No.422885 記憶のライダー05 混乱のD/カオスな風都秋良さん 2012-05-14 21:05:30 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1187 閲覧ユーザー数:1171 |
[記録(○月×日)]
[今日も今日とて、依頼は少ないです]
[亜樹子所長が依頼をとってきてくれているのでギリギリ光熱費は払えていますけど、]
[食事はやはり天道屋のおでんが生命線です]
[今日は、天道さんが妹さんの誕生祝いをするそうなので天道屋は休みです]
[僕はひさしぶりにゆっくりできるので、
ネットで元の世界と違う部分を調べることにしました]
[基本的に僕の世界も変わらないので、何処が違うのかはっきりさせておかないと]
「へぇ、こっちでもニ○○コ動画のアカウント使えるんだ。
それに、知ってるアニメは軒並みあるし」
僕は、久しぶりにニ○○コ動画でとあるシリーズやらなんやらの動画を見ていた。
「やっぱり、どの検索エンジン使っても仮面ライダー系は特撮ではヒットしないなぁ……
やっぱり、仮面ライダーが実在する世界なんだなぁ」
そうしみじみとつぶやいいて、ふたたびネットに没頭した。
翌日。
事務所で目を覚まして、顔を洗ってからテレビをつけた僕はあっけにとられた。
そこに、とんでもないものが映っていたからだ。
それは、ツンツンした髪型の学生が短髪の女の子が出した雷撃を右手で弾き飛ばし、
銀髪のシスターがその二人を追いかける光景。彼らは……
「上条当麻に、御坂美琴……!?」
そう、無能力(レベル0)にして『幻想殺し(イマジンブレイカー)』、上条当麻と、
イギリス清教の作り上げた『禁書目録』であるシスターのインデックス。
そして学園都市のNo.3にして超能力者(レベル5)の
『超電磁砲(レールガン)』こと、御坂美琴だった。
~上琴Side~
「不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
叫びつつ風都の街を駆け抜ける当麻。それと、
「いい加減に私のお仕置きを食らいなさいってばぁぁぁ!」
当麻を雷撃で攻撃しつつ追いかける美琴である。
事の発端は一時間ほど前に遡る。
「いいかげん真剣に勝負しなさいって言ってんでしょうがッ!」
「そんなことをしたら上条さんは死んでしまうのですがね!?」
そんな会話をしつつ追いかけっこをしていた当麻と美琴の足元に、
いきなり真っ黒な『穴』が出現。
そのまま二人はそこへ落ちていった。
さらに、とあるの世界の各所でも『穴』が出現し何人かの人間が飲み込まれていた。
その中にはインデックスや学園都市最強の能力者、無能力者の少年も混ざっていた。
で、時間は少し進む。
「ん……っつ!ここ、どこだ……?」
つぶやきつつ下に手を突き、立ち上がろうとする当麻の手に、
なにやら少し柔らかい感触が。
「ん?なんだこれ」ふにふに
「んっ……あんっ」
触っていたのは美琴の……ひかえめな胸だった。
当麻も美琴が漏らす甘い声で気づき、悪い事に美琴もその刺激で意識を取り戻してしまい、
風都での追いかけっこに至る訳である。
~聡里Side~
「なんであの二人が風都にいる訳?いやそもそも、
とあるはこっちの世界でもアニメだったよね!?」
パニックを起こしつつ、とりあえず二人が映った場所へダッシュする僕。
「あー僕もバイク欲しいなぁもう!」
とそんなことを思いつつ走っていると、すぐその場所へついた。
そこは採石場で、すでに美琴の電撃で周りの人は逃げていた。
「あ~ん~た~はぁ~……どーして毎度毎度セクハラまがいの状況にするのかしら?」
「みみみ、御坂サン?漏電しつつこちらに殺意を向けている事は
自覚していらっしゃいますでしょうか!?
体の回りを砂鉄が渦巻いてそれはもう近づくだけで粉みじんにされそうなのですが!」
「や、やめるんだよ短髪!とうまが死んだらこれからご飯はどうすればいいんだよ!?」
そんな会話をしつつ今にも攻撃しそうな美琴ちゃんと
うろたえている当麻くん&インデックスの間に入って仲裁する。
「まぁまぁまぁ……そんなにビリビリしてないで落ち着いたらどう?
『電気使い(エレクトロマスター)』。
それから、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の君と、
禁書目録(インデックス)ちゃんも」
僕がそう言うと、三人はやっぱり驚いたようだった。
「え、あなたは誰なんでせうか?俺達のことを知っていらっしゃる!?」
「ああ、知ってるといえば知ってるし知らないといえば知らないし……って危なッ!?」
当麻君と話している横合いから、美琴ちゃんの雷撃の槍が飛んできた。
「あんたたち……?今はそんなことより状況を説明してもらえるかしら……?」
とまぁ、そんな状況で三人を事務所へ連れてくる事になった。
……もっとも、美琴ちゃんは放電しつつ、
インデックスは歯を見せて警戒しているから僕と当麻くんは戦々恐々だけど。
と、いうわけで所変わって鳴海探偵事務所。
翔太郎さんとフィリップさん、亜樹子さんに三人の事を報告しているところになる。
「なるほど。この三人はアニメの登場人物で、
どうしてかは判らないが気づいたらこの風都に居た、と」
「まあそういう事になりますかねぇ」
フィリップさんは僕の解説を聞いて、内容を要約して説明してくれた。
その説明を聞いた三人は信じられかったらしいけれど、
僕がアニメを見せると信用したらしい。
「どどどどどうやったらここから帰れるんでせうか!?
上条さんはとっとと帰らないと出席日数がヤバいのですよ!」
「そもそもこの状況で出席日数を気にする余裕があるアンタに私は感心するわね」
「とうまは相変わらずなんだよ……」
「当麻くん……ドンマイだ」
そういって彼の肩に手を置くと、彼は男泣きをし始めた……不憫な。
「でも、こんな現象が起きるってことは……やっぱり?」
「ああ、ドーパントだろうな」
「僕もそう思うよ、聡里くん」
僕の疑問に翔太郎さんが答え、フィリップさんも肯定している。
「「ドーパント!?」」
知らないけど知っている単語に驚く当麻くんと美琴ちゃん。
ちなみにインデックスは亜樹子所長と、
ちゃっかりついてきたスフィンクスと一緒にお菓子の争奪戦で夢中である。
「Wを知っていたら知っていると思うけど、ドーパントについて僕から説明するよ。
ドーパントというのは、地球の記憶を封入した特殊な装置『ガイアメモリ』を使って
その記憶を使用(ドーピング)して、怪人になったものの事を言うんだ。
大体は人間が変身するんだけどごく稀に、
動物なんかが変身することもあるみたいだね」
「はー、テレビで見てはいたけどすごいモンなんですね。」
「そこまで知っているなら、副作用についても知っているんだろうね」
当麻くんにフィリップさんが話しかける。
「たしかにガイアメモリは使用者に絶大な力を与える。
だがしかし、副作用があるんだ。
ガイアメモリの使用者はメモリの力に呑まれて行き、
闘争本能が暴走したり力を制御できなくなったりする。
そもそも、人体への負荷も相当大きいんだ。
それを壊すには、同じガイアメモリの力がもっとも有効だ」
「そして、それを壊して風都を守るのが俺たち『仮面ライダー』って訳だ」
フィリップさんのセリフに翔太郎さんが受け、自分たちの正体を明かした。
そして二人が『仮面ライダー』と聞いた当麻くんと美琴ちゃんは
かなり驚いた様子だった。
「お二人が『仮面ライダー』!?」
「それって、キバやクウガみたいな!?すごいじゃない!」
「御坂、そこは一号二号だろ?」
「何よいいじゃない、平成ライダー!」
「そうだよとうま、モモタロスたちは面白いんだよ!」
あ~、どうやらとあるの世界でも仮面ライダーシリーズは放送されてたみたいだ……
なるほど、美琴ちゃんが平成派で当麻くんが昭和派か。
そしてインデックスちゃんは電王派かな。
「おーい二人とも、そろそろ話進めてもいい?」
僕が一声かけてようやく二人のライダー談義も終わり、本題に入ることになった。
「それでフィリップさん、検索の結果はどうでしたか?」
僕の問いに、フィリップさんは
「ああ。検索を完了した。犯人はおそらく『ディメンション・ドーパント』だね」
「ディメンション……『次元』の記憶だな、フィリップ」
「そういうことさ、翔太郎。目的は判らないが、おそらく犯人は次元を超えて
『現実に学園都市がある世界』から当麻くんたちを呼び出したんだろう。
パラレルワールドの存在については、聡里くんが証明してくれているしね」
「「え?」」
フィリップさんの台詞にまた驚いて僕のほうを見てくる上琴コンビ。
そこで僕は彼ら二人に僕の今までのいきさつをかいつまんで説明した。
「つまり聡里さんも、別の世界からこの『仮面ライダーの世界』に来た、
と言うわけなんですか」
「そういうことになるね、上条くん。
まぁ、僕の場合元々君ほど強くないんだけどね、あはは……」
苦笑いした僕に、フィリップさんがさらりと言い放つ。
「何を言ってるんだい?君も今や仮面ライダーじゃないか」
「「「えええええ~~~!!!」」」
苦笑いしたまま、驚く三人組に僕はロストドライバーを見せる。
「君たちは事件の当事者だからいいか。そうだよ。僕も仮面ライダー。
仮面ライダーメモリーさ。原作にはいない、この世界オリジナルだけどね」
「お、男のロマンではないですか、仮面ライダーとは!!」
「ろ、ロストドライバー!?
しかも何かオプションみたいなものがついてるし、どういう機能があるの!?」
「ああ、これ?これは……ん!?」
食いついてきた当麻くんと美琴ちゃんに
ロストドライバー改について説明しようとすると、窓ガラスを叩く音が聞こえた。
「あれは……ホークフォン! ってことは、翔太郎さん!」
「ああ、ドーパントだな!見つけてきたのか!っしゃ! 俺は先に行ってるぜ、聡里!」
翔太郎さんはそういい残し飛び出し、僕も三人へ軽く状況説明をする。
「上条くん、御坂さん、インデックスちゃん。
今君たちをこの世界に連れてきた張本人が現れたらしい。これから僕も行ってくるよ」
「俺も行きます! 俺たちの事は俺たちで解決しないと気が済みません!」
「私だってそうです! それに、私はレベル5ですから、役に立って見せます!」
「私もなんだよ! 私だって、これでも魔道図書館と呼ばれているんだから!」
そういう三人を、僕は一言で切り捨てる。
「ダメだ」
「なんで!?私の能力だって……」
「いい加減にしろ御坂さん!!」
僕の一喝に、怯む御坂さん。
「いいか、君たちは異能の力を持っていたりしても、まだ子供なんだ!
危険に向かっていくのは本業に任せてくれ!」
「でも!」
「それに、それだけ詳しかったら翔太郎さんのポリシーは知っているだろう、
君たち?」
その言葉で、当麻くんは気づいたようだった。
「『探偵は、依頼人を危険な目には遭わせない』……。そういうこと、ですか?」
当麻くんの言葉に、美琴ちゃんもインデックスちゃんも黙り込んだ。
「そう、これは我が鳴海探偵事務所の鉄則でもあるんだ。
だから、ここで待っていて。必ず君たちを元の居場所へ戻すから」
「……んじゃ、俺からもう一つ、依頼していいですか?」
当麻くんが、真剣な面持ちでこちらに話しかけてきた。
「絶対に大怪我しないこと。いいですよね? 『聡里さん』」
その言葉に、僕は一瞬言葉を失う。そして、
「ああ。任せておいてよ、上条君……いや、『当麻』!
よしっ、案内して、マンタレイ!」
そう言い、僕はマンタレイライブラリに案内してもらいつつ風都の街を駆け出した。
~W Side~
そのころ翔太郎は、ドーパントの居場所へ辿り着いていた。
「テメェが『ディメンション・ドーパント』か。
大人しく上条達を元の世界へ戻しやがれ!」
翔太郎が呼びかけるが、ドーパントはまったくいう事を聞くそぶりを見せなかった。
それどころか、おかしな態度を取っているのだ。
「俺の契約のジャマをするなぁ……!」
そういい、体から砂をこぼし襲い掛かってくるディメンションドーパント。
(以下Dドーパント)
『契約……? 翔太郎! コイツは誰かに雇われているのかもしれない!』
「わっかんねぇよ! だが、コイツは結構手強いぜ!」
その言葉通り、そのドーパントは空間を歪めつつ、
W・サイクロントリガーの銃撃をはじいているのだ。
「チッ、射撃が効かないぞ、どーすんだコイツ!」
『翔太郎、射撃が駄目なら?』
「肉弾戦、ってか!」
[Heat!] [Metal!]
そして、接近戦で最も有効な組み合わせ、
ヒートメタルにメモリチェンジしたWはメタルシャフトで袈裟切りのように殴りかかる!
しかし、当てたと思った場所にDドーパントは居なかった。
「なっ、どこ行きやがった!?」
『翔太郎、下だ!』
「んなっ!?」
フィリップが言うと同時に、足元に時空の歪みが生じてWはその空間に落ちていった……。
続く。
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今回はとあるとのクロス回です。