星見学園音楽室・夜
星見学園音楽室で生徒会会長『雨宮綾音』がピアノで曲を演奏していた。里村紅葉、鈴白なぎさ、姫白九理の三人が席に着いて曲を聴いていた。
「生徒会室で聴くのと全然違うね」
「もう会長の権力で音楽室貸す学園長もどうかしてるよ。これなら会長の力で授業減らすとか出来ないかな」
姫白九理は、そんな二人の会話に耳を貸さず真剣に曲を感じて、思わず口をこぼす。
「この曲は確かショパン/ノクターン第2番ね」
綾音は九理に向ってウィンクする。
「じゃあ、この曲わかるかしら」
新たな曲が奏でられ音楽室に留まらず学園内に響き渡り異世界にいるような錯覚を与える。
「ねえ紅葉、この曲わかる?」
「もう降参よ。だいたいクラシックよりJ-POPが私は好きだもん」
九理はあきれた表情で二人を見て両手を広げて、
「あなた達の代わりに答えて上げる」
曲の演奏終えた綾音は九理を見る。九理は彼女の元に訪れて告げる。
「ショパン/革命のエチュード」
「ねえ、どうして音楽に詳しいの」
姫白九理は音楽室に飾られた著名人の絵画を見ながら語りだす、かつて音楽室に住んでいた幽霊に音楽知識教えてもらったと、九理は能力で幽霊を操ること出来るが、その霊は九理に音楽教えた後成仏して消えたという。その霊が一番好きだった曲を自らピアノで演奏すると綾音に言う、綾音は席に着き尋ねる。
「準備はいいかしら」
「そこの人間共、私の演奏を聴きなさい」
九理は曲を奏ではじめる。ピアノの鍵盤を優しくはじくように弾いていた。普段とは違う表情を見せて不思議な空気が音楽室を包む。
「こんな一面あるなんて意外だな龍一が気になるのも仕方ないね」
「零二も九理に対して特別じゃない。このままだと恋の障害になりかねないわ」
「ベートーベン/月光ね。いいセンスしてるわ」
「最後の曲はヴィヴァルディ/四季・冬」
姫白九理は能力『スキーズブラズニル(這いよる混沌)』視線をトリガーにして、生物、無生物を問わずあらゆる物を操る能力を使って星見学園内に眠る幽霊呼び起こし、ピアノ以外の楽器で演奏させる。
「音楽室幽霊いないから集めるなんて大胆だよ」
「でも、どうして音楽室以外の霊が演奏出来るのおかしくない」
「九理は幽霊を操れるわ、それ以前に彼女が音楽スキル持つなら相手にも提供出来るんじゃないかしら」
その日、星見学園はクラシックコンサート会場に変貌。九理の能力で奏でる音楽は月読島に響き渡っていた。時間は午後8時、島民、散歩してた人、訪れていた観光客も曲に酔いしれてしまう。
翌日、月読島で不思議な現象として話題になり新聞には『謎のクラシックコンサート?』不思議なことに星見学園は賛辞の電話応対に追われていた、誰がヴィヴァルディ/四季・冬を弾いたのかと。
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夜の星見学園で生徒会会長「雨宮綾音」のピアノ演奏に耳を貸す里村紅葉、鈴白なぎさ、そんななか姫白九理は。