IS学園校舎の裏側付近。
そこには目隠し帽をした3人が侵入していた。
1人は女性でもう2人は男性だった。
「さてと…専用機のデータはこの校舎の地下だな」
「これが終わったら、給料をたくさん貰うか」
「無駄口はいいから急ぐわよ!」
リーダーの女性は身軽な動きで校舎の曲がり角に行こうとすると…
「おいで、パパだよ!」
いきなり曲がり角から手が伸びて、リーダーの女性はつかまれてそのまま壁にぶつけられ気絶した。
「「リーダー!!」」
そして、曲がり角からジンヤが出てきた。
「お、お前は?!」
「その通り!何を隠そう、僕はジェームズ・ボンドだよ!」
「ふざけやがって!BSAAエージェントの神崎ジンヤ!!」
侵入者の1人の男が懐から拳銃を取り出すが、もう1人の男に止められた。
「待て!撃つな!」
「あ」
「うあたぁ!」
銃を持った男はジンヤの顔面右ストレートをくらい、鼻血を出しながら派手にぶっ倒れた。
(最後の1人は厄介そうだな…)
ジンヤは心の中でそう思った。
最後の1人は体格が良く、先ほどの様子を見ればかなり頭脳派で腕力もかなりありそうだ。
だが、ファイティングポーズの構えをとっているが急所である頭を守っていない。
まさにがら空きだ。
ジンヤは先ほどと同じ様に顔面右ストレートを叩き込もうとすると…
「神崎ジンヤ!お前が先ほどと同じ顔面右ストレートでくる確率は80%!あえてここはノーガード戦法を取らせてもらう。お前が顔面右ストレートを入れる瞬間にカウンターを叩き込めばお前はノックアウトだ!!」
マヌケにも喋った。
「良い手段だけど口に出ているよ!」
「しまった!!」
そして、ジンヤは顔面右ストレートを入れるフリをして、足を上げて…
「隙ありっ!!」
キーン!!
「あふんっ」
男は股のアレを蹴られて悶絶し、ぶっ倒れた。
男として生まれた以上、どれだけ体を鍛えようが、仮にウェスカーの名を持つ者だろうと死神の異名を持とうが始祖ウィルスを体内に注入した奴でもけしてこの痛みから逃れられない。
さっそくジンヤは侵入者の追剥もとい持ち物を探っていた。
すると、手帳が出てきた。
「なになに…フランス諜報部…こいつ等バカか?なんで身分を証明をする物もっているんだ?(それにシャルが転校した日にフランスの諜報員の侵入…怪しいな)」
『ジンヤ、付近に居るBSAAエージェントに連絡を取った。すぐ来るから撤退した方が良い』
ジンヤはジャンボットの言葉通りにその場を去った。
そして、しばらく歩いているとジンヤはラウラとバッタリと遭遇した。
「神崎ジンヤ、見つけたぞ。貴様に質問がある」
「いきなり無礼だな…ま、ギブ&テイクで答えても良いよ」
「仮面ライダーについて教えてもらうぞ」
その言葉にジンヤは一瞬だが眉をひそめたが知っている事を話し始めた。
1971年、悪の秘密結社ショッカーは人間の肉体に動植物の優れた機能を与え、命令のままに動く改造人間、通称怪人を作り上げ、地球上の全ての人間を怪人とし、ショッカーのトップである首領の意のままに動くようにする世界がショッカーの理想。
だが、一体の改造人間が洗脳技術、脳改造を行なう前に脱走し、彼は仮面ライダーと名乗り人々の笑顔の為に戦い始めた。
そして、戦いの中で出来た仲間と共にショッカーを倒した。
次々に現れる悪の組織にまた仮面ライダーも次々と現れて人々の笑顔の為に戦っていた。
だがISの台頭に仮面ライダーの存在は都市伝説とされ、未確認生命体事件や暗黒結社ゴルゴルの宣戦布告のデータは抹消された。
「…詳しいな、何故そこまで知っている?」
「さあね?それより今度は僕がキミに1つ質問するよ」
「私の…シュバルツェ・ハーゼ隊長の権限で話せる事ならな……」
「キミにとってISは何だ?」
ジンヤの質問にラウラは目を丸くしたが答えた。
「私にとってISだと?愚問だな…私にとってのISは力だ」
「なるほど力か…理由は?」
「私は軍の為に生まれた、軍がISを必要するならそれを使いこなすだけだ…しかし、ここの連中はISをファッションと勘違いしている愚か者だらけだ」
「別に良いじゃん、物騒な事に使われるより平和で」
ジンヤの言葉にラウラはジンヤを睨みながら言った。
「貴様はいずれ、私が倒す。そして、織斑一夏もだ」
「何で一夏もなんだ?怨む理由は無いでしょ?」
「アイツは教官の面汚しだ、私はアイツを許さない」
すると、ジンヤはため息をして言った。
「キミは真実を知らないからそう言えるんだよ」
「なに、どういう事だ!真実とはなんだ!!」
「それは今度ね」
そう言うと、ジンヤはラウラと別れた。
そして、自分の部屋に向かっている途中にデルタフォンに電話が入った。
「一夏か…もしもし、何のよう?」
『ジンヤか…あの、ちょっと俺の部屋に来てくれ』
そうだけ言うと、すぐきれた。
「なんだろう?とにかく急ぐか…」
そして、一夏の部屋に着くとそこには一夏以外にもラウや楯無、簪が居て中心にはシャルルが何か女の子ぽい座り方していた。
「あの…皆さん、何かあったんですか……」
「その、シャルがその……女だったんだ……」
一夏の言葉にジンヤの脳内が一瞬フリーズした。
「あの、ジンヤにも詳しく説明するから……」
そう言うと、シャルルは説明し始めた。
シャルルの母、アンナはデュノアの愛人でアンナが病気になった時にデュノアの本妻がアンナを誘拐した。
アンナを助けたければ、ジャンボットやジャンナインを始め、IS学園にある専用機のデータを取って来いと脅迫されたのだ。
「なるほど…実はさっきフランスの諜報員と遭遇したんだ。つまり、キミは捨て石だったようだね」
ジンヤの言葉にシャルルは力無く笑いながら言った。
「そうなんだ…僕はどうなるんだろう……牢屋行きなのかな……」
そこに簪と楯無が言った。
「大丈夫だよ…IS学園特記事項第二-本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする」
「それに貴女は脅迫されていて、フランスの諜報員が密かに侵入した。お姉さんが貴女をしっかり守るからね…」
そしてラウが言った。
「ちゅーか、デュノアのおっさんがこんな馬鹿げた事をするようなバカじゃない。ちょっと確認する」
そう言うと、ラウはケータイで電話し始めるとフランス語で喋り始めた。
なお、ジャンナインが翻訳している。
『よう、久しぶりだな。デュノアのおっさん』
『神崎君か?!久しぶりだな!元気だったか!』
『まあな、ちゅーか、パトリオット・デュノア。真面目な話がある』
そう言うと、ラウはパトリオットに先ほどの話をした。
『本当なのか…アンナが生きているのか?!私が聞いた話では事故死したって…』
『本当だ、おっさんがアンナさんとの関係は愛人関係じゃなくて、本当に愛し合った関係で結婚前にそいつに誘拐されておっさんにはウソ情報が流れたらしいな…』
ラウの言葉にシャルルは驚愕した。
(お母さんは愛人じゃなくて本当に愛していた?!つまり、愛人ってのは…ウソだったの?!)
『私は……アイツの言葉を信じてしまった……シャルロットにどう償えばいいんだ……』
『その言葉、オレじゃなくて本人に言えよ』
そう言うと、ラウはシャルルにケータイを渡した。
『あの……お父さん?』
『シャルロット!すまなかった!!』
その言葉と共にパトリオットはシャルルに謝り始めた。
『私がアイツの言葉を信じて、お前に辛い目に遭わせてしまって……すまなかった、本当にすまなかった!!』
その言葉にシャルルも泣きかけながらも言った。
『お父さん…僕も……お父さんを信じられなくて……ゴメンねぇ……』
そして、ラウはシャルルの頭を撫でながらケータイを借りた。
『おっさん、さっさとソイツと離婚話でもしておけ、アンナさんはオレ達BSAAが救出するからな…報酬は……おっさんとアンナさんの結婚式に招待させろ』
『ああ、神崎君!頼むぞ!!』
そして、ケータイはきれた。
その後、ラウは的確に指示し始めた。
「まずはそのバカ女と結託しているフランス政府のバカ役人の失脚させる弱みを握る」
すると、楯無が扇子を開くと、そこには『私もお手伝いします』と描かれていた。
「なるほど、あの……楯無さんの正体言っちゃって良いかな?」
「良いわよ、ジンヤくん♪」
「兄さん、楯無さんは裏工作を実行する暗部に対する暗部に対する対暗部用暗部『更識家』の当主なんだ」
ジンヤの言葉にラウは頷いて言った。
「それじゃあ、更識姉からは腕選りの奴何人か借りるぞ、一夏はフィリップに連絡を取り、『本棚』での検索を頼んでくれ」
「了解、ラウ兄」
そう言うと、一夏はケータイでフィリップに連絡を入れ始めた。
「で、更識妹は作戦が完了するまでシャルルの警護だ、お前の腕を信頼しているからな!」
「は、はい!」
簪は緊張しながらそう言うと、ラウはジンヤに言った。
「ジンヤ、お前はプロファイリングだ。絶対ミスるなよ?」
「任せておいてよ、兄さん!」
そして、ラウは言った。
「BSAAの逆鱗に触れたバカに天誅をくれてやる!」
その後、パトリオット・デュノアはその女と離婚し、その女や結託していたフランス政府関係者とかは匿名から情報提供により犯罪があきらかになり、逮捕された。
また、シャルルの母、アンナはBSAAに保護されて現在はBSAA関係の病院に搬送され、現在回復に向かっている。
これらの後、シャルルはにっこり笑顔になった。
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逆鱗。
それは触れてはいけない所である。