No.424397

魔法使いは大嘘憑き?

arcgun000さん

型月の世界に転生させられたオレは転生のギフトとして《起源》の覚醒の権利を貰った。
そして、その《起源》は“抹消”つまり、事象や因果律をナかった事にする能力だった。
この物語は数奇な運命を送る事となった転生者の辛く哀しい闘いの連鎖の物語と思ったけど、別にそんな事はナかったぜっ!

2012-05-18 00:00:29 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2379   閲覧ユーザー数:2353

 
 

第零話・表

 

……………あ~、突然だが現在の俺の状況を説明させてもらうと、ある朝、専門学校に、二時間遅れで遅刻したオレは、慌てて我が愛するイケメンスクーターのシャルロットドナテルロ三世に跨がって全力全壊で学校に向かって発進!そして、何故かバナナの皮を踏んでコンクリートの壁に大リーグの選手の様に見事すぎるヘッドスライディングを決行した筈。

………なのに、何故か六畳のフローリングの部屋、しかも部屋にあるのは…ベッド…パソコン…パソコンの横には厭に見覚えのあるエロゲーの箱の山。

そして、少しメタボな感じの嫌味な笑いを浮かべた中年男が目の前にいる…。

………考えろ!!考えろよっ!!オレッ!!

……ポクポク…ポクポク…チーン♪

…よし、これは夢だ。それもとびきりの悪い夢だ。そーだきっと間違いない♪

とにかくこのオッサンを血祭りにシヨウ♪

「…おいおい、■■ ■■君、キミはそのエロゲーの箱を手に持って一体…何をする積もりなのかね!?…って…ちょっ…待っ…おま…やめ…―――――アッ―――!!」

よし、これでこの悪夢から醒める筈……………あれ?

………な、何で…さっき…あれ程…エロゲーの箱(装〇悪〇村雨…中国のパチモン…木製)でしこたま殴りまくった筈なのに(それも角の方)、何で…このオッサンは何事も無かったみたいに立ち上がるんだ!?

「あ~■■ ■■君…一応、こんな格好をしているけど、私はキミ達の言う処の神様の1人なんだけどねぇ。ちょっと酷くね?」

……なにぃ!?神様だとぉ!!ウソダ!!ドンドコドーン!!

「………今時オンドゥル語とかキミは何歳なのかね!?多分ネタが判らない読者がいると思うのだがね!!」

…うるさい!!オンドゥル語はカッコいいんだ!!……なんて言うか…そう!オレの魂が叫んでいるんだ!!《アレは良いものだ!!》そう魂が叫んでいるんだ!!

「……今時…DMCにマ・クベかね。……本当にキミは18歳かね?」

…決まっている!オレは正真正銘高校卒業仕立ての18歳…Eighteen …スペル合ってるよな…?

「…まぁ…そんな事はおいといて…………キミ…死んだから♪…まぁ、私が食べたバナナの皮に滑って転んだのが原因なんでね♪…一応、寿命がまだ余っている生命がこちらの不手際で死んだ場合は、ルール上他の世界に転生させる事になっているのでね♪…まぁ、キミの方にも色々都合があるのだろうけど済まないが他の世界に転生して貰えないかね?」

………オレ死んだ!?嘘ォーッ!!

…ど、どど、どーしよう!押し入れのエロ本や今までコツコツ貯めてきたフィギュアやネンドロイド…。

……ああ…そう言えばPCの中の画像集…後、…動画集………ヤバい(-_-;)

…あんなモノ、身内に見られたら……オレは、死ぬ!!肉体的じゃなくて精神的に死んでしまう!!

「…あ~その気持ちは良く解る。…昔…私も、書斎の本棚の偽装した艶本を娘の1人に見つけられた時は恥ずかしさの余り、思わず下界で『ゼッちゃんの傷心旅行♪ギリシャの大地を変装して色々な美人・美少女と仲良くヤっちゃうZ ♪ツアー』なんてモノをやらかしたからねぇ…。……まぁ、そう思ってキミの大事なメモリー達はこの部屋に転送しといたから♪」

…オォ!?…アンタ…マジスゲーッ♪………ん( -_・)?

…ゼッちゃんの傷心旅行♪ギリシャの大地を変装して色々な美人美少女と仲良くヤっちゃうZ ♪ツアー?…。

…………………OK…オレは大丈夫だ。

…………クールになれ…KOOLにじゃなくてCOOLになれ…。

………ギリシャ…ゼッちゃん…変装…色々な美人美少女と仲良くヤっちゃう…。

……アンタ…もしかして…ゼウスとか言わねえよな…。

「あぁ…私の名前を知っているのかね?んーまぁアレだね。この姿は『』での姿だとフツーなキミでは精神的に死んでしまうからねぇ。まぁアレだね。皆既日食を直死じゃなくて直視すると失明するのと同じ事だね。」

…何で…ゼウスとかがバナナ喰ってその皮ポイ捨てして…その皮で事故って…その上ゼウスにオレの大事なメモリー見られた上に転生させるとか…。

あぁ~もうッ!!訳ワカンネー!!

…って。転生!?

…そ、そうだ転生だよ…転生!!アレか?二次創作とか厨二病とかのアレか?

あぁ~、すんません。転生とか聞いたんですが、一体どんな世界に転生させるお積もりでしょうか?

「転生させる世界の事かね?まぁ一応、型月ということになっているようだね。」

………型月?

……アンタなんちゅう世界に転生させる気ね?

…マジで死亡フラグ満載の世界じゃねーか…。

あのさ、二次創作とかだと何かスゲー能力とか貰えるでしょ?…という訳で何かスゲー能力とか武器とか貰えないでしょうか?

「何が…という訳なのか良く判らないが、二次創作とかの設定と一緒にしないでくれないかね?まぁ一応、私の方からのギフトは『』からキミの《起源》の覚醒があるけど、余りお薦めしないね…。」

……ん?なして?空の境界とかでも《起源》の覚醒とか結構上位の能力の筈なのに?

「あぁ、確かに《起源》の覚醒は直死の魔眼や固有結界とかと比べてリスクは少ないね…。しかしキミの《起源》は“抹消”つまり今まで在った事象をナかった事するという訳だね。その力は強すぎるという訳だね…。もし、キミが大怪我をしたとして…その怪我をナかった事にするとね…。傷はたちどころに治った様に見える訳だね。しかし、もし、仮にキミがある人物の存在をナかった事にしたとしたらね…。最悪その人物の身内にまで影響が発生する訳だね。」

………ナニソレ?スゲーコワイ…。何処の大嘘憑きだよ…。

それじゃ何か?オレがもし、もしもだよ?荒耶宗蓮の存在をナかった事にしたとする。そしたら空の境界という“物語”はハジマラナイ……。……巫浄霧絵は病棟の一室で孤独に病死、…浅上藤乃は不良達(屑)の玩具(ナブリモノ)にされたまま殺害、白純理緒は単なる馬鹿やらかした学生のままタイーホ…。

って事になるのかねぇ…。

まぁ、白純理緒の場合はどちらかというとそのままタイーホの方が良いかもしれねぇ。

…が、浅上藤乃や巫浄霧絵の場合は、はっきり言ってかなり嫌な気分になる…。

かといって、そのまま荒耶宗蓮の思惑通りにさせるってのも業腹物だ。

それに、型月の世界となりゃあ物語は空の境界だけじゃあねえな。

月姫、Fate ……後、魔法使いの夜だったっけなだいたいその4つ位が同じ時代にある物語だったような気がする…。

まぁ、最も他の時代に転生させられたら、まぁ、どうにもならんわな…。

……え~っと、ゼウス…様?オレは一体何時の時代に転生させられるのでしょうか?ってアンタ一体ナニしてんのさっ!?

 

「ん?嫌ね、今時のサブカルチャーは、どんな風になってるのかなぁと思ってね…。…しかし、キミねぇ、アレだね♪範囲広いねぇ~。ロリから熟女それも人妻も有りとかは無いねぇ。……このき・ち・く(爆)」

ウオォォォーイ!!このクソ野郎ッ!!テメェだけには言われたかねぇよっ!!!!テメェの方こそロリから熟女それも人妻も有り!!その上近親相姦実行しまくってんじゃあねえか!!

「まぁ、アレだね♪良い男には勝手に女の方から付いてくるってね♪それに、私も昔はヤンチャだったって事だね♪」

…オイコラ!!今時るろうに剣心それも志々雄とか判らない読者がいるだろうが!!

……まぁ、今年の夏にゃ映画化されるけどなっ!

それはともかく、オレは何時の時代に転生させられるのか位は教えてくれても良いんじゃあねえか!!

「あぁ、キミは確か蒼崎蒼子と同じ日に生まれる予定だね。」

ミスブルーと同じ日に転生させられるのか!!

って事は上手く立ち回れば、蒼崎姉妹のトラブルを減らす事が可能って訳か!!

…しかし、待てよ?…ちょっと良いか?

一つ聞きたい事がある。オレは何処に生まれる予定なんだ?

「キミは北海道の釧路市に転生させる予定だね♪まぁ、アレだね♪蒼崎姉妹のトラブルをナかった事にするのは実質的に不可能だろうね…。」

…クソッ!!やっぱりそう上手くは行かねぇモンだなぁ…。

アレ?ゼウスさんよぉ北海道の釧路市に転生させられるんなら、オレが物語に介入出来る可能性は限りなく低いんじゃあねえか?

「いいや、キミは確かに生まれる場所は遠く離れた釧路市だけどね…。…もし、キミが《起源》の覚醒を選択した場合、確実にキミは物語に介入しなければならなくなるね…。キミのいや…キミ達の運命はキミ達が物語から離れるのを絶対に許さないだろうからね…。」

……ちょっと待て!?キミ達って転生させられるのはオレ1人じゃあねえのか?

だとすれば他の連中は一体何処に居るんだッ!!

「キミ以外に転生させる予定の人物は1人…すでに転生作業に入っているだろうね…。転生先は七夜の里…七夜黄理の甥っ子に転生予定だね。その転生者の目的は哀しい運命の回避だね。…でも七夜の里の滅びの運命は彼1人では不可能だろうね…。さて、キミは一体どうするかね?」

………あぁ~っ!もうッ!!畜生ッ!!そのバカは世界の修正力を甘く見てやがるなっ!

確かに世界の修正力はスゲーよな…。

だけど、このままじゃあそのバカは確実に死ぬ…。

それでもいいのか?それでオレは納得出来るのか?……無理だよなぁ…。なんて云うかオレの魂が叫んでやがる…。

”抗え!!その運命に抗え“ってなぁ…。

……良いぜ、そのバカの味方になってやるよ…。そして、その哀しい運命の回避とやら…。オレがいやオレ達がナかった事にしてやるよッ!!

だから、ゼウスさんよぉ!!オレを転生させろッ!!

「あぁ、キミの願いは確かに私に届いた…。それでは良い来世を…。」

そして、まるでテレビの電源を切る様にオレの意識は闇に呑み込まれた…。

 
 

 
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