一人の女性が、お酒を飲みながら夜空を見ていた。
?「はぁ~~。暇ねぇ。何か面白いことないかしら。最近、娘相手してくれないし、○○ちゃんも、○○ちゃんも娘に付き合って忙しそうだし」
「本当に暇ねぇ。」と、盃に入ったお酒を飲んだ。
この人は、曹操の母親、曹嵩巨高その人である。
曹「面白いと言えば、あの噂かしら・・。確か、管路っていう占い師が『流星とともに現れし、月に愛されし天の御使い、乱世を鎮静す』だったかしら。それに、その噂聞くようになってから変な夢、見るのよね・・」
?「あら、お母様。また一人でお酒ですか?」
声の方を、視線を向けるとそこには、金髪でツインテール巻髪の女の子が立っていた。
曹「そうよ。どこかの誰かが、相手しくれないんですもの」
?「相手しくれないって。誰かが、娘に仕事押し付けるからですよ」
藪蛇だったかと思い、娘に向けていた視線を夜空に戻した。
曹「あははは・・」
?「はぁ。仕事終わりましたから相手しますよ」
娘は、となりに腰を下ろし、母親の空になった盃にお酒を注ぎ、自分が用意していた盃にもお酒を注いだ。
曹「ありがとう。そういう所、大好きよ華琳ちゃん」
華琳と呼ばれた少女こそ、乱世の奸雄、治世の能臣と呼ばれる、曹操 孟徳。真名を華琳と呼ぶ。
ちなみに、曹嵩巨高の真名は、穂琳(すいりん)。
華「もう、調子いいんですから。それより、変な夢を見るって言っていましたけど、どんな夢ですか?」
穂「珍しいわね。興味持つなんて。まぁ良いわ。ん~~~、簡単に言うと今日みたいな雲一つない満月の晩に、一人の男の子見つけるのよ。しかも、その場所が」
華「森の中。その場所だけ木がなく、丸く切りとられたような場所。月の光が遮られることなく地面に降り注ぎ円を描く。真ん中には、人が座れるくらいの大きいい岩一つ」
穂「そうそう。それで、しかもその場所が」
穂・華「「家を出た所の裏の森」」
言い終わると、2人共お互いの顔を見合わせた。そして、しばらく沈黙が流れた。
穂「華琳ちゃんも、同じ夢見てるのね」
華「はい。お母様。それに、あの子達も」
穂「え!?華琳ちゃんもなの。それに、あの子達って。まさか、春蘭ちゃんと秋蘭ちゃんもなの?」
?・?「「穂琳様呼びましたか?」」
急に声がしたので、2人して声の方に振り向くと。そこには、長い黒髪の女性と、青髪の女性が立っていた。
華「あら、春蘭に秋蘭じゃない。仕事おわったの?」
長い黒髪の女性を、夏候惇 元譲。真名を春蘭。
青髪の女性を、夏侯淵 妙才。真名を秋蘭。
春「はい!終わりました」
秋「はい。ただ、姉者が貯めていた。書簡、竹簡が多くてこんな時間までかかりましたが」
春「おい!秋蘭、内緒と言っただろう!」
華「はぁ~~。また、貯めていたのね。秋蘭お疲れさま。春蘭は罰ね」
春「かりんさまぁ~~~」
秋「本当に、姉者は可愛いなぁ」
穂「お~~い。私を無視しないでよ」
華・春・秋「「「あっ」」」
穂「ぶぅぅ~~~。本当に、仲良いんだから。まぁいいわぁ、それより春蘭も秋蘭も華琳と同じ夢見るって本当なの?」
秋「はい。も、ということは、穂琳様も夢を見るんですね」
春「うん。うん」
穂琳は、お酒を飲むのを辞め、目を閉じ考え始める。
穂「(おかしいわよね・・。同じ時期に、同じ夢を見るなんて。何かの暗示かしら?それに、占いが流れ始めてから見るようになったのよね。『月に愛されし天の御使い』か・・・。まだ、言ってないけど、拾う子私の息子になるのよね)・・・でも、退屈しなさそうね。ふふふ」
華「お母様、退屈しなさそうって・・。わからなくは、ないですけど。」
穂「私たちにとってきっといい方に行くわよ♪」
華「また、勘ですか?」
穂「ええ。勘よ♪♪早く来ないかしら。流星とともに現れる、月に愛されし天の御使いさん」
華「はぁ~~~」
楽しそうに笑う、母親の顔見みて、頭に手をあてて深いため息を吐く華琳であった。
穂「なに、暗い顔してるのよ♪ほら、春蘭ちゃんも秋蘭ちゃんも座って。お酒飲むわよ♪」
春「はい!穂琳様お注ぎします」
穂「ありがとう♪」
秋「いいのですか?華琳様」
華「いいのよ。久ぶりなのだし」
秋「そうですね」
華「ほら、秋蘭も飲みなさい」
しばらく穂琳は、華琳、春蘭、秋蘭が楽しく談笑をしているの横から、大事な娘たちを愛おしそうに、どこか楽しそうに見つめ。そして、また視線を月の方に向けた。
穂「綺麗な満月ね・・。ん?流れ星ね。・・消えないわね、というよりこっちに落ちてきてるわ・・よ・・ね・・?ちょっと!華琳!!」
いきなり、大きな声で名前を呼ばれた華琳は、何事かと声を上げる。
華「どうしたんです。お母様」
穂「どうしたもこうしたも、あれを見なさい!こっちに落ちてきてるわよ!」
穂琳が指指した方をみると、流れ星がこっちに向かって落ちてきていた。
華・春・秋「「「え!?」」」
ズッガーーン!!
穂「すぐそばの森に落ちたわね行くわよ!!」
華「行くって・・・」
華琳が反論する前に、穂琳はすでに駆け出していた。
華「はぁ~~。仕方ないわね。私たちも行くわよ!!」
春・秋「「はい!!」」
華琳達も、穂琳を追って走り出した。
穂琳は、流れ星が落ちたと思われる場所まで灯りも持たず、暗い森の中を木に当たる事も、躓くこともなく走っていく。
穂「この展開・・超面白い予感!!早く見つけなきゃ♪」
落ちたと思われる辺りに近づくと、走るのを辞め歩きながらきょろきょろと見回していると。森の中なのに一ヶ所だけ明るい場所を見つけ、そこに向かって歩き始めた。
穂「夢と同じ場所だ」
穂琳は、明るい場所に出た途端その言葉が、浮かび口走っていた。この場所だけ、木が避けているかのように木がなく。地面に、綺麗な円を描くように月の光が降り注いでいた。その、中心には人が座れるような岩が一つだけ、鎮座していた。
穂「夢と同じ場所ね。・・・それにしても、綺麗」
ふと上を見上げると、真上に満月が来ていた。そして、視線をまた前に向け、円の中心に向かって歩き出し、岩の傍に行くと、岩の傍に一人の男の子が倒れていた。
穂「あら、男の子が倒れているわね。それに、綺麗な服ね」
男の子の着ている服は、月の光を反射してキラキラと光っていた。
穂「もしかして、この子が『月に愛されし天の御使い』♪ん♪私の勘がそう言ってるわ♪気絶してる見たいだから、連れて帰りましょ♪そして、息子にしよう♪」
華「お母様~~!!どこですか~~」
春・秋「「穂琳様!!返事してください」」
穂「あら、やっと来たわね。ここよ!!」
居場所を教え。男の子を担ぎ上げると、手を振って呼び寄せた。
華「探しましたよ!お母様!!勝手に一人で行くん・・で・・」
華琳は、その場所に出ると話すのを辞め、その風景見入っていた。
華「・・・綺麗(夢で見た場所)」
春「うわぁ・・・。なぁ、秋蘭。綺麗なところだな!!」
秋「・・・うん。そうだな。姉者(夢と同じ?)」
春蘭、秋蘭もその風景見入っていた。
穂「ほら。もう十分でしょ。早く惚けてないで帰るわよ」
華「そうですね。帰りましょう。・・・って、お母様その肩に担いでる物は何ですか?」
穂「男の子よ♪流星が落ちた場所。そして、夢で見たこの場所の中心に倒れていたの♪この子間違いなく、月に愛されし天の御使いよ!!そして、息子よ」
華「・・・はい?あの、もう一度言ってください」
華琳は、あまりにも母親が突拍子もないこと言い出したので、聞き間違いかと思い聞き返した。
穂「聞こえなかったの?仕方ないわね。もう一度言うわよ。流星が落ちた場所。そして、夢で見たこの場所の中心に倒れていたの♪この子間違いなく、月に愛されし天の御使いよ!!そして、息子よ。聞こえた?」
華「・・・・」
穂「私の勘が、大丈夫って言ってるわよ♪それに、絶対この子あなたに必要になるわよ♪」
華「夢にですか・・。もう一度、確認しますが本当に、息子にするんですか?」
穂「するわよ♪こんな、面白そうなの放して置けないじゃん♪」
秋「華琳様、こうなったら諦めるしかありません。それに、母上が言ってました穂琳の勘は今までで一度も外れた事ないと。もし、そやつが天の御使いなら風評を得られるでしょう」
華「はぁ~~。仕方ないわね。天の御使いだったら役に立ってもらいましょう」
春「ん?決まったのか?どうするのだ?」
穂・華・秋「「「・・・はぁぁ」」」
春蘭の一言で、3人そろって溜息を吐いた。
秋「姉者・・・。話聞いていなかったのか?」
春「難しい話は、さっぱりわからん!!」
華「難しい話してないと思うのだけど。春蘭、簡単に言うと。私の野望に必要になるから連れて帰るって事よ」
春「おぉ!!そうなのですか、華琳様!!秋蘭も最初からそう言ってくれればいいものを」
秋「・・・」
穂「決まったわね♪さぁ、帰るわよ!!この子朝まで起きないと思うから、私たちも帰って寝るわよ♪」
華「はい。帰りましょ。春蘭、秋蘭」
春・秋「「はい!!」」
―穂琳 side 始―
穂琳は、帰ると客間の寝台に男の子を寝かせた。
穂「可愛い寝顔しちゃって。私も、寝ましょう」
明日は、どんな事がこの子から聞けるかしら♪楽しみ♪と、笑みを浮かべて寝台から離れようとした時、声が聞こえた。
?「ん・・・ん・・」
穂「あら、起きたのかしら?」
穂琳は、男の子の顔を覗き込むと、少し目を開いて穂琳の顔を見ると、ポツリとしゃべった。
?「お母さん・・?」
その言葉を、聞いた瞬間。きゅゅうんと、胸が熱くなるのを感じ抱きしめたい、衝動にかれるが何とか踏みとどまり、返事をした。
穂「(あら、何かしら。うぅ・・顔が熱くなってしまったわ。取り合えず返事しましょう)」
穂「ごめんなさい。あなたのお母さんじゃないわよ」
返事を聞いた瞬間。男の子は、目を開き飛び起きた。穂琳は、とっさに身構えたが次の瞬間拍子が抜けた。
?「ごめんなさい!!」
穂「へぇ・・・?」
―穂琳 side 終―
誰かに布団の上に寝かせれた感覚が伝わり。意識が少し覚醒する。
北「(暗い・・)」
穂「・・い・・。・・・よう・・」
北「(あ・・。俺寝てるのか・・。)ん・・・ん・・」
穂「あら、起きたのかしら?」
北「(優しそうな声がする・・・。)」
意識が徐々に、回復していき瞼を開いた。ぼやけた視界に、女の人の顔が映った。
北「(優しそうな人・・・。母親ってこんな感じなのかな・・・)お母さん・・?」
覚醒しきっていない頭で、優しそうな雰囲気を感じて、つい『お母さん』と口走っていた。
穂「ごめんなさい。あなたのお母さんじゃないわよ」
北「(え・・?言葉に出てた・・。)あっ」
そこで、やっと完全に意識が覚醒して、目を開けて女の人を見た。そして、体を起こした。
北「(うゎ~~~~。恥ずかしい・・。初対面の人に・・。気分悪くしちゃったかな。あやまらないと)ごめんなさい!!」
穂「へぇ・・・?」
北「急にしかも、お母さんと呼んでごめんなさい。お母さんって、こんな感じなのかなと思ったら呼んでしまったみたいです。すいません」
穂「あはは。その事は、別にいいのよ。それより、自分がどこにいるかわかってる?」
北「え?どこって・・?」
そこで、初めて一刀は改めて周りを見て、全く見覚えがない部屋だという事に気付いた。
北「・・ここ。どこですか?」
穂「ここは、私の曹嵩巨高の家♪」
女の人からありえない名前が出た為、一瞬固まった。
北「え・・?本名ですか?」
穂「面白いこと言うのね。私以外、曹嵩巨高って名前聞いたことないわよ」
北「(えぇぇ!!だって、曹嵩巨高って、曹操の父親だったはずだよな。でも、目の前に居るのは女の人だし・・・。ってか、まずそんな人が、何で自分の前に居るんだよ!!)」
一刀は、考え出してありえない目の前の出来事に頭を抱え悶えだした。
穂「ちょっと、君どうしたの!?」
北「はぁっ!すいません・・。ちょっと、受け入れがたい現実に悶えてました」
穂「受け入れがたい現実ってなによ。それより、君の事教えてよ」
北「はい。日本鹿児島生まれで、聖フランチェスカ学園高校1年。北郷一刀です」
穂「日本??え?鹿児島??せいふらんちぇすかがくえんこうこう1ねん??姓が北で、字が郷、名が一刀?全部わかんないんだけど」
北「あの、答える前に聞きたいんですけど。今って後漢で、霊帝であってますか?」
穂「えぇ。合ってるけど、それがどうしたの?」
北「えっと、今からいう事突拍子もないことなんですが、頭可笑しくありません。えっと、姓が北郷で、名が一刀です。字は、ありません。自分は1800年後の未来から来たみたいです」
穂「おぉ~~~♪すごい♪」
北「そうですよね。普通・・・。引きますよね・・。・・・・・・・・・はい?すごいって言いました?」
想像していた、態度より違い過ぎて一刀が付いていけなかった。
穂「言ったわよ♪だって、信じてるんだもん」
北「ななな。何言ってるんですか!!簡単に信じちゃダメです!!」
穂「簡単に信じたわけじゃないわよ♪あなた、澄んだ綺麗な目をしてるから。それに、視線を逸らさないし、嘘の付けない人ってわかるもの」
穂琳は、一刀の顔を両手で挟み、鼻と鼻当たるくらいまで近づき目を見た。一刀の顔は、真っ赤になり、口をパクパクさせていた。
北「あぅあぅあぅ。」
穂「本当に綺麗な目ね。あら、真っ赤になって可愛いわね♪それに、見たことない服着ていたんですもの。ほら。」
穂琳が指さした方を見てみると、制服が掛かっていた。
北「(え?着ていた・・?)」
穂「あっ。あの服のまま寝かせるの、いけない気がしたから着替えさせたわよ♪見たことない下着だったわね♪」
その瞬間、一刀の体が沸騰したくらい一気に体が熱くなり赤くなった。
穂「あら、もっと赤くなっちゃって♪可愛いわねぇ・・。」
北「か、か、かわいぃ・・って。うぅ・・・」
穂「(じゅるり。あ、いけないよだれが。こんな、うぶな可愛い反応されたら、食べたくなっちゃうわよ)遊ぶのは、後にして。詳しく説明してほしいわね」
北「え?あっ、はい。でも、ただ過去に来たというわけじゃないみたいなんです。だって、自分の知ってる歴史では、曹嵩巨高さんって、あなたみたいに綺麗な女性じゃなくて男性なんです」
穂琳は、面と向かって綺麗と言われ顔が赤くなったのを感じた。
穂「(うわぁ~~。綺麗って言われたわ。顔が熱いわね・・。きっと、真っ赤になってるんでしょうけど、蝋燭の明かりでごまかせてるわよね)」
北「あの?どうかしましたか?」
穂「え?あっ。なんともないわよ。それより、あなたの知ってる曹嵩巨高って男性なのね。それより、知ってるってこれから起こる出来事知ってるの?」
北「はい。知ってますよ。有名で、いくつも、話になってますから。しゃべりますか?」
穂琳は、さっきまでの優しい表情から一気に、真剣な顔になった。
穂「いえ、いいわ。そのことは、誰にも話しちゃだめよ。娘にも、言うつもりだけど。話をしたらダメよ。話せば、確実にあなた利用されるか、殺されるわよ」
あまりの迫力に、唾を飲み込んで聞き入っていた。
北「・・はい。わかりました。」
返事を聞いた瞬間、表情を緩め優しい表情にもどした。
穂「気をつけなさいよ。あ、未来の歴史以外の知識は沢山使いなさい♪娘の夢の為にね」
北「娘って、曹孟徳さんですか?」
穂「ええそうよ♪それも、未来の知識なのね」
北「はい。曹操さんは、未来では偉人でかなり人気がありますから」
穂「やっぱり、私の娘は只者じゃないのね♪嬉しいわね。その知識、娘の華琳ために使ってね」
北「はい!自分の知ってる曹操さん好きだったので、覇道の役に立てたいです」
穂「ありがとう。そういえば、日本どこ?鹿児島は地名見たいだけど」
北「日本というのは、東に海を越えた先にある島国です。たしか徐福が行った蓬莱が日本になります」
穂「へぇ~~♪すごいはねぇ。じゃ、せいふらんちぇすかがくえんこうこうって何?」
北「えっと、今で言う私塾にあたります。」
それから、一刀の居た世界の事をいろいろと語り合った。大きい戦が、何十年も自分の居た国では起こってなく、平和であること。人の死が身近でない事。それから、知ってる限りいろんなことを、話した。
穂「やっぱり天の国は、すごいはね」
北「天の国ですか?」
穂「えぇ。最近、噂が広まってるのよね。『流星とともに現れし、月に愛されし天の御使い、乱世を鎮静す』というのが。そして、あなたは流星が落ちた場所で、月に照らせれて気絶してたの」
北「そんな、俺大層な人じゃないです!!乱世を鎮静するなんてしかも、天の御使いって」
穂「そうでもないわよ♪未来から来て、未来の知識も持ってるんですから。あなた、天の御使いよ♪それに、下手に未来から来たって言って殺されるより、天の御使いの方が安全よ」
北「そういうものですか?安全に越したことは、ないんですけど」
一刀は、頭をかきかきとかいて、苦笑いを浮かべた。
穂「あっ、天の御使いってなのる時期は、娘の言う通りにしなさい」
北「天の御使いと名乗れば、朝廷に目をつけられて消されるからですか」
穂「そういうことよ」
北「わかりました」
穂「さてと、そろそろ遅いし。寝ましょう♪話してくれてありがとうね。あ、これから私の事を、穂琳と呼びなさい」
北「え?その穂琳というのは何ですか?」
穂「字がないって言ってたから、まさかと思ったけど。やっぱり真名もないのね」
北「真名ですか?」
穂「そう。真なる名と書いて、真名。親が付けた神聖な名前。本人が心を許した証として呼ぶことを許した名前。本人の許可無く呼んだら、問答無用で斬られても文句言えないのよ」
北「え!?そんなに大事な名前、いいんですか?教えてもらっても」
穂「いいのよ♪一刀の事、気に入ったしね。それに、預けたのにそれを、断ったら失礼になるわよ」
北「わかりました。これから、穂琳さんって呼びます」
穂「お母さんでもいいのよ♪♪」
北「あぅ~~・・・」
穂「あはは♪明日、娘や夏候姉妹に紹介するから今日は寝なさい」
北「はい。おやすみなさい」
穂「おやすみ」
穂琳は、一刀の頭を撫で部屋から出て行った。それを、見送った一刀は寝台に横たわり天井を見た。さっきまでの、出来事を思い返していた。
北「穂琳さんって・・すごい人だったなぁ。明日、曹操や夏候惇、夏侯淵さんに会うのか。楽しみ・・・。おばあちゃんを超える覇気持ってるのか?まぁ、いいや。寝よう」
一方、穂琳は明日から起こるであろう、面白い出来事を考えながら笑みを浮かべ自室に入っていった。
穂「うふふ♪明日から楽しみだわ♪それにしても、食べたくなっちゃうくらいだったわね。じゅるり♪・・あら、涎が・・。」
一刀は、強烈な寒気に襲われ、辺りを見渡した。
北「何、今の寒気は・・。」
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オリ設定の北郷一刀が、管理者によって性別、見た目をいじられながらも、頑張る物語です。
前回の続きです。
久しぶりの投稿です。
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