この作品は恋姫無双の2次創作です。
作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが
そこらへんはご容赦のほどを。
今日も愛紗指導の下、バレー部は熱の籠もった練習をしていた。
「ほらそこ、腰が引けてるぞ!そんな事ではボールの勢いを殺せないぞ!しっかり腰を落とせ!!」
「はい!」
「相手の動きだけではなく、味方の動きをちゃんと見ろ。何時でもフォロー出来るようにしておけ!」
『はい!』
愛紗が部の顧問に就任してから聖フランチェスカ学園バレー部は目覚しい活躍を見せていた。
ここ数年大会で特に優秀な成績を納め、そして優秀な選手を育て大学又はプロへと送り出していった。
「?」
「どうした前田、調子でも悪いのか?」
時折、仕切りに何かを気にするような素振りをしている生徒に声を掛ける。
「え?あ…いえ、なんでもないです。大丈夫ですから。」
前田と呼ばれた生徒はそう言うと、そそくさと逃げる様に再び練習に戻っていった。
「……原。」
「はい、なんでしょうか?」
「前田の様子を見ていてくれ。少しでも何か変わった素振りをするなら、私に報告してくれ。」
「はい、わかりました。」
原と呼ばれた女生徒は返事をし、彼女の後を追っていった。愛紗の前を去っていった。
・
そして練習時間が経ち、原がやって来た。
「関崎先生。前田さん、仕切りに足を気にしています、特に膝と足首の辺りを…」
「そうか…ありがとう。後は私がやる。戻って良いぞ。」
「はい、失礼します。」
女生徒は練習に戻っていった。
「前田、少し良いか?」
練習をしている選手に近付き声を掛ける。
「え?…は、はい!」
「失礼します。…学園長、何をなさっているのですか?」
「あら関崎先生。ちょっとこれからの行事の確認よ。関崎先生こそどうかしたの?」
そこには保健医は居らず、一人でお茶をしている紫苑が居た。
「私は彼女を診て貰おうかと思いまして、で山田先生は何処に行かれたんですか?」
「山田先生ならちょっと席を外しているわ。怪我?」
「いえ、まだはっきりとは決まったわけではないのですが…」
愛紗の後ろに居る生徒に視線を移し、紫苑は聞くと、愛紗の微妙な答えになんとなく察しが着いた。
「そう、じゃあ私が診ましょうか?」
「え!?学園長がですか!?」
「あらこれでも以前は、保健医でしたのよ?」
女生徒は紫苑の申し出に驚き、更に意外な経歴に驚く事になる。
「そうですな。学園長にお願いしましょうか。ではよろしくお願いいたします。後でまた来ます。」
そういうと愛紗は保健室を出て行った。紫苑はそれを見送ると女生徒を寝台に腰掛けさせ、どういった症状が出ているのか聞きながら、彼女の足を触って診察を始めた。
そして時折顔を歪めるのを我慢する。その様子を見ていた紫苑は、
「我慢しないで良いのよ。痛い所があればはっきり言いなさい。今関崎先生は居ないのだから。」
「はい…つっ!」
「ここがちょっと炎症を起こしてるわね。他はあるかしら?」
そうして色々な箇所を触診していき、痛む箇所を特定していった。
診察が終わり、紫苑がそれを纏めていると生徒は紫苑に質問をした。
「あの…関崎先生はなぜこんなにしてくれるんでしょうか?」
「あなたが大事な生徒だからよ。そして顧問として体調管理もしなければいけないからね。」
紫苑の答えに今一納得がいかない
「納得いかない?」
「なんとなく…」
上手くは言えないがそれだけでは無い様な気がしていた。
「関崎先生も昔バレーの選手だったのは知っているわよね?」
「はい。」
「当時彼女は将来を期待されていたわ。彼女もそれに応え様とがむしゃらに練習していたわ。でも無理がたたって身体を壊してしまったの。」
「っ!?」
前田は嘗て愛紗がバレー選手で活躍していたのは知っていた。だがある日突然、怪我の為引退を表明した。その後はどうしていたのかは知らなかった。そして聖フランチェスカ学園に入学しバレー部に入部してみれば、愛紗が顧問としてそこに居た事に大変驚いた。と同時に憧れである愛紗に指導を受ける事に大変喜んだ。愛紗の指導は分かりやすく、遣り甲斐もあった。ただ強いていうなら練習量に物足りなさを感じていた。居残りを申し出ても却下され不完全燃焼を感じ、禁止されていたが隠れてこっそりと練習をしていた。なぜそこまでするかわからなかった。
「故障の原因は
(ああ、それでなんだ。)と彼女は理解した。ただ単に時間を掛けて練習するのではなく、効率良く練習し技術を上げていく方法を選んだのかを。
「さてじゃ明日にでもこれを持って病院へ行きなさい。今日の診断内容と紹介状よ。」
そう言って紹介状と書かれた封筒を渡す。
「でも、近々大会があるし…あたしが抜けたらチームの皆に迷惑が…」
「あなたはチームの皆が信用できない?」
「そんな事はありません!!あ…」
思わず大きな声を出してしまい慌てて口を押さえる。
「なら問題無いじゃない。「でも…」良い?このまま練習を続けて身体を壊してしまい、二度と出来なくなる方が私は返って迷惑だと思うわ。数ヶ月間治療に専念し、その抜けた分は復帰してから思いっ切り返していけば良いじゃない?まだ先は長いのよ。少しくらい休憩したって良いじゃない。ね?」
確かにそうだ。怪我の為途中でリタイアするより、一時だけ治療の為に抜け復帰してからその分は返せばいいし、これから先はまだまだ長いのだ。そして何より愛紗が大事になる前に気付いてくれたのだ。その心遣いを無駄にしては申し訳がない。そう思い彼女はそれを受け取る。
「じゃあ今日は着替えて帰りなさい。関崎先生には私から言っておくわ。」
「いえ。自分で言います。「そう?」はい、自分の事ですし、それに関崎先生にお礼を言いたいですから。」
「わかったわ。気を付けて帰りなさい。」
「はい。ありがとう御座いました。失礼します。」
そう言って彼女は一礼して保健室を去って行った。
「関崎先生。」
「ああ、前田どうだった?」
体育館に戻ると指導をしている愛紗に声を掛け近付く。それに気付いた愛紗は結果を聞いた。
「明日病院に行くように言われました。なので今日はこれで帰らしてもらおうかと思いまして…」
「そうか…、気を付けてな。」
事情を察した愛紗はそれに頷く。
「また結果を連絡してくれ。」
「はい失礼します。」
そう言って彼女は、帰って行った。
~そして翌日~
紹介状を持って病院に行き診察を受けると、しばらく安静が必要と診断された。幸い早期に発見された為症状自体は軽く入院はせず、通院で済むという。
その報告を受けた愛紗は大事にならず、ほっと胸を撫で下ろした。
あとがき
最初にも書きましたが現代編中々ネタが浮かんで来ず、暫く放置状態…
そこでふと気が付いた。無理に愛紗先生と阪本ちゃんを絡ませる必要はないじゃないかと…(←気付くの遅いよ!
なら愛紗先生の
そして以前ちょこっと出した愛紗の過去を書いたわけです。
思いつき書いていたら本編と同時進行&同時うpになっちゃたwww
ではまた次回ぃ~
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もしも愛紗が学校の先生なら、こんな事が起こっているであろう。 と、言う想像の元で書いてみました。 その四
久々。
現代編、以外とネタが中々出てこなかったorz