松永燕は策士であり、武道家の娘でもある。
しかも彼女は、彼氏である直江大和を想像を超えるほどであった。だからといって、燕が大和を手のひらで操っているわけではない。
最初の頃は、燕自身も自分の所有物という認識として大和との交際を始めていたのだが、とある事件がきっかけでそれは逆になってしまっていた。
もちろん燕はそのことに気づいているが、自分を幸せにしてくれるなら構わないという認識で改めて大和の交際をしていた。
「……ねえ、大和クン」
燕は大和の隣に寄り添うようにし、肩にこつんと頭を乗せてくる。
「何?」
「ん――……なんでもない」
そう言って、燕はふやけたような微笑をこぼす。どうやら甘えたい気分らしい。
「年下に甘えてくるお姉さんってどうなんだろう」
大和はそう言いながらも燕の撫でた。
「そうしたのはだ~れ~?」
頬ずりしてくる燕を、大和はやさしく両腕で包みこむ。
「俺さ……」
それだけ告げ、大和は燕の唇を奪う。
(うーん……でも最近、大和クンどんどん過激になっているんだよねぇ)
燕は交じり合いながら首につけているチョーカーをふれた。
このチョーカーは大和が自分の所有物という意味を込めてプレゼントしてくれた。もちろんチョーカーを装着している時は二人だけだ。
そして。
ドックン
(う~ん……ちょっと予想外だったなぁ~。こんなにも早く松永の名前捨てないといけないなんて……)
燕はそう言いながらも、笑顔で未来の子供の誕生に喜ぶのだった。
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