No.404424

死にたがりの第九十七話 夜天の王の目覚め

クライマックス近し

2012-04-07 21:30:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3335   閲覧ユーザー数:3218

あらすじ

 

 

クライマックスが近いね……作者の体調もクライマックスだけど……

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「ハァッ!」

 

 

ガキン!!

 

 

「バスター!」

 

 

ズガァン!!

 

 

なのは達は今、海上で闇の書と交戦している。

だが、押しているのは闇の書の方だ。

 

 

「……ラオウ・ディバウレン……」

 

 

闇の書は、自分に向かってくる魔力の刃と砲撃に合わせて手を突き出し呪文を唱える。

とたん、闇の書の手から、虎の形をした衝撃波が生まれる。

 

 

 

それは二人の攻撃に当たり、かき消す。

だが闇の書の放った衝撃波は消えず、そのままなのはとフェイトに襲いかかる。

 

 

「全ての物を破壊する者(シャルウル)!」

 

 

はやては杖を振り上げて、二人に向かっている衝撃波に狙いを定めて魔法を放つ。

レーザー上のそれは、衝撃波に当たると、その衝撃波をかき消し、そのまま闇の書へと向かう。

 

 

「……ザケルガ……」

 

 

向かってくる魔法に、表情一つ崩さずに呪文を放つ。

ザケルがははやての放った魔法に当たり、相殺する。

 

 

その隙に、アンクが後ろから攻撃を加えようとする。

 

 

パシン!

 

 

「ちぃっ!」

 

 

「甘い……!」

 

 

アンクの隙を突いた攻撃はいとも簡単に受けられ。

そのまま足を掴まれて海の中に投げ飛ばされる。

 

 

ザバァン!

 

 

「アンクさん!?」

 

 

物凄い力で投げ飛ばされたので、アンクは結構深い所まで沈んでいる様だ。

一向に上がってくる気配が無い。

 

 

「よそ見をしていて良いのか……?」

 

 

「くっ!」

 

 

一瞬でなのはとの距離を詰める闇の書。

そしてそのままスレイプニールを開き、なのはに呪文をぶつける。

 

 

「ディオガ・ラギュウル……」

 

 

バサッ!!

 

 

スレイプニールから螺旋状の黒いエネルギーがなのはに放たれる。

なのはは障壁を張る事も出来ずに、直接当たってしまう。

 

 

「キャアッ!?」

 

 

「なのは!」

 

 

「なのはちゃん!」

 

 

二人は急いでなのはの元に向かおうとするが。

それを闇の書が阻む。

 

 

「ザケル……」

 

 

闇の書は二人に手をかざし、ザケルを放つ。

フェイトとはやてはそれを旋回して避ける。

 

 

「……アイアン・グラビレイ」

 

 

次の瞬間、フェイトとはやての体に重力が掛かる。

そして空中と言う事もあり、二人はすぐに海の中へと落ちてしまう。

 

 

「バスター!!」

 

 

ドガァン!

 

 

「……マ・セシルド……」

 

 

バシィン!

 

 

後ろから砲撃が放たれる。

それに気づき、瞬時に対応し、盾を召喚する。

 

 

なのはは離れた所から闇の書を狙ったのだが、やはり攻撃は当たらずに簡単に防がれてしまう。

 

 

「……攻撃範囲外か……」

 

 

小さく呟く。

アイアン・グラビレイは、一定範囲に強力な重圧を掛ける術。

なのはは丁度、その範囲外に吹き飛ばされていたので、重圧から間逃れていた。

 

 

そして、闇の書が違う呪文を使ったので、効力が消えて、二人が海の中から海上に戻ってくる。

だが、アンクが戻ってくる気配が無い。

 

 

(一人上がってこない……どうしたと言うのだ……)

 

 

故に疑問が浮かぶ。

この四人の中では間違いなく一番タフネスがあり、そして一番戦闘経験があると思われる奴が上がってこない……。

 

 

もしや奇襲を狙っているのか?

すぐさま下に目をやる。

 

 

だがそこにはただの海しか映らない……。

 

 

次の瞬間……。

 

 

ガシッ!

 

 

「なっ!?」

 

 

「今だ、撃て!!」

 

 

アンクが後ろから闇の書を羽交い絞めにする。

それに驚き、隙が生じてしまう。

 

 

「どうやって!?」

 

 

「はっ、簡単な事だ。お前に海に落とされた瞬間に魔力と気配を消し、遠くまで泳いでから飛んでお前の後ろを取っただけだ」

 

 

「くっ!」

 

 

闇の書は急いでアンクを引きはがそうとするが、アンクは本気で押せえているため、そう簡単に引きはがせない。

そして、闇の書がもがいている間にも、三人の魔力が溜まっていく……。

 

 

「ディバインバスター!」

 

 

「プラズマスマッシャー!」

 

 

「グリフィティー・カタストロフ!!」

 

 

三人の全力の魔法が闇の書に向かって放たれる。

 

 

「離せ!!」

 

 

「このまま食らっとけ!!」

 

 

アンクは三人の魔法が来ているのに、一向に離れようとはしなかった。

それを見て、三人はアンクに逃げるよう促すが……。

 

 

ズガァァァァァァァァン!!!

 

 

結局アンクは離れずに、ずっと闇の書の動きを封じていた……。

 

 

「「「アンクさん!!」」」

 

 

三人が同時に叫ぶ……。

その時、煙の中から、ボロボロのアンクが出てくる……。

 

 

三人や安堵するが、それでもかなりのダメージを受けている……。

 

 

「ぐっ……はぁ、はぁ……今の、まともに食らっても……平気なのかよ……」

 

 

アンクは痛めた個所を手で押さえながら言う。

徐々に煙が晴れて、闇の書の姿が見えてくる……。

 

 

そこには傷一つなく、ダメージが見受けられなかった……。

三人はそれを見て、また身構える……。

 

 

「……二人とも……もう少し、頑張らないとだね……」

 

 

「うん……」

 

 

「そうやね……」

 

 

なのはの言葉に、二人とも頷く……。

その矢先だった……。

 

 

いきなり……闇の書の動きが停止する……。

 

 

四人とも疑問に思いながらも、攻撃の態勢だけは解かない……。

その時。

 

 

『おはやっぷー!すっきりお目覚めアニスたんで~す!!』

 

 

ガクッ!!

 

 

四人はいきなり力なく下に落ちかける。

そう、聞こえてきたのはアニスの声だった……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

~アニスサイド~

 

 

「名前を上げる。もう闇の書とか、呪われた魔導書何て言わせない。俺が呼ばせない」

 

 

管理人格は涙を流す……。

それを見て、俺は優しく微笑む。

 

 

「俺は管理者だよ。俺にはそれが出来る」

 

 

「……無理です……自動防御プログラムが止まりません……管理局の魔導師が、戦っていますが……それも……」

 

 

「……止まって……」

 

 

俺はそう呟く。

その瞬間、足元の魔方陣の光が、より一層強くなる……。

 

 

「……よし……これで大丈夫かな?」

 

 

「……主……」

 

 

「ねっ?言った通りでしょ?」

 

 

「はい……!主っ!」

 

 

まぁ、完全にではないけどね……。

それにしても、今度は嬉し泣きですか……。

あはは、忙しい子……。

 

 

さて、それよりも……。

 

 

「うっうん!……おはやっぷー!すっきりお目覚めアニスたんで~す!!」

 

 

外で戦っているなのは達に、かなり軽い感じで声を送る。

……絶対下に落ちそうになったね今。

 

 

『アニス君!何でそんな軽い感じで挨拶してくるの!?』

 

 

先陣を切って声を荒げたのはなのはだった。

いやはや、それが俺の性分でしてね。

 

 

「あっはは!いやぁ、ごめんごめん」

 

 

『ごめんで済むかバカ!』

 

 

『そ、そうだよ!私達すごく心配したんだから!』

 

 

『後で胸揉み扱いたる!!』

 

 

おっと……これは嫌なフラグが立ちましたぞ……。

戻ってそうそう胸とか揉まれたくないんですけど……。

 

 

「っと、おふざけはここまでにして……。みんな!何とかしてこの子止めてくれないかな!こっちだと、完全に停止させるのは難しいんだ!」

 

 

まだ外の暴走体が動こうとしているのが分かる。

こりゃちょっちきついね……。

 

 

「魔導書本体からはコントロールを切り離したんだけど、その子が動いてると、管理者権限が使えないんだ!今そっちに出てるのは、指導行動の防御プログラムだけだから!」

 

 

『えっ、あの……』

 

 

……う~む、なのは……理解してくれ……。

まぁ、アンクが居るから大丈夫か。

 

 

『高町、簡単な事だ。お前の全力をあいつにぶつけさえすりゃ良いんだよ』

 

 

『えっと……それであってるのかな?アニス君』

 

 

「うん、大丈夫だよ。なのはちゃんの全力全壊……じゃなかった、全快でやっちゃって!!」

 

 

『……今どんな間違えをしたのかな?』

 

 

「さっ、さぁって、俺はまだやる事あるから、頼んだよ!!」

 

 

『あ、ちょっとまっ』ブチッ

 

 

一方的に会話を切ってやる。

いやぁ、危なかった……。

 

 

「……主、お願いがあります……」

 

 

「ん、何かな?」

 

 

「……初代主を……アイリス・クロイツベルの魂を……どうか救ってください……」

 

 

……アイリスの魂を救ってほしい?

どういう事だ?

 

 

「えっと、詳しく説明を……」

 

 

「はい……。初代主は、クロイツベル一族に殺されたのです……」

 

 

うん、それは知っている。

アイリスは他の一族の人間の斬魄刀を奪って、暴走した……。

そのせいで、一族が全力で倒したんだ……。

 

 

「あれは……アイリスのせいではないのです……アイリスは、ただの自分の願いを全うしようと……」

 

 

「……えっと……」

 

 

どういう事マジで……。

俺、頭が混乱してきた……。

 

 

「アイリスは……特殊な人でした……斬魄刀の声が聴ける……そう自分で仰っていた……」

 

 

斬魄刀の声が……!?

いや、でも……それは誰でも可能な筈だ……。

 

 

「それって、何処が特殊なの?斬魄刀は、屈服させる時とかは精神世界で会話をしたりするし、珍しい事では……」

 

 

「……いえ、アイリスはそんな事をしなくても、斬魄刀と会話が出来たのです……」

 

 

……それって……凄いなおい……。

この世界の斬魄刀は、屈服させてしまったらもう会話も何も出来なくなってしまう……。

そしてアイリスは、全斬魄刀を屈服させていた。

 

 

……なるほど……。

 

 

「それで、どうしてそれが殺されるに繋がるの?」

 

 

「……はい、アイリスは周りの者の斬魄刀の声まで聞こえていたんです……。周りの人間が持っている斬魄刀は、いつも嘆き、苦しみ、助けを求めていたそうです……」

 

 

斬魄刀が、嘆いたり、苦しんだり、助けを求める……。

一体どんな使いかたしたんだよ……。

 

 

「故に、アイリスは暴動を起こした……他者を殺し、斬魄刀を奪い、契約した……」

 

 

「……それで、力が暴走して……」

 

 

「そうです……それからアイリスは、一族の者に殺され……そして、この魔導書に魂を封印されたのです……」

 

 

「……それって、この魔導書の存在がばれたって事?」

 

 

「はい。そして、この魔導書は何百年も放置され、先ほど話しました通り、自動作成で夜天の書が完成した……のですが。誰かがこの魔導書に細工をし、闇の書になってしまったのです……」

 

 

「……そうだったんだ……。それで、魂を救うってのは?」

 

 

「はい……暴走プログラムのリンカーコアを停止させた瞬間に、アイリスの魂が表に出るでしょう……そして暴れだす……」

 

 

……それってどっち道やらなきゃ駄目じゃんか……。

ふぅ……まぁ、良いか……。

 

 

「うん、救ってあげるよ。アイリスを」

 

 

「ホントですか!?」

 

 

「うん、ホント……だから……ねっ?」

 

 

「……はい、主……」

 

 

「……夜天の主の名において、汝の新たなる名を送る……強く支える者、幸運の追い風、祝福のエール……リィンフォース……」

 

 

パァァァァ……。

 

 

管理人格……リィンフォースに名前を与えた瞬間に、俺は浮遊感を覚える……。

……なのはがやってくれたんだな……。

そう思い、目を瞑る……。

 

 

「……新名称、リィンフォースを認識。管理者権限の使用が可能になります」

 

 

光の中で、リィンフォースの声が響く……。

 

 

「ですが、防御プログラムの暴走は止まりません……管理から切り離された膨大な力が、時期暴れ出します……」

 

 

「ん~……まぁ、何とかしようか……うん、任せて……」

 

 

俺がそう言うと、目の前に闇の書……いや、夜天の書が現れる……。

初代主……そして、生まれ変わる前の……俺だった者……アイリスが作り出した魔導書……。

 

 

「行こうか……リィンフォース……」

 

 

それを抱きしめて、優しくリィンフォースの名を呼ぶ……。

 

 

「はい……我が主。そしてお帰りなさい、私の父上……」

 

 

「……管理者権限発動……」

 

 

「防衛プログラムの進行に、割り込みを掛けました。数分程度ですが、暴走開始の遅延が出来ます」

 

 

「うん……それだけあったら十分だよ」

 

 

うん、十分すぎるよね……。

 

 

「リンカーコア送還、守護騎士システム破損修復」

 

 

四つのリンカーコアが、外に放出される……。

見えないけど……分かる……皆、お帰り……。

 

 

「おいで……俺の騎士達……」

 

 

パァァァァァァァァァ!!!

 

 

光が割れ始める……。

……そうか、やっと、出てこれたんだね……。

 

 

「我ら、夜天の主に集いし騎士」

 

 

「主ある限り、我らの魂尽きる事なし」

 

 

「この身に命ある限り、我らは御身の元にあり」

 

 

「我らが主、夜天の王、アニス・クロイツベルの名の元に」

 

 

四人の声が聞こえてくる……。

その声がまた、ひどく懐かしく感じる……。

ははは、大げさすぎだって俺……。

 

 

「リィンフォース……俺の杖と、甲冑を」

 

 

「はい」

 

 

クイーンは今手元にない……。

だから、今回はシュベルトクロイツを使う。

 

 

バリアジャケットが俺にまとわり、目の前に杖が現れる。

それを手に持ち、俺は光の殻の中から割って出る。

 

 

「「アニス君!」」

 

 

「アニス!」

 

 

「ちっ……遅いぞ馬鹿!」

 

 

あっははは、酷いやアンク……。

まぁ、それは置いといてっと……。

 

 

俺はシュベルトクロイツを天に掲げ、唱える。

 

 

「夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風、リィンフォース……セ~ット、アップ!!」

 

 

半袖タイプのバリアジャケットの上から、さらにバリアジャケットが纏われる。

白と黒を基準とした物。

 

 

原作ではやてが使っていたバリアジャケットを、ただスカートをズボンに変更しただけだ。

そして、俺の髪が白くなり、背中には六枚のスレイプニールが生える。

 

 

……やっと帰ってこれた……。

さってと、一丁暴れてきますか!!


 
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