No.42019

消毒、のち、甘味

きっかさん

文三木で甘々!書いてる人が会計に異常な愛を注いでいます。
がっちり腐向けです。(ヤってません)
過去の作品(といってもこれ含めて2つ)見れば分かると思いますが会計と文三木が大好物です^^
文三木好きさん是非お友達になりませんkなんでもありません^^
タイトルが保健ぽくてすいません^^;

2008-11-16 20:57:51 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1790   閲覧ユーザー数:1709

 

 もうすぐ予算会議が始まる時期だとか年末だからとかで、会計室にはそこらじゅうに書き損じた半紙が散らばり、墨が零れ、帳簿が山積みになっている今日この頃。

 今日の会計委員会もなかなかハードだったようで、団蔵、佐吉、左門の下級生3人は机の上に頭をのせて寝こけている。起きているのは文次郎と三木ヱ門の2人だけだ。

 文次郎も三木ヱ門も別に掃除が好きではないが、この悲惨な状況を見て掃除せざるを得ないと思うあたり、団蔵のような神経は持っていないようだ。

 下級生3人を部屋の隅に追いやり、布団をかぶせ、掃除を始める2人。

「った」

 2人で帳簿の整理をしていると、文次郎が声をあげた。

「どうしたんですか潮江先輩?」

「いや、紙の端で指を切っただけだ。気にするな」

 確かにその人差し指からは、たらりと赤い血が流れている。

「こういうの放っておくと危ないって聞きましたよ、保健室行った方がいいんじゃないですか?」

「なに、これ位で病気になるようだったら忍者失格だからな。こんなのは舐めとけば治る」

 そう言う間にも指からは血がだらだらと流れている。見かねた三木ヱ門は文次郎を見て言った。

 

「舐めれば治るんですよね?」

 

「……?」

 何を言っているのか分からないというような目つきで三木ヱ門を見る文次郎。そうする間に三木ヱ門は文次郎の傍に寄り、手をぎゅっと握り、人差し指をくわえた。

「!? 田村っ」

「らってしおえせんぱいいったりゃらいれすか。らめとけわらおるって」

 何を言っているのかよく分からないが、その度に傷口に舌の生温い温度と感触を感じる。

「しょーろくれすよ、しょーろく」

「詳録ぅ?」

「んもー潮江先輩っ、消毒ですよしょ・う・ど・く!」

 一度指から口を離し、文次郎の顔の近くで言う三木ヱ門。

「分かってるって」

「潮江先輩のイジワルーっ」

「はいはい」

 会話の間にも血が流れる。それを見た三木ヱ門はまた指をくわえる。

「ちっててつのありがしますよれ」

「そうだな ていうかお前俺の血吸うなそして飲むな」

「べつにいーりゃらいれすか、へるもんりゃあるまいし」

「減るモンだバカタレッ」

 三木ヱ門の口から指を引き抜き、自身の口と合わせる。

「んっ」

 三木ヱ門は何とか抜けようとするが、文次郎の腕でがっちりとガードされているため逃げる隙が無い。と、口づけが終わった。

「せんぱいーっ」

「生意気な口利いた罰だっ」

 頬を膨らませ、真っ赤になって怒る三木ヱ門。

「さ、続きだ続きっ」

「はーい」

 そしてまた作業を再開する2人。

(……)

 文次郎は、三木ヱ門がくわえた指をじっと見つめている。

(……別に減るモンじゃないしな)

 文次郎はその指を自身の口にくわえた。

「減るモンですよっ」

 後ろから唐突に聞こえてくる声にびくっと身を振るわせる文次郎。

「これの片付け終わったら罰ですよっ」

「おーおー歓迎だぞ むしろしろ」

「潮江先輩っ」

 むすっとする三木ヱ門をよそに、少し片付けのスピードがあがる文次郎。

 

 今日も会計委員会は、平和だ。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択