No.411018 IS~深緑の狙撃姫~「もう暗いあそこに戻りたくない!」十河さん 2012-04-19 19:13:00 投稿 / 全5ページ 総閲覧数:2521 閲覧ユーザー数:2270 |
襲い来る反乱者たちに鮮やかにガンブレードを振るう一夏。
「はっ!・・そこだ!」
ガンブレードを振り回した反動で踵落としを繰り出し地面に叩き付ける。
「・・相手が悪かったな。」
ガンブレードを×に振るった後、肩に乗せる。
『昔々ある所に、シンデレラという少女がいました。彼女は継母や義理の姉達にこき使われる不憫な少女でありました。ですが、彼女は優しい魔法使いによって舞踏会におもむき、気高き獅子の心を持つ王子様と出逢い、そして幸せになりました。』
(おい、これで完結か?)
『その後二人は愛を育み、平和で幸せに暮らしていました。しかしシンデレラは何者かに暗殺され、失望した王子はシンデレラを思い出さないようにするべく各地で反乱を起こす地へ赴き常に最前線に立っていました。』
BGM:ビッグブリッジの死闘(FF5のビッグブリッジの曲)
(・・!?あのやろう!これはシンデレラの後日談でも何でもねぇ!)
王子、ガンブレードのトリガーを引きながら反乱兵を次々切り伏せる。
『戦いに疲れた王子は一息着きました。そこへ美しい女性が声をかけて来ました。』
「・・・。」
王子の視線の先にスポットライト。
『なんとその美しさはかのシンデレラにそっくりで王子は何も言えませんでした。』
(いや、違うんだが・・。まあいいか。)
王子は心の中で突っ込みを入れる。
目線の先にいたのは黒のドレスに刀を握った黒髪の少女。
「・・問おう、お前が・・私の・・旦那様か!?(は、恥ずかしい・・!)」
「はっ!?(やってくれるな!あの女狐め!)」
顔を赤くしながら答えるシンデレラ(?)
訳がわからず唖然となる王子。
「と、ともかく、私は首にかけられた獅子が刻まれし指輪に選ばれし一人。クラス『セイバー』のシンデレラだ!」
「クラスだと・・?(あいつ・・何を考えている・・?)」
王子、クラスと言う言葉に引っ掛かりを覚える。
「とにかく、すでに他のシンデレラも動き出している。急いでこの場をっ!?」
「悪いけど、そういう訳にはいかないのよ!」
セイバー、ハッとして刀を抜く。
BGM:片翼の天使(FF7・セフィロスのテーマ)
『上から襲いかかる斬撃、槍を奮って襲いかかってきたのは、ドレス姿の中華娘。』
降ってきたのは朱のドレスを着たシンデレラ(?)
「貴様・・鳳じゃなかった、ランサーか!」
「そうよ、セイバー!獅子が刻まれた指輪は私のものよ!」
二人はしばらく激しく切り結ぶ。
王子は展開についていけず、呆然となる。
「王子と結ばれるのはこの私だ!」
「何よ!あんたは嫉妬したらすぐに手を上げるでしょうが!私はそんなことはしないし、王子を満足させられる!」
「私と王子は付き合いは長い!何が好みかも私は熟知している!」
「・・俺を無視して勝手に話を進めるな!」
我に帰った王子はガンブレードを構え、間に割って入ろうとする。
チュンチュン!
「・・・!?」
「何・・!?」
『王子が間に入ろうとした瞬間、セイバーとランサーの足元に銃弾が放たれました。』
BGM :The Man With The Machine Gun(FF8・ラグナの戦闘曲)
その瞬間、高速で何かが走ってくる。
このまま行けば衝突だが、何かは思いがけない行動に出る。
「王子さま、ごめんなさい!」
(ロックオンか!・・グッ!)
ダン!
「行け行けー!(ドドド!)」
チュンチュン!
『その瞬間、駆け抜けて来た何かが王子の背中を踏み台にして高く跳躍、華麗に宙返りを決めながら正確にセイバーとランサーの足元に銃撃を行いました。』
「・・シンデレラ・アーチャー、獅子が刻まれし指輪を頂き、王子と共に歩むべく推参!」
華麗に着地とポーズを決めて凛とした名乗りを上げるアーチャー。
アーチャーのドレスは赤紫で両手にサブマシンガンを装備している。
「その正確無比な射撃・・アーチャーね!」
「ふっ、王子は私の物よ。二人には渡さないわ。」
「アーチャー!覚悟!」
『二人は休戦を結び、アーチャーに攻撃を仕掛け、ここに三人の花嫁による王子争奪戦の幕が切って落とされました。』
(何だよそれ!)
「セイバー!攻撃が丸見え!ランサー!もう少し幅広い攻撃を心掛けなさい!・・たぁっ!」
アーチャーはセイバーとランサーの攻撃を正確に捌き、キックや単発のサブマシンガン(特殊ゴム弾頭)で反撃。
それを閃羅は見ていた。
(素晴らしい・・!あの身のこなし、しなやかさ・・私の人形に相応しい・・!)
『そこへアサシンの人形が立ちはだかりました。』
アリーナの閃羅たちを除く観客全員が立ち上がり舞台へ雪崩れ込む。
(あいつめ、やり過ぎだろ!・・ロックオン、ここまでだ。)
(オッケー。後で落ち合いましょう。鈴もね。)
(了解。)
一夏とロックオンと鈴はアイコンタクトを交わし、こっそり舞台から退場しようとする。
(チィ・・!人が多すぎる・・!)
しかし観客があまりに多いので逃げ道はない。
ロックオンはドレスにも関わらずスライディングしながらサブマシンガンで道を開く。
鈴もそれに続く。
どうするか考えていると一夏の手が誰かに掴まれる。
「こちらです。」
一夏は混乱から脱出。
そして・・。
(さあ、幕を開きましょう・・。私の野望の礎になって頂きます・・!)
閃羅の体から甘い匂いが放たれ、アリーナを満たす。
一方一夏もアリーナ付近に戻ってきた。
先程はわからなかったが手を引いた人物が学園関係者ではないということに気づいた。
「お前・・何者だ?」
「先程もご挨拶したと思いますが・・『みつるぎ 』の巻紙礼子です。」
「・・名刺もらったな、そういえば・・。」
一夏は弾と蘭と回っていた際に声を掛けてきたIS企業の渉外担当者と会ったことを思い出した。
「(ロックオンの言っていたのは・・こいつか。)嘘はやめておけ。」
「・・何の事でしょう?」
「あんたの下品な笑みを見ればわかる。男嫌いってな!」
巻紙は歪んだ笑みを浮かべる。
それを見た一夏はすぐさま飛び退こうとするが距離が取れていない。
(・・!逃げてる最中にかけられたか!逃げるのに必死だったから気づかなかった!)
手を見るといつの間にか手錠がかかっていた。
「てめえのダブルオークアンタを頂くぜ!」
直後に礼子の背後から突き出した鋭利な爪が床をえぐった。
「手錠をしたくらいで勝ったと思うな!」
「うおぉ!・・ぐへっ。」
一夏は手錠を勢いよく引っ張り、礼子を引き寄せ顔面を力一杯殴る。
礼子の顔から鼻血が流れ、一夏の手首にも血が流れる。
「このクソガキ!女に対する慈悲はないのか!?」
「悪いが、お前みたいな下品な女にくれてやる慈悲なんかないんだよ!」
「そんな口もここまでだ!くたばれぇ!」
(・・これだ!)
一夏は爪の攻撃を利用して手錠を破壊。
しかし頬を切ってしまう。
「チィ!」
「クアンタ!」
一夏はダブルオークアンタを纏い、ソードを構える。
「お前のその顔・・どこかで見たと思ったが・・思い出したぜ。奪ったロストドライバーとエターナルはありがたく使わせてもらっている!」
「てめえのIS・・ダブルオークアンタとロックオンとかいう女のサバーニャを捕って来いって言われたんでなぁ!亡国企業の一人・オータム様が直々に相手してやるよぉ!」
「お前を倒し、弱かった俺の過去に蹴りを着ける!」
一夏はソードビットをソードに合体換装、バスターソードにして構える。
一夏vsオータムのバトルが始まる・・。
一方逃げたロックオンはセシリアと合流。
目の前には・・。
「現れたわね・・。イギリスから盗んだIS・・サイレント・ゼフィルス・・!」
「お前のサバーニャ・・貰うよ。」
「セシリア、気持ちは抑えなさい・・。偏向射撃をマスターしたあなたなら勝てる・・。」
「・・・。」
ロックオンのその言葉に答えるようにティアーズを纏う。
「セシリア、教えを忘れないで!あたしはアリーナへ向かうわ!」
「わかりましたわ!」
ロックオンはセシリアにサイレント・ゼフィルスを任せ、アリーナへ向かう。
ブルーティアーズvsサイレント・ゼフィルスの戦いが始まる・・。
別の所では黒服の山が出来ていた。
それを倒したのはディーン、レベッカ、楯無だ。
「ふぅ、IS学園も甘すぎるな。来るのは外部や企業関係者だけではないだろうに。」
「本当ね。幽霊のエージェントがこんなに潜り込んでいたんだもの。イベントほど警戒を強めないといけないってわからないのかしら?特に今年は襲ってくる要素が沢山あるのにね。」
「・・返す言葉もありません。完全に私たちや教師の落ち度です。」
ディーンとレベッカの皮肉に楯無は頭を下げるしか出来なかった。
まさかこんな大勢潜り込んでいたとは思わなかったのだ。
「ま、エサは掛かったみたいだし俺たちも楽しみながら見回るか。」
「そうね。・・あなたは一夏の元へ行く必要はないわ。」
「・・なぜです?」
一夏の元へ行こうとする楯無の疑問にレベッカは笑って答える。
「私の可愛い妹分その二が向かってるから・・ね。」
その頃、一夏に援軍が現れ、オータムを圧倒。
BGM:FIGHT(トランザムの曲)
「こんなの・・何かの間違いだ!」
「相手の実力もわからず動かしている期間だけで勝てると思い込み戦いに挑むとは・・三流以下だな。」
「私なりにケジメを着けさせてもらう・・!」
一夏はソードビットをアラクネの爪に突き刺し、校舎の壁に張り付けて拘束、マドカはバズーカを合体させて構える。
「ダブルバズーカ・バーストモード・・!」
合体したバズーカの銃口にエネルギーが球状に集束。
「・・発射!」
「うおお!」
マドカの放ったダブルバズーカがヒットしてアラクネが解除、一夏はバスターソードの切っ先を突きつける。
「さて、お縄についてもらおうか。」
「クソガキが・・!M・・!てめぇ裏切りやがって・・!」
オータムはマドカを睨み付ける。
「私はもうMでも織斑マドカでもない・・!マドカ・スカーレットとして生きる!もう暗いあそこに戻りたくない!」
マドカは決意の言葉を上げ、オータムに右手のバズーカを突きつける。
次の瞬間、閃光が走る。
「・・!?」
「・・オータムがいない。スコールか・・。」
その場にオータムがおらず、二人はISを解除。
(あの戦いぶり・・。流石だ。だが一夏、お前はホッキーをどう認識してるんだ・・?)
氷河は二人のコンビネーションに舌を巻くと同時に一夏の箒に対する認識がどうなっているのか気になった。
第四アリーナ付近
ドレスを破り走っているロックオンはシャルと合流。
そして鼻を刺すくらいの強烈な甘い匂いが漂っていることに気づく。
「この匂い・・シャル、この匂いを嗅がないで。」
「わかった。」
二人は鼻を押さえ、サブマシンガン一丁をシャルに手渡し中に入る。
混乱も無く、観客は席に座っていた。
(何・・!みんな虚ろだ・・!)
よく見ると観客は焦点が合っておらず、うわ言のように「お姉様・・。」とか「最高よ・・こんなの初めて。」などと呟いている。
その時、メテオスイッチから通信音が響く。
『ロックオン・・ラビットハッチが・・うわあ!』
ブツン
「ティア!何があったの!?・・通信が切れた・・。」
ロックオンはメテオスイッチを切り、シャルに向き直る。
「シャル、ラビットハッチへ行くわよ!さっきティアから連絡があったけど通信が切れたの・・。」
「わかった、行こう。ラビットハッチへ!」
「マドカと合流してから行きましょう!」
二人は弱冠匂いに酔いながらもラビットハッチへ向かう。
舞台の上で・・。
「ロックオン・・殺す・・殺す・・。」
焦点が合っておらず、うわ言のように呟いている箒がいたことを気付かなかった・・。
閃羅の特異体質でアリーナの客は虜になりました。
閃羅の計画は着実に進行中。
次はセシリアパートのあと抗うロックオンとシャル、そして氷河と話をする一夏。
感想待ってます!
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シンデレラじゃないシンデレラ。
脳内補完BGM祭り。
亡国企業の闇の手。
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