No.414080 IS~深緑の狙撃姫~「あなたは、私の未来だったかもしれない・・。」十河さん 2012-04-25 22:06:53 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:2892 閲覧ユーザー数:2742 |
クレアは滑走しながら箒にヴァリスを撃つ。
箒はフィールドを展開してヴァリスを防ぐ。
「・・誰だ?私の邪魔をするな・・!」
「篠ノ乃さん・・憎しみに囚われては大切な物を無くします!私も、そうだったから・・。」
クレアも憎しみに囚われて国を追われた経験がある。
だからこそ箒を止めるために出撃した。
「だから・・あなたを止めます!やあぁ!」
クレアはMVSを両手に持ち飛翔、高い機動力で一気に詰め寄る。
「早い・・!」
「でやぁー!」
箒はクレアの猛攻を防ぐしか出来なかった。
クレアは箒の空いた腹部にブレイズルミナスを纏ったキックを食らわせる。
「かはっ・・!蹴りだと!?」
「ランスロットは私の無茶な動きに付いていくためにあるIS・・!」
ピットでは千冬がその技術に驚いていた。
「ランスロット・・。それにバーンサイドのあの技術・・。」
「クレアはね、ラファールで私を追い詰めたんだ。しかも私が専用機でね。」
「何だと!?」
レベッカの言葉に千冬は驚く。
レベッカは世界最高の狙撃手。
その狙撃手を相手に量産機で追い詰めた・・?
「クレアはね、両親を奪った白騎士の操者を憎んでいたの。」
「・・・。」
クレアの過去を千冬は黙って聞いていた。
レベッカはさらに続ける。
「憎しみだけで動かした結果、誰もクレアに付いていけず、いつしかクレアの回りには誰もいなくなった。そして逃げるようにスウェーデンを出てアイルランドへやって来たの。」
「そうか・・。」
千冬はクレアがなぜ出撃したがっていたのかわかった。
今の箒は彼女の未来だったかもしれない。
そして憎しみだけでは大切な物をなくすということをよくわかっている。
「あなたは、私の未来だったかもしれない・・。今のあなたはロックオンさんへの憎しみだけで動いている!」
「黙れ・・!お前に何がわかる・・!消えろ!トランザム!」
箒の機体が赤く発光。
しかしその赤は血に濡れたかのように禍々しい光を放っている。
「はあぁ!」
「くっ!うわ!」
トランザムにより機動力がアップ、そしてファングもスピードを上げて飛び回りながら突き刺したりビームを放ったりしていた。
クレアは箒に着いていけずに連続で攻撃を受ける。
「ふん、行け、フィンファング。」
背中の大型ファングなど全てを飛ばしてオールレンジ攻撃を仕掛ける。
「どうする!?このままじゃじり貧だぞ!」
「俺が仕掛ける!」
一夏はファングを掻い潜り、箒に接近。
箒は大型フィンファングを戻し、砲撃形体に姿を変える。
「一夏・・!落ちろぉ!」
箒は集束ビームを放つ。
そしてそのまま一夏を飲み込んだ。
「何・・!?」
「うおぉ!トランザム!」
一夏は量子化とトランザムを発動して箒の背後に回り込み連続で切りつける。
「でやぁぁ!」
「くああ!」
一夏は箒を地面に叩き落とす。
箒のISは解除され、箒は気を失っている。
「一夏さん、篠ノ乃さんは・・。」
「大丈夫。気を失っているだけだ。クレア、まだ動けるならロックオンの援護に回ってくれ。」
「わかりました。」
「氷河!けが人を保健室に運ぶから手伝いを頼む!」
閃羅と戦うロックオンと援護に向かうクレアに後を託し、一夏と氷河はけが人を運ぶためにアリーナを後にする。
閃羅と戦っているロックオンは一夏と箒が決着が着いたことに安堵していた。
「よかった・・。あっちは決着が着いたみたいね。」
「セリス様・・なぜ私の邪魔をするのですか!?」
「あたしも一人だったから・・。」
「え・・?」
閃羅はロックオンの言葉に驚く。
さらにロックオンは話を続ける。
「あたしは閃羅が間違っていると思うから止める!・・クレア、連携で一気に片を着けるわよ!」
「はい!」
クレアはブーストを吹かし急速接近してMVSを振るう。
閃羅はそれを受け止めるが背後からビットが迫っていた。
「くっ・・!」
「てやぁ!」
クレアはブレイズルミナスを纏わせたキックで閃羅を蹴り飛ばす。
「次はあたしの番!」
蹴り飛ばした先にいたロックオンがビットで高く打ち上げる。
「クレア!」
「はい!」
ロックオンはトランザムを発動して上に回り込んでビットを格子状に合体、クレアは下に回り込んでブラスターを起動、構える。
「ロックオン・ストラトス・・!」
「クラリッサ・バーンサイド・・!」
「「狙い打つ!(狙い打ちます!)」
「きゃああ!」
上下からの照射ビームを受けて閃羅のシールドエネルギーが無くなり、この戦いに終止符を打った。
夕方・保健室
「んん・・。」
気絶していた箒が目を覚ました。
目の前にいたのは一夏だ。
「起きたか。」
「い、一夏・・私は・・。」
どうやら月光暗の効果が切れたようで目に光があった。
一夏を見たとたん、箒は体を震わせる。
シャルを斬った感覚を覚えていたのだろう。
「箒、その感覚を忘れるな。ISは兵器、その力で人を殺せるということを・・。」
「あ、箒。目を覚ましたんだ。」
そこへシャルが入ってくる。
これに箒は驚いた。
「シャルロット・・!お前、死んだんじゃ・・!」
「ううん、僕も少し危なかった。だけどね、みんなの声が聞こえたんだ。」
「そうか、すまない・・。」
箒はシャルに頭を下げる。
その顔は罪の意識でいっぱいだ。
「箒、紅椿は検査されることになった。紅椿はどうなるかわからないがまた這い上がれ。またお前を鍛えてやる。お前は俺の期待を背負っているんだから。」
「・・ああ!」
「失礼します、あの篠ノ乃さんの容態は・・?」
箒は二度と道を違えないことと一夏の期待に答えるという強い決意をしたところでクレアが入ってくる。
「ああ、問題ない。・・箒、こいつは妹分の・・。」
「ク、クラリッサ・バーンサイドです。よ、よろしくお願いします・・。」
箒はクレアのギャップに驚いた。
戦ったときは攻撃的な性格をしていたが今は小動物みたいな可愛さを持っている。
「篠ノ乃箒だ。箒でいい。」
「わかりました、なら私もクレアと呼んでください。」
こうして一夏と箒は和解、さらに箒はクレアと友情を結んだ。
別のベッドではロックオンと閃羅が話をしていた。
「・・申し訳ありません。私は・・。うう・・。」
「閃羅の気持ち、何となくわかる気もする。あたしは・・。」
ロックオンは閃羅に自分の過去を話す。
両親の顔を知らず、戦場が自分を育ててくれた事。
ラグナとミーナと出会って親になってくれたこと。
全てを話した。
話終え、ロックオンは閃羅を抱き締める。
それは月光暗の効果ではなく、ロックオン自らの意志。
「あなたは、月光暗が濃く現れたからみんなあなたから離れた・・。あたしも父さんたちと会わなかったら同じ道を歩んでいたかもしれない・・。」
「・・ヒック、セリス様・・。」
「今は溜まってる分だけ泣いてしまいなさい。あたしの胸で良ければいくらでも貸してあげるから。」
ロックオンのその言葉を聞き、閃羅は思いっきり泣いた。
まるで溜めていたものを吐き出すように・・。
決着が着きました。
さっぱりし過ぎてごめんなさい!
そしてロックオンとクレアの合体攻撃炸裂。
一夏と箒の和解。
シャル復活。
感想待ってます!
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決着。
そのあと。
和解。