KAORUKO:SIDE
私は先程のインタビューを思い出しながら明日に出す記事の内容を考えながら自室へと足を進めていた。
「さて、いいネタ掴めたわ。これからどう書こうか……」
明日の新聞の内容を考える私の耳に、呻き声と足音が聞こえた。
「なに、あれ?」
そこから現れたのは明らかに人間とは違う外見をした正体不明な怪人と呼んでも差し支えしない存在。
「えっ……」
想定外すぎる事態に足を止め、思考が停止する私にそれが聞こえた。
【TURN UP】
唐突に響いた電子音と共に現れた『蒼い光の幕』が私に向かって来た正体不明な怪人の1体が放った炎を吹き飛ばす様にぶつかり、跳ね飛ばしたと同時に『蒼い光の幕』を何かが潜り抜け私に背を向けて正体不明の怪人達と対峙する。
「なに?」
ここで唐突にある事を思い出した。思い出したのは自分の姉が何年か前に教えてくれた都市伝説の内容。“未知の生命体と戦う鎧の男”という都市伝説、及びその象徴的呼称として噂されている存在。
そして、1年1組のクラス代表決定戦の際に現れた正体不明の存在。
「まさかアレが『仮面ライダー』!?」
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ICHIKA:SIDE
最近、直感の類いがやけに鋭くなってるんだよな。なんでだろう?まあ、そのおかげでアンデッドの存在を気付けたから良いか。
「(……さて、どうするべきかな?)」
目の前に居るのは2体のアンデッド。片方はダイヤスートのカテゴリー9のゼブラアンデッド。もう片方は見たことは無いが先程炎を使っていたところを見るとダイヤスートのカテゴリー6、ファイアフライアンデッドか?
「(さて、どっちを先に封印するべきだ?まったく情報の無いカテゴリー6かもしれないアンデッドと情報があるカテゴリー9……普通に考えればカテゴリー9から封印するべきだと思うんだが…)」
悩むのには理由があった。
「(……カテゴリー9には分裂が有るからな、下手したら3対1になるんだよな。)」
かと言って情報の無いファイアフライアンデッドを相手にして手こずったらゼブラアンデッドがノーマークになるし……
「(……どうする?…どちらから先に封印するかが問題なんだよな。下手に時間をかけて両方とも逃げられたら……)」
最悪の可能性―――――死者が出るかもしれない。
「(仕方ない、出たとこ勝負で行くしかないか!!」
ブレイラウザーのオープントレイから取り出したプライムベスタをスラッシュ・リーダーにラウズした。
【TACKLE】
突進攻撃「ボアタックル」を発動し、ゼブラアンデッドに向かって行くが回避され、逆にファイアフライアンデッドの放った炎の一撃をうけて吹き飛ばされてしまう。
「(……ミスった!?それなら!!)」
何とか体勢を立て直し、オープントレイから新たに取り出した2枚のプライムベスタをブレイラウザーにラウズする。
【SLASH】
【BLIZZARD】
発動したのはブレイラウザーの切れ味を増幅させる「リザードスラッシュ」、強力な冷気が生成され、その冷気を放出する「ポーラーブリザード」、それらが合わさり1つの力となる。
【FREEZING SLASH】
冷気を纏ったブレイラウザーで、追撃しようと此方に近づいて来たファイアフライアンデッドを袈裟切りで斬撃を与えて地面に倒れたところをブレイラウザーで突き刺して腰のバックルを開かせた。
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KAORUKO:SIDE
【FREEZING SLASH】
そう聞こえたと同時に仮面ライダーが冷気を纏った剣を振るい、怪人の1人に斬撃を浴びせ倒れたところに剣を突き刺し動きを封じた。そして剣から取り出したカードを突き刺し、辺りに緑色の発光が起きた。
「うそ、消えた!?」
発光が消えた時、怪人の姿は消えていた、だけど同じ怪人が2体に増えていた。その様子を見たのか仮面ライダーが舌打ちをしながらもいつの間にか手に持つカードを剣の溝に読み込ませるように通して行く。
【BEAT】
【FIRE】
そう聞こえた瞬間、仮面ライダーの背後にライオンと蛍が描かれたトランプの様な物の立体映像が現れるとそれが仮面ライダーの右腕に吸い込まれるように消えて行く。それと同時に新たな電子音が響いた。
【BARNNING KNUCKLE】
そう響くと共に仮面ライダーの右腕が黄金の炎に包まれた。そして一瞬光った怪人をその右腕で殴り飛ばした。殴り飛ばされた怪人は地面に倒れると小規模な爆発が起きた。それを見ながら仮面ライダーは先ほどと同じ様にカードを投げて怪物の姿を消した。
「ちょっと待っ……」
引き留めようと口を開いたけど、それよりも早く仮面ライダーは再び取り出したカードを剣の溝に読み込ませるように通して行く。
【EVOLUTION】
【TIME】
そう聞こえたと同時に仮面ライダーの姿が消えた。
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ICHIKA:SIDE
ダイヤスートのカテゴリー6とカテゴリー9を封印した翌日に俺はその話を聞いた。
「転校生?こんな時期にか?」
聞いた話の内容は2組に転校生が来るそうだ。しかも……
「中国の代表候補生らしいよ。」
転校生は代表候補生らしい、けど俺が気になったのは代表候補生と言う肩書ではなく……国名だった。
「中国か……」
そう言えば、中国にはアイツが居るよな。元気にしてるのかなと昔を思い出しながらあの時の事を思い出していた。
「おりむー、どうしたの?」
「いや、中国に幼馴染がいるんだよ、それでその幼馴染の事を思い出してさ。」
アイツは俺がブレイドだと知った後、サポーターの1人になって最後の最後まで支えてくれて、あの後も俺が有る程度立ち直るまで側に居てくれた存在。
「ひょっとしたら知り合いだったりして。」
「それだったら嬉しいかな。」
あの時からまったく連絡もとって無いし……うん、もし再会したら俺どうなるんだろうな。今度手紙を出すことを心に誓いながら周りの会話に混ざっていく。
「お前にそんな事を気にしている暇が有るのか?」
「そうだよ、2組以外は専用機持ちなんだよ。」
箒を始めとしたクラスメイトの言いたい事は分かる。実際、『仮面ライダー』としての戦闘経験が無ければ俺はセシリアにボロ負けだっただろうし、ISも上手く操縦する事すら不可能だっただろうしな。
「いや、分かってるって。けど負ける気なんてないさ。」
実際、2組以外の専用機持ちのクラス代表にこの1週間ほど習っている訳だし……だけど、追いつけない位置にはいないと思っている。そんな事を考えていて……
「言うようになったじゃない。」
教室の入り口から響く声に耳を疑い、慌てて声がした方に視線を向け―――――直ぐに目を逸らした。
「そして一夏!これはどういう事なの!!」
その声を聞き思った事は1つ、どうやら手紙を出す必要は無くなったみたいだ。
11話終了時点織斑一夏所有ラウズカード一覧
【SPADE】
A:CHANGE
2:SLASH
3:BEAT
4:TACKLE
7:METAL
8:MAGNET
10:TIME
【HEART】
4:FLOAT
7:BIO×
【DIA】
6: FIRE(NEW)
9: GEMINI(NEW)×
【CLUB】
6:BLIZZARD
K:EVOLUTION
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今回は久々のバトルとなります。