No.429952

超次元ゲイムネプテューヌmk2+ BlackFateその18

※この作品は勢力の戦力比が結構くるってます。女神2.5:マジェコンヌ4:ラグナロク3.5ぐらい。

※WiiUはまだいいけどPS4とXBOX720なるもののネタを思いついていない。本当に出るんならどうしよう。

2012-05-29 23:24:55 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:751   閲覧ユーザー数:697

~翌日 午前5時13分 プラネテューヌ教会謁見の間~

 

夜明けちょっとすぎの教会の中は一切の照明もなく外から入る薄明りだけの神秘的な場所となっていた。

その場に不自然に置かれた本が光を上げて開き、寝間着姿のイストワールが現れる。

寝起きなのか目をこすりながらきょろきょろと周りを見渡し、誰もいないことを確認してから姿(主に服)を変えていく。

本の中でやれと誰もが言いたくなるだろうが外でしかできないのかあえて外でやっているのかはイストワール本人しか知らない。

 

「……何やってんだ、イストワール」

「!!!!????」

 

突然かけられた声に【ビクゥ】と効果音が出そうなほどに反応したイストワール。

振り向くと、そこには眠そうな表情のネロがいた。そのせいかかなり不機嫌そうである。

 

「ね、ネロさん何時の間に…」

「ずっといた。というかここで寝てたらいきなり眩しくなって起きた。」

「くっ、保護色…!」

「で、もう一度聞くけど何やってんだイストワール」

 

露骨に視線をそらすイストワール。どうやら聞かれたくない(見られたくない)事柄だった様子。

だがそんなことは知らんとネロは徐々に距離を近づける。謎の威圧感。

 

「……ま、まぁいいじゃないですか。それより、準備は出来てますか?」

「何、朝食抜き?」

「取ってもいいですけど、作戦時間は長くても一時間ぐらいですよ?」

「短っ…」

「まぁ、万全を期すというのであればその方がいいでしょうけど…「おっはよーございまーっす!」あんな人もいますし。」

 

大声と共に教会の扉を開いたのは日本一。

朝の運動でもしていたのか若干息切れしている。

その暑苦しさに二人は一瞬引いた。

 

「おはようございます、日本一さん。お出かけしていたのですか?」

「ヒーローは規則正しい生活もするんです!ちょっと朝の運動がてら異常種をバッタバッタとなぎ倒してきました!」

「お疲れ様です。」

 

暑苦しさに付き合いたくないのか軽く流すイストワール。この辺りがイストワール流処世術。

 

「さて、あとはユニさんとネプギアさんだけですね。」

「起こして来るか?」

「叩き起こしてきてください。作戦開始時刻は05:30ですのでよろしく。」

「いってらっしゃーい。」

 

 

送って10分後。

ネロはネプギア(無表情)とユニ(まだ寝てる)を担いで戻ってきた。

着替えさせたのか服はいつもの制服になってはいるが。

 

「おはようございます。と言っても片方寝てますね。」

「綺麗な寝顔だったから起こせなかった。」

「いや、大丈夫なんですか?」

「大丈夫。ユニねーさんなら。」

「その根拠のない自信はどこから出てくるんですか…?とりあえず、ユニさん起こしてください。説明できないので。」

「チッ…。」

 

ネロが舌打ちしながらネプギアとユニを【投げ捨てた】。

その途中でネプギアは姿を消し、ネロの隣に現れる。

寝ていたユニは綺麗に放物線を描き―――

 

ガン、という綺麗な音を立てて後頭部を壁にぶつけた。

 

「~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!????????????」

 

ユニから声にならない絶叫が上がった。

 

 

「おはようございます、御寝坊さん。」

「……ユニちゃん、まだ寝てたんだね」

「うっさい!私が起きるの基本6時なのよ!」

「早朝って言ってたじゃないですかー」

「だからってあの起こし方はないでしょ!誰あんな起こし方したの!」

 

起きたユニは明らかに不機嫌そうに後頭部を擦っている。

若干行いをネロは後悔していた。反省はしていない。

そして誰が起こしたか、というユニの質問に一同は―――

 

「日本一ですねーさん。」

「イストワール様です。」

「ネプギアさんです。」

「ネロちゃん…。」

 

あろうことか全員で擦りあいを始めた。

ネロ→日本一→イストワール→ネプギア→ネロとまさかの円環の理。

日本一とイストワールは悪乗りで参加したが、その結果がユニをさらに不機嫌にさせていた。

 

「ぬっぐー……」

「とりあえずその怒りはマジェコンヌにでもぶつけてください。では揃いましたので作戦を説明します。と言っても作戦と言える作戦ではないのですが。」

 

イストワールの掌に水晶が現れる。

日本一はただ【綺麗】という感想を感じたのみだったが、ネロ、ユニ、ネプギアの女神たちは妙な懐かしさを感じていた。

 

「シェアクリスタル。シェアを固形に凝縮したものです。ネプギアさんを救出するときに使いましたね。これで三人分助けられるといいのですが。」

「昨日言っていたダミー、というのは?」

「それはこっちです。」

 

反対側の掌に、小さな人形が三つ現れた。

土産屋でよくありそうな小さな人形だった。多少光っているのが普通の物と違うところか。

 

「女神の反応を出すダミー人形です。何かしらの罠があったら使ってください。」

「どうやって作ったんだ、そんなもの」

「秘密です。一応リーダーのユニさんに渡しておきますね。」

 

イストワールがユニに水晶と人形を渡す。

日本一が「ヒーローなのにリーダーじゃない…」と落ち込んでいたがネプギアが無言で慰めていた。

 

 

 

「さて。ではこれより、作戦を開始します。一応ナビゲートはしますけど期待はしないでください。」

「場所わかるんですか?」

「ネプギアさんがわかるでしょう。それに、私がここから出来る干渉なんてのはゲートぐらいです。それで、そのゲートというのがコレです。」

 

イストワールが指を鳴らすと、その背後に禍々しく渦巻く某FFのアトモス的形状の【何か】が現れる。

ネプギア以外、一瞬物怖じした。

 

「うわぁ……禍々しいですね、うん。」

「ギョウカイ墓場はゲイムギョウ界の中心に有りながらゲイムギョウ界ではない場所。かなり特殊な場所故ゲートもこんなことに。なってます。というか前より悪化してますね。」

「…!」

 

突然、ネプギアが刀を握り走りだし、ゲートの中に飛び込んだ。

 

「ちょ、女神様―!」

「ねーさん、焦ってる焦ってる。」

 

続いて日本一、ネロも飛び込み、ユニが一人取り残される。

イストワールにはニヤニヤとユニを見ていた。

 

「行かないんですか?」

「……え、作戦説明は!?」

「終わってます。」

「うっそ!?」

「速くいかないと彼女たちも二の舞になりますよー。」

「あーもう!何でこんな適当なのよー!」

 

ニヤニヤと笑みを浮かべるイストワールに急かされ、ユニもやっとゲートに入り込んだ。

残されたイストワールは表情から笑みを消し、一気に影が墜ちる。

 

「……。取引は、果たしました。後はお好きにどうぞ。」

 

イストワールの言葉の後、背後でコン、コンと音が鳴り、振り向くと閉じられていたはずの教会の扉が開いていた。

やはりいた。誰が気づいていたかはわからないが、確かに誰かが見ていた。

マジェコンヌすら最大級の困難なのにそれ以上の可能性もある。

どんなものより恐ろしきは人間、ということか。

 

「本当、忙しくなりそうですね…。」

 

暗く呟き、イストワールの姿は本の中に消えた。

~ギョウカイ墓場入口~

「お、っぶぅ!?」

 

ゲートに飛び込んだ直後、ユニの視界は真っ黒から朱に変わり、直後重力に従いユニの上半身が地面に向かう。

 

ぐちゃ、という音と共に地面に顔面ダイビング。

ネロ以外の全員がその様子を生暖かい目で見ていた。

 

「大丈夫ですかー。」

「……。」

 

広がっていたのは紅い空。

ネプギア以外にとっては初めてのギョウカイ墓場は、【墓場】というより【魔界】という感想を持つのが殆どだった。

 

朽ち果てた機械のようなもの、血のような液体を運ぶパイプ。

極め付けは肉塊の質感かつ悲鳴の如き唸り声を上げる地面。

 

大よそ正気のものがいれるような場所ではなく、いるだけで正気度が削られそうな場所。

それがギョウカイ墓場に踏み込んだ全員(ネプギア除く)の第一印象だった。

 

「うご、気持ち悪……」

 

ユニの顔面、というより体には赤黒い泥のようなものが付着していた。

妙な質感の泥はユニに謎の嫌悪感を与えていた。

 

「とにかく、女神様たち探さないと…えーっと、場所、わかります?」

「……」

 

ネプギアはコクリと頷き、姿を消す。

日本一が気配を辿ると近場の残骸の山、その頂上にいた。

 

「……いた!」

 

ネプギアは声をあげ、跳びだした。

日本一達のいる場所が低い場所だったこともあり、一瞬で見失ってしまった。

 

「あーあ、行っちゃった…。どうしますー?一人で行っちゃいましたよ~?」

「んなっ!あんの馬鹿、返り討ちに合うのが関の山でしょ…!」

「それじゃ追いますか。女神化して追ったほうが早いと思いますよー。」

 

日本一もネプギアを後を追うように跳び、残骸の山脈を飛び跳ねていく。

人間とは思えない機動力に一瞬面喰ったが二人も女神化し、後を追った。

 

 

「あ、来ましたねーって腕デカっ!?」

 

空中を飛び、日本一の横に場をつける二人。

ネロの女神化姿に驚いた様子の日本一だったが、二人は逆に日本一の行動に絶句していた。

 

空中を【走っていた】からだ。

腕を組み、多少前かがみの体勢で空中を走っている。

ネロやユニのように飛んでいるわけではなく、地上と同じように走っている。

見事に人間離れした行動に女神二人は絶句した。

 

「わたしの腕はどうでもいいが、どうやって飛んでるんだお前…」

「右足が落ちる前に左足を上げて左足が落ちる前に右足を上げれば飛べるんですよ。」

「いやそのりろんはおかしい」

 

理論的にはおかしいが紛れもなく飛んでしまっている日本一。

プラシーボ効果(思い込み)というレベルを超えている当たりがゲイムギョウ界なのか、それともヒーローなのか。

 

「とにかく、ネプギアねーさんはどこいった。」

「いやー…見失いました。えへっ☆」

「握りつぶすぞ貴様」

「すいませんゆるしてください」

 

敵の本拠地であってもこの緊張感の無さは日本一の平常心によるものか定かではないが、(主にユニの)緊張は解れていた。

この世界、ギョウカイ墓場は少しでも気を抜けば発狂してもおかしくない。そんな場所だと風景が物語っている。

そんな世界でいつも通りの日本一とネロにある意味感服していた。

 

「とりあえず喧嘩しないの。日本一、ネプギアの居場所に心あたりは―――」

「あ、その必要なさそうですよ。」

 

日本一が指さす方向、真正面。

ゲーム機の残骸の山の頂上に白い少女(?)、コクメンが佇んでいた。

 

「……。」

 

黒い菱形の仮面と白いローブ、そして身の丈を大幅に超える刀。

どう見ても穏やかな相手ではなかった。

 

「おーい!そこの人ー!」

「ちょ、馬鹿!!こんなところにいるやつが道案内してくれるわけないでしょ!?」

 

だが日本一は気にせず着地し、話しかける。

その楽観的すぎる思考にユニの感情は先ほどの感服から一転、呆れに変わっていた。

 

「……貴様等、この先へ行きたいか」

「あー、この先って女神様がいるとこ?行きたい行きたい!」

「…そうか、ならば私を倒さなければならない」

 

突然剣を抜き、構えるコクメン。

その濃厚すぎる殺気に三人とも、冷汗が流れた。

 

「我は忠、我は剛、我は勇!我は一振りの(つるぎ)にて、己が正義を貫き邪を滅する!!」

 

コクメンの放つ威圧。

風景は正気を削り、コクメンが勇気を削る。

その独壇場とも言ってもいい場所。地形だという以前に、この場所はコクメンの庭だと日本一は感じ取った。

 

「これは…一筋縄では行きませんよ…」

「……何であろうと、殴り飛ばせばいい…」

「………。」

 

 

「我が名はコクメン、推して参る!」

 

絶対強者。そう感じるほどの覇気。

四女神の救出が予想以上に困難な物であると、三人は今、やっと気づいた。

~ギョウカイ墓場 四女神の広場(仮名)~

「…っと……。」

 

先行(さきばしっ)て女神の囚われている場所に到着したネプギア。目の前には

ブランを除いた女神三人が前と同様にパイプに縛られていた。

 

「お姉ちゃん、ノワールさん、ベールさん……。」

 

「おやおや。まさかここに一人で来られるとは。あなたもなかなか度胸があるお方だ。」

「ッ…!」

 

聞き覚えがある声に咄嗟に振りむくネプギア。

そこには、狭間テルミの姿があった。

 

「狭間、テルミさん…?」

「おや、覚えておいででしたか。そうです。ラステイション警備隊諜報部の狭間です。階級は…たしか大尉、だったかな?」

「…何故ここにいるのですか」

「え?そんなの決まってるじゃないですかぁ。…………テメーをぶっ殺すために決まってんだろうがクソガキィィ!!!」

 

突如テルミの様子が豹変し、背後から多数の蛇の頭が付いた鎖が飛びだす。

ネプギアは咄嗟に頭を少し離れた鎖の部分を切り捨てる。

あっさり初撃を躱され、テルミはつまらなそうに舌打ちした。

 

「…狭間テルミ。あなたは一体」

「あぁ?まぁだわかんねぇのかよ。俺だよオレ!テメェのお友達をボコボコにしてやった奴だよ!!」

 

ネプギアの脳裏にフラッシュバックのようなものが走る。

自分がここに囚われていた時。アイエフとコンパが自分を助けてくれた時、二人掛りで歯が立たなかった黒い巨体。

 

「ジャッジ・ザ・ハード……」

「やっと思い出したかよ!そうだよ、俺だよ!ジャッジ・ザ・ハード様だよ!態々また来たなんてオメデテェ頭してるよなテメェも!」

「……斬ります」

「あ?んだと……?」

 

ネプギアが刀に手を当てたことに反応し、テルミの笑った表情が一気に不機嫌なものへと変わる。

徐々にテルミから緑色に視覚出来るほどの殺気が漂い始め、それに合わせてネプギアも刀を握る手を強くする。まさに一触即発の空気だった。

 

「女神如きがよぉ…単なるお飾りの女神がよう…何様のつもりだゴルァ!!!」

「……!」

 

続々と現れる蛇鎖。獲物(ネプギア)を前に舌なめずりしているようにも見える。

だがネプギアはその蛇鎖には目も暮れずテルミをじっと睨んでいた。

 

ただ、殺気と憎悪だけを込めて。

~本日のキャラ紹改~

錬(コクメン):刀は二本目。マジックにもらいました。

 

狭間テルミ:まさかの彼の正体はジャッジ。一体誰がこんなことを予想したであろうか(棒読み)


 
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