No.419610

超次元ゲイムネプテューヌmk2+ BlackFateそのおまけ。

ちょっとやりたくなったのでやった。反省はしている。
この作品の萌え担当は錬(ブレイヴ)で暗躍担当はがすととテルミ(ジャッジ)。そしてギャグ担当は日本一。
……あれ、主人公………?

※この話は本編とは大して関係ありません。似た感じのこう、別ルートとかそんなの。

2012-05-07 01:10:44 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:744   閲覧ユーザー数:695

~今回のおまけ 錬さん偵察日記~

 

ブレイヴ・ザ・ハードこと錬の朝は早い。

身体が人間、しかも幼女化したとしてもブレイヴ本来の性格が変わることはない。

元々が厳格な正義馬鹿だったせいか一日の過ごし方までもが生真面目になっている。

 

起床、朝5時。

 

マジックが用意したらしいルウィー住宅街にある一軒家。

無駄に広い部屋の中で、布団から錬が起き上がる。

 

「……。」

 

ちょんちょん、と指で頭を突き、寝ぼけた頭を覚ます。

もぞもぞと布団を片付け、浴衣のような寝間着から白いローブに着替え、現地の下っ端に教わった【ぽにーてーる】に髪型を整える。

髪型なんてものを考慮したことがない錬にとっては纏めるだけでも一苦労だったが、指先を器用にしないといかんなと逆に目標としていた。

 

寝室から居間に向かうと、小さ目の机の上には質素な料理が並んでいた。

現地の下っ端だろうか、と考えた後【ブレイヴ・ザ・ハード様用!】と書かれた紙に気づき、納得して朝食に励んだ。

今までロボットのような身体だった錬にとっては、何もかもが新鮮な生活だった。

布団に入って寝る。そこから起きる。着替える。髪を整える。

そして食事を摂る。全て数少ない経験だ。

しかし難なく行うことができた。人間の身体というのはここまで都合よくできているものなのだろうかと切に考えた。

 

食事を終え、次の日課の為に錬は家を出た。

朝早いルウィーの街並みは朝焼けに雪が反射して美しい、と錬は思った。

実を言えば、彼女はマジェコンヌの目的【世界のリセット】に関してはそこまで賛同してはいないのだ。

創造主たるマジェコンヌの目的故逆らうことはできないが、本当にそれが自分の正義なのか?と考えたことも少なくない。

ブレイヴ・ザ・ハード、またの名を、錬。

【世界を護る】。この意味を探す者である。

 

 

家から出たブレイヴは、まず人気の少ない広場に向かった。

雪が多く、足跡も少ないため使われない広場とすぐ分かる。

 

広場の中央に立った錬は、何もない空中から長刀を取り出した。

紫の女神、パープルハートことネプテューヌの使う刀よりさらに長い、2mは超す刀だ。

身長がそのネプテューヌよりさらに小さい錬がその刀を持つと、絶妙なアンバランスさを生み出す。

どう考えても体格的に扱えたものではないはずなのだが、何故かこの刀は錬の手によくなじんでいた。

 

刀を握り、上段に構え、振る。

簡単に言えばただの素振りである。

ザ・ハード四天王として強者の位置に立つ彼(女)がそんなことをする必要があるのかと言えば、ある。

身体が変わり、筋力や疲労という概念ができた今。鍛えるに越したことはないと考え、こうして素振りを始めたのだ。

 

上段から振り下ろす。腰に構えて薙ぐ。下段から振り上げる。

おおよそ考え付く限りの振り方を全て、自身が疲れ果てるまで。

 

 

 

午前11時。

錬の目に入ったのは青い空と白い雲。そして自身に降り注ぐ細雪だった。

どうやら気絶していたようで、広場の雪に錬の跡や剣を振るった跡が残っていた。

長い間気絶していたのか、ローブが湿気っており、体温もかなり下がっていた。

 

「……情けないな。」

 

長刀をしまい、上手く動かない身体で立ち上がる。

疲労とは恐ろしいものだ。頭は動くが身体が動かない。こんなハンデを背負っていたとは人間も侮れないと微妙にずれた考えをしている錬。

ふらふらと路地を歩く錬。容姿とか体型とかの問題もあり割と注目も集まっているが、本人はそれに気づかずによろよろと家に向かって歩き続ける錬。

ふと雪に隠れていた石に躓き、盛大に頭から転んだ。ローブが完全に汚れてしまったな、とやっぱりずれた考えの錬である。

 

「…あの、大丈夫?」

 

頭上から声が聞こえた。何とか顔をあげると、見たことのあるような顔があった。

彼女が知っているとなると、女神関係者かマジェコンヌ関係者だ。そのどちらかだろう。

だが、少なくとも錬が知る中でマジェコンヌ関係者に目の前の女性のようなほんわかな雰囲気の人間はいない。恐らく女神関係者だろう、と錬は結論づけた。

 

「どうしたの、こんなところで。」

「少し、転んで、しまっただけだ……。心配は、いらないよ\\\\\\

。」

「でも、顔色悪いし……一緒に教会に行こう?心配だし。」

「……すまない、世話に、なろう…。」

 

世話になる、と錬が言った途端に女性の顔が明るくなる。世話好きなのだろう。

元の姿が姿なだけに錬も複雑な気分だった。ロボットだし。ヒーロー系の。

 

「じゃ、ちょっと背負うね…。あ、名前聞いていいかな?」

「…錬という。」

「ちょっとだけ我慢してね錬ちゃん。あ、そうだ。私の名前は西沢ミナ。一応教祖やってるんだよ。」

 

西沢ミナ。まさかこんな時に遭遇するとは。

幸運なのか不運なのか。よくわからない状態だったが、とにかく体が動かない以上従うしかないと諦め、ミナに背負われながら錬は教会に向かうことになった。

ルウィー教会。

裏切り(?)の女神のユーリがいまいち信用ならないということで錬がこのルウィーに送られてきたわけだが、まさか諜報開始二日目でこのようなことが起きるとはだれも予想していなかっただろう。

 

「ただいま帰りましたー。」

「あ、ミナちゃん帰ってきた!」

「…よくかえってきたな。ほめてつかわす。」

「はい、ありがとうございます。」

 

ミナを出迎えたのはルウィーの女神候補生、ロムとラム。女神というには最も未熟であり子供だとの情報はあったが、錬の想像以上に子供だった(だが身長は錬の方が低い)。

この世界に残されている希望の女神候補生がこんなので女神達は勝つ気があるのか、と敵の心配まで初めてしまいそうな、そんなレベルの空気だった。

 

「あれ、その子誰?」

「街中で倒れていたので連れてきたんです。錬ちゃんっていうそうですよ。」

(倒れたのではなく転んだのだがな……)

「とりあえず座らせるね。あ、ロムさま、ラムさま。錬ちゃんは少し疲れているそうなのであまり無理をさせないでくださいね。」

 

ミナが手頃な椅子に錬を座らせる。

ローブは雪と汗でぬれ、疲れで息は荒く、顔は紅くなっている。何故か官能的。

 

「ねーねー、大丈夫?」

「…つかれなら、我のまほうでけしさってやれるぞ。」

「っは、すまない…話すだけの体力が、ない……。」

「よーし!なら治しちゃうわよー!」

「かんしゃするがいい。」

 

二人揃って何やら詠唱を始めたのち、錬を緑色の光が包んだ。

すぐに効果が現れ、錬の疲れが瞬く間に回復した。魔法文化が盛んなルウィーだからこその回復魔法治療である。

また、余談ではあるがこの効力の比率はロムが7割、ラムが3割である。実は殆どロムによるものだったりする。

 

「どーぉ?」

「……ああ、どうやら回復したみたいだ。感謝する。」

「かんしゃするがいい。」

「ま、私らさいきょーだし?感謝されてあげないこともないわ「立花昇竜脚!!」よぶっ!?」

 

突然現れたミナの拳骨が直撃し、ラムの顔面が教会の床に沈んだ。

あまりの超展開に錬、絶句。

 

「失礼しました。うちの子たちがご無礼を…」

「いや、寧ろ回復したのだから私が感謝したい。」

 

すっくと立ち上がり、礼をする錬。この辺りの武士道精神を忘れない辺りやっぱりブレイヴである。

偶に騎士道に切り替わるが。

 

「さて!もうすぐお昼よねミナちゃん!」

「あ、はい。そろそろそんな時間ですね。」

 

がぼっ、と頭を床から抜いて復活するラム。この復活速度は鍛えられたものなのか。

 

「じゃあ、錬も一緒に食べましょうよ!」

「どうせきをゆるす。」

「あー……女神様たちはこんな様子ですが、どうします?嫌なら嫌って言ってもいいですが…」

「問題はないさ。疲れは取れても空腹は取れないものだ。」

「はい決定!ミナちゃん準備お願いね!」

「さぁ、われと共に来るがよい…。」

 

ロムとラムに手を引かれ、教会の奥に消えて行った錬。

二人にさらに友達ができた、とミナは微笑みながらその光景を見ていた。

 

~つづかない~


 
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