「くっ……このっ……動け……こっの……!」
どうも、アニスです。
え?今何やってるんだって?
いや、まぁ……見てれば分かるって。
「くっ……そ……!」
《マスター、現実を見てください……。マスターの腕は……完全に、呪いに感染しています……もう、動きません……》
「うるっ……さい、デバイスだねぇ……まだ……少しだけ、感覚があるんだ……諦めるかよ……」
まだ少しだけ感覚がある、だから動くはずなんだよ……。
ああ……やるせない……。
「……っはぁ……くそ……やっぱり駄目か……」
《当たり前です。全く、起きてすぐに何をやってるんですか、体調を崩しますよ?》
「……いや、腕と足が動かない時点で、体調物凄く悪いと思うんだけども……」
《それに……腕が動かないと溜まりますしねぇ……》
「……何が?」
《……ナニが》
「……車いすでひき潰すぞ己」
《マジで壊れちゃうんで止めてください……》
何でこいつは下ネタしか言わんのや……それは中の人的に……。
あ、良いのかな?いや、それは駄目だなやっぱり。
「はぁっ……まさか……こんな唐突に来るものだとは思わなかったよ……」
《まぁ、足の方も唐突に来たんですし、何があってもおかしくないですよ》
まぁ、足もかなり唐突だったね。
朝、何のけなしに起きて、ベッドから降りようとしたら、足動かなくて落ちたもんね。
それでその音を聞きつけて俺の部屋に来たヴィータにどうしたって言われてさ。
あ、足が……動かない……って言っちゃってさぁ大変……家じゅう大騒ぎさ。
だから今回は、その二の舞にならないように、細心の注意を払うのだよ。
「それにしても……どうやって降りよう……手も使えないし……」
このままだったら落ちるだよ……。
まぁ、今までも落ちるに近いか……でも、手が使えると使えないじゃ違うしね……。
さぁ、どうしたものか……。
《意固地張ってないで、人呼びましょうよ……》
「絶対いや……くそ、車いすにも届かないか……」
駄目だ、届かない……もし近くにあったら落ち乗ったのに……。
どうしてギリギリ手の届かない所に置いてあるし……。
「これが……生殺しか……うわっ!?」
ドスンッ!!
無理矢理手を動かすのに夢中で、落ちてしまった、ズルッと……。
あー、痛ぇ……腰打った……。
「あー……でっかいわー、でっかいわー、石……川さん……」
《何故そこでそんな事を言うし……》
「気分的に……あー、腰いてぇ……」
て言うか……どうしよう……起きれない……。
上半身を起こすくらいしか出来ないし……。
今まではこの状態から這って車いすに乗ってたからね……。
俺凄くね?
「……あー……やってられん……」
どうしてものかなホント……。
その時、この部屋のドアが開かれて、誰かが入ってくる。
「主、何か落ちるような音がg……あ、主?」
「あ、おはやっぷー、シグナム」
シグナムだった。
それにしても、慣れた物だね、俺、何回もベッドから落ちてるので、もう誰も驚かない。
まぁ、俺も大概ドジってわけよ……。
「またベッドから落ちたのですか?」
「あはは、車いすに乗ろうとして、ついね」
「ハァッ……全く。少しは自分の身を心配してくださいって、いつも言っているではないですか」
「えへへ、めんごめんご。それよりさ、車いすに乗せてくれない?流石にそろそろ起きたくて」
「あ、すみません。今乗せますね」
そう言って、いつも通り、俺を抱き上げてくれるシグナム。
だけどお願いだから脇部分を持って抱き上げるのは止めて、赤ん坊みたいだから……。
「それじゃあリビングえGO!」
俺はシグナムにそう言う。
何か笑われたんですけど……。
そして、部屋を出てすぐに。
「ねえ、シグナム」
「何です?」
「あのさぁ……俺の腕がさぁ、動かなくなっちゃったんだ~」
「へぇ、そうなんですか。それはたいh……」
あ、シグナムの動きが止まった。
この前の二の前を踏まないつもりで、今回は軽めに言ってみたんだけど……。
もしかして失敗?
「た、大変どころの騒ぎじゃないじゃないですか!!」
「あ、やっぱり?」
「お願いですから、そう言った事は軽いノリでサラッと言わないでください!」
「はい……すいません……」
いやぁ、怒られちゃったよ……アニスたんションボリ……。
まぁ、もう良しとこう、この言い方……。
「病院行きますよ!!」
「は~い……」
シグナムがお母さんみたいになっとる……。
オカンシグナムや……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はい、あーん」
「……モグ……モグ……」
どうも、朝飯食べてます……て言うか、食べさせてもらってます……。
はやてに……。
「……恥ずかしいんだけど……」
「しょうがないやろ。アニス君、完全に手が動かんくなってもうたんだし……」
「すいません……」
ああ、重たいわー重たいわー……。
はぁ……。
「ケプッ……もうお腹いっぱい……」
「何か赤ちゃんに離乳食与えてるみたいやわ」
「止めい」
何故そんな事を想像したし……。
ああ、どうしよう、腕動かないとマジで大変なんですけど……。
ああ、一応腕が動かない事は皆に話したよ?
かなり驚かれたけどね……。
はぁ、この前よりも酷かったと言う。
二の舞どころの騒ぎじゃねぇ……。
ああ、どうしてこうなった……。
「さて、ご飯も食べた事やし、一応病院に行こうか?」
「ん~、病院に行っても意味ないと思うけどな……」
「まぁ、そうやろうけど……一応気持ち程度には行っといた方がええんとちゃう?」
「……そうかな?」
「そうやで?」
「……よし、家でマッタリしよう」
「おい!」
はやてにツッコまれた……ちくせう。
でも、病院ってめんどくさいんだよね、待ち時間が長いしさ……。
あれ?これだいぶ前にも話さなかったっけ?
まぁいいや。
「だってぇ……」
「はい、サッサと着替える。って、着替えれへんもんな……せやったらうちが着替えさせたるか」
「アンクー、着替えさせてー!」
「ああん、いけず」
何がいけずだ……まだ清い体で居たいので、お断りしとく。
はぁ……とうとう腕まで動かなくなっちゃったか……。
取り敢えず、アンクに着替えを手伝ってもらって病院に行きました。
待ち時間長すぎてワロタ……。
Tweet |
|
|
4
|
0
|
追加するフォルダを選択
めだかちゃんのい様な幼馴染が居たら俺もがんばれる気がしますん