No.417819

魔法少女リリカルなのはStrikerS00(仮)--07 白と白--

ケイさん

再び魔法少女の世界へ降り立ったガンダムマイスター刹那・F・セイエイ。イノベイターへと変革した刹那に訪れる再会と新たなる出会い。魔法少女リリカルなのはA's00~とある日常~(仮)の設定を踏まえたクロスオーバー作品です。読みづらい、誤字脱字等の至らないところが多々あると思います。作者の原作知識は、それほど高くありません。また、オリジナル設定が含まれておりますので、原作を大切にされている方はご注意ください。

2012-05-03 22:35:19 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:12725   閲覧ユーザー数:11740

導入部七話目。

--白と白--

 

「刹那君の方の準備は出来てる?」

「ああ」

「疲れてない?」

「大丈夫だ」

「うん。それじゃあ、レイジングハートと高町なのは」

「ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ」

「行きます!」「出る!」

 

最初の訓練が終わった後も休憩を入れつつ、スフィアの数を増やしたり、制限時間を短くしたりと、オートスフィアとの訓練を行った。

先程の訓練を終え、管制室で休憩をとっている。

「時間的に次が最後の訓練だね」

「わかった。最後はどうする?」

「そうだね……ねぇ、刹那君」

「なんだ?」

「私と模擬戦してみない?」

「なのはと?」

「そう」

少し考える。

そういえば、フェイトやクロノと模擬戦を行ったことはあるがなのはとは一度もない。

「いいだろう」

「決まりだね」

近距離から遠距離まで幅広い間合いと速度特化のフェイト。

中、遠距離と戦術に長けたクロノ。

両者との模擬戦での経験が守護騎士達との戦いで活かされたのは言うまでもない。

そして、射砲撃に特化されたなのはとの模擬戦も必ずいい経験になるはず。

だから、了承した。

「それじゃあ外に出ようか」

「ああ」

 

訓練場中央。

お互い少し距離をとる。

「確認するね。お互い攻撃は非殺傷設定の魔力ダメージのみ。刹那君は武器があるから、私のジャッケトを抜かないように威力設定をお願いね」

「わかった」

「決定打となる攻撃を入れる……例えば刹那君だったら、私の首元で剣を止めるとかね。あとは、相手にギブアップをさせれば勝ち」

「ああ」

「一応、制限時間は10分ね。それじゃあ」

「エクシア」

「レイジングハート」

《セットアップ》

お互いのデバイスに合図を送ると、光に包まれバリアジャケットを纏う。

なのはは、普段のサイドポニーテルから、少女の時のように両サイドで髪を結ったツインテールに。

服も基本的には変わらず、白を基調に青いラインと胸元の大きな赤いリボン。

内側のミニスカートと外側のロングスカート。

そして、赤い大きな宝石をあしらった杖【レイジングハート】

対する自分も青と白を基調とした鎧【エクシア】

「刹那君の方の準備は出来てる?」

「ああ」

「疲れてない?」

「大丈夫だ」

「うん。それじゃあ」

お互い、準備の確認がとれたところで、空中へ体を浮かべる。

カウントダウンが始まる。

5……4……

「レイジングハートと高町なのは」

なのはがレイジングハートを突き出し、名乗りを上げる。

3……2……

「ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ」

自分も名乗りを上げる。とはいえ、自分の場合は出撃時のサインが身についてしまっているだけだが。

1……ゼロ!

「行きます!」「出る!」

同時に叫び、動き出す。

 

距離を開ければなのはの得意分野になる。

早めに懐に入らなければならない。

カウントゼロと共に最大速度でなのはへ突撃をしかけるが、なのはは下がりつつ杖を振り上げる。

桜色の光が集まる。

「アクセルシューター!」

《アクセルシューター》

杖を前方へ出すと、10発の弾丸が周辺へ飛び出す。

誘導制御魔法。

「ちぃ!」

一度なのはから距離をとり、相殺するためにライフルモードで射撃を行うがなかなか当たらない。

「流石に、スフィアのように上手くはいかないか」

《見事なコントロールですね》

「ああ。だが!」

自分に迫る弾丸だけに狙いを絞り撃ち落とす。

流石に近距離まで迫ればなのはが弾丸を動かすよりもこちらの射撃速度の方が早い。

相殺することは可能だ。

回避しながら4発撃ち落とす。

 

「流石、刹那君だね。もう対応されちゃった」

《はい。弾速の早い直線射撃は距離が詰まれば、こちらがコントロールするよりも早く撃ち落とせます》

「でも!」

残り6発の弾丸を操作し、刹那君へ同時に向かわせる。

狙いは刹那君の足を止めるため。

「ショートバスター!」

《ショートバスター》

 

全方向から弾丸が迫る。回避場所がない。

「一斉攻撃か」

《弾速が全て同じです》

「ならば!」

一度、動きを止めて右の弾丸に撃ち、直ぐに刀身を起こして真逆へ向かう。

直後、背後を桜色の光が走り、弾丸3発を飲みこむ。

弾丸を一つ切り落として、振り返る。

残りの弾丸は1発。

「危なかったな」

《はい》

なのはに視線を移す。

 

「うそ、避けられた?」

《はい。シューターも残り1発のみです》

6発全てを向かわせた時点で、コントロールはしていなかった。

それは、刹那君が足を止めた瞬間に砲撃を撃つため。

ショートバスターは、威力は低いけど中距離用の速度重視のバスター。

シューターがバスターに巻き込まれても、刹那君に当たればいいと思っていたけど。

「刹那君って本当に凄いんだね」

 

「残り1発」

これならば、回避しながら懐へ行けるか。

先程の速度のある砲撃を撃たれても直線なら避けやすい。

そう判断し一気に向かう。

 

《来ますよ》

「うん」

杖を力強く握り締める。

一瞬の判断ミスが敗北になる。

「はああぁぁぁ!!」

右腕の大剣を振りかぶって、一気に迫ってくる。

《プロテクション・パワード》

右手を前に出して、防御障壁を展開する。

「うっ」

剣と障壁のぶつかる衝撃が体に伝わる。

お、重い。

もし杖で受け止めていたら、切断されたか吹き飛ばされたかのどちらかだった。

「レイジングハート!」

《バリアバースト》

爆発が起き、その反動で距離が開く。

「刹那君にダメージは?」

《ゼロです。爆発の直前に下がられました》

「読まれてたの?」

《おそらく》

 

防御障壁にGNソードがぶつかるが、障壁が頑丈で抜けない。

ビームサーベルを抜こうとした時。

「レイジングハート!」

咄嗟に離れた。

直後、爆発が起きる。

確か、ヴィータと戦った時に使ったものだ。

「もう少しでもらっていたな。もう一度行くぞ、エクシア」

《了解》

と、再び杖を掲げるなのはが目に入った。

「しまった」

「アクセルシューター」

再び10発の弾丸が飛び出る。

先程の残りを含めれば計11発。

GNソードをライフルモードにし、撃ち落とすべく発射するが、着弾する直前になのはの弾丸が速度を上げた。

「!?」

 

「アクセルシューター」

《アクセルシューター》

再び10発の弾丸を放ち、11発の弾丸をコントロールする。

刀身を折り畳んだことから、また撃ち落とすつもりなんだろうけど。

「アクセル!」

合図とともに、弾丸の速度を上げる。

「今度は、さっきみたいにはいかないよ」

 

「くっ!まさか、弾速を上げることができるとは……」

全方向から迫る11発の弾丸を何とかかわしながら一人ごちる。

この速度、まるでアルケーガンダムのファング並だ。

視界の隅に杖を前方に突き出すなのはが映った。

何かを狙っているな。

「エクシア」

《はい》

「シールドのパージとオーバーブーストは可能か?」

《可能です》

「ならば、俺の合図で頼む」

《了解しました》

チャンスは一度だ。

タイミングを間違えれば負けだ。

高速で迫りくる弾丸を左手にサーベル持って切り落とす。

残り10発。

 

「あの速度のシューターをかわし続けてる」

《やはり、ただ者ではありませんね》

「あ、1発切り落とされた」

刹那君の動きを見ながら、レイジングハートを構える。

刹那君との距離はだいぶある。

ここから狙うのは……。

「カートリッジロード」

≪バスターモード≫

 

ライフルモードの射撃で何とか2発撃ち落とす。

残り8発。

左手に持っていたサーベルを腰に戻し、動きを止める。て真上に上昇する。

前方と左右から弾丸が迫る。

散らばっていた弾丸を引きつけたことを確認して急上昇する。

それを追いかけるように、一直線に弾丸が全て刹那に向かう。

「シールドパージ」

《パージします》

左腕からシールドが外れ、左手でシールドを掴んで弾丸の群れに投げる。

ブーメランのように回転しながら弾丸に向かい、シールドとぶつかり大規模な爆煙が舞う。

 

「刹那君、順応力高いなぁ。もうアクセル状態のシューターに対応しているよ」

残り8発になったシューターを見て呟く。

すると、左手に持っていた魔力の剣を腰に戻し、一旦停止して急上昇した。

コントロールしてシューターを向かわせるが、信じられない行動に出た。

「盾を!?」

シューターの群れに投げつけた。

「っ!」

咄嗟にコントロールしたけど、6発が盾にぶつかり相殺された。

《とんでもない発想力ですね》

でも、もう盾による防御はできない。

大規模な爆煙が舞い、刹那君の姿が見えなくなる。

と、爆煙の中から真っ直ぐ突撃してきた。

 

爆煙に身を隠し、最後の攻撃の準備に入る。

「これが最後のチャンスだ。行くぞ、エクシア」

《了解》

刀身を折り畳んだまま、なのはへ一直線に向かう。

先程の盾による相殺から逃れた2発の弾丸が左右から迫る。

動きを止め、両腰から逆手でビームサーベルを引き抜きそのまま投擲して撃ち落とす。

「ディバインバスター!」

その瞬間、桜色の砲撃が放たれる。

「エクシア!」

《オーバーブースト》

安全装置が解除され、GNドライヴの出力が上がる。

急加速で砲撃をかわし、GNソードの刀身を起こしながらなのはへの距離を詰める。

 

突撃してきた刹那君にレイジングハートを構えたまま、シューターを左右から向かわせる。

一度止まって両腰の柄を掴んで投擲。

シューターを相殺した。

そこまでは、読み通りだった。

硬直した瞬間を狙い最後の魔法を放つ。

「ディバインバスター!」

《ディバインバスター》

高速の砲撃が刹那君に迫る。

確実に当たると思っていた。

でも、

「エクシア!」

刹那君が叫んだ瞬間。

突起物から放出されている光の量が増大し、信じられないことにバスターをかわした。

「!?」

さらに、右腕の刀身を起こしながら急速に向かってくる。

《マスター!》

慌てて魔力を練り上げる。

「はあああぁぁぁ!」

「っ!」

 

「お疲れさま。刹那君」

「ああ」

訓練場の貸切時間が終わり、管制室を離れる。

「刹那君、汗かいてない?」

「少しな」

少し……あれだけスフィアと訓練して最後には私と模擬戦をしたのに、少し。

表情も疲れているようには見えない。

いつものポーカーフェイス。

どれだけ体力を持ってるの?

「刹那君」

「なんだ?」

「はいこれ、タオル。そこの角を右に曲がったところにシャワールームがあるから、汗を流してくるといいよ」

「……すまない。それにしても、用意がいいな」

「えへへ。私もシャワーを浴びて、着替えてくるから」

「ああ」

「それじゃあ、あとでね」

「ああ。終えたら外で待っている」

「うん」

 

模擬戦は、結果を言えば引き分け。時間切れとも言う。

刹那君の大剣が私の首元で止まった時。

魔力が込められたレイジングハートは刹那君の腹部に向けられていて。

その瞬間に、時間切れのアラームが鳴った。

「……」

アラームが鳴りやむと、刹那君は無言で下がって刀身を折り畳んだ。

「時間切れか」

「え、あ、うん。そうだね」

私も力を抜いて、レイジングハートに込められた魔力を消す。

お互いジャケットを解除して、管制室へ向かう。

「凄いね刹那君。想像以上の強さだよ。負けちゃうところだったよ」

その言葉に刹那君は頭を横に振る。

「いや、俺の負けだろう。なのはの誘導魔法。本当はもう少し、制御できる数が多いのではないか?」

「あ、気づいていたの?」

「まあな。それに、カートリッジも状態移行の一回だけだったしな」

「それを言ったら、刹那君だってあの赤くなるの使ってないでしょ?」

「……そうだが」

「だから、引き分け」

「……わかった」

「うん。それにしても、刹那君本当に強いよね。刹那君の地球には魔法がないって聞いたけど、刹那君は元の世界で何をしていたの?」

思い切って踏み込んだ質問をしてみたけど、その質問をした途端、立ち止まって悲しい顔をしてしまった。

「……ごめん」

「いや……すまない。まだ……」

「ううん。私の方こそ……」

「なのは」

「なに?」

「いずれ話す」

「え?」

「全てな」

「うん。……そうだ!」

「どうした?」

「お願いがあるんだけど」

「お願い?俺に出来る範囲であれば」

「すごく簡単なことだよ。レイジングハート」

《仕方ありませんね》

「?」

 

シャワーを終えて、エクシアと話ながら外でなのはを待つ。

《なのはさん。お強かったですね》

「ああ。エースオブエースの二つ名は伊達ではないということだな」

《しかし、マスター。最後のGNシールドを投げるのはどうかと》

「あれしか考えつかなかった」

《GNシールドが半壊してしまいました》

「……すまない」

エクシアに怒られてしまった。

「お待たせ。あれ、刹那君どうしたの?何か元気がないような」

「……何でもない」

《何でもありませんよ》

「?」

 

マンションへ戻り、夕食を終えたところでフェイトから連絡が入った。

こちらに来た頃は、毎日連絡が入っていたが、最近は週一程度に減っていた。

なのはの話ではクロノに何か言われたそうだ。

「刹那君」

「なんだ?」

「フェイトちゃんが、O☆HA☆NA☆SHI、したいって」

なんだ……普通の単語のはずなのに、そのとてつもなく嫌な予感がする言い方は!?

「どうした、フェイ……」

『刹那!』

「……急になんだ」

『なのはと模擬戦したの?』

「ああ」

『どうして……』

「どうしてって、なのはとはまだ模擬戦をしたことがなかったしな。射砲撃特化のなのはとの模擬戦はいい経験になると思ってな」

『……』

「どうした?」

フェイトが俯いている。

何かあったのか?

少し心配になり尋ねてみる。

「おい、どこか具合が悪いのか?」

『刹那!』

急に顔を上げて大声でモニター越しに詰め寄られる。

モニター越しだが、何故か気圧された。

嫌な予感がする。

「な、なんだ」

『今度は、私と模擬戦してね!』

「あ、ああ」

『そ、それから!』

「まだ、あるのか?」

『そ、その……』

「?」

『い、一緒に……を』

「……なんだ?聞こえないんだが」

顔を真っ赤にして何か言っているが良く聞こえない。

『何でもない……じゃあね』

「おい……」

そう言うなり、通信を切られてしまった。

「なんなんだ?」

 

《本当にマスターは》

《相変わらず苦労していますね》

《ええ》

《私のマスターも余計な事を言わずに黙っていればいいものを》

と、二つのデバイスはなのはの方を見る。

と言っても、人間のように目があるわけではないが。

 

なのはは、空中に映し出された一枚の画像を見ていた。

模擬戦後、レイジングハートに協力してもらい撮影した画像。

エクシアを纏う刹那の隣に笑顔で立つ自分の姿。

 

頭に疑問符を並べる刹那と、画像を見てニコニコしているなのは。

《はぁ~》

デバイス達はため息をついた。

 

フェイトの連絡のあと、何故かシグナムからも連絡が入り、模擬戦の約束を取り付けられてしまった。

この世界に関わるとわからないことだらけだ。

特になのは達の言動。

読了おつかれさまでした。

今回は、なのはとの初模擬戦。

サイブタイトルはお互いのバリアジャケットの白から。


 
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