No.413549

ゲイム業界へようこそ!その35

さて、資金集めからスタートだな、まずは今日のギャンブルの負け分を取り返す!

2012-04-24 19:14:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1844   閲覧ユーザー数:1760

 

 

「おっ、おい君大丈夫か!?」

 

 

 

「大丈夫です…。少し驚いてしまっただけですので……。」

 

 

 

男性は俺が突然倒れかけたことに心配したのか、カウンターから「トォッ!」という掛け声とともにこちら側へ飛び越えてきた。なぜか無駄にカッコイイと思ってしまう。

 

 

 

「そうか!それならば良かったよ!!」

 

 

 

「はい。それよりもつかぬことをお聞きしますが、あなたのお名前を教えてもらえないでしょうか?あっ、私の名前は井上 煉といいます。どうぞよろしくお願いします。」

 

 

 

「おぉ~わざわざすまないな!相手が名乗ったら自分も名乗るってのが最低限の礼儀ってもんだな!よし、俺の名前は兄沢永斗(あにざわえいと)、このアニメエイトの店長で多くの熱い魂を持つ戦士達を出迎える者でもある!永斗でも店長でも好きな呼び方をしてくれて構わないぞ、よろしくな煉!!」

 

 

 

彼の名前を聞いて俺は瞬時に理解した。兄沢命斗ことアニメ店長……、元いた世界のアニメイトの店でマスコットキャラ?的な存在。燃え上がるほど暑い声を放ち、お客様のために全力を振り絞る熱血漢。中の人もガン○ムのGやらフルメ○ルパニ○クやらの主人公の声を担当するほどの有名人だ。そんな声を目の前で聞けている今の私は本当に幸せです…。

 

 

 

「アニメ店長…(ボソボソ)」

 

 

俺はなんとなくだが呟いた。彼を呼ぶとしたらこれしかないと思われるのだが、如何せん彼は店長は店長でも、別にアニメやグッズなどのアイテム類を扱っているわけでもなく、クエストの受付を行っているだけのまったく別次元の人間だ。そんな彼をアニメ店長と呼ぶのは少々おかしいのではないだろうか?

 

 

 

 

そんな俺の考察は呆気なく徒労に終わってしまう。

 

 

 

俺が先ほどの言葉を呟いた矢先、彼が両手で俺の両肩をおもむろに強く掴んできた。へっ?一体俺がどうしたの!?

 

 

 

「スマン…煉、もう一度だけお前がさっき呟いた言葉を言ってくれないか?」

 

 

 

「えっ?はぁ…言っても本当に構わないのですね?」

 

 

 

「あぁ!よろしく頼む!!」

 

 

 

彼の言葉に俺も決心が着き、さっき呟いた言葉を今度は彼にしっかりと聞こえるよう喋った。

 

 

 

「アニメ店長。」

 

 

 

「………。」

 

 

 

「………。」

 

 

 

俺の言葉に彼は沈黙という行動を取った。俺の両肩を掴んだまま、顔は地面の方を向いた格好になっている。俺自身からは彼の表情を窺うことが出来ない。彼は今何を思い悩んでいるのだろうか?

 

この膠着(こうちゃく)した状態が数分間続き、耐え切れなくなった俺がちょうど彼に話しかけようと時だった。

 

 

 

「……あげだ…。(ボソボソ)」

 

 

 

「ハイ?今なんと?」

 

 

彼の呟きが聞き取れず俺は思わず聞き返してしまった。カチッ…。何か地雷を踏んでしまった気がする。

 

 

 

「胴上げダァァァ皆ーーーー!!彼を中心にして円陣を組むんダァァァーーーーーーー!!!」

 

 

 

「「「「「了解、店長!」」」」」

 

 

 

「ちょ!?」

 

 

彼の言葉に店員達が一瞬にして集まり、俺を中心に円陣を組んでいく。俺にはこの行動が理解が出来ず、思考も追いつかないでいた。咄嗟に人の輪から抜け出そうと試みたが、どうやら店員全員で円陣を組んでいるらしく全く逃げ場が見つからない。いわゆる「詰んだ」状態だ。

 

そして彼の宣言通り胴上げが開始されてしまった。これがまた高いのなんのって。

 

 

 

(人って…こんなに高く飛べるんだな…。知らなかったよ……。)

 

 

 

井上 煉の精神レベルが1上がった!

 

井上 煉は悟りを開くことに成功した!

 

井上 煉は心の一部が折れてしまった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハァ…暇ですねぇ~~。煉君から何もコンタクトが無いせいでとっても退屈です…。何でもいいから煉君とお話したいよぉ~~~。もうこの際、彼の罵倒でもいいです!彼と何かコミュニケーションが取りたい!

 

 

 

そうだ!もういっそ私自ら煉君に会いに行っちゃえばいいんだ!別にそれがイケナイわけでも無かったし。冴えてるわぁ、ワタシ♪

 

 

そうと決まればさっそく彼の元に……いや少し落ち着きなさいわたし。もしこのまま彼に会いに行ったと仮定しよう。さてどうなるのか?

 

 

 

 

私「ヤッホー煉君!わたし煉君会いたくこの世界に来ちゃったわ♪」

 

 

 

煉君「どうして神様ともあろう人がわざわざこの世界に来るのですか!それよりも…。」

 

 

 

他のメインキャラ「レン、その女性は一体…?」

 

 

 

煉君「えっ!?えっとその~~~。」

 

 

 

煉君(どうしてあなたは空気を読もうとしないのですか!(怒))

 

 

 

私(えっ!?私はただ煉君に会いたくてですね?)

 

 

 

煉君(…帰って下さい。)

 

 

 

私(そっ、そんな!なんで!?)

 

 

 

煉君(後もう話かけないで下さい。私の人生をあなたの過ちで一度終わらせただけならまだしも、新たな人生すらまともに送らせてくれないのですか…?もう許せません…。)

 

 

 

私(そんな!ごめんなさい!私が悪かったから、すぐに帰るからこれからもお話をして!!)

 

 

 

煉君(……。)

 

 

 

bad end........

 

 

 

 

バッドエンド1「少し頭冷やそうか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それだけはイヤぁーーーーーーー!!

 

 

 

ならどうしたら煉君と問題無く会えるのかしら?よく考えるのよ私!

 

 

 

そうだ!私じゃなきゃいいんだ!

 

 

あの世界に降りた時点で私の姿を元から全て変えておけば煉君にも問題なく接触出来る!それにもしかしたら煉君と一緒に暮らせるとかも…。キャ~~同棲とか恥ずかしい~~!!

 

でもそうしたら毎日煉君とお話出来るわ、よし!そうと決まったらさっそく姿をチェンジしちゃうわよ♪

 

 

さてどんな女の子になろうかしら?そういえば変身した女性の体型に不満を持っていたはず…。彼の変身した女性の姿は長身でおっぱいぼよーんな体だったわ。それと異なる体型となると……。(すでに神様はここで大きな過ちを犯している。)

 

 

 

待っててね煉君、すぐに会いに行くから♪


 
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