は改めてIS学園の凄さを知る。
(・・・さてと・・・・どう話すべきか・・)
牛丼を食べながら隼人は考える。
(・・・悟られずに目的の話題にたどり着くには・・・)
「・・・隼人?」
簪は何かに気付いて、怪訝そうな表情で隼人を見る。
「な、なんだ?」
「さっきから何を考えているの?」
「・・あ、あぁ・・。ちょっとな」
「・・・・・・」
「なぁ簪」
「なに?」
「あの時簪は何をしていたんだ?」
「・・・・・ISの・・・調整」
「ISの・・・?ってことは、君もISを?」
「・・・・・・・」
すると簪の表情が曇る。
「・・わ、悪い・・聞いたら駄目か?」
「・・別に・・・いいの」
「そ、そうか・・・」
「・・・隼人」
「なんだ?」
少しして簪が聞いてきた。
「本当は・・・・・・・・あの人のことを聞きたいんでしょ・・・」
「あの人・・?」
「とぼけないで・・・・・。・・・・お姉ちゃん・・・のことを・・・聞きたいんでしょ」
「いや・・・そんなことは・・・・」
「嘘・・・。だって目が泳いでいるよ」
「うっ・・・」
図星だったため、隼人は言葉を詰まらせる。
真面目が故に、嘘を付くのが下手なのだ・・・・
「・・・・・・」
隼人はため息をついて降参する。
「・・・楯無さんから・・・君の事を聞いたよ」
「・・・・・・・」
「・・・簪・・・」
そして簪は定食を食べ終えると、トレーを持ってカウンターに向かい、そのまま食堂を出て行った・・・・
(・・・難しいな・・・姉妹って言うのは・・・)
そして隼人はため息をついてイスの背もたれにもたれかかる・・・・・・
そして放課後・・・・・
(結局進展なし・・・・か)
隼人はため息をつきながら、寮に戻っていた。
(まぁ最初からうまく行くわけない・・・・そうだったら今の時代楽なものだがな)
そして今後どうしていくか考えるのであった・・・・
「・・・・・剣道場によって行くか・・・あいつらが居るかも」
そして隼人は剣道場に歩いて行った・・・・
「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
そこでは息を切らして一夏が床に座り込む。
「情けない・・・。ここまで弱くなっているとは・・・」
向かい側には怒りを表している箒が居た。
「一体中学の時何をしていたんだ!」
「帰宅部だ。しかも三年間皆勤賞!」
バシンッ!
「うわっ!?」
一夏は振り下ろされた竹刀を白羽取りで受け止めた。
「くっ・・・!」
「あ、危ないだろ!俺面つけてないんだぞ!?」
「だからどうした!その捻じ曲がった根性を鍛え直してやる!」
「全く・・・相変わらずだな・・お前たちは」
そして剣道場に隼人が入ってきた。
「隼人・・・」
「しかし、さすがにこれは情けないとしか言いようがないな」
「うっ・・・」
「しかし、以前より反射反応が遅れているな」
「そ、そうか?俺なりには変わってないと思っていたんだが・・」
「・・・・箒、竹刀を」
「あ、あぁ」
そして箒は竹刀を隼人に渡すと同時に、隼人は一瞬で竹刀を振り下ろした。
「のわっ!?」
一夏はとっさに白羽取りをしたが、明らかにギリギリで止めていた。
「反応が0,5秒遅れているな。まぁ、最低限は反応できているようだな」
「・・お、おう」
そして隼人は竹刀を一夏から離す。
「・・・な、なんだったんだ・・・」
箒は目を見開いて驚いていた。
「太刀筋が見えなかったぞ・・」
「これが俺の本気さ」
「・・・・・」
箒は改めて隼人の実力を思うと、身体をぶるっと震わせる。
「しかし、中学の時は手の中心辺りで止めていたのに、一年三ヶ月六日でこんなに鈍ったんだな」
「・・・そ、そうだな・・・。お前は相変わらず速いことで・・・」
「当然だ・・・」
そして隼人は竹刀を箒に渡す。
「・・お前たちは何をしていたんだ・・・?」
「まぁ、こいつの反射神経を鍛えていただけのことだ」
「反射神経をって・・・」
「・・だが、このままだとIS動かす以前の問題だな」
「・・・・・・」
「・・・よし、箒」
「な、なんだ?」
「今日から代表決定戦まで一夏をびっしりと鍛えてやろうじゃないか」
「え?」
「ちょ!?」
「安心しろ。当日筋肉痛で動けないって所まで厳しくはしない。が、そのぐらいやると言うことを覚悟していろ」
「・・えぇ・」
「まずは箒のお手並み拝見といこうか」
「あ、あぁ・・。わかった・・・。そういうことだ、立て一夏!」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!?」
「問答無用だ!」
そして一夏は六時まで地獄を味わったとさ・・・・・
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!