No.405710

ACE学園 第4話『クッキングハザード/襲撃のC』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

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2012-04-09 21:34:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:978   閲覧ユーザー数:970

凶暴化しているフロッグファンガイアはアクエリアスに接近して力任せに右腕で殴りかかる。アクエリアスはフロッグファンガイアの攻撃を左腕で受け流し、間髪入れずにアクエリアスドライバーをマシンガンモードにして接射する。フロッグファンガイアはその攻撃に後ずさり倒れるが、すぐに起き上がって今にもアクエリアスに向かおうとしている。

 

「ちぃっ! しぶといな!」

 

アインハルトもスネークオルフェノクによる殴る蹴るの攻撃を軽々とかわし、懐に入り込む。

 

「覇王断空拳」

 

アインハルトは必殺技とも言うべき攻撃をスネークオルフェノクに叩きこむ。スネークオルフェノクは仰向けに倒れるが、まだ起き上がろうとしている。アインハルトは1度スネークオルフェノクとバックステップで距離を取り、士樹と背中合わせになる。

 

「殺傷設定で行きたい所なんですが…」

「いちおう同じ学園の仲間だからそれは出来ない。しかも、」

 

2人が通路を見渡すと、戦闘の音に反応したのかたくさんのゾンビ化した人達が集まってきていた。その中には、怪人の姿も結構いることが確認出来た。

 

「かなりやばいな、これは」

「どうせこういうことになるんだったらさっさと士樹の子供を産みたかったです…」

 

アインハルトは顔を赤らめてとんでもないことをカミングアウトする。

 

「アインハルト、ここはノクターンズノベルじゃない。全年齢対応のサイトで、小学生も来るんだよ」

 

まんざらではないが、士樹は「空気を読んでくれ」と必死に視線で訴えかける。

 

「なら、ここから先はそこで描写してもらいましょう」

 

アインハルトは真顔で発言して士樹を押し倒し、自分の服に手をかける。

 

「アインハルトさん、こんなことをしている場合じゃないと思うんですが」

「今さら何を恥ずかしがっているんですか、士樹。既に何度もそういうことをしているじゃないですか」

「TPOをわきまえろって言ってるんだよ!!」

 

士樹はたまらず叫ぶ。その間にもゾンビ達は2人に近づくが、

 

≪≪FINAL VENT≫≫

 

電子音と共に現れた2台のバイクによってまとめて吹き飛ばされた。ゾンビを吹き飛ばしたバイクは2人の前に止まり、蝙蝠と龍に変形した。

 

「大丈夫か、2人共?」

「全く、世話が焼ける奴だ」

「真司! 蓮!」

「ちっ」

 

人が来たのでアインハルトは舌打ちしながら士樹から離れ、2人は起き上がった。

窮地?に陥っていた士樹とアインハルトを救ったのは、城戸真司が変身する仮面ライダー龍騎サバイブと秋山蓮が変身する仮面ライダーナイトサバイブだった。

 

「2人共、どうしてここに?」

「ここに来る目的なんて1つしかないだろ」

 

龍騎Sの台詞からすると、どうやら2人も士樹達と同じく科学研究ギルドを目指しているようだ。

 

「さっきの戦闘でこの通路も危険になっている。ミラーワールドを通っていくぞ」

「分かったよ、蓮」

 

ナイトSと龍騎Sは近くの水たまりからミラーワールドに入っていった。

 

「行くよ、アインハルト」

「はい」

 

アクエリアスは自由にミラーワールドを出入り出来ないアインハルトと手をつないでミラーワールドに入った。

 

 

★★★★★

 

 

「士樹さん達の反応ロスト。どうやら城戸さん達とミラーワールドに入ったようです」

「そう」

 

死んだ世界戦線本部でオペレーター席に座っていた遊佐からの報告をリーダー用の大きい机でゆりは聞く。遊佐が報告を終えた時、ゆりの通信機に着信が入った。

 

「どうした?」

『こちら、レイ。この事件の原因が分かったぞ!』

「なんですって!?」

 

ゆりは机に乗り出し、大声で叫ぶ。

 

『生存者の話によると、学園の教師2名が食堂で料理を振る舞っていたらしい』

「それで…」

『その料理を振る舞った人が技術のセシル先生とシャマル校医らしい』

「なんか結末が読めてきたわ」

 

技術担当教師のセシル・クルーミ―と保健室勤務のシャマルの名を聞いた途端ゆりが呆れ顔になる。

 

『そのまさかだよ、ゆりさん。どうもシャマルさん達の料理がこの事件の原因みたいなんだよ』

 

レイと一緒にいたヴィヴィオが答えを告げる。それを聞いたゆりが頭を抱えた。

 

「バイオハザードを起こす料理って…、いったいどんなものを作ったのよ」

『同感だよ、ゆりさん』

『ある意味才能だな』

 

 

★★★★★

 

 

「これがワクチンだ、士樹君」

「ありがとうございます、ジェイル先生」

 

一方、ミラーワールドを経由したアクエリアス達は科学研究ギルドでジェイル・スカリエッティからワクチンを受け取っていた。

 

「これで後は屋上の散布装置にワクチンを入れるだけだな」

 

龍騎はガッツポーズを取っている。

 

「それならギルドにある転送装置を使いたまえ。あれならまだ無事だ」

「助かります、ジェイル先生」

 

アインハルトが礼を言い、一同は転送装置の中に入っていく。それを確認したジェイルはコンピュータを操作していく。

 

「君達にこの学園の未来を託すよ」

 

ジェイルが最後に1つのキーを押すと、アクエリアス達は屋上へと転送されていった。

 

 

★★★★★

【ACE学園高等部屋上】

 

「ドアを開けるぞ」

 

皆がこの扉の先にいるであろう存在に備えて武器を構える。それを確認したナイトSがドアを開けた。そこには、大量のゾンビがいた。

 

≪SWORD VENT≫

≪SWORD VENT≫

 

ナイトSと龍騎Sは乱戦に備えて剣を装備した。アクエリアスは突破口を開くべくカードを1枚取り出して銃に装填し、スライドさせた。

 

≪ATTACK RIDE:BLAST≫

 

アクエリアスドライバーから広範囲に放たれた追尾性があるエネルギー弾は1つ残らずゾンビに着弾し、蹴散らした。

 

「行くぞ!」

 

それを皮切りにして龍騎Sが先陣を切る。皆もそれに続き、ゾンビを薙ぎ倒しながら進んでいく。

 

「状況が状況だ。出し惜しみしている状況ではないな」

 

アクエリアスはカードを1枚銃に装填し、スライドさせた。

 

≪FAFNER RIDE:GNORSIS≫

 

アクエリアスドライバーから無数のシルエットが生まれ、それらがグノーシスと呼ばれる約2Mの機動兵器を5体形成する。グノーシスは両手に装備したマシンガンとレールガンを撃ちながらゾンビに突っ込んでいった。

 

「散布装置までもう少しです」

「よっしゃあ!」

 

アインハルトが呼び掛け、龍騎Sが散布装置のある施設に突入しようとしたその時、

 

 

「フリード、ブラストレイ…」

「ぐはっ!」

 

大きな炎が龍騎Sを吹き飛ばした。

 

「この炎、まさか…」

 

アクエリアスは炎が飛来してきた方向を見つめる。そこに足場はなく、桃色の短髪を持つ少女が乗る飛竜が空を飛んでいた。

 

「皆さん、な『邪魔!』えっ!? ≪FINAL ATTACK RIDE:A・A・A・AQUARIUS≫」

 

少女……キャロ・ル・ルシエがはろくに喋る間もなくアクエリアスの必殺の砲撃によって撃墜された。

 

「ただでさえ執筆が遅れているんだ。余計な邪魔はするな!!」

「そういうメタな事は言わないでください」

 

アインハルトはアクエリアスに突っ込む。アクエリアスは何事も無かった様に散布装置にワクチンをセットし、装置を起動させた。ワクチンは校舎中の空気、水の通路を通って高等部の全エリアに広がっていき、ゾンビ達は元に戻っていった。こうして、クッキングハザード事件は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

~翌日~

 

「ふぅ、ここが事件現場ですか」

 

事件の影響で休校になったACE学園高等部校舎に白衣を着た1人の女性がやってきた。

 

「ゾンビ化した人達がきちんと元に戻ったかどうかの最終確認が主な仕事ですし、ちゃちゃっと終わらせてさっさと帰りますか」

 

まるで少女を思わせる容貌の女性―朝凪イルスィ―は医療現場という名の戦場へ行くべく学園に足を踏み入れた。

 


 
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