No.420827 超次元ゲイムネプテューヌmk2 緑の妹と見せかけた弟 その3「重さを増した槍」トマト畑さん 2012-05-10 00:11:01 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1075 閲覧ユーザー数:996 |
ユウside
「ごめんマジェコンヌの人。ここで死んで。忘れないから。」
誰にも聞こえないほど小さな声で僕は呟く。
対峙している彼女にさえ聞き取れない様に。
殺す痛みを忘れない為に貴方を忘れない。
狂っている。
そう言われたら否定はできない。
誰かを殺しても何も感じない自分。
どうしてそうなったのか何人も殺した今はもう思いだせそうにない。
「ただ姉上の為に、リーンボックスの為に。」
だから槍を取れ。
命を奪え。
大切な物が奪われる前に。
「……結べ蜻蛉切。」
日本一side
日本一は愕然としていた目の前の女神候補性の実力に。
「い、一撃も当てられない!?」
事実彼女の攻撃は全て捌かれ逆に槍による重い一撃を何度も受けていた。
既に肋骨が折れて肺に刺さり口の中には吐瀉物と血液がせりあがってきていた。
「これがリーンボックスの女神候補性の実力だというの!?」
日本一の見つめる先には表情一つ変える事なく槍を握っているリーンボックスの女神候補性が立っていた。
「結べ蜻蛉切り。」
「しまっ!?」
油断したと気付いた時には遅く自らの得物であるブリニーガンを2丁とも砕かれてしまう。
「さてと……悪いんですけどここで終わってくださいマジェコンヌの人。」
刹那あの女神候補性から信じられない程の殺気が溢れ出る。
「こ、子供達の未来の為にも私は!」
最早勝てる見込みも作戦も何もない。だけど日本一は意地だけは貫く。最早それしか残っていないから。
「さよなら。」
「こんなところでがぐぅ…!」
こうして子供達の未来の為にと戦ってきた犯罪組織マジェコンヌの一人の戦士は槍に心臓を貫かれここに命を散らした。
ユウside
結果的にマジェコンの廃止は成功した。
そしてマジェコンによって奪われたしていたリーンボックスのシェアは80%は回復に成功した。
さすがに全てのシェアを取り戻す事は出来なかったがこれはおいおい取り戻していく事にしよう。
「作戦が成功して本当に良かった。」
もしも失敗していたらと思うと身体の震えが止まらなくなりそうだ。
「本当に良かったですわ。ユウちゃんが無事で。」
「あ、姉上どうしてこんなところに?」
馴染みの声に振り向くといつもの柔らかい笑顔の姉上が立っていた。
「あらあら。可笑しな事をいいますのね。姉弟が一緒にいるのに理由なんて必要かしら?」
「そうは言いますけど5pb.さんのライブだってありますし……。」
本日の作戦で使われたライブステージにて5pb.によるスペシャルライブが行われている。
作戦の後に合流してきたG4の皆の誘いを断ってい僕は一人でいた。
確かに楽しそうだとは思っただけど僕がいても逆に他の皆の迷惑にしかならないと思った。
だから興味はあったが遠慮はしておいた。
「全くどうして家の弟はこんなに素直じゃないのでしょう。5pb.さんの歌貴方も好きでしょう?」
「それはそうですけど。魔物の血とか体液に汗とかで凄い汚れてますし…。」
「それならお風呂に入ればよろしいのでは?」
「他の皆さんだって入りたいでしょう。僕は後からでいいです。」
「本当に素直じゃないですわね。ノワールと良い勝負じゃありませんこと?」
分かっている。姉上が気遣ってくれていることだって。
でも今はとてもじゃないが何かを楽しめる気分ではなかった。あの槍が肉を引き裂く感触を思い出すと……。
「姉上だって楽しみにしていたのではないんですか?」
「私はユウちゃんと一緒に居れればそれで構いませんわ。」
その言葉で僕の中にあった何かが瓦解した。
「本当に姉上は……。仕方ありませんね。今日位は一緒にいてあげても……いいですよ。」
本当は嬉しいくせにひねくれた物言いをしてしまう。
こういうところ治さないといけないとはいやでも理解させられてしまう。
「了承も得た事ですし今日はずっとユウちゃんといますわね。」
そう言って僕を後ろから抱きしめてくれる。心地よい暖かさが夜の寒さからこの身を守ってくれていた。
「あ、姉上。苦しいです。」
「あら、それはごめんなさいね。」
素直になれない自分。
そんな自分を気遣ってくれる姉上。
何を返せばいい?
何をすればいい?
わからない。
だけど今言うべきことはわかっていた。
「姉上……ありがとう。」
「どういたしまして。」
たまにはこの姉に甘えるのも許される筈だ。
そう思いたい。 姉上やこのリーンボックスのみんなの為に出来る事をしよう
。
だから今日だけは甘えよう。
明日から更に頑張る為にも優しい姉上に。
30分後
「……こ、これは!?」
「どうかしましたか姉上?」
「弟のお尻がやっべーやわらかで私がやっべー!」
訂正。やっぱり姉上はただの変態だった。
犯罪組織side
犯罪組織の拠点とも言えるギョウカイ墓場。
そこに新たな死者が仲間入りした。
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
地に膝を落とし狂ったかの様に叫びを上げ地を殴り続ける。
血が出ようとも気にする事はなくただただ殴り続けていた。
「駄目だ子供達の為にもこんなところで終わるわけにはいかないのにぃ!」
彼女が日本一が犯罪組織に入ったのは恵まれない子供達にも好きなだけゲームをさせたいから。
そして犯罪組織内部でマジェコンの有用性を発言して配布を始めたのであった。
だがその望みは意図も簡単に砕かれた。
砕かれてしまった。
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その叫びは絶望。もはや彼女には誰も救えない。
死んでしまったのだから。
『故にその絶望俺が認めよう。』
瞬間声がした。まるで地から響いてくる様な。
否、地その物から響いてくる様な声が。
「がっ!?ぎぐうっ!!」
日本一が疑問を覚えるよりも早く彼女の身体を地面から涌き出た黒いモヤが包む。
それと同時に彼女の叫び声が変化していく。
痛みを覚えたの如く。
「これはこれは。」
それを一人の少女が見ていた。赤い髪を腰まで伸ばし。
赤い瞳で実に愉快そうに。
それ〈日本一〉を見ていた。
「新たなる一柱の誕生ね。」
「ぬぅぅぅぅおおおおおおおおお!!」
少女の言葉と同時にモヤがかき消えた。
そしてそこから現れたのは日本一ではなく……。
「……そうね。ブレイブ、今日から貴方はブレイブ・ザ・ハードと名乗りなさい。」
「了解した。貧しくてゲームを買えない子供達の悲憤を晴らす為に俺は駆けよう。」
ここにゲイムギョウ界にとって新たなる脅威が誕生した
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あれ?何これ。最初はただのコメディ展開だった筈がこんな展開になるなんて。