No.406195

超次元ゲイムネプテューヌ 3dis Creators_003

ようやく。よ~~~~~やっと主人公登場です。
ロージュには2,3度修正を命じました。
4/11 木の実のカツラという意味合いなので「づら」にしました。

2012-04-10 19:40:47 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:569   閲覧ユーザー数:558

 

 

 

 

 

 

序 章:インサート・コイン

 

 

 

 

 

C003:金色のコイン

 

 

 

 

 

 

○モードハウス外観、正面

 

    裏にまわって見ると、木製看板で『mode house』とポップなフォントでかかれている。

    扉が開いたままで、そこから温かみのある光が漏れている。

    どこからかアナウンスが流れる。

アナウンス「村民のみなさん、村のシステムチェックのため、しばらくの間、村をアカウントフリーで公開いたします。チェックの間は、ご自身の、プライバシーにご注意ください。また、その他、村の機能の不具合などで、ご迷惑をおかけすることもありますが、なにとぞ、ご了承を、お願いいたします。また、くれぐれも、”ゲイム”には巻き込まれないよう──」

 

 

 

○モードハウス・店内

 

    アーチ状の形になった天井の大きな橙色ライトに照らされた店内。

    緑色で木の実のような、アフロ寸前の頭が複数段ある戸棚にある商品を目にし、左右に揺れている。

    そんな木の実頭の少女、人差し指をあごに当てうーんと悩む。

 

???「ぐるーん、ぐるーん、ぐるーん……」

 

    回転いすに背もたれを抱えて座るは薄い赤毛の少女。

    今ひときわ勢いをつけて回転したその、恐らく店主と思わしき少女が尋ねる。

 

???「ぐるるーーーんっ! なんかほしいのあるー?」

    

    木の実頭の少女、悩んだ末、何かをひらめいたような表情。

 

少女「あはっ♪」

 

    少女、店主の方を振り向き、前傾姿勢で目をぱちくりさせながら尋ねる。

 

 

 

少女「メアド教えてくれる?」

 

 

 

    少し甲高い声の少女。

    店主、自分が背もたれを抱えて座り回っている椅子の回転を止め、木の実頭の少女の方に向き直る。

    少し間をおいた後、力強くうなずく。

 

 

???「……うんっ!!」

少女「わーいっ!」

 

 

    滑り込み気味に店主に歩み寄りながら携帯を開いて準備をする少女。

    幼さが程良く出た声を出しながら、椅子から降りて立ちあがろうとする店主。

 

???「よっこいしょ……お、おぉ? おぉおぉぉ? のぎゃっ!?」

 

    しかし左足に体重を乗せた瞬間からバランスが取れずよろけ出し、くるくる回転した後、あお向けて倒れる。

 

    倒れた店主をじっと見る木の実頭の少女。

 

少女「だいじょぶ~? メアド教えて~♪」

 

    それでもメアドを催促してくる。

 

    勢いよく起き上がる店主に、木の実頭の少女が少し驚いて後ずさる。

    店主は首をかしげながら。

 

 

 

???「でもメアドってなぁに?」

 

 

 

 

    沈黙する二人。

 

 

 

 

少女「まいっか♪」

???「まいっか♪」

少女「ふふふっ♪」

 

    何事もなかったかのように再び戸棚の商品を見渡す木の実頭の少女。

    少女の人さし指が迷うように左右に揺れる。

    しばらくして、少女から見ると高所にある、白く少し横に伸びたハート型のポシェットをさした。

 

少女「これくださ~いなっ」

 

    店主、勝手に出て来たコンソールの元の持ち主の欄を見る。

 

???「あ、これラビちゃんのだ」

少女「ラビちゃーん?」

???「うん」

 

    木の実頭の少女、そう聞くや否や体中のポケットからものを探しあさる。

    すると少女、何かに気付いた。

 

 

少女「あ♪」

 

 

    突如自分のその木の実のような緑色の毛髪を取り外す(・・・・)

 

    要するにこれ被り物。

 

    づら(・・)を外した後の少女の髪はふんわりとした茶のセミロングカットで、意外とキレイ。

 

    ただづらを外した後、店主に差し出すように前にづらを持っていくものだから……

 

???「それくれるの?」

少女「ううんこれはあげないよ♪」

 

    と、いうような誤解を生む。

 

 

???「そうなんだ」

 

 

    店主、もらえないと分かると少女が手に持っていた木の実づらを、バスケ素人がやるフリースローのように後ろに投げ捨て、ばんざいポーズ。

 

少女「あー投げちゃだめー!」

 

    慌てて拾いに行く茶髪少女。

    木の実づらの中から、金色のコインを取り出し店主に差し出す。

 

少女「はいこれっ」

 

    少女の手にある金色のコイン、十字キーのエンブレムの周囲に「Don't stop your steps for tomorrow because there is love if you get any future.」と刻まれている。

 

???「これくれるんだねっ!」

少女「うんっ♪」

 

    少女からコインを受け取る店主。

    受け取ると、後ろから折るには力のいる木の棒を持ってきて、店主から見ても高所の段にある白いハートポシェットをこれで取ろうとする。

    店主、背伸びをしながらで少々手こずる。

 

???「ふんっ……ん~~~~っ」

 

    しばらくして、上手くポシェットのまとまったひもの部分に引っかけられ、そのまま持ちあがる。

 

???「取れたっ!」

 

    そっと木の棒を手元に戻し、ポシェットを棒からはずし、再び木の実づらを被って自分のあたまに合わせた少女に手渡す。

 

???「はいっ、どーぞ」

少女「わー☆」

???「これでわたし達ともだちっ!」

少女「ありがとねー、ふふふっ♪」

 

    ぴょんぴょんととび跳ねて手を振る店主。

 

???「ばいばーいっ! また遊びに来てねーっ!」

 

    足早にあけっぱなしの出入り口から店を去る少女。

    それを見送った後も、しばらく手を振り続ける店主。

 

 

 

 

 

 

    今現在に至るまで二人の間に疑問や違和感といったものは何一つない。

 

    振っていた手をおろし、改めて自分の店の戸棚にある商品群を見渡す店主。

 

    フィギュアコレクション、むき身の基盤、レアカードコレクション、レアものシール群、

    レアと言えばレアだが非常に目に悪いルウィーのゲーム機、レアチーズケーキ。

    今まで先ほどのように交換してきたものは数知れない。

    現在、この店の中は小さなミュージアムとなっている。

    友達ミュージアム、といったところか。

    店主は恍惚のため息をつきつつ、目を輝かせる。

 

    すると「オ~イヨイヨイヨ」などというわけのわからない言葉が耳に入ってくる。

    店主、外に人を見つける。

    外にいる人をじっと見つめるが、どこかに行ってしまう。

    その後しばらくして、「ちゅーーーー!!」とネズミらしき悲鳴が聞こえては遠くなっていく。

    それに振り向く店主。

    外の人、一周してまた戻ってきたよう。

    向き直る店主。

    「お」と声を上げ、店主に見られていることに気付いて、中に入ってくる。

 

 

 

ネプテューヌ「ねーこのキノコなに?」

???「きのこって? どこに?」

 

    外にいた人、実はネプテューヌ。

    ネプテューヌの言葉にいつも通り首をかしげる店主。

 

 

 

○同・店の外・出入り口付近

 

    店の外に出てその外観を見上げ、言い争う二人。

 

ネプテューヌ「ほら、これだよ。何でこんな毒キノコみたいな建物にしちゃったの?」

???「毒キノコじゃないよ、”やじるし”だよ」

ネプテューヌ「矢印ぃ? 矢印はもっと角ばってるよ! まぁるく傘ができちゃったらもうキノコじゃん!」

???「キノコじゃないもん!」

ネプテューヌ「キノコにしか見えない!」

???「やじるしだもん!」

ネプテューヌ「キノコキノコキノコキノコキノコキノコ!」

???「やじるしやじるしやじるしやじるしやじるしやじるし!」

 

 

 

○同・店内

 

    再び店内に入る二人。

 

ネプテューヌ「んでさぁ、結局ここって何屋さんなの?」

???「うぇ?」

ネプテューヌ「ほら、だって本当にいろいろあるじゃん。もしかしてよろず屋さんってやつ? 依頼きたら面白可笑しく解決してくれたりする?」

 

    店主の首は曲がるばかり。

    考えるのを放棄して、店の奥にある木箱の方へ行く。

 

???「むむむ……よろずとかそういうのわかんない。何屋さんとか、考えたことないもん……」

ネプテューヌ「考えたことないって、大丈夫なのそれ……?」

 

    金色のコインを自分の左にある戸棚3段目の末端に置き、中身を後ろに放り投げて掘り進むような雑なやり方で木箱の中をあさり始める。

    背後のネプテューヌの事を気にも留めず。

 

???の声「んー?」

 

    と、適当な応対。

    ネプテューヌの目の前に店主が投げたおもちゃなり石なり空き瓶なりが飛んでくる。

 

???の声「えーと、どーれーだーどーれーだ?」

ネプテューヌ「うわぁ、おぉっ?」

???の声「あれじゃなーい、これじゃなーい、びびでばびでぶー」

ネプテューヌ「ちょ、ちょっと店長さん? おっと! 店長さん? あの、後ろの人の事──ねぷっ!? わぁ瓶割れた! 店長さん!? わ、危なッ! なんだこれ、”バイト生活超百科”? ねぇちょッ──やめて! 止め──うぅわぁっ!? 刃物! はものーー!!」

???「あ、あった!」

ネプテューヌ「……あった? そりゃよかった。でもわたしゃ寿命が3ラウンド()2サイクル(ふつか)くらい縮んだよ」

 

    店主、木箱から白い写真たてを見つけ取り出す。

 

???「えーと、どーこーにーおーこー」

ネプテューヌ「シカッティングですか……本当ここ大丈夫?」

 

    空いてる棚を探し周囲を見渡し、入口から見て右の3段目に空きが見つかる。

 

???「ここにしよ。もッこっ!? ととと……」

ネプテューヌ「足元危ないよー」

 

    移動の際、木箱から投げ捨てたおもちゃをふんづけて躓く。

    空いている棚に写真たてを置き、その立てかけるように金色のコインをそっと置く。

    置いたあと倒れたり転がったりしないことを見届けその場を静かに離れる。

    ネプテューヌ、金色のコインに目が行く。

 

 

ネプテューヌ「あ……」

 

    そのコインを目にし、ネプテューヌ、一瞬だけコインが異様なまでの輝きを持ったかのような幻覚に陥る。

    刹那、現実に戻る。

 

ネプテューヌ「……あ、あの、それ今入荷した商品?」

???「さっきポシェットの時にもらった」

ネプテューヌ「ポシェットの時ってどんな時……?」

???「なんかね、なんかね、あのね、緑のアフロ一歩手前のもさもさヘアーのヘルメットをはいって渡してくれたのね」

ネプテューヌ「……う、うん。ん?」

???「渡してくれたんだけど、渡してくれるわけじゃなくって、ぽいって投げたの」

 

    先ほどと同じ投げモーションでばんざいをして見せる店主。

    この辺りからネプテューヌが硬直。

 

???「それでねそれでね、ナルちゃん、ナルちゃん? ナルちゃんでいいんだっけ? ま、いいや。その子のね、もさもさヘアーのヘルメットからなんかね、やたらキレイな髪の毛が出てきてね、そんでこれもらったの」

 

    店主、金色のコインを指さす。

    ネプテューヌ、しばらくの硬直の後、ぴくんと解く。

 

ネプテューヌ「うん……何か、釈然としない」

???「?」

 

    店主も首をかしげる。

 

ネプテューヌ「まーそういうのはいっか。とりあえず、これちょーだい。いくら?」

 

    店主、手を広げ。

 

???「じゃああなたらしいものをちょうだい」

 

    と、かなり抽象的な事を言ってくる。

 

ネプテューヌ「え、クレジットじゃない?」

???「友達の約束!」

ネプテューヌ「よくわからないけど、物々交換なのね……わたしらしいもの……あ」

 

    ネプテューヌ、何かに気付きNギアを取り出し、メニューの道具リストから『ロレンス・ホーマー イボンコの謎』をフリックして選び、ボタンを押す。

    Nギアがテクノビートな音を刻みつつソフトのソースコードをロードし、ネプテューヌの右手の平に何か芸能人のサインのような形をした印を書き込む。

    Nギアから書き込み終了の音が鳴ると同時に、ネプテューヌの右手の印が不条理ではあるが緻密にトランスフォームし、一瞬で実体を形成した。

 

???「おーーーーー……」

 

    店主、その光景にただただ関心。

    ネプテューヌ、実体化したソフトを店主に差し出す。

 

ネプテューヌ「こんなんでいい?」

???「うん!」

 

    店主、ソフトを受け取って、コインを写真たてから持ってきてネプテューヌに渡す。

 

???「はいこれでともだちっ!」

ネプテューヌ「ありがとー! じゃねー!」

???「ばいばーい!」

 

    ネプテューヌ、元気よく手を振る店主を背に店を出る。

 

???「お……」

 

    店主、何かに気付く。

 

???「あの子の名前が……わからない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○プラネテューヌ・アイデン村・川通り草原~トキネの林・昼

 

    店を出てしばらく進んだ場所。

    ネプテューヌ、先ほどもらった金色のコインをトスする。

    親指ではじかれ、心地いい金属音を響かせ宙高く飛び、そのままネプテューヌの左手の甲に引き寄せられ、ついた瞬間右手でコインを隠す。

    右手をどけると十字キーと文字が刻まれている面。

    ネプテューヌ、コインを天に透かしながら再び歩き出す。

 

ネプテューヌ「んー、衝動で買っちゃったけど、これ本当に”イボンコ”と釣り合うのかなぁ……?」

 

    そんな事を考えていると、あの店主の顔が思い浮かぶ。

    天に掲げていた手を下ろす。

 

ネプテューヌ「友達の……約束か……」

 

    今度は下を向いてコインをまじまじと見つめる。

    裏返し、「Begin's Arcade」の印字も見る。

 

ネプテューヌ「……聞いたことないゲーセン。まぁ悩んでも仕方ないっか」

 

 

 

 

 

???「じとーーー……」

 

ネプテューヌ「わぁまだいる!? なに!? どうしたのわたし何か忘れ物した?」

 

    先ほどの店主に前かがみでじっと見られていることに気付く。

    曇りのない目が少しネプテューヌには痛い。

 

???「お名前なんて言うのー?」

ネプテューヌ「な、名前? ネプテューヌ……だけど」

???「じゃねぷちゃんって呼んでいい?」

ネプテューヌ「……うん」

 

    ネプテューヌ、一瞬目を反らす。

    店主は姿勢を伸ばしなおもネプテューヌを見つめる。

 

ネプテューヌ「……それだけ? ならわたし行くけど」

 

    その場を離れようとするネプテューヌ。

 

 

    店主、離れゆくネプテューヌが振り向こうとした瞬間に、アメフト式パスインコンプリートのタックル。

 

 

ネプテューヌ「ねッ!? ぷふぅぅぅ!?」

 

    そのまま抱きつかれるようにして草の上を滑って転がる。

    ひとしきり転がり終えた後、ネプテューヌにマウントポジションをとる店主。

    ネプテューヌ、目を白黒させ、日の光があたって陰っている店主のあくまで陰りのない表情を目の当たりにし、混乱する。

 

ネプテューヌ「え……ま、ま、ま、ま、万引き犯じゃないよぉ!? コイン以外何にもとってないよ!? コインもちゃんと買ったよ!? 本当だよ!?」

???「どこに住んでるの~?」

ネプテューヌ「へぇ?」

???「どこ~?」

ネプテューヌ「なんでそんな事まで!?」

???「なんか知らないけど、わかんないんだもん」

ネプテューヌ「わかんないんだもんって……」

???「歳は~? 体重は~? 普段何してんの~? ぴくモン今何匹~?」

ネプテューヌ「ウザい! ウザい! ウザい!」

???「ねーねーねーねーねー!」

ネプテューヌ「う~~~~~~っ、とりあえずどいて!!」

???「?」

ネプテューヌ「いいから!」

 

    ネプテューヌ、過剰なスキンシップとプライベートへの不法侵入を要求してくる店主をジェスチャーでどかす。

    疑問符を浮かべながら言うとおりにどく店主。

 

ネプテューヌ「む~~~っ……」

 

    ネプテューヌ、仰向けからうつ伏せになったあと起き上がり、服やひざについた草を払う。

    そして先ほどよりも投げやりな態度で質問に答える。

 

ネプテューヌ「住んでる所はプラネテューヌの教会! 歳も体重も秘密! これでいい?」

???「ぷらね、てゅーぬ……ってなに?」

ネプテューヌ「ここ!! って、え? プラネテューヌ知らない? そんなまさか……」

 

    ネプテューヌ、誤魔化すような笑い。

    店主、またも首をかしげ、そんなネプテューヌをじっと見つめる。

 

ネプテューヌ「……知らないんだ」

 

    ネプテューヌ、唖然。

 

???「村じゃないの? ここ」

ネプテューヌ「む、むら? 村って、ひょっとしてアイデン村?」

???「あいでん?」

ネプテューヌ「そう! アイデン村! あなたってそこの──あいったッ!?」

???「ふわぁッ!?」

 

 

    何者かに激突される二人。

    しかしそれほどの痛みもなく吹っ飛びもしない。

    二人、衝突してきた何者かがいる方向を向く。

ネプテューヌ「も~、なに!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    『スライヌが3体あらわれた!』

スライヌA「ヘイヘーイッ! ネプ子てめぇーーーー!!」

ネプテューヌ「えええぇぇっ!? スライヌが喋ってるぅぅ!?」

スライヌB「こまけぇこたぁいいんだよ!!」

スライヌC「だがてめぇらはダメだ!! どうでもよくねーぞぉ!!」

???「ほ!? ほぇ!?」

 

    いきなり怒った様子で喋って絡んでくるスライヌ達に困惑する二人。

 

スライヌA「おいコラ、ネプ子!! テメェいつまでそこのつまんねぇNPCと今時のドラマでもやらない古くせぇラブシーン繰り広げてんだ?!」

ネプテューヌ「誤解されるような言い回ししないでよ!! わたしはノーマル! ノーマルなの!!」

 

スライヌB「テメェらがそうやってチンタラ面白くもねぇ掛け合いしてるせいで展開(はなし)が全然進まねえんだよ!!」

スライヌC「さっさとそいつ向こうの方にある川にでも投げ捨てて俺らと”ガチンコウォーズ”しろやコラァッ!!」

 

ネプテューヌ「なんでスライヌに怒られてんのわたし……」

スライヌA,B,C「ごちゃごちゃうるせえーんだよッ!!」

 

    スライヌA,B,Cが二人にタックルの嵐。

 

???「ふぇぇぇーーっ!!」

スライヌA「楽屋でずっと台本見ながら待ってたんだよ!!」

スライヌC「それなのに長々とアドリブ展開しやがって!!」

ネプテューヌ「いたいいたいいたい! いたい! いた……い……」

 

    気がつくと、もうネプテューヌの所にスライヌがタックルしてこない。

    途中から店主を集中的に踏みつけていじめるように攻撃するようになっている。

    早々にタックルをされなくなったネプテューヌはこのいじめの光景を目の当たりにする。

    そりゃあもうボッコボコにやられる店主。

    フルボッコともいう。

    フル”モッコ”といった方がよいか。

 

???「いたいぃっ! いたいぃ!」

スライヌB「テメェの出番はもう終わりだっつってんだよ!!」

 

    ネプテューヌ、ちょっと笑いつつも白黒な目で叫ぶ。

 

ネプテューヌ「やめて! やめてあげて! お願いだからやめてあげて! 行くから!! 勝負するから!! やめてあげてよぉ!」

 

    スライヌ達、ぺいっと店主を軽く転がす。

 

スライヌA「ほら、さっさと行くぞ」

スライヌB「イベントはトキネの林ん中だからな!」

ネプテューヌ「わかったって! 店長さんごめんね! またあとでね!」

 

    ネプテューヌ、スライヌ達にいじめられうつ伏せで力なく倒れている店主に平謝りし、スライヌ達に急かされるままついていく。

 

 

    しばらくすると店主がゆっくりと起き上がる。

    いじめてきたのがスライヌだったので、身体的ダメージはそれほどない。

    精神的ダメージは別だが。

 

???「うぅ……」

 

    店主、涙目を浮かべ、辺りをきょろきょろと見渡す。

    誰もいなくなったことが分かると、自分のジャケットの内ポケットから赤いスマートフォンのようなものを取り出し、

    マークをドラッグしてロックを解除する。

    タッチ操作をしようとした時にあることに気付く。

 

???「……ねぷちゃん……どこにかければいいの……?」

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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