No.403621

劇場版仮面ライダーゲイザー〜受け継がれし天使と悪魔の力〜EPISODE5

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

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2012-04-06 17:58:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:907   閲覧ユーザー数:907

《FINAL KAMEN RIDE:GATHER》

 

 

電子音と共に刹那の体は赤く発光し、その姿を変えていった。身にまとう鎧は赤く、力強さを感じさせながらも流麗さを感じさせるデザインで背中には機械的な赤い翼が発現し、天魔の剣聖[仮面ライダーゲイザー・エピオンフォーム]への変身を完了した。

 

「これが来世の俺と奏から受け継いだ刹那の力……」

 

音無を始めとする戦線メンバーからは感嘆の声が漏れていた。だが、アロガンス陣営には激しい動揺が走っていた。

 

「エピオンだと!?」

「そんな馬鹿な!! あの方は数年前に死んだはずだぞ!!」

 

動揺が走るアロガンスにゲイザー・エピオンはゆっくりと近づいていった。

 

 

「落ち着け!! エピオンが生きているわけない!! あれはただのこけおどしだ!!」

 

1人に引きずられるようにしてソルジャー数人がマシンガンブレードを連射させるが、ゲイザー・エピオンはそれらを全てすれすれのところで避けていく。

「なんで当たらねえんだ!!」

「化け物か、こいつは!!」

 

無言で回避を行いつつ接近するゲイザー・エピオンの様子はソルジャーに更なる動揺を与え照準のブレにも大きく影響し、完全に的外れなところを撃つ弾もあった。

 

「くそっ!!」

 

射撃を諦めたソルジャーはマシンガンブレードで接近戦を挑もうとする。ゲイザー・エピオンは右手に柄尻に最高級サファイアが埋め込まれた剣を召喚し、すれ違い様に次々とソルジャーを切り裂く。

 

「凍魔剣ニヴルヘイム……シナプスの科学者が我々を滅ぼすために作ったとされる剣まで持っていようとは!! その姿といいあなたはまさか第二世代フォルスなのですか!!」

「そうだ」

 

驚愕し、口調が乱れるダークネスにゲイザー・エピオンは淡々と答える。

 

 

「ならば、何故あなたは我々と敵対するのですか!? その力は、害虫たる神族や魔族を滅ぼすためにある!!」

「父さんは言っていた。お前の道はお前が決めろと。だから、俺は自分の意思でお前たちと戦うことを決めた」

「なに偉そうなこと言ってんだよ」

「いい父親ぶりね」

 

ゲイザー・エピオンとダークネスの間でシリアスな空気が漂うなか藤巻とゆりが音無に絡む。ダークネスは自身の周囲に闇を発生させ、影を召喚する。

 

 

「行きなさい」

 

ダークネスの号令で影はゲイザー・エピオンを半円状に取り囲み、一斉に飛びかかる。ゲイザー・エピオンは左腕のシールドにある鞭状のヒートロッドでなぎ払い、影たちを消滅させていった。その隙をつこうと接近していたソルジャーも振り向きざまにニヴルヘイムで斬った。

 

「エピオンの息子を失うのは惜しいが、人類のためにここで消えてもらう!!」

 

「自分勝手な憎悪を世界の理とすげ替えるな!!」

 

ダークネスは右腕からエネルギー弾を連射する。グラウンドでゲイザーを奇襲した時ほどの威力がないとはいえそれなりの威力があるそれをゲイザー・エピオンはシールドで受け流したりニヴルヘイムで切り払いながら進んでいった。

 

 

「とどめだ」

 

ゲイザー・エピオンはカードを1枚取り出し、ドライバーに装填した。

 

 

《FINAL ATTACK RIDE:GATHER》

 

ゲイザー・エピオンは八双の構えを取る。その手に握るニヴルヘイムにはとてつもなく強大な冷気が収束し、圧縮されている。

 

「アブソリュートスラッシュ・封滅!!」

 

ゲイザー・エピオンは一気に走り寄り、冷気が凝縮された剣でダークネスを斬った。ダークネスは斬られた箇所から凍り始めていった。それと同時にロストソルジャー、再生怪人部隊は活動を停止した。

 

「アロガンスはそう簡単には倒せません。これからあなたが進むのは棘の道ですよ」

「言われるまでもない」

「確かに不屈の戦士たる仮面ライダーには先刻承知でしたね」

 

そう言い残し、ダークネスは完全に凍った後砕けちった。それとほぼ同時に銃声音が聞こえた。ゲイザー達が振り向くと自害したソルジャーの遺体があった。

 

『敵戦力は完全に沈黙しました。増援の気配もありません』

「俺達、勝ったんだな」

「よっしゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

遊佐の報告を聞いた戦線メンバーは歓声を挙げたり、肩を組んだりした。ゲイザー・エピオンも変身を解除し、外へ出ようとしたら奏が腕をつかんだ。

 

 

「母さん…」

「どこ行くの……?」

「敵は倒した。後は、俺がいなくても問題ないだろう」

「そう言うなよ」

 

日向と肩を組んだ音無、音無に付き添う形で直井がやってきた。

 

「物語ってのはただボスを倒せば終わりじゃない」

「俺達、卒業式をやるんだ。お前も出ろよ」

「せっかくだしな。特別に認めてやる」

「刹那……」

 

小柄な奏が優しく刹那の手を握りしめて見上げてくる。刹那はそれを見て顔を赤らめる。

「仕方ない、母さんがそう言うなら」

 

ちなみに、刹那の世界において音無と刹那がまともに奏に逆らったことはない。可愛らしすぎて敵意を抱くことがない(類似例として時雨あま)のだ。

 

「ガルデモっていうバンドがいるんだけどよ、これがすごいんだよ。記念に聞いていけよ」

「そうなのか?」

「ああ、すごいぜ。NPCも含めて皆が夢中になるんだ」

「気に入ったんなら手を出しても構わないわよ」

 

日向に刹那、音無が話しているとゆりが割り込んできた。

 

 

「特に入江さんなんかあなたの好みじゃないかしら? 部屋の番号を教えるから押しかけなさい」

「悪いが遠慮させてもらう。俺には好きな人がいるからな」

「ああ、この前話していたリインちゃんのこと? 兄妹どうしの恋愛ってまたマニアックねぇ」

「向こうはその気になっているが断じて違う」

「どうでもいいけどこいつらはどうするんだ、ゆりっぺ? ほっておくと復活するかもしれないぞ」

 

藤巻が遠くからゆりに喋りかける。

 

 

「ん〜、そうね。皆でちゃちゃっと片づけちゃいましょう。それから材料を調達して宴会よ。あなた達も手伝ってね」

「分かったぜ、ゆり」

「ったく、少しは休ませろよ」

「神である僕に命令するな」

 

刹那は無言で音無と立華に近寄り、手を繋いだ。

 

 

「刹那?」

「せっかくだし3人で一緒にやろうよ」

「そうだな。じゃあ、行くぞ」

 

 

音無の号令で刹那はその温もりを噛み締めつつ2人と一緒に歩き出した。

 

 

 


 
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