No.407469 超次元ゲイム ネプテューヌmk2 snow wind -episode4-2012-04-13 01:29:16 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:763 閲覧ユーザー数:729 |
某狩りゲー3rdのような乱入込みのアイスフェンリル討伐クエストから次の日。
ひょんな事から女神様と一緒にパーティーを組んじゃったわたしだけど、クエストが終わって一日もすればまたいつも通りの日常が戻ってくる。
…そう、思っていた時期がわたしにもありました。
「ほらほらー! このルウィー女神候補生が起こしに来てあげてるんだからさっさと起きなさいよー!」
ベッドに潜り込むわたしの上で暴れまわる人(?)が約一名。
…えー、どうしてこうなった。
「んんぅ……起こしてなんて頼んでないぃ…」
布団を被りながら言う。
確かに昨日別れる時は表に出てたのレーレだったけど、記憶は共有だし朝起こしてなんて言ってもないし聞いてもない。
「それはそうよ、わたし達はミナちゃんに頼まれて来たんだから!」
「(こくこく)」
布団を被ってるから見えないけど、ロムもそこにいて頷いている(気がする)。
ミナって誰だ…
「ほら! 早く起きなさい! 早くしないとわたし達がミナちゃんに怒られるんだから!」
そう言ってベッドの、さらに細かく言うとわたしの上でぼすぼすと跳ね始めるラム。
だからミナってだ…痛い痛い、地味に痛いからねそれ!
「んみゅぅぅ……わかった起きる、起きるからやめて…」
内心「勝手に怒られてきなよ」と思っていたけど、起きると言わなければいつまでもこうしていそうだったから結局こっちが折れる羽目に…
もう、朝くらいゆっくりさせて欲しいよ…
「はぁ…もう…。…というか、どうやって家に入ったのさ…?」
ラムが退くのを待ってから、のそのそとベッドから這い出る。
うん、問題はそこだよ。鍵はちゃんと閉めたはずだし…
「え? こじ開けたわよ」
「何してんの!?」
しれっと答えるラムに思わず叫ぶ。
「や、やっぱり怒った…だからやめようって言ったのに…」
「別に、お姉ちゃんとミナちゃんに比べたら全然怖くないわよ」
怖くないとかそういう問題じゃ…あぁ、これで昨日の報酬無くなったも同然だよ。
「はあぁ~……」
「なにため息吐いてんのよ、幸せが逃げるわよ?」
「誰のせいだと思ってるの…」
もう一度大きくため息。
…もうなんか、この二人に会ってからロクな目に遭ってない気がする。片方はあまり悪くないけど。
「ラムちゃん、そろそろ…」
「あ、そうだったわね! ほら、フウ…なんていつまでも呼び捨てなのもアレだし、フゥちゃん! 行くわよ!」
「は、え? ちょ、ちょっと! せめて着替えさせてよー!!」
朝のルウィー住宅街にそんなわたしの叫び声が木霊した。
思えば、わたしの日常が狂いだしたのはこの日からだっただろうなぁ…
「…で、ミナって誰? どこに向かってるの?」
あの後なんとか着替えだけは済ませ、今は二人と一緒にルウィーの街を歩いている。
相変わらずこの街の朝は寒い、一年中雪の街だから仕方ないことだけど。
「えっと…ミナちゃんはきょーそで、向かってるのはわたし達のお家…」
「教祖? あぁ、あの人」
ロムの言葉で理解する。
教祖なら何度か見たことあるからね。実際あって話したことはないけど。
あ、ちなみに教祖というのは各国の女神に使える教会のリーダーの事ね。
で、この二人…女神様の住居と言えば…教会。
街の中央にある大きな建物が教会だというのは重々承知だけど、実際行った事は一度も無い。
まぁ行くような事、無かったし。
「さ、ついたわよ」
と、いつの間にかわたし達は教会の前まで来ていた。
ううむ、近くで見ても大きいや。
「それでさ、ラム、ロム。二人はその教祖にわたしを呼んだ理由とか聞いて無い?」
教会を見上げながら、ふと二人にそう訊ねる。
女神様が居ない今、一番の権力を持ってるのはこの二人…だけどまだそういう難しい事知らなそうだし、とするとその教祖が今のルウィーのトップと言ってもいいだろうし。
そんな教祖がこんな人間に用があるって、なんだろう?
「ちょっと、なんで呼び捨てなのよ?」
呼び捨てにしたことに対して不満そうな顔をするラム。
やっぱ女神様相手に呼び捨てはまずかったかな。
「なんでって…そこまで親しい仲でもないし…」
「フゥちゃんは、わたし達のこと…嫌い…?」
と、ここでロムがなぜか涙目でこちらを見てくる。
え、なんでそうなるの?
「いや別にそういうわけじゃ…」
「ならわたし達みたいに呼びなさいよー! ほら!」
「え、えー…?」
二人みたいにって……ちゃん付け…?
「………む、無理! そういう呼び方慣れてないから恥ずかしい!」
「呼ぶくらいどうってことないでしょ? ほら、はやくー!」
「(どきどき)」
そう言って期待の眼差しをこちらに向ける二人。
……どうしてこうなった(本日二度目)。
「う、うぅ~……」
唸りながら俯く。
ここできっぱりと断れない辺り、わたしは意志が弱いのかな…
「……ら…ラム、ちゃん。…ロム、ちゃん……?」
覚悟を決めてそう言葉にする。
…まぁ「そんなことやってられるか! わたしは帰る!」みたいなことを言って帰っても良かったんだけど、ここまで来てなにも聞かずに帰るっていうのもね…
「…!(ぱぁーっ)」
「なんかまだちょっとアレだけど…まぁいいわ! 今後はちゃんとそう呼びなさいよ!」
「……本気?」
「嫌…?」
「だ、だからそういう訳じゃ…」
「ほら、ロムちゃんもフウちゃんも。そんなところで話してないで行くよー」
いつの間にか教会の入り口まで移動していたラムがわたしとロムに向かって言う。
…もう、いいや。(改行)
「ミナちゃーん! 連れてきたよー!」
教会内を歩き出して少しすると、ラムが誰かに声を掛ける。
「あら、二人共。寄り道はしませんでしたか?」
「…うん」
「ちゃんと言われた通りにしたよー!」
メガネを掛けた水色の髪の女性が、駆け寄る二人の頭を撫でながら言う。
確かこの人がこの国の教祖だったはず、前に見たことあるし。…ということは、わたしを呼んだのはこの人か。
「それと…フウ・シェルツさん。来てくださってありがとうございます。私はここの教祖を務めさせていただいている、西沢ミナと申します」
二人を撫でつつ、わたしに軽く頭を下げ自己紹介をする教祖のミナさん。
「……西沢……」
「…どうかしましたか?」
「い、いえ、別に…なんでもない、です」
わたしの呟きが聞こえていたのか、そう聞いてくるミナさんになんでもないと誤魔化す。
そう、なんでもない、なんでもない…はず、だ。
「…そんなことより、どうしてわたしを呼んだんですか?」
「ああ、そうでしたね。それについては昨日の事について、お礼を申したいと思いまして」
「お礼…?」
ミナさんの言葉に思わず首をかしげる。
昨日あった事なんて…女神と知らずに二人と一緒にクエストに行ったくらいだけど…
「はい。昨日二人が帰ってきた時に貴女の事を聞きまして…突如現れた汚染されたアイスフェンリルから守ってくれたそうで」
あぁ、あれね。
「いや、守ったというより一緒に倒したというか…だからそんなお礼を言われる程の事でも」
「謙遜しないで下さい。あの二人がそうだと言っているのですから」
そう言ってニッコリと微笑むミナさん。
謙遜してる訳じゃないんだけどね…
「それで…厚かましいかと思われると思うんですが、一つお願いしたい事があるんです」
「お願いしたい事…ですか?」
教祖からのお願い…なんだろう、嫌な予感が…
「はい。貴女に二人の…ルウィー女神候補生の護衛、と言えばいいのか…それをお願いしたいんです」
「…護衛?」
思わず聞き返す。
なんだって、わたしみたいな、それも教会ともほとんど関わりのなかった普通の人間に女神様の護衛を頼むの?
「え、どうしてわたし、なんですか? あの二人とも昨日知り合ったばかりだし、実力だってまだわからないようなわたしなんかに…」
「ふふ、実力なら十分存じてますよ。街の小さな便利屋さん」
「え? な、なんでそれを?」
ミナさんの言った言葉に驚愕する。
その呼び方は街の人の依頼をこなしていたらいつからか近所の人からそう呼び始めたもの。
…小さいの、少し気にしてるからあんまり好きじゃないんだけどなぁ…
「あら、知らないのですか? 貴女はもうこの街ではちょっとした有名人ですよ? 小さな子でもしっかりと頼み事をこなしてくれる…と」
「そう、なんですか…」
まったく知らなかった、そこまで有名になってたなんて…
…やっぱり、小さいから、なのかな……うぅ…
「ということで、実力については心配ありません。もちろん、これも依頼みたいなものですから、クレジットもお支払いしますし…どうでしょう?」
「う、うーん…」
有名だという事に若干凹みつつ(理由が多分さっき言った通りだから)、腕を組んで考える。
…まぁ、女神様の護衛だから貰えるクレジットは良いとは思うけど…うぅ~ん…
……というか…
「「(じーっ)」」
「(後ろからなんか二つくらいの期待の視線が…ものすっごく断りにくい…)」
というか断ってもダメな気がする…なんでか無限ループとかしそうで。
…うぅ~…!!
「…わ、わかりました。わたしで良ければ、女神様の護衛役…務めさせて頂きます…」
最終的にやっぱりわたしが折れ、承諾してしまった。
…意志? 知らない、そんなの。
「そうですか。そう言って頂けて良かったです」
「! ラムちゃん…!」
「うん! フウちゃんっ!!」
「ぅひゃあっ!?」
わたしの答えにミナさんが微笑んだかと思うと、突然の後ろからの衝撃で思わず変な声を上げてしまう。
どうやらラムに抱きつかれたみたい。
「ら、ラム…ちゃん!? なな、何するの!?」
「話はあんまり聞いてなかったけど、よーするにフウちゃんといつでも遊べるってことでしょ? だから!」
「な、何その理由?! と、ととにかく離れてよっ!」
なんだか気恥ずかしくなる、顔が熱いよ…
「フウちゃん…顔、赤い?」
「あー! もしかして照れてるのー?」
「バっ…! て、照れてなんかないっ!!」
二人に言われて顔を逸らす。
て、照れてなんか…絶対に照れてなんかない…!
「ふふっ。…では、よろしくおねがいしますね」
こんな状況を見ておかしかったのか、ミナさんがくすっと笑いながらそういうけれど、
「赤くなってるフウちゃんかわいー♪」
「可愛い…♪」
「だ、だから照れてないーっ!!」
今のわたしはそれどころではないのでした。
はぁ…この先、どうなるんだろう、わたし…
-Chapter0[二つの心を持つ少女] end-
☆status☆
フウ・シェルツ
☆状態:普通
☆装備情報
└なし(○家に置きっぱなし)
└ホワイトリング
└
└
└ライムリボン(○フウのお気に入りの大きなリボン。髪の先を結わいている)
☆メモ
・自宅のドアが破損する
・なぜか候補生二人に好かれた
・教祖の依頼で候補生二人の護衛をすることになった
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とりあえず多分、次回辺りから原作に入れる…かなぁ。