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機動戦士ガンダムMARS:第1話「白き巨人」

古淵工機さん

初ガンダムシナリオ…
ちょっと急展開過ぎるところもありますがそこはそれ、駄文ってことでw
今回は主役メカを物語の最後で紹介します。

2012-04-29 22:29:09 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:1151   閲覧ユーザー数:1132

時は未来。増加の一途をたどり続けてきた人類…。

地球はもはや、その増え続けた人口を抱えられるだけの余裕すら持ち合わせていなかった。

そしていつしか、その増えすぎた人口を宇宙へと移民させ始めていた。

地球の周辺には巨大なスペースコロニーが数百機浮かび、人々はここを新たな故郷とした…。

 

その一方で人類は地球周辺の惑星開拓に乗り出していた。

その移民惑星の第一号となったのが火星である。

火星は宇宙コロニー建設計画と同時に移民計画が立案され、さらに表面の地球化(テラフォーミング)も計画が進んでいた。

当初は数世紀かかるであろうとされていた大事業。

しかし、人類自身の技術…その驚異的な進歩により、およそ300年ほどで地球化が完成したのであった。

 

こうして、火星を新たな母性として繁栄を続けていた人類だったが、まったく問題がなかったわけではなかった…。

 原作:矢立肇・富野由悠季(『機動戦士ガンダム』より)

火星への入植が進むにつれ、地球連邦政府は徐々に火星に対する統治を進めてきたが、

その一方では連邦の圧政によって火星市民の政治的・経済的自由は徐々に失われつつあった。

市民の不満は募り、やがて連邦政府の高官暗殺事件を契機に、一気に対立が生まれ戦争が始まった。

火星独立戦争である。

 

M.E.(マーシャル・イラ)255年。

開戦から80年が経過した現在、地球連邦軍と火星独立戦線との戦争は膠着状態に陥っていた。

戦局は泥沼の様相を呈し、戦士たちはみな疲れきっていた……。

 『REBEL:01 白き巨人』

火星、アラビア地域、スキャパレリ地球連邦軍基地…。

ここでは地球連邦軍の新型MS(モビルスーツ)『クレイモア』による模擬訓練が実施されていた。

 

「これより、制圧訓練を開始する。無人標的機を3機クレイモアで一気に制圧する。模擬訓練とはいえ気を抜くなよ」

「了解!!」

奥のハンガーから次々に無人標的機が出てくる。テストパイロットは冷静に、そして次々と標的を撃破していく。

 

「よし!次も気を抜くなよ」

「了解!!」

そして、数十機撃破したところで、新たな標的が目の前に現れる。

 

しかし、どこか様子がおかしい。

出てきた標的機は、今まで見たことのないMSだったからだ。

「どういうことだ?あんなMSあったか!?」

「さあ…恐らく俺たちにやる気を出させるための技術班の遊び心だろ?」

「しかしだなあ…あの機体は見たことがない。データベースにも載っていないようだし、一体なんだ…?」

 

と、パイロットが疑問に思っていた次の瞬間である。

目の前の白いMSは突然、クレイモアにの方を向いたかと思うと、いきなり斬り付けてきたのである!!

 

「うわ、うわっ…わあぁぁぁぁ!!!」

 

次の瞬間には両断され、そのまま爆発四散するクレイモア。

「なっ…バカな、こいつ…敵だと!?」

「クソッ!応戦しろ!!」

その頃、基地周辺を飛行していた輸送機にて…。

「どうした、ウォルフェンガイスト中尉」

「はっ、レイヴン大佐。たった今スキャパレリ基地に敵MSが現れたとの情報が入りました」

「何?」

レイヴンと呼ばれた仮面の男はゆっくりと立ち上がり、機内のモニターを覗き込んだ。

「…見たことのない機体だな」

「どうします!?このままでは…」

「……あの動き、モノポール機関搭載型か…私が出るかもないかも知れん。リヒトシュヴェートの用意をさせろ」

「…はっ!!」

一方のスキャパレリ基地は、突如現れた謎のMSによって混乱の渦中にあった。

「くそ!何がどうなってやがる!?」

「コイツ…無人標的機に隠れてやがったんだ!!」

 

クレイモア、そしてその前世代機に当たるエストックが次々に出撃し、謎のMSへと向かっていく。

しかしそのMSはまるで舞うように攻撃をかわし、次々とMS部隊を切り裂いていく。

 

数十分後…。

炎に包まれたスキャパレリ基地の中に、そのMSは佇んでいた。

そのコックピット内部では、一人の若い男がなにやら通信を入れていた。

「…こちらエリーズ、ナーガル。アルベルト、聞こえるか?」

『聞こえてるぜエリーズ。随分と速かったじゃねえか』

通信機の向こうでは、豪快な老人の声が聞こえていた。

「ああ、スキャパレリ基地のMS部隊を一掃した。これより帰還する」

そう言ってその若者…エリーズ・ファングノートがそのMS…ガンダムナーガルとともに帰還しようとしたその時だった。

 

なんと、ナーガルの後ろからクレイモアが5機出てきたのである!!

「このテロリストめ!おとなしく投降していればいいものを!!」

「なに…!?」

「貴様らのような反逆者どもは、裁かれるべきだ!地球を蝕む虫ケラどもが!!」

 

浴びせられる暴言と凶弾。それでもエリーズは引き下がることはなかった。

それどころか、機体を反転させ、戦闘体勢を取ったのである!

 

「虫ケラはどっちだ…アンタたちの…アンタたちのためにどれだけの血が流れたか…!」

「ふっ、あれは粛清だ。連邦の掲げる理想に賛同しないばかりか、反乱を起こされているのではたまらんからな。ならばその芽は早いうちに摘んだほうがよかろう」

「そんな正義…認められるか」

「なんだと?」

「自分の理想を押し付けるのが正義だというのなら…俺は…俺はァァッ!!」

ガンダムナーガルは左腕にもビームサーベルを持ち、二刀流の構えを取ると、一機、また一機とクレイモアを切り刻んでいく。

「うわ、わあ、わあぁぁぁぁ!!」

そして最後の一機もコックピットを貫かれ、完全に沈黙した…。

制御を失い、大地に倒れ込むクレイモアを見ながら、エリーズは吐き捨てるように呟いたのだった。

 

「…俺はそんなもの…クソ喰らえだ…!!」

 

そして、その様子を遠くから黙って見つめる影があった。

先ほどの仮面の男、レイヴン・スティングフェザーであった。

「…なるほど、ウワサに聞いていたが…独立軍の新兵器『ガンダム』か。まずはお手並みを拝見させていただこうか…」

不敵な笑みを浮かべるレイヴン。彼の目的は一体!?

○機動戦士ガンダムMARS モビルスーツ・ファイル(01)ガンダムナーガル

形式:MLMS-00XG1

頭頂高:16.5m

本体重量:41.5t

武装:プラズマビームライフル×1

   ビームサーベル×2

   バンカーシールド×1

 

火星独立軍が極秘裏に設計・開発したモビルスーツ。

新型の動力装置であるモノポール機関を使用し、地球連合軍のMS5機を相手にしても3分以内で一層できて余りある性能を持つ。

またMSとしては初めて本格的に大出力のプラズマビーム兵器を搭載している。

機体各部はユニット構造となっており、戦況や作戦目的に応じて追加装備の携行や、換装が可能である。

 

なお機体名の『ナーガル』とは、かつてメソポタミアの民が彼らの戦神である『ネルガル』の名を火星に冠したというエピソードに由来している。

パイロットはエリーズ・ファングノート。

 


 
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