No.408658

司馬日記14

hujisaiさん

その後の、とある文官の日記です。

2012-04-15 01:12:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:18725   閲覧ユーザー数:12115

1月17日

今日は早く帰れたので士季、士載と夕食を摂った。

士載に職場での研修状況について聞いてみたところ、自身は順調であるが、姜維が武技で主席となり一刀様から直々に褒賞を受けたがその後元気がなく心配だと答えた。

大事な友人であれば相談に乗るように助言すると、士季が「不治の病じゃないですかねぇ…」等と言いながら例の生温かい笑みを浮かべていたが、士載は彼は持病はないと言っていたという。

 

1月18日

お忙しい奉孝様の僅かの余暇を見つけて飲みにお誘いしたところ、奉孝様が買駆様もお誘いになって三人で飲むこととなった。

奉孝様、買駆様御両方から今後の私に期待しているので業務に励むようにとのお言葉を頂いた。奉孝様のお言葉によればこれからは事務屋の時代だという。

その後暫く何処其処の誰某は良い、此処のあいつは使えない等のお話や仕事の愚痴をされているのを聞いていたが、

酒が大分回ってきたころに買駆様が『で、仲達もうあの馬鹿ち○ことは寝たの?』と仰っられてどきりとした。買駆様が酔眼になっているように見えたのがやや不安だったが正直に御答えしたところ、

これも目が据わった奉孝様が『私達のような「ぷれい」に興味があるんだそうですよ』と割って入られた。

それを聞いた買駆様が、『あはははは、あらそうなの!?仲達あんた清純そうな顔して意外と見かけによらないのね、じゃあ今度集会に来なさいよ!決まりね!』

と仰りながら背中をばんばんと叩かれた。その後も暫く飲み続け、明らかに酔っているお二人から業務命令と迫られて真名を交換し、お開きとなった。

しかしあれだけ御機嫌な御二方は初めて見たかもしれない、上に立つ者は常日頃から精神的負担が大きいのだろう。

更にその頂点に立たれる一刀様の御心労はいかばかりか。我等下々の者がしっかりお支えしなくては。

 

1月20日

最近、呉の寵姫達の回数が増えている理由がおおよそ判明した、御寵愛を賜る際に『ろーしょん』という薬らしきものを使用しているためだという。その原料は呉の海岸で獲れる海藻で人体に無害なものらしい。

どのように使用するのかは判らないが、劉備様が孫権様より若干量譲渡され、使用したところ大変良かったという事を劉備様が曹操様に御話した為にこの薬?のことが判った。

近々、曹操様自ら孫権様に輸入の交渉をなさることが決まったので日程調整をしなくてはならない。

また併せて曹操様の命により、仲徳様指揮のもと『(仮称)お兄さんとの夜の性活を十倍楽しくする計画』事業が至急立てられることとなった。まだ内容も予算規模も事業期間も伺っていないがどうすればよいのだろうか。

 

1月23日

庁内を歩いていたところ詠様に呼び止められ、例の集会は明後日退庁後だと連絡を受けた。

一瞬何の事だったか判らなかったが思い出し、参加させて頂く旨御回答した。

仕事のやりくりはつくだろうか。

 

1月25日

今日は詠様の仰っていた集会の日だ。

詠様の下へ伺ったところ目のところだけ穴が開いた黒い頭巾と外套を渡され、これを着けて部屋に入るようにとの指示を受けた。個人情報保護の為とのことだ。

蝋燭を数本灯しただけの部屋に入ると既に数名の女性らしき人が座っており、「汜水関」、「錦帆賊」、「奸雄」、稟様が「戯志才」、詠様は「秘書」等それぞれ暗号と思しき名前で呼ばれていた。

新顔の私は「次女」と名乗ることにし、詠様に紹介して頂いた。

 

その後稟様の司会の下、各自報告をとの言葉を皮切りに各々が順次報告をしていったがその内容に心底驚いた、一刀様に如何に御寵愛を賜ったかというものを極めて生々しく語るものであったからだ。

そして詠様の報告のあたりで気づいた、ここの方々はは一刀様にやや強引になさって頂くのが好みである方々の集まりであるようだ。

覆面をしているとは言え全員面映げに報告というか情事を語っていたが、一人「奸雄」と名乗った方だけは堂々とされていた。

私の番も来てしまい、残念ながら一度普通に御優しく御寵愛賜ったのみである事をごく簡単に報告したが、それだけで羞恥で顔から火が出そうであった。

 

それぞれの話に色々意見が出ていたが、「錦帆賊」殿と稟様の方法は色々応用が利いて良いのではないかと言う話になり、散会となった。

帰り道詠様に「奸雄」様とはひょっとしてと申し上げたところ、会員間に身分の上下は無くまた正体を詮索してはならない、また彼女は大変な努力家で他の多くの派閥にも属し研究を重ねている、流石よねと言われた。

想像通りの方であれば私などよりも遥かに激務に追われているはずだが、決して女としての努力を緩めない。格の違いを感じてしまう。

 

1月28日

比較的早く帰宅出来たので私の分も夕食の用意をするよう言い付けに士載の部屋に行き戸を叩いたところ、がちゃがちゃと音がした後に士載があわてた様子で戸を開けた。

用事を伝えて部屋を見ると姜維が来ており、口元を押さえてぎこちなげに挨拶をされた。

また部屋に士載の化粧道具が一つ落ちていたので来客時は特に整理整頓しておくよう注意した。

 

部屋を離れてふと思ったが彼らは恋仲になったのだろうか、常日頃から士載は一刀様をお慕いしていると言ってはいたが。

士季にそれとなく聞いてみたが、「そんなわけないじゃないですか…」と溜息とともに返された。

まだそのように色気づくような年ではないということだろう、晩生な彼女らに安心するべきか心配するべきか保護者としては難しいところだ。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
75
5

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択