マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START
六話 極東へ
アスカ SIDE
サハラから離れて地中海に停泊したトレミーに合流していた
アフリカで回収したパーツを下ろし、約二週間ぶりベッドで寝ようとしたがあの光景が脳裏に何度も映し出され食欲や戦術機改修作業のやる気がなく、さらに二週間部屋から出なかった
「・・・トラウマだな」
戦う力と知識を持ってしても自分が無力だと痛感させられた
そしてアルジェリアで起きたBETA脱走事件は政府官僚たちの地位を守るためエネルギープラントの爆発とされ真相は闇の中に葬られた
「来て早々、嫌な出来事に遭遇したなぁ・・・」
「アスカ、元気ダセ!アスカ、元気ダセ!」
「そうだな・・・いつまでも落ち込んでいるわけにもしょうがない」
「気合入レロ!気合入レロ!」
「このままだと被害が増えるばかりだ、どうにかしないと」
「ミトメタクナーイ!ミトメタイナーイ!」
「そういえば、対BETA計画のハッキングは終わっているはず?」
「アスカ、デンパ!アスカ、デンパ!」
「情報整理して何処かの組織に入るか、けど国にいいように操り人形にされるのはごめんだな、ブリッジに向かうか」
「了解!了解!」
「ところでハロ、何か最後なにか言わなかったか?」
「気ニスルナ!」
そうと決まれば全は急げ、ブリッジに向かった
ブリッジの端末を操作すると幾つもの計画がある中で大規模な計画が目に止まった
「オルタネイティヴ?」
たしか国連が進める計画だったな、1966年にスタートしてから現在まで続いている
始めはBETAの言語・思考解析とされてまったく解析できずに失敗に終わって、第ニ計画はBETAを捕獲して調査・解析で人間と同じ炭素生命体であることが分かった
第三計画はロシア主導の元で、思考を画に感情を色といったイメージを読み取るESP能力者を使い、BETAに意思疎通・情報入手を目的として思考があるとが証明された
「次は第四計画・・・・・・第五計画と同時進行?」
あれ?今までの計画は失敗したら次の計画に移行していたはず?
第四計画と第五計画の間に何かあったのか?
「ハロ、第五計画を表示してくれ」
「了解!了解!」
第五計画の情報に切り替わり、隅々まで見ると頭の中が真っ白になった
1974年カナダにBETAの降下ユニットが落着、当時のカナダ政府は米軍の合意の下で戦略核の集中運用されカナダ国土は放射能汚染され約半分が死の大地と化している
その後、降下ユニットの残骸から人類未発見の元素が多数発見され軍事転用研究の対象なり、BETAに決定的な打撃を与えうるG弾が開発された
そのG弾は通常の爆発物とは根本的に異なり、エネルギーの直接的な解放によって破壊ではなく、重力による分子・原子レベルで物質を引き裂いて破壊するものだった
ニューメキシコ州ホワイトサンズにて起爆実験よると爆心地を中心に重力異常地帯が出現した
この情報を元にヴェーダが第五計画の予測した
まず、この地球に存在するハイヴにG弾使用、モニュメントはいともなく崩壊して反応炉ごと吹き飛ばされる
G弾の使用後にユーラシアを中心に重力異常が発生、その重力異常により海は大津波となり大陸を呑み込み沈没、アメリカ、オーストラリアを中心に海水が干上がり塩原が形成される
その後低軌道に展開された衛星は落下して壊滅になり、長距離通信などは使用不可能
生き残った人達は塩害で生活圏が限られ、その生活圏をめぐって争いが起きるだろう
言葉は悪いがこれは“まだ良いほうだ” ヴェーダはもう一つの最悪な結果を出していた
さっきほども話したようにG弾は通常の兵器ではない、起爆した後ラザフォード場と呼ばれる独自の空間を作り制御しているが完全に制御しているわけじゃない、もし制御不能になると空間が歪みブラックホールが作り出され地球・・・いや太陽系を呑み込み消滅する
そして最後にアメリカはこの結果を予想していない、むしろ自分達の良い都合ばかり考えているみたいだ
「どちらにしてもこの計画は阻止しないと最悪な結果しかないな」
「アスカ、四番目!アスカ、四番目!」
「えーと、第四計画は・・・」
第四計画は量子脳搭載の00ユニットによる情報入手を目的
地上から反応炉へ最短距離を分かれば、被害が抑えられ地球上からBETAが一掃出来る
これに対してBETAは対応する可能性があるがこの計画はオリジナルハイヴを攻略目的とされていた
オリジナルハイヴを潰せば兵器に対抗する種が出現せず、地球上からBETAを排除出来るらしい
「第五計画を牽制するにも日本で行なわれている第四計画が妥当か?けど、どうやって参加する?この世界に俺の情報がない」
「当ッテ砕ケロ!当ッテ砕ケロ!」
「砕けたらだめだろ、もし正面から行っても怪しまれるだけだ、別の世界から来たって言っても信じてもらいないだけだ」
「オ土産ニ制限解除サレタ情報ヲ持ッテ行ケバイイ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・はい???」
あの~ハロさん、いまなんと言いました?
聞きなれない言葉を言いましたよね?
制限解除された情報あるって?
「今、解除サレタ!今、解除サレタ!」
「なんでいま解除されたんだ?」
「気ニシタラ、負ケ!気ニシタラ、負ケ!」
「いや気にするから!」
ヴェーダにアクセスしてみるとファーストシーズンのユニオンに関する情報が開示されていた
「えーと、ハム先生の陣営ところか、フラッグが使えるな」
BETA戦に空中戦はNGでは?と言われているがフラッグをそのまま運用するわけじゃない、
この水素プラズマジェットエンジンは水素に大電流を流すことにより……
(長い説明になる為、省きました)
燃料は水素で機体のカーボン製フレームの炭素分子結合体内に分子レベルで注入されて、爆発などの危険性はなく、燃料タンクを装備する必要がないのでその分いろいろと積める
武装のリニアライフル(電磁投射砲)は電圧調節と弾種の変更により、破壊力の大きい単射モードと、高速戦闘に対応した連射モードを使い分けられる
ソニックブレイドは刃に高周波振動させることで、高い切断能力が持たされている
さらにプラズマを発生させることでプラズマソードとして使用可能だ
「ユニオンの技術を戦術機に組み込みやすいから擬似太陽炉の搭載は当分先にしておくか」
いきなりビーム兵器が開発されましたと言っても技術を何段階も飛ばして怪しまれるだけだし
黄金大使みたく世界に擬似太陽炉を渡してもあの国が独占して暴挙でたら第ニの黄金大使でも生み出されるかもしれない
「太陽炉の技術だけは流失させないようにしておくか、それとあの国に黄金大使みたいのがいたら・・・」
国家は全て黄金色に染め上げられ、ホワ○トハウスはゴールドハウスになり自由の○神は金色の○神なる
軍は戦術機から量産型MA・ゴールデントイレットに転用、さらに強化装備は全て黄金色・・・
「いやいや、べつな意味でもまずい、ユニオンの技術だけ世界に流用しておくことにしよう、絶対に!」
アスカ SIDE END
帝都大学 SIDE
「緑色の粒子を放出する流星?」
夕呼が休憩でコーヒーを飲んでいると何処からともなく、住居不法侵入罪で捕まりそうな鎧衣課長が現れ、霞は夕呼の背後に隠れていた
「アルジェリアで奇妙な噂になっていまして例のエネルギープラント事故に目撃されたようです」
「で?その事故扱いにされた事故に目撃した流星と私に何の関係があるのよ?」
「素朴な疑問でしたので、専門家に聞いてみるべきかと参ったわけです」
「あのね・・・あたしは天文学じゃなくて物理学よ、だいたい人に聞く前に自分で調べたらどうなのよ?このまえホ○イトハウスからコヒーパックの一ダース持ってきたから余裕でしょう」
「…これは耳が痛い、トイレットペーパーが無くなったのでペン○ゴンに取りに行こうとしたのですが、なぜか○ワイトハウスに入ってしまうとは・・・」
「・・・社、休憩は終わったから次の資料持ってきて頂戴」
「・・・はい」
霞はマイペースな鎧衣を警戒しながら部屋を出て行った
「――ということがありました、そうそうもうひとつ奇妙なことがありました、存在しないはずのBETAのなかで頭部だけ破壊された跡がいくつものありました」
夕呼の瞼が一瞬だけ動き目を細めた
鎧衣は懐から資料を取り出しデスクに置いた
「これが資料です」
鎧衣から渡された資料を手に取ると、夕呼は何度も見直した
資料の内容は頭部だけを破壊された兵士級と周辺の状況で、戦場ではただ当たり前のことだったが・・・
「破壊された痕と現地にいた戦術機の銃弾が一致しない?」
「砲弾・ミサイルなど弾痕ではなく、なにか硬いもので抉ったことしか分からなかったそうです」
「・・・あ、そう」
「おや、お気に召しませんでしたか?」
「オカルトな出来事が何度も起こったら、さすがに飽きれるわ」
「ハハハ、たしかに目まぐるしく動いていく中で私としても忙しいですから」
「忙しいのに、こんなところで油を売っていいの?」
「美女との話だけは時間を空けて置きますので大丈夫ですと言いたいですが、私はこれで」
「はいはい、さっさと帰りなさい」
鎧衣が出ていき、夕呼は座り直しながら三つの資料を出した
ひとつは先ほどの資料、ふたつ目は廃棄された宇宙ステーションの落下資料、最後は月面ハイヴの陥落
「なにかが来ているの分かるけど、なかなか尻尾を出さないわね」
夕呼は目を閉じ思考を拡大させようとしたがパソコンに一通のメールが受信された
普段は政府や軍からたまにお知らせが来るがこのメールだけは違っていた
「電磁投射砲っ!?私の発案したのと違う」
メールの内容は電磁投射砲の設計図だが夕呼が発案したG元素を使用するものではなかった
さらに肝心の部分は消され、この設計図を元には作れないものになっている
「こんな理論知らない、私の技術を超えるものが存在するなんてありえない」
メールはどれも世界が喉から手が出るほどの魅力的な内容だった
最後には面会の日時が書かれ、夕呼の開いているスケジュールに入れられるものだ
完璧すぎて不気味に思うが、逆に夕呼はパズルの最後のピース見つけたように探究心に駆られていた
「世界を騒がす元凶が私と接触するなんて、面白いじゃないA.S・・・」
夕呼は怪しげに笑っていた
その笑い声は大学に響き渡り当分の間、夕呼の研究室の前は誰も通る者はいなかった
のちに帝都大学の七不思議にされ、魔女の囁き・魔女の笑い声と言われた
帝都大学 SIDE END
アスカ SIDE
「うーん、どうする俺?」
オルタネイティヴ第4計画最高責任者・香月夕呼に面会のメールを送ったのはいいんだけど
目の前にもう一つの課題であるブラッグの技術を盛り込んだファントムが佇んでいた
機体が完成したのはいいが性能実験をしていないため、性能は未知数
テストをやるとなると、誰にも知られずにこっそりとやるしかないが、トレミーは日本に向けてインド洋を潜行している
衛星の目は誤魔化せるのだが海上は世界の警察と名乗っているあの国が駐在して満足にテストが出来ない状態でいた
「まったく、あの国はBETAを監視するのか各国を監視するか、どっちかにしてほしい」
「ソウダ!ソウダ!」
「けどなぁーここまで来ると正直ウザく思えるんだよな・・・テストと兼ねて落とすか」
「落チ着ケ、アスカ!落チ着ケ、アスカ!」
「冗談だ、少しくらいなら落とす気持ちがあるけど自分の首を閉めるくらいは分かっているよ、それより腹減ったから何か食べてくる」
「了解!了解!」
格納庫から出ようとすると作業していた“ハロを蹴ってしまった”
ハロは床や壁にバウンドしながらカレルにスッポリとはまった
「・・・・・・あっ」
周囲が静まり返り、蹴られたハロからは赤く発光?していた
「NT―Dモード、起動!NT―Dモード、起動!」
「・・・・・・へぇ?」
瞬きしてもう一度、ハロを見ると赤から緑に変化している
「ハロそれはまさか・・・」と言おうとした瞬間、お腹に物凄い衝撃が来て押されていた
「ぐはっ!!」
お腹を見ると緑色に発光したハロが体当たりをしていた
ハロを退けようとした瞬間、なにかが割れる音がして音がしたほうに顔を向けると、ブリーフが割れたハロがいた
「ハロ、それは作品違うからッ!!ふもっふじゃなくて種だからね!」
「細カイコト、気ニスルナ!細カイコト、気ニスルナ!」
どうみても直撃コース、回避出来ないならいっそぶつかる方がましだと思いまぶたを閉じた
鈍い音が幾度も響き渡り気を失った、気づいた時は医療用カプセルに寝かされて日本近海に到着していた
今度からハロは丁重に扱おうと心から決めた
Tweet |
|
|
6
|
4
|
追加するフォルダを選択
おのれ、リアルめ~
忙しくしやがって・・・
と言うわけで遅れながら投稿します、すいません