No.436088

仮面ライダークロス 第二十五話 来訪のD&E/世界の崩壊

RIDERさん

今回からラージさんの二作品、『仮面ライダーディロード・世界の救済者』と、『魔人戦士 仮面ライダーイーヴィル』とのコラボ長編です。


暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人(アーマードダークネス装備)登場

2012-06-12 05:15:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1129   閲覧ユーザー数:1113

とある異世界。宇宙のどこかにある空間に、巨大な玉座があった。

そこには、世にもおぞましい姿をした異形が腰掛けている。その異形の前に、鳴滝は現れた。

 

「何者だ?」

 

問いかける異形。鳴滝は名乗る。

「私は鳴滝という者だ。こことは別の世界から来た」

「では鳴滝よ。お前のような存在が、余に何用だ?」

「今日は君の力を借りに来たんだよ、暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人。」

鳴滝はこの異形、エンペラ星人に言った。

「余の力を?」

「そうだ。君に、異世界にいるクロスという仮面ライダーを倒してもらいたい」

「断る。余は暗黒を統べる者…お前のような矮小な存在に力を貸すなど、するわけがなかろう。」

「相手が神に等しい存在だと言ってもかね?」

「…何?」

エンペラ星人は耳を疑った。鳴滝は内心ほくそ笑む。

「この世界はウルトラマンではなく、君が勝った世界。ウルトラマンを駆逐し、ようやく手に入れた理想郷を、荒らされたくはないだろう?彼を生かしておけば、君自信の命も危ない。」

「…」

エンペラ星人は考える。

(にわかには信じられん話だな。さて、どうするか…いや、迷うことはない)

そして、

「よかろう。お前の話に乗ってやる」

エンペラ星人は結論を出した。

「そうか!礼を言うよ」

鳴滝は喜ぶが、エンペラ星人の腹の底には黒い思惑がある。

(例えこやつの話がウソであろうと、異世界に行けることに変わりはない。我が力をもって、その世界も手に入れてみせよう)

エンペラ星人はクロスがいようがいまいが、別の世界を侵略するつもりでいたのだ。

「では、クロスがいる世界までの道を作ろう。」

鳴滝は世界の架け橋を出す。

「その前に、取ってきたい物がある。しばし待たれよ」

「わかった。」

鳴滝から了承を受けたエンペラ星人は、赤黒い炎に包まれ、どこかに飛んで行った。

「…愚か者めが…」

鳴滝に聞こえない距離まで離れてから、エンペラ星人は呟いた。

 

 

 

 

 

同時刻。

風都の北郊外の森の中に、巨大な世界の架け橋が現れ、それが通りすぎると、これまた巨大な要塞が現れた。

 

 

要塞内部。

杖を手に持つ白衣の老人が報告する。

「Dr.ウィロー。ワープを完了致しました。」

「ご苦労、Dr.コーチン。」

Dr.コーチンと呼ばれた老人を労ったのは、保管液で満たされた何かの機械、その中にある、脳だ。Dr.ウィローと呼ばれた脳は、Dr.コーチンに尋ねる。

「それで本当なのか?この世界に無限の使徒がいるというのは。」

「私の作ったアンリミテッドフォース観測機が反応したのがこの世界なのです。間違いありません」

「そうか…とはいえ、まずは誘き出す事が必要。さてどうしたものか…」

「ここはバイオ戦士に…」

そこで、機械が何かに反応した。

「何事じゃ?」

「すぐ調べます。」

コーチンは機械を操作して、調べる。すると、ある事実がわかった。

「こ、これは…!」

 

 

 

 

 

今日も今日とて、激闘を繰り広げるソウガとベルセルク。ソウガは群雲のスロットに群雲メモリを装填し、軽く叩く。

 

〈MURAKUMO・MAXIMUM DRIVE!〉

 

ベルセルクも負けじと、アームズベルセルク ソードモードの柄にあるスロットに、ライトニングメモリを装填した。

 

〈LIGHTNING・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「ヴァリアブルスラッシュ!!」

「ライトニングエクスキューション!!」

同時に駆け出し、それぞれの武器で打ち合う二人のライダー。どちらも凄まじいスピードの斬撃を放っているが、今回はソウガが勝った。

「ぐおあっ!!」

群雲による一撃を受けて倒れるベルセルク。しかし、

「まだだ!!まだ終わっちゃいねぇぞ!!」

ベルセルクは再び立ち上がり、アームズベルセルクをライフルモードに切り替えて銃撃する。ソウガはそれを群雲で弾く。

「しつけぇなマジで!じゃあ今度は俺のマキシマムで…」

言ってドレッドマグナムに手を伸ばすソウガ。

 

その時、世界の架け橋が現れた。

「何!?」

驚くベルセルク。

「おいバージル!こいつは…」

「ああ…」

ソウガは既にこれを見た事があったため、ベルセルクより反応が薄い。だが、それでも警戒はした。今までこれが現れて、いい思いをしたことがなかったからだ(一真は例外)。

そして、その予感は当たる。

 

中からグロンギやオルフェノク、ファンガイアなどの怪人達が、何人も出てきたのだ。

 

「何だこいつら!?」

再び驚いたベルセルクはアームズベルセルクを怪人達に向けて発砲する。

「バージル…まさかこいつら、ハイパーショッカーの残党じゃねぇよな?」

「充分ありえる。ハイパーショッカーの怪人が、あれだけとは思えんからな…」

あれだけとか…千体近い怪人を倒しておいて、何を言っているのか…。

「とにかく倒すしかあるまい。」

「そうだな。」

ソウガも怪人達の掃討入る。と、ソウガはあることに気付いた。世界の架け橋が周辺にも現れ、怪人達を放出していたのだ。ここだけではない。風都の至るところでこの現象が発生している。

「何て数だ!こいつらまさか、俺達の世界を滅ぼすつもりじゃねぇだろうな!?」

「かもしれんぞ。」

「こうなったら、あれを使うぜバージル!」

「あれか…あれは魔力の消耗が激しい。使ったら速攻で決めるぞ!」

「おう!いくぜ…アフターイメージ!!」

ソウガのダンテサイドが言うと、ソウガの影に変化が現れた。

 

影が起き上がったのだ。

 

その後、影はソウガと同じ姿を取り、さらに色がつく。

 

影はもう一人のソウガになった。

 

これはクイックシルバー同様、ダンテがある悪魔との戦いで手に入れた技だ。影を実体化させ、もう一人の自分として操るアフターイメージという技である。

二人のソウガはドレッドマグナムを抜いて群雲を構えると、怪人達に突撃していった。

 

 

 

 

 

Wとアクセルは、風都の住民を逃がしつつ、怪人達と戦っていた。

「ちくしょう!!なんだってまたこんな事に…」

「無駄口を叩くな左!!一刻も早くこいつらを殲滅するぞ!!」

『しかし、このままではキリがない。何か有効な作戦を…』

「んなモン立ててる間にやられちまう!!」

Wはセンチピードオルフェノクを蹴り飛ばす。

「今倒し続けるしかない!!」

アクセルはエンジンブレードで、モールイマジンとジャガーロードを斬った。

 

 

 

 

 

「うわあっ!!」

ブレイドはパールシェルファンガイアに殴り飛ばされた。

「一真!!」

駆け寄るクロス。

「くそ~!!」

 

〈PERFECT JOKER〉

 

ブレイドはジョーカーフォームに強化変身し、ジョーカーソードでパールシェルファンガイアを斬った。しかし、まだ終わらない。

「くらえ!!」

ブレイドがジョーカーソードを天に突き上げると、サンダーディアーのカードの力が宿る。ブレイドはジョーカーソードから巨大な電撃を放ち、怪人達を一掃した。

「じゃあ僕も…!!」

 

〈ETERNAL!〉

〈INFINITY!〉

〈CROSS/ETERNAL/INFINITY!〉

〈UNLIMITED!〉

 

クロスもクロスアンリミテッドに強化変身し、両手から大量のエネルギー弾を掃射して、怪人達を薙ぎ払う。

「一気に片付けよう!」

「ああ!」

クロスとブレイドは、他の敵を倒すべく、街を駆け抜けていった。

 

 

 

 

 

要塞。

コーチンはウィローに報告する。

「どうやら我々がこの世界に転移した影響で、怪人達が現れたようです。」

「そうか…だが好都合だ。これなら確実に…」

そこで、また機械が反応した。

「今度は何だ?」

「こ、これは…!!」

 

 

 

 

 

宇宙空間。

世界の架け橋から現れたエンペラ星人は、赤黒い炎に包まれながら地球を見下ろしていた。

「全ての光は余が滅する!!」

憎悪の言葉を述べたエンペラ星人は、地球に降下していった。

 

 

 

 

 

赤黒い炎を解除したエンペラ星人は、風都へ降り立つ。その姿は、鳴滝と対面した時と、また別であった。重厚な鎧を着用し、両端に三ツ又の刃が設置された槍を持っている。

彼が着用しているこの鎧は、アーマードダークネスという鎧で、とある宇宙人が彼に献上した物だ。

(余はかつて、慢心から屈辱の傷を受けた。だが、今回はそうはいかぬ。この鎧を装着した余の力は、神をも超えるからな…!)

エンペラ星人は風都全域に呼び掛ける。

「仮面ライダークロスよ!!出てきて戦え!!さもなくば、余はこの星を破壊する!!」

 

 

 

 

 

突如現れて地球破壊宣言をしたエンペラ星人。クロスは驚く。

「待て!!クロスはここだ!!」

クロスは巨大化した。

「ほう、お前がクロスか。余は暗黒を統べる者、エンペラ星人。お前を倒しに来た」

(またか…でも好都合だ。ちょうど試してみたいことがあったからね)

「いいだろう。」

クロスは了承する。

「だがここでは被害が大きい。場所を移すぞ」

そう言って、クロスは指を鳴らした。

「何?」

エンペラ星人がどういうことかと訊く暇もなく、両者の姿は消えた。風都から…いや、この世界から。

 

 

 

 

 

「光輝…」

ブレイドは止める間もなく巨大化したクロスが消失した空間を見ていた。

「一真!」

そこにフェイトが来る。

「フェイトさん。」

「一真、今のって…」

「…光輝に任せるしかない。俺達は、残った怪人を片付けよう!」

「う、うん…!」

二人は、残った怪人達の掃討にかかった。

(光輝…戻ってきてね…絶対に…)

 

 

 

 

 

クロスとエンペラ星人は、どこまでも荒野が続いているという異次元空間にいた。

「何だここは!?貴様…何をした!?」

クロスが説明する。

「ここは僕が生み出した固有結界だ。」

そう。ここはクロスが、セフィロスとの戦いでヒントを得て作り出した固有結界だ。ここでの戦闘による影響が現実世界に出ることは、ない。

「名付けて『交差世界』。ここなら思いっきりやれる」

「味な真似を…だがよかろう。お前を倒し、この世界を手に入れてくれる!!」

エンペラ星人は槍、ダークネストライデントを構えて、クロスに突撃した。

クロスはそれを左手で弾き、右手で拳を叩き込む。だが、エンペラ星人はダメージを受けていない。鎧が頑丈すぎるのだ。

(強化が甘かったか…)

思い直したクロスは、エンペラ星人の次の一撃をかわして飛び退いた。それを見たエンペラ星人は、左手から衝撃波を放つ。

「うわっ!!」

クロスは装甲を強化していたが、衝撃波の威力はそれを上回り、クロスは吹き飛ばされた。

(装甲強化も甘かった。こいつ、想像以上にやる…でも…!!)

「ぬあっ!!」

エンペラ星人は右手にエネルギーを集中させ、レゾリューム光線を放つ。しかし、

「効くか!!!」

クロスは装甲をさらに強化し、レゾリューム光線を凌ぎきった。

「ほう…そうこなくては面白くない。だが調子に乗るな?余は本気の半分の力も出してはおらん!!」

「だったら今のうちに本気に…いや、全力になっておいた方がいい。後悔することになる」

「大した自信だな。ならば…そうさせてもらおう!!」

言うが早いか、エンペラ星人は衝撃波を連発する。先ほどとは比べ物にならない程の威力だが、クロスはさらに装甲を強化して耐える。

「空間干渉!!」

衝撃波を撃ち終えるのを見計らって、クロスは拳を繰り出した。すると、

「うおおっ!!?」

触れていないにも関わらず、エンペラ星人が吹き飛ばされた。クロスは空間に干渉して、攻撃したのだ。これにより、クロスの動きを追従する形で、空間そのものがエンペラ星人に攻撃を仕掛ける(わかりやすい例で言うと、『とある魔術の禁書目録』における当麻とアニェーゼの戦闘で、アニェーゼがやった感じ)。

その後もクロスは拳や蹴りを繰り出し、エンペラ星人は空間から攻撃を受けて吹き飛ばされる。

「おのれ!!」

しかし、エンペラ星人が放った特大の衝撃波によって、クロスの攻撃は中断させられた。

「調子に乗るなと…言ったはずだ!!」

エンペラ星人は長剣、ダークネスブロードを抜いて、クロスに斬りかかる。クロスは巨大化させたレクイエムサーベルで受け止め、

 

〈ETERNAL・MAXIMUM DRIVE!〉

 

エターナルメモリのマキシマムを発動。

「エターナルッ、ブロウクン!!!」

エンペラ星人の顔面に拳を叩き込んだ。

 

その瞬間、クロスの頭の中に、謎の映像が流れ込む。

 

「!?」

クロスが見た映像は、どこまでも続く暗闇。そして映像だけでなく、感じる。恐怖を、絶望を、嘆きを、苦痛を。そして…

 

 

光あるもの全てに対する憎悪を。

 

 

(これは…エンペラ星人の…記憶……?)

 

 

 

 

「ぐあああっ!!!」

エンペラ星人は倒れた。クロスからすれば、今の映像は永遠とも思えるほど長いものだったが、実際には0,1秒も経ってはいなかったようだ。

「貴様…!!」

怒りのエンペラ星人はダークネスブロードを納め、ダークネストライデントを高速で回転させる。

「!!」

 

〈INFINITY・MAXIMUM DRIVE!〉

 

エンペラ星人が何をするつもりなのかを感じ取ったクロスは、インフィニティーメモリのマキシマムを起動させた。

そして、

 

「消え去れッ!!!」

 

エンペラ星人はレゾリューム光線の威力を増幅した光線、ギガレゾリューム光線を放ち、

 

「インフィニティーブレス!!!」

 

クロスはそれを上回るインフィニティーブレスで迎え討った。

「ぐおあっ!!!」

エンペラ星人は吹き飛ばされる。

 

〈ETERNAL/INFINITY・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「アンリミテッドスマッシュ!!!」

クロスは間髪入れずにアンリミテッドスマッシュを放つ。エンペラ星人はダークネスブロードを抜き、さらにダークネストライデントも使ってクロスの攻撃を受け止めようとするが、受けきれず武器を叩き斬られ、アーマードダークネスもまとめて粉砕される。

「グランドフィナーレ」

 

〈CROSS/ETERNAL/INFINITY・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「エンドレスレジェンドォ!!!」

 

クロスはエンペラ星人のガードが薄くなったところに、最強の両足蹴りを食らわせた。

 

「ぬおあああああああああああ!!!!!」

 

大ダメージを受けて倒れるエンペラ星人。勝負は決まった。クロスの勝ちだ。エンペラ星人は光に還っていく。

「こ、これで終わったと思うな…余は何度でも蘇る!!闇の力がある限り、何度でも!!」

「…なら、その復活能力を削除させてもらいましょう。」

「な、何!?」

クロスは片手をエンペラ星人に向けて告げる。

「復活能力、削除。」

これで、エンペラ星人は復活できなくなった。

「き、貴様なんということを…!!」

「その代わりに、あなたには違う能力を授けました。」

「何だと!?」

「…転生能力です。あなたの、本当の望みを叶えるための…」

「本当の…望み…?」

「はい。僕は、あなたの記憶を見ました。そして知った。あなたは光を憎んでいるが、それと同じくらい、もう一度光の中で生きることを望んでいる…」

「勝手な解釈をするな!!余は暗黒を統べる皇帝…余は…余は暗黒宇宙大皇帝なるぞ!!!」

「それでも!!僕はあなたを救いたいんだ!!!」

「貴様…貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

エンペラ星人は光となって、消えた。クロスは続ける。

「あなたは…あなたは羨ましかったんだ。光の中で生きる人達のことが…だから…思い出して。光の中で生きることを…」

全てを言い終えたクロスは、交差世界から消えた。

 

 

 

 

 

鳴滝はエンペラ星人の敗北を知り、悔しがる。

「おのれクロス…やはり、仮面ライダーは仮面ライダーにしか倒せないのか…」

と、鳴滝の頭に、一人の人物の姿が浮かんだ。

「こうなったら、少々危険な相手だが、彼に頼むしかない。」

鳴滝は世界の架け橋を生み出し、その場から消えた。

 

 

 

 

 

クロスとエンペラ星人の戦いの行方を次元超越モニターを使って見ていたウィローは、呟く。

「本物じゃぞ…ふふふ…ついにこのDr.ウィローが、全次元世界の神となる時が来た。わしはお前の身体をもらうことにしたぞ、無限の使徒よ…」

そして、ウィローはコーチンに命じた。

「Dr.コーチンよ、直ちにあの無限の使徒の身元を調査するのだ。」

「かしこまりました。」

 

 

 

 

 

とある異世界。

この世界のとある一室で、無限ゼロとリインフォースは語らっていた。そこへ、鳴滝が現れる。

「突然邪魔してすまない。」

「なっ!?貴様、何者だ!!」

驚き同様するリインフォース。だが、ゼロは落ち着いて言った。

「ほう、この私の至福の時を邪魔するとは、よほど調教してほしいらしいな?」

言ってゼロは立ち上がり、鳴滝に歩み寄る。

「ま、待ってくれ!!私は鳴滝。君達に頼みがあって来たんだ!!」

「頼み?」

「ゼロ。とりあえず、話だけでも聞いてみよう。」

リインフォースが落ち着け、ゼロは収まった。

鳴滝は説明する。

「実は君達に、世界を救ってもらいたい。仮面ライダークロスを…あの邪神を、倒してもらいたいんだ!!」

「邪神?どういうことだ?」

ゼロは鳴滝から詳しい話を聞き出そうとする。

「非常に恐ろしい存在だ。言葉では表しきれない…だが、このままではこの世界も危ないことは確かだ。」

それから、鳴滝はゼロにしか聞こえない声で告げた。

「生かしておけば、君の奥方も消されてしまう。」

「!!」

ゼロは目を見開く。

「ゼロ?」

ゼロにしか聞こえない声なので、リインフォースは何が起きているのかわからない。

「…わかった。引き受けよう」

ゼロは引き受けた。

「おお、やってくれるか!ありがとう、心から感謝するよ!!」

「能書きはいい。さっさと案内しろ」

「ではこちらだ。」

鳴滝は世界の架け橋を出現させる。

「君達の相手は、この先にあるクロスの世界にいる。私は先に行かせてもらうよ」

鳴滝は世界の架け橋をくぐった。

「ゼロ、一体何が?」

「…リインフォース。」

ゼロはリインフォースの問いに答えず、逆に問う。

「今回は今まで以上に危険な戦いだ。生きて帰れる保障もない。それでも、私について来るか?」

「…何を今さら。私達は二人で一人の仮面ライダーだぞ?相棒が命を懸けるなら、私も命を懸ける。」

リインフォースは当然のことと返した。

「…そうだったな。行くぞリインフォース!!」

「ええ、ゼロ!!」

二人は世界の架け橋をくぐった。

 

 

 

 

 

二人がたどり着いたのは、公園。

「どこだここは?」

「ゼロ。あの男が言っていたクロスの世界だろう?」

「私はクロスの世界のどこなのかと言っているのだ。」

「……ああ。」

リインフォースは納得する。

と、突然二人の前に世界の架け橋が現れ、中から、

 

 

 

 

 

 

掘っ立て小屋が現れた。

 

 

 

 

 

 

掘っ立て小屋の中。

そこには小型の背景ロールがあり、スクリーンにはクロスメモリを装填してあるクロスドライバーが描かれていた。

「クロスの世界、か…」

砕谷廻は呟く。彩条流姫は推測した。

「これって、どことなくアクセルドライバーに似てるわよね?挿してあるのガイアメモリだし、もしかしたらW系列の世界かも…」

「そうかもね。」

秋月信彦が同意する。

「さぁて、クロスはどんなライダーかな?」

まだ見ぬ新たなライダーの姿に期待を膨らませる坂木了。

「とりあえず、情報収集だな。」

廻の言葉を聞き、一同は外に出た。

 

先頭に立って歩く廻は、外にいた人物を見て固まる。その人物、ゼロも固まった。

 

対面したのは、かつて共闘した戦士。

 

「「………」」

 

しばし流れる静寂と沈黙の時間。やがて、

 

「「…あ!」」

 

廻とゼロは互いを指差した。

 

 

 

 

 

 

 

クロスの世界に、救済者と魔人が降り立った瞬間だった…。

 

 

 

 

 

 

 

************************************************

次回、

仮面ライダークロス!!

 

ゼロ「貴様が仮面ライダークロスか。」

廻「この世界のライダーの力、見てやるよ。」

流姫「何でブレイドがいるの!?」

光輝「はぁ…結局そうなるのか…」

 

第二十六話

来訪のD&E/ライダー頂上決戦

 

これが裁きだ!


 
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