No.418456 超次元ゲイムネプテューヌ女神と英雄のシンフォニー チャプターⅠ第1話『始まりの出会いはフリーフォールと共に』月影さん 2012-05-05 02:09:56 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1243 閲覧ユーザー数:1188 |
「いよいよか……」
緊張のあまり、そんな独り言が出る。目の前のパソコンの画面にはゲームのキャラエディット画面、そこには俺が設定したキャラが表示されてる。プレイしようとしてるのは『女神大戦』というネットからダウンロード出来るRPGだ。しかし、このゲームをプレイしようとすると決まって妙な現象が起きる。
(ゲームで意識不明や失踪なんてそれこそゲームの中の話だろ……)
それは一名を除き、全員が謎の意識不明に陥る事だ。尤も意識不明と言っても一両日中には目を覚ます。なら、残りの一名はどうなったか?答えは失踪、意識不明どころか完全に姿を消した。普通なら変な事件と傍観を決め込むところだが、失踪したのは他でもない俺の親友なのだら無視できない。意識不明者が多発した段階でゲームのダウンロードサイトは消去された為、警察の捜査が入る前に親友の家に行き、こうして件のゲームを起動させ、今に至る。
「さて、どうなるか……」
大部分と同じように意識不明になるか、それとも……
「……フゥ」
不安のあまり、溜め息が漏れる。そしてゆっくりとエディット完了のアイコンをクリックした。
その瞬間、激しい閃光と共に俺の意識はそこで途絶えた―――
「うっ……」
やがて、意識が浮上し目が覚めた。しかし、視界はまだはっきりしてない。
(そっか……意識を失ってたのか)
どうやら、大部分の連中同様、意識不明になっていたらしい。恐らくはここ病院だな、と考えていたがハッキリしてきた視界に映ったのは白い天井ではなく、黒い夜空だった。
「ここ、は?」
上半身だけを起こして辺りを見渡す、けれどあきらかに自分の住んでた街ではない。どうやら俺も親友同様、何処かに連れて来られたらしいな。親友と同じ場所、とは限らないがやはり、あの女神大戦が原因だったらしい。何時までも仰向けになっている訳にも行かない。とりあえず上半身を起こし、立ち上がろうと地面に手を着いたとき、明らかに地面のとは違う、硬い何かの感触を感じ、それを手に取った
「これって……」
俺の手に握られているもの、それは一振りの棒術具。だが、こんな物を持っていた記憶はない。が、見覚えはあった。
「まさか……っ!?」
あわてて自分の格好を確かめると案の定、うなじ辺りまで伸びた茶色の後ろ髪を根元で結っておろした髪型に若干鋭さを持った黒い目、髪型や顔付きこそ変わってないが服装が変わっていた。ジーパンに白いカラーシャツ、その上に鞣し革の厚手のベスト。紛れも無く、さっきエディットしたキャラ、ケイト・リンドブルムの姿そのものだ。だが、何故?
(まさか、ゲームの世界に来ちまったのかっ!?)
そして俺はそのゲームのキャラになってしまった。そんな考えが過るが首を振ってその結論を振り払う。
(いや、いきなり決め付けるのは速計か……とにかく誰かに話をきかないと)
幸い、すぐそこに民家が見えるからそこに行ってみるか。と、考えた矢先だった。ヒュー、と言う何かが空気を切る音が耳に入った。しかもそれは次第にこちらに近づいてきている。けれど、辺りを見渡してみても視界にはそれらしい物体は見当たらない
(上?)
次第に音が大きくなるにつれてそれは上空から聞こえて来ていることが判った。
「グハァッ!!」
上を見上げた瞬間、目をむいた。そりゃそうだろう。まさか、その落下地点が自分の真上ドンピシャだとは誰が予想できただろうか……それはまるで隕石の如く降ってきた。そして突然の事に避ける事も出来ずに俺を直撃。その衝撃で次第に意識が薄れていく中、目にに映ったのは――
(な、何で……女の子が……)
意識はそこで再び途絶え、後には気絶した彼と、同じく気絶してる若干傷だらけの薄紫の髪をした少女が折り重なって倒れていた。これがこの青年、朝倉桂斗(あさくらけいと)改め、ケイト・リンドブルムの長い冒険の始まりだった
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失踪した親友を探すべく、あるゲームをプレイした少年。けれどそのゲームは異なる世界への扉……数多の出会い、冒険を通じ少年は自らの定めを知る。