星の準則第二部
クリスティーンは眠らない
プロローグ.Bサイド通信記録
真紀から主へ
団体《Bサイド》使用の4096ビット
RSA暗号グループウェアの通信記録を
一部傍受解読。
内容を報告。
A『今回の日本の地震は首尾もまずまず。
国内のデフレーションによる不景気に
政治家どもの無能・無策なれど、住まう国民どもが
なかなかにしぶとく折れず、復活の兆しまで見せていたが、
今回のタイミングで《アレ》を使用したおかげで
ほぼ壊滅的ダメージを与えることができたと思うよ?』
B『手ぬるいわよ。あの国の粘りは侮れない。瀕死とはいえ
最近また立ち直りつつある。
傷いえぬうちに第二の《アレ》を起動させ、完膚無きまで
再起不能にするべきよ!』
A『日本を手始めにして、力ある国々を均等に落としめし、
《来たる日》に全世界を本物の平和で貧富の無い
素晴らしい世界に描き替えるんだ。
世界中に散らばる僕らBサイドの手で!』
C『そう、俺らにはそれができる。世界各国の名だたる財団、
企業、銀行、宗教法人、軍……あらゆる頂点に立つ者達の更に
上に立つ、真実の頂点の集まりBサイド。
正義を為す力は俺らにある』
S『ウフフフ……知力・財力・暴力・権力を全て極め尽くし、
良事も悪事も十戒も、全てをやり尽くせば次に思いつく
楽しみはもうその位ですか……』
A『オブザーバー紫月(しつき)、少し言葉を
慎んでくれないかな? 宇宙開発、原油採掘法、
核兵器、細菌兵器、ステルス、DNA解読……その他、
時つぐる歴史の中、ポイントポイントで素晴らしい技術の
ご提供感謝しているよ。でも君はあくまでオブザーバーに
過ぎないんだよ』
S『ごめんなさい。力とやらがあっても風邪や癌、
虫歯一つも未だ根絶できないあなた方が平和をとなえる……、
正義をとなえる…… おかしくって笑えちゃって……』
B『風邪や癌、虫歯に無縁なあなたに言われたくないわね
紫月さん。そのうち根絶してやるわよ!』
S『ククク……言葉が過ぎました。あなた方Bサイドの
平和な素晴らしい世界づくり、これからも
全力でご協力しますわ。さしあたっては……』
A『さしあたって?』
S『日本の愛知県大須に住んでいる、
赤毛のかわいい女の子にご用心』
C『赤毛のかわいい女の子? なにもんだそいつ!?』
S『何度かちょっかいを出してきたんですが面白いので
泳がせていました。ですが最近は力をつけてきて少々目障りに
なってきたもので』
B『あなたほどの人が少々目障りなんて…… まさか
例のBサイドメンバーで組織したアメリカ太平洋艦隊
謎の壊滅事件に関わっていないでしょうねその娘!?』
S『い、いえ、あれは私が提出したレポートどおり、その件に
彼女は全く関わっていません。Bサイド艦隊演習中に起きた
新しい試作音波兵器による広範囲な事故によるものですわ』
B『そう、ならしょうがないんだけど。艦隊乗組員は
全員無事なくせに結集させた艦隊の空母・戦闘機・イージス艦は
全損。損害の立て直しと揉み消しにBサイドの年間予算を
1%も使わされて会計の私は始末書ものよ。本当は兵器担当
関係者全員銃殺ぐらいでは気が済まなかったわよ!』
S『ご愁傷様です。……ん!? 大変です、この通信、傍受されています!』
A『心配いらない。4096ビットの極秘暗号通信だよ、万一受信されても
解読なんて不可能さ』
S『ちっ……! 尻拭きもできないか……』
C『じゅ、銃!? 紫月なにをーー』
ズキュンッ!!
ザザザザザ………………
クリスティーンは眠らない 完成版につづく
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時系列的には《はるみん強襲!!》のすぐ後にくるお話になります。
リーナお嬢様の目に余る活躍っぷりに見え隠れしていた強敵たちが、ついに躍動し始めます。政府まで巻き込んでトンデモ事件に…… この続きは《クリスティーンは眠らない》完成版までお待ち下さい。
p.s
この作品は荒唐無稽なフィクションです。実在の人物、団体、
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