No.436910

【獣機特警K-9】新たなる刺客【戦闘】

古淵工機さん

さあさあ皆さんお待ちかねのバトルシーン!
あのクノイチロボが登場だ!!
そして今回はフィーアさん(http://www.tinami.com/view/372570 )大活躍。普段は見られないカッコイイフィーアさんをお楽しみください!

◆K-9隊以外の出演

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2012-06-14 00:01:57 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:922   閲覧ユーザー数:875

自警団の隠れ家にて。

エルザの耳に内蔵された通信機が着信のシグナル音を発した。

「……こちらエルザ」

『こちらアイヴィー。K-9隊の状況は?』

「K-9隊は全員無事です。誰一人負傷者は出ていません」

『そう……よかったわ。それであなたたちは今どこにいるのかしら?』

「自警団の拠点となっている鉄道車両の廃車体の内部です」

『自警団?』

「それだけ状況が深刻という事です…彼らはこの荒廃しきった街を守るために自らの命も顧みずに戦っている…助ける価値はあると思いますが、いかがでしょう」

『そう…大変なのね、彼らも…いいでしょう、自警団との連携行動を許可します。ただし、くれぐれも無茶だけはしないように』

と、通信に応じていたエルザのもとに、突然キジトラ猫形のファンガーが倒れこんできた。

「なっ!?なんだ!!」

騒然とする一同。

「…ご、ゴクセイカイだ…ここを嗅ぎつけて…きやがった…!」

「ゴクセイカイですって!?」

「そ、それってどんなヤツだったの!?」

と、驚きの表情を浮かべるイシスとクオン。

するとそのファンガーはこう言ったのであった。

「に、忍者のような…ロボットの…」

「……まさか、あの時我らと戦った…」

「無影とかいうヤツだな?」

と、すぐさま戦闘態勢をとるK-9隊と自警団の面々。

そしてその傍らではエルザが状況を伝えていた。

「…総監、状況が変わりました。ゴクセイカイの刺客がここをかぎつけてきたようです」

『ゴクセイカイですって!?』

「おそらく、このフェザントヒルで一儲け打とうとしていたのでしょう。そこに我々が入ってきたら」

『…活動が制限される。それを恐れているのかもしれないわね…敵の情報は?』

「インブル製薬事件で交戦した、暗殺タイプかと」

『厄介な相手ね…油断は禁物よ。何かあったらすぐに知らせてちょうだい。健闘を祈ります』

「了解!」

エルザは通信を終えると、すぐさま仲間のほうへと振り返る。

「大丈夫かみんな!」

そこには、K-9隊、および少年自警団と対峙する二つの影。

このうちの一つはK-9隊もよく知っている影。そう、以前インブル製薬事件でクオンたちと対決した無影という暗殺ロボットだ。

そしてもう一つは…女性の体つきをしたロボット。ヤツは一体…?

誰もがそう思っていたその時である。

「へえ、これがアンタに恥をかかせたって言う連中かい、無影」

片方のロボットはどこか色めいた、それでいて威圧感のある声で話しかける。

 

「何者だ!」

すかさず切り返すエルザ。そしてすばやく身構えるアンバーたち。

「そうさね…時雨(シグレ)とでも名乗っておこうか。こないだはウチの弟がずいぶんと世話になったじゃないか」

その言葉に驚愕の表情を浮かべるウー、クオン、そしてリク。

「なっ!?」

「弟だって!?」

「そうさ…無影(コイツ)はあたしの可愛い弟でね。そいつと互角以上に渡り合うなんてたいしたもんじゃないか…だけどね」

そういいつつ、時雨は懐から小さな刃物…クナイを取り出す。

「アンタらを始末してこいってトラジに言いつけられたんでね。悪いが仕留めさせてもらうよ…」

「……来る!」

シスが気づくが早いか、時雨と無影は素早い動きで空中に飛び上がり、K-9隊と自警団の死角に入り込む。

「キララ!タキオンキャノンでなんとかならねーか!?」

「だ、ダメだよぉ、速すぎて狙いがつけらんない…」

翻弄されて思うように動きが取れない一同。

次の瞬間、そこへ降ってきたのは無数のクナイや手裏剣だった。

「がっ!?」

「アンバー君!?」

その中に混じっていた忍者刀をまともに左肩に受けたアンバーは、その切り口から火花を散らしながら倒れこんだ。

 

「ふふふ…次で終わりだよ!」

と、不敵な笑みを浮かべる時雨。だが、そこに飛び込んできたのは…!

「やあぁぁぁぁあああっ!!」

レーザーソードを振りかざして突撃するフィーアの姿だった!

「フィーア!?」

「このクノイチ形は私で引き受けます!隊長たちは無影を!!」

「よし!だがムチャはするな!!」

「了解!!」

 

そう言うなり、フィーアはレーザーソードで時雨のクナイを受け止め、怯んだところに一発、蹴りを入れたのであった。

「がはっ…このォ、あたしらの連携を崩すとはやってくれるじゃないか!」

「あら、こう見えて私はK-9隊の中では俊足の持ち主なのよ?さぁ、大人しくお縄につきなさい!ゴクセイカイ!!」

いつの間にか車体の屋上に上がっていた二人の、激しい空中戦が始まる。

「へえ、流石は高機動タイプってだけはある…けどね!!」

と、フィーアの背後を取った時雨は、勢いに任せ飛び掛る。

「こういう風に背中をとられちゃどうしようもないんじゃないのかい!?」

だが、フィーアもすかさず身を翻して時雨の攻撃を避ける。

「チッ!どこに行った!?」

「…ここよ!」

そこには空中で宙返りをしながら攻撃をかわすフィーアの姿があった。

その姿を見た時雨が、油断していたほんの一瞬の出来事である。

なんと、時雨の背後からフィーアの強烈なドロップキックが炸裂したのだ!!

 

「ぐあ…ッ!?」

「言ったでしょ?私はK-9隊のスピードエースだって」

ちょうど下では、グーテとウー、クラリスがコンビネーションで無影の攻撃を受け止めていたのだが、

時雨の落下に気づき瞬間的に後ろに下がっていた。

 

「ひゅー、あっぶねー!フィーア、相手を蹴り落とすんならそう言ってくれよなー」

「まぁ、クラリスちゃんが知らせてくれたおかげで助かったけどね!!」

「……親方、空からクノイチが、ってね」

「あら、ごめんなさいね三人とも」

「さて、二人まとめてお縄を頂戴…」

と、フィーアが手錠を取り出し、時雨と無影に近づいたその時だった。

「っ!?」

「…くっ、こうなりゃせめてアンタの首だけでも…!」

なんと、時雨は無影の持っていた忍者刀を引き抜き、フィーアめがけて斬りつけて来たのである!!

フィーアは思わず目をつぶっていた。

(しまった!油断した…このままじゃ私…!)

そう思っていたその時、すさまじい轟音が響いた!

フィーアが目を開けてみると、そこに時雨と無影の姿はなく、煙が立ち込めていた。

そして振り返ると、アレクとキララが立っていた。

「あぶなかったね、お姉ちゃん!」

「最後まで油断は禁物だよ、フィーア」

「二人とも…!」

「さて、かなり手ごたえあったみたいだけど…」

と、アレクが呟いた矢先、煙が晴れていく。しかし…

 

そこに時雨と無影の姿はなかった。残されていたのは忍者刀だけである。

「くっ…捕らえ損ねたか…」

フィーアは歯を食いしばって呟いていた。

一方その頃。

「アンバー君、大丈夫!?」

心配そうに声をかけるクオン。

アンバーの左腕は肩の部分に深く斬り傷がついており、その内部からは断線したケーブルが火花を吹き上げていた。

「くっ、オレとした事が無茶しすぎたな…すまねえK-9隊のみんな。心配かけちまって」

「あ、動いちゃダメですよ!すぐに修理しましょう!警察の救護班が手当てしてくれます!」

と、立ち上がろうとするアンバーを制止するリク。

「ああ、何から何まで…本当にすまねえな……感謝するぜ」

傷ついたアンバーを担いで、ひとまずナインキャリアーに向かうクオン。

そして、その隣ではエルザが声をかけていた。

「みんなご苦労だった。だが…ゴクセイカイの連中を逃がしてしまった。そして…自警団にまで被害を出してしまった…申し訳ない」

「いいって。深手は負ったけど、オレは生きてるんだ。アンタたちがいなかったら…もしかしたら死んでたかもしれねーしさ」

「アンバー…」

 

「それよか、アンタたちはどうするんだ?」

「一時ナインキャリアーに戻り、そこで君を修理したあと次のポイントに向かうつもりだが…」

するとアンバーは自信に満ちた表情でこう返した。

「なら、オレたちにも何か手伝わせてくれねえか?ここはオレたちの街だから守りたいってのもあるけど、今はアンタたちの力になりたいんだ…頼む」

その言葉を聞いて、エルザは一言だけ

「…わかった」

と応えたのであった。


 
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