平穏な許昌の都に現れた二人の男
一人の男は名を左慈と言い、もう一人は于吉
本郷一刀を狙う男達の戦いが今日も始まる
「以前、曹操に首を刎ねられそうになってから警備が厚くなったようだな」
「まあ、アレだけ騒ぎを起こせば当然でしょう。山一つ吹き飛ばしたのですし」
思い出すのは、過去に真桜が創りだした断空砲で吹き飛ばされた記憶
流石の二人も身体を再生するのに少々長い期間を要してしまっていた
「しかし、あれは可怪しいだろう。断空砲だぞ?仕舞いにはイデガンがどうとか言っていたしな」
「私には、左慈に変な知識が有る方が可怪しく感じますがね」
流石に無限力はどうだと話すが、意味の解らない于吉からは同意は求められず
それよりも、もっと恐ろしい事があったような気がすると于吉に言われ思い出そうとすると
記憶の隅に有る、得体のしれない恐怖が蘇る。もっと恐ろしく、見てはいけないモノを見たような
だが、思い出するたびに背筋に冷たい汗が流れ落ちる感覚に、二人は首を振って無かった事とした
「・・・やはり何も無ありませんでした、私の勘違いですね」
「そうだ、何もなかった。だが、あの三人に近づくのはよそう」
互いに確認するように頷き、二人は本郷一刀を狙うのに昼間からと言うのも、この警備ぼ厚くなった今は難しい
夜になるのを待とうと、宿へと足を向けた
「いらっしゃいませー。お泊りですか?」
「ああ、二人で頼む」
「ではコチラに記帳を。えーっとご家族様でいらっしゃいますか?」
そうであるなら相部屋を、違うのなら個室を用意いたしますと案内され、左慈は少しだけ考え
「少し待ってくれ」と于吉の袖を引く
「どうしました?」
「とりあえずは偽名を使い兄弟ということにしておこう。警備の者が、見回りで記帳した名簿を見ないとも限らん」
「兄弟ッ!?」
兄弟との言葉に酷く反応を示す于吉。なにやら手を握りしめて小さくガッツポーズまで取る姿に左慈は眉間に皺を寄せた
「どうした?」
「い、いえ。あの、それは私が兄で、左慈が弟という事で良いのでしょうか?」
「そうだな、背格好からして其れが妥当・・・本当にどうした?」
「いえ、何なら曽祖父でも構いませんよ?」
「お前は何を言ってるんだ、いいから早く記帳しろ。お前が兄なのだからな」
ならば魔法は無しですか、実に惜しい。そうなれば貴方は邪妖精と岩人形の合成に・・・とブツブツ言いながら
不気味な笑を浮かべつつ記帳する姿に左慈は、何処か危機感を覚えたが、とりあえずは部屋に入ってからにしよう
此処は目立つと、移動することにした
「とにかく来い、なにがそんなに嬉しいのか知らんが、此処にいたら目立つ」
「フフフッ、兄ですかぁ。楽しみですね」
何やらニヤニヤと笑をこぼす于吉に若干引きつつも、部屋に入る二人
夜を待ち、警備が手薄になった所で本郷一刀の命を狙う予定だったが
部屋に入った後、彼らを見たものは居なかった
誰にも知られず、部屋の客を確認しにきた従業員にすら見つかる事無く
それから数日後、警備隊の兵舎に待機していた凪達の耳に街で不審者が現れたとの報告が入る
息を切らせて兵舎に入る隊員の話によれば、白衣の男が半裸の肉だるまを引き連れて街を練り歩いているとの話
変質者の出現に三人は兵舎を飛び出した。この街の平和は我等が守ると
「やはりここは曹操の収める地だけあって、女ばかりでイイオノコはおらんようだな」
「ふふっ。目的は果たしたのだから良いとしましょう。だぁりんが戻り次第、洛陽に戻るわよぅ」
街を闊歩する半裸の漢と下半身を隠す布一枚の、ほぼ全裸の漢が一人
町中で人々の注目を集めながら平然と立ち話をする姿
この世界でこんな格好を平然としているへんた・・・いや、勇者はこの二人しかいないだろう
そう、卑弥呼と貂蝉である
シュールとしか言い用のない光景に、周りの人々はある者は言葉を無くし、ある者は吐き気を催し
子供たちにいたっては、指をさして親から注意を受ける者や、突然、泣き出す者まで
その場に存在するだけで人々を混乱へと誘っていた
「なにやら注目を集めているようだな」
「私のあまりの美しさに見とれてしまったのかしら~」
貂蝉は、無駄に発達した筋肉をくねくねと艶かしく揺らし、その姿に人々は更に顔を青ざめ、子供たちは泣き喚だす
だが、子供たちの反応に勘違いだったかと「悪いことをしたわね」と、その場を早々に立ち去ろうとした時
「待てぃッ!」
民家の屋根から響く声。陽の光を背に浴び、シルエットが二人の瞳に映る
「半裸でこの許昌の民を怯えさせる不埒者め」
腕を組み、口を覆い隠す布はマフラーのように長く風になびき
身体を鎧で包み、その腕には銀の鋼鉄の手甲が光を放つ
「花の美しさがわからぬ者に、美の価値などわかりはせん…!真の美とは、己が胸中にある心の美しさのこと…」
鋭い眼光が二人に放たれ、強き風が辺に吹き荒れる
「人、それを典雅という…!」
何処かで見たことが有るこの登場シーン、そして前口上に、二人は顔を見合わせ
ニヤリと微笑み、此処は乗らねばと卑弥呼は気合を入れ、例の言葉を民家の上の凪に言葉を放った
「何者だっ!?」
「おまえたちに名乗る名前はないっ!」
キメ台詞と共に、同じように、正体を隠すためなのだろうか口元にマスクをして現れる真桜と沙和
轟音を轟かす螺旋槍をかざせば、男の子たちは瞳を輝かせ、沙和が双剣を優雅に構えれば女の子たちは黄色い声を上げる
「【ろっど☆どりる】だー!がんばれーっ!!」
「かわい~!【ぶるー☆じぇっとー】」
許昌の名物警備隊長、三人組の登場と共に子供たちの歓声が上がり
卑弥呼と貂蝉はすっかり悪者になってしまったと拳を握りしめた
「逃げても良いのだけれど~」
「うむ。オリジナルがどの程度のモノか、手合わせ願おうかっ!!」
華佗が戻るまで、まだ時間がかかる。此処は楽しませてもらおうと拳を構える二人に、凪は拳を構え腰を落とす
「まずは、私からいくわよん」
「行くぞ真桜っ!隊長より、新たに授かったこの技で一気に決めるっ!!」
「了解やっ!凪に合わせる、まかしときっ!!」
前へと出る貂蝉を見た真桜は、螺旋槍を手放し、同じように拳を握りしめると腰を落とす
二人の右手には、煌々と黄金の光を放つ氣が集められ、凝縮され放たれる氣の波動に貂蝉の表情は強張った
「いくで凪っ!」
「ああっ!」
氣の集中の完了と共に、凄まじい勢いで風を切りながら貂蝉へと疾走する
【私(ウチ)のこの手が真っ赤に燃えるぅッ!】
左右に開き、貂蝉を挟みこむように距離を詰め大地を削る
【勝利を掴めと轟叫ぶッ!】
突き出した二人の右拳は開かれ、氣を凝縮し皮膜のようにして覆った指先は金色の輝きを放つ
【爆熱っ!だぶる☆ごっど☆ふぃんがーっ!!】
指先に蓄えられ凝縮された熱量が一気に放出される瞬間!貂蝉は、パンツに両手を突っ込んだ!
「耐えなさいっ!私のATふぃ~るどっ!!」
ズルリと取り出される白目を向いた左慈と于吉。盾として出された二人に容赦無く凪と真桜の神の指が突き刺さった!
「なっ!なにいっ!?」
「チィッ!真桜っ!出力を上げるぞっ!!」
「了解やっ!!貫けぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
二人に捕らえられ、四次元ポケットのような貂蝉の股間に数日間、収納された左慈と于吉は、急に何が起きたのか解らず
益々食い込んでいく凪と真桜の指先に悲鳴を上げた
「あづぅっ!えっ!?えっ!!」
「ギヤアアアアアアアアアアァァァァァァァッ!!」
無慈悲にメリメリと食い込む指先を見て貂蝉は微笑む
「私のATふぃ~るどを侵食するなんて、やるじゃないの~」
「油断をしているとやられるぞ」
「まだまだこの程度じゃあ、やられてあげられないわー。ぶるあああああああああっ!!」
氣を身体に集中し始める貂蝉の身体は光り輝き始めるが、そうはさせないとばかりに沙和の声が響き渡る
【天に竹林、地に少林寺!】
地に刺さる双剣、黄金の氣を放ちつつ天高く舞い上がる沙和
【目にもの見せよ!最終秘伝!】
背からは氣で練り上げられた翡翠色の蝶の羽が輝きその身を包む
【真☆流星胡蝶剣】
高速で回転し、蝶の羽が大気を掴んで急激に貂蝉へと落下する
放つ蹴りは正しく一本の剣となって標的へと一直線に突き刺さる
ダブル☆ゴッド☆フィンガーで敵を抑えこみ、沙和の真☆流星胡蝶剣で止めを刺す究極連携
誰もが決まった!そう思った瞬間、卑弥呼が腕を組んだまま笑を浮かべ、貂蝉の身体が光を放つ
「死ぬか!消えるか!土下座してでも生き延びるのか!」
左慈と于吉を掴んだ手を放し、一瞬で手刀を叩き込み、凪と真桜ごと吹き飛ばすと
身体に凝縮させた氣を己に向かってくる沙和へ解き放つ
「微塵に砕けろぉ!」
突き出された手から放出された巨大なエネルギーの奔流に激しくぶつかり弾き飛ばされる沙和
「沙和っ!!」
「くっ!大丈夫なの~!!」
危険だと察知した沙和は、激突の瞬間、身体を捻り迫る巨大な氣の固まりからなんとか脱出を成功させていた
「ふふっ。流石ねえ~、でもまだこれからよ」
今までに出会ったことのない、異常なまでの巨大な氣を放つ漢に三人は再び拳を構えた
自分達が負ければこの街の人々はどうなる、これ以上、子供たちの泣き顔など増やしてたまるものかと
「ふはははっ!そこまでだ貴様らぁ!」
構え、対峙する凪達に聞こえる威圧的な声
見あげれば、上空に浮かぶ先ほどまで指先が顔にめり込み、手刀を受けたはずの于吉が空を飛んでいた
「なっ、アイツはあの時のっ!」
「私の手刀を受けたはずなのにぃ~、一体どういう事かしら」
「むう、わからん。だがアヤツの氣の高まりは今までに感じたことは無いほど、楽しませて貰えそうだ」
眼は血走り、凶悪な表情を見せる于吉は、己の力の高まりに歓喜し、手が震えていた
「貴様らに寝こみを襲われ覚醒するまで時間がかかったが、これで神の世界への引導を渡してやるっ!」
拳を握りしめ、天高く突き上げる于吉
「我が世の春が来たーっ!!」
異常な程の、まるで太陽のような巨大な氣の放出を始める于吉に卑弥呼は舌打ちを一つ
鋭く眼光が于吉に向けて放たれ、拳を構えて大地を蹴る
「何があったかは知らぬが、これ以上、貂蝉の想い人を狙わせるわけにわいかん!」
一気に空高く舞い上がった卑弥呼の身体が沙和のように黄金に輝き、右拳が黒色の氣を纏い始めた
「ダークネスフィンガーッ!!」
凪達よりも鋭く、放たれる氣の量も段違いの拳が突き出され、開かれる指先は黒色の氣を纏い于吉へと襲いかかる
だが、于吉は右拳に黄金の氣を集中し卑弥呼へと突き出した
「シャイニングフィンガーとは、こういうモノかっ!!」
「なにっ!?」
激突するように組まれる掌。だが、卑弥呼の放った掌は于吉によって徐々に握り潰されていく
「この外史凄いよぉ!さすが左慈のお兄さん!!」
狂喜とも言える表情で、歓喜の叫び声を上げる于吉
それに答えるように、組み付いた卑弥呼の掌が爆発し、地上へと落ちていく
卑弥呼の負傷に危険を感じた貂蝉は、先ほどと同じように身体に氣を凝縮させて気弾を放ち、援護をしようと思えば
于吉は更に笑い声をあげ始めた
「さぁ起きろ弟よっ!この外史、絶好調であるっ!!」
地上で輝くもう一つの輝きを見た于吉は声を上げた
見れば、その方向には長い銃身の銃口を貂蝉と凪達に向けた左慈の姿
「チィッ、そっち(リアル系)はあまり得意では無いのだが、任務了解。ゼロよ・・・俺を導いてくれ!」
引き金を引き、放たれるダブルバスターライフル。物質化寸前にまで縮退した高エネルギーを照射する
バスターライフルから身を盾にして凪達の直撃を受けた貂蝉は、身体から黒い煙を立ち上らせて膝を地に着いてしまう
「なっ!何故だっ!?」
「ふふっ、貴女達はご主人様の大事な部下。こんな所で怪我をさせたら顔向け出来無いわ~」
見を呈した卑弥呼の姿、そして主人との言葉に本郷一刀の存在を感じたのだろう三人は、目の前の人物は敵などではない
自分達の仲間だ、守るべき存在だと再び断空砲を取り出し、于吉へと照準を定めた
「いくぞ、断空砲だっ!」
「性懲りもなく出てきやがって、今度こそ粉々に吹き飛ばしたるっ!」
何処からともなく取り出される銃器を構えるが、左慈がその隙を逃さずバスターライフルを射ち続け始めた
「障害は・・・取り除く」
静かに、呟くようにセリフを吐く左慈は、冷静に的確に攻撃を続け、三人の盾になる貂蝉は苦痛の表情を浮かべる
今のうちだと体を盾にして断空砲を撃つ隙を作るが、放たれた断空砲は空で背中から沙和とは違った虹色の
蝶の羽を広げると、断空砲の砲撃を消し去ってしまう
「2500年以上、外史の監視を続けてきた我等が、寄せ集めの奴らに負けるわきゃねえだろぉぉぉぉ!」
月光蝶の羽を広げ断空砲のエネルギーを分解、吸収した于吉は、益々体から氣を漲らせ始めた
「ふははははっ!戦うと元気になるなあ兄弟!!」
「感情で行動することに異論はない、そう俺は学んだ」
地上へと落ちる卑弥呼に追撃の気弾が撃ち込まれ、爆音が響き渡り民家は炎に包まれる
火は周りの民家にも燃え移り、子供たちの泣き叫ぶ声が街に反響する
最早二人を止められる者は居ない、このまま許昌もろとも本郷一刀を滅ぼしてくれると
左慈はツインバスターライフルの銃口を向け、于吉は上空で月光蝶の羽を大きく広げ始めた
何一つ攻撃が通じない、唯一の頼みであった断空砲は吸収されてしまう
そして、拳を交えて理解した、自分達よりもずっと実力が有るであろう二人は、敵に圧倒され膝を地に付いている
【絶望】
その言葉が凪と沙和の脳裏によぎる。このままでは隊長どころか街までも、華琳様までも滅ぼされてしまうと
「この時をどれほど待ちわびたことか!戦いにやり過ぎなどないのだよ!」
「すべてを消し去る…」
二人から放たれる虹色の羽と黄金の輝き、誰もが諦め、守ることの出来なかった悔しさに顔を歪ませた
だが!虹色の羽も、黄金の輝きも貂蝉と凪達に届くことはない
何故ならば、皆の目の前には鋼鉄の巨大な固まりが皆を守るように立ちふさがっていたからだ!
「なんだとっ!!」
「此処からは紳士、淑女の時間や」
貂蝉の前で腕をクロスさせ仁王立ちする真桜の姿
「礼儀を弁えない者達にはご退場願おうっ!」
BGM
http://www.youtube.com/watch?v=AU6UFSGQibk
口調が変わり、腰の周りに突然、何もない空間から出現する半円状の操縦桿
【イッツ・ショォォォタァァァイム!】
真桜の背後には空間の亀裂が出来ており、そこから巨大な右腕が出現し
更には一度壊された絡繰、夏侯惇将軍は、春蘭とそっくりに巨大化、復元されて真桜の後へと立つ
【飛具ー桜ッ!ACTIONッ!!】
絡繰、夏侯惇将軍の頭に付けられた配線が動き「カリンサマ、カリンサマ」と夏侯惇将軍はカタコトでしゃべりだす
「び、BIG-Oだとっ!!どやってそんなものをっ!」
背後から伸びる操縦桿を握る真桜は笑を浮かべ、黒鉄の豪腕に左慈は一歩二歩と後ずさる
「絡繰一つに国庫を食いつぶしたって良い。自由とはそういうモンや」
「あほかァァァァァ!!趣味で国一つ潰す気かぁっ!!」
久しぶりの左慈のツッコミを完全に無視し、目の前の巨大な腕は、空に浮かぶ于吉へと指先を伸ばし
右上腕部のシールドなどを発射の衝撃緩和と放熱のために解放し始める
「ヤバイっ!逃げろ于吉ぅっ!!洒落にならんぞおおおおっ!!」
魂を御大将へと切り替えた于吉は突然出現した巨大な右腕に笑い声を上げ、再びシャイニングフィンガー叩きこむべく
拳に氣を溜め始めた
「貴様なぞに、この私は倒せん。この拳で、すべてを破壊して、新しい時代を始める!!」
虹色の羽を羽ばたかせ、突撃を開始する于吉に真桜は、操縦桿から手を離せば
紅の操縦桿は、蒼の操縦桿へと切り替わり、夏侯惇将軍の眼が于吉を捕らえる
「ウチはお前を憐れむっ!そして!おまえを道具にしている者を、ウチは許さない! 絶対にや!」
握り締められた操縦桿は、前へと勢い良く突出され、同時にトリガーが引き絞られた
猛スピードで回転するターレットを使用して放つ超強力ガトリング砲が空中に居る于吉目掛けて発射され
凄まじい気弾の砲撃と共にOの形のハレーションが浮かび上がる
「う、于吉ゥゥゥゥゥッ!!」
光弾の隙間に蜂の巣にされた于吉が左慈の眼に映り、最後には「オ・ノーレ!!」と言う言葉と共にケシ粒になっていた
桜雷(Oサンダー)によって出来上がる光の環と辺に響く豪快な爆発音に凪と沙和は唖然とし
膝をついていた貂蝉と卑弥呼までも言葉を失っていた
「ちょ、ちょっとまてぇっ!そいつはどうなってるんだっ!あの光弾は何処から出てるっ!?どうやってその操縦桿一つで
細かく動かす事ができてるんだっ!?」
「しゃあない、説明したるわ。細かい動作は後ろのどろし・・・違った、夏侯惇将軍がやっとる。
音声入力である程度の予想された動きを自動で再現。無数の光弾は、氣脈から吸い取った膨大な氣を利用しとる
けど、あんまりやり過ぎると、ここら一帯植物も育たん土地になる。そうそう、背後の次元の歪みやけど
隊長の話を聞いて、天の国とか他の世界の入り口ってのが作れるんと違うんかーってやってみたら出来た」
「ば、馬鹿な。やってみたら出来ただと・・・」
「ほんでも、他の世界に繋げるんは出来んかったから。阿呆ほどデカいこいつら仕舞うのに使ってるんや」
嬉しそうに説明を始め、次いでにとばかりに左慈の目の前に更に出される巨大な四本の腕
背後の空間の亀裂から飛び出すのはどれも左慈が見たことの有る巨大な腕ばかり
「巨大絡繰の原点とも言えるんはこの拳!螺旋もエエけど、一番の武器はこの黒鉄の拳やっ!!」
一本は神の拳を持つ腕、一本は神の指を持つ腕、もう一本は天国と地獄を混ぜあわる拳
最後の一品は、正真正銘の黒鉄の拳
本当は、黒鉄の拳を飛ばすのが夢だが、飛ばせるだけで戻らせる事ができない
最終目標は黒鉄の拳、百連発を出すことだと言い放つ真桜に、左慈は顔を蒼白にしていた
コイツならやりかねないと
「こ、こんな所に居たら今度こそ死ぬ!前回、体を再生するのにどれだけかかったと思っているんだっ!」
リアルとスーパーの破壊力など、比べるまでも無いとバスターライフルを投げ捨て、逃げ出そうとしするが、再び真桜の叫びが反響する
「モビーディック・アンカー」
背後の次元の歪みから飛び出す巨大な鋼鉄の銛が逃げ出そうとする左慈の行く手を阻み、鎖は左慈の体に巻き付いて放さない
「腕だけじゃなかったのかっ!!」
「この【飛具ー桜】だけは約七割の武器が完成しとんねや、後もう一本腕が出来れば、ファイナルステージも撃てるねんで!」
そう、他の腕は腕だけが完成されているが、この飛具ー桜だけは頭部と体が完成されており
クロムバスター等が使用できるほどであった。今頃、桂花が蓄えた金が全て消え失せて居ることに悲鳴を上げているであろう
「や、やめろっ!」
「出来れば、このような手段に訴えたくなかったが…仕方ない!
全く仕方が無いと思っていないのだろう、寧ろ威力がどの程度か試せるといった満面の笑で
紅に変わった操縦桿を握り締める真桜。周りの者たちは最早、想像のつかないこの状況に諦め、見ているしか出来なかった
「お前の操る絡繰の操縦者は交渉人じゃ無かったのかっ!紳士じゃなかったのかぁぁぁぁっ!!」
「チンピラが。ウチの忍耐にも限度がある。交渉するに値しない相手は、こうするまでや!」
握り締められる紅の操縦桿。同時に振りかぶった黒鉄の上腕部に取り付けられた巨大なピストンが引き上げられ
巨大で高層ビルのような豪腕が鎖に巻きつかれた左慈の体を捕らえ、大量の氣の爆発と共にストライクパイルが勢い良くを押し下がる
「これが地を割る轟腕の威力やっ!!
操縦桿が突き出されると轟音と共に繰り出される超重量のパンチ
ほぼ同時に相手に叩きつけられる急激な収縮により凝縮された爆圧や空気圧による衝撃波
強大なエネルギーが手首のスリット解放されるサドンインパクトの威力を身に受けながら
左慈は粉々に消し飛び、心に決めた
【コイツラには今後絶対に関わらない】と
その頃、城内では金庫に蓄えたハズの金が一つも残っておらず、真桜が金に変えたのだろう
宝物類までも全て消え去っていることに卒倒した桂花は、通りがかった華佗に治療を受け
心配で駆けつけた本郷一刀を槍を振り回して追いかけていた
「アンタねっ!金庫の中身アンタが持ちだしたんでしょうっ!!返しなさいっ、アンタのせいで魏はお終いよっ!!」
「な、なんの事だっ!」
「とぼけるんじゃないわよっ!!神妙にしなさい、華琳様の代わりに私がアンタの首を刎ねてあげるわっ!!」
見に覚えがないと言いたいところだが、凪達三人に余計な事を話した事を思い出し
特に中でも真桜の食いつきと、眼の輝きを思い出した本郷一刀は、予想がついたのだろう
顔を蒼白にして「俺は何も知らない!」と逃げまわり、悲鳴が街に反響する
許昌は平和は再び守られた、一人の優秀な絡繰技師の手によって
「おい、真桜。これ、一体どれだけ金がかかっているんだ」
「うーん、腕一本で城4つ買えるくらいやったかな?」
「・・・・・・真桜ちゃん、逃げたほうが良いの」
その後、城から猛スピードで逃げる本郷に見つかった三人は、後ろで鬼のような形相の桂花に悲鳴を上げて逃げ回っていた
「ま、まてっ!お前らのせいで俺が殺されるっ!!」
「平和を守るための尊い出費や、隊長としてウチの代わりに謝って」
「なんで私達までっ!!」
「逃げなきゃだめなの~っ!!!」
逃げまわる凪達を見ながら、合流した貂蝉と卑弥呼、そして華佗は笑っていた
許昌は今日も平和である・・・・・・・・・・・・・・・・
絶影です、こんにちは、こんばんは
とりあえずごめんなさい
勢いだけで書きましたwwww
ACさんのらくがき三国スーパーロボット大戦を見ていて思いついただけなんです
じゃいあんと雪蓮を見て
「ああ、そういえばBIG-Oカッコイイよな、そういえばBIG-OのOって桜じゃね?」
「桜ってことは真桜じゃね?」
「真桜ならサドンインパクトぐらい作れるんじゃね?」
などと考えて書いただけです。ほんとスンマセン
そうそう、貂蝉だけはスパロボ関係無いですw
最初はシャピロにしようかと思ったんですが、完全に悪役になりそうというか
神だ神だと意味が解らなくなりそうだったので、勢いだけでバルバトスにしましたw
ゲーム自体はやったこと無いんですが、好きなんですよねバルバトス
友人がプレイしたのを見ていて惚れたんですよねーあの比類なき強さにw
あとは、全然スパロボに関係無いのも最初の方に入れてますw
年代がもろバレするネタです。無理やり趣味の矢吹慎吾をいれても良かったんですが
爽やかすぎるし、無理があるのでやめましたw
セリフも、スパロボに出ない無いセリフ入れてますので御大将やロジャーのはわかりづらいかも
特にロジャーはそうですね
まあ、とにかくBIG-Oを出したかっただけです、はい
なので、設定だけは無駄に頭でちゃんとして、そのうちまた書くかもしれませんw
異空間の設定とか、豪腕の材質とか、クロムバスター用のヘッダーカバーをどうやって作るとか
その時は、懲りずに読んでやって下さい
あと、そのうちサクラ大戦の大神さんの魂が乗り移った一刀くんもやりたいなー
等と思ってますので、その時もよろしくおねがいします
最後に、インスパイアを許可して下さったAC711様に感謝の言葉を
何時もありがとうございます。楽しんで頂けたら幸いです
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えーと、勢いだけで書きましたw
随分前に書いたモノの続きって言えば続きなんですが
・・・なんというか、ごめんなさいw
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