No.403055

IS~彷徨いし剣の担い手~その名は・・・

バルゴさん

クラス代表決定戦、開始!!
そして、明らかになる一夏の専用機の能力。

2012-04-05 09:42:11 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3005   閲覧ユーザー数:2848

8話:その名は……

 

ICHIKA:SIDE

 

其処に眩しすぎる程の白の鎧(・・・・・・・・・・)が在った。

 

「束さん……嫌がらせですか?」

「いっくん。私はね、赦されて良いと思うよ。」

 

俺の言葉に答える声にビットの中に居る人達はそれぞれ異なる反応をする。山田先生、簪、オリヴィエの3人は俺が言った言葉の意味が分からないと言った反応を、千冬姉と(何故かいた)箒は俺の言葉に答えた人間が居た事に驚いた表情をして声がした方を振り返り、そこに居る束さんを見ていた。

 

「俺は俺を赦せないし赦す気が無い。……それに白は、好きじゃない。」

 

『赦されて良い』。その言葉は嬉しい、だけど……俺は自身を許せない。

「自分の色が無いから?それともあの子(・・・)の色だから?」

「違う。白は1度染まったら・・・・・・簡単に分かってしまうから。」

 

束さんがそう尋ねるが……俺が白を嫌いになった理由は白がアイツの色だったからじゃない。もっともアイツは少しだけ関わっているけどな。

 

「さて、切り替えて行くとするか。」

 

白式を纏い近くに在った七刀からロングブレイドとショートブレイドの2つを借りて手に取り俺はビットからアリーナへと向かった。

 

 

 

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SECIRIA:SIDE

 

「遅かったですわね。」

「すまない。専用機がギリギリで着いてな。」

 

ISを装着した男、織斑一夏を見て私が口を開き彼は謝罪の言葉を口にする。なるほど、自分に非が有ればしっかりと謝罪の言葉を口にする常識を持っているみたいですわね。

 

「始まる前に一言よろしくて?」

「謝るとか、棄権しろとかは無しだな。」

 

そう言って両手に持つ実体剣を構える。私の慈悲を断るとはいい度胸ですわ。それとも・・・私(代表候補生)相手にあなた(IS初心者)が本気で勝てると考えているのかしら?

 

「そう……ならお別れですわ!!」

「断る!!」

 

私の宣言と共にスターライトMK‐III の銃口から放たれたビームは……右手に握る実体剣で切り裂かれた。

 

「ビームを斬った!?」

「……やって見るもんだな。」

 

ビームを斬り裂くと言うIS初心者には不可能と言っても良い芸当を見せられ唖然とするが何気に斬り裂いた方も驚いていたのを見て対戦相手の評価と認識を変える。

 

「ブルー・ティアーズ!!」

 

目の前に居るのは全力で、本気を持って戦うに値する相手。ならば私も本気を出そう。

 

「さあ、踊りなさい!!この私、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でるワルツで!!」

 

 

 

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HOUKI:SIDE

 

ビット兵器から放たれるオールレンジ攻撃に両手に持つ実体剣で対処しながらも幾つかの攻撃が一夏の装着するISを掠める。それがきっかけになったのか一夏は地表に降り、そこから動かなくなった。

 

「地面に降りただと?一夏、どういうつもりだ?」

「分かった。」

「そう言う事か。」

 

勝負を諦めたのかと燻がる私に対して一夏の行動の意味が分かったのかオリヴィエだったか?一夏の側に居る忌々しい女と千冬さんが納得の声をあげた。

 

「織斑先生、どういう事ですか?」

「良いか、織斑はISに関しては現時点のオルコットには叶わない、そのうえビットを使用した遠距離戦闘だったらまず勝ち目はない。」

 

そう千冬さんが説明する間にもオルコットからの攻撃は続き、一夏はそれを両手の実体剣を使い、時にはその身を動かして回避する。先程までと違いオルコットの攻撃がかすりもしない。

 

「ですからどうして地表に「分かりました。」…山田先生、それは本当ですか?」

「山田先生、説明を。」

 

詳しく聞こうとした時に山田先生がその理由が分かったのか納得した声をあげ、千冬さんが山田先生に説明するように促した。

 

「篠ノ之さん、おそらく織斑君は地表に降りる事によってオルコットさんとビットの攻撃可能な範囲を制限したんですよ。」

「正解だ、飛行中なら360度、全方位から攻撃を受けるが地表に降りてしまえば地表がビットの移動範囲を制限する事になる。」

 

山田先生と千冬さんの説明で何故一夏が地面にやっと疑問が解けた。そして2人の後を追うようにこの場に居た2人が口を開いた。

 

「そして空中の全方位360度から地表に降りた事で上方180度までにビットの移動範囲を制限された。」

「そして一夏の腕ならなんとか時間を稼げる。」

 

 

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SECIRIA:SIDE

 

戦闘開始から27分が経った。

 

「なかなかやりますわね。」

「そりゃどうも。」

 

私のSEが無傷に近いのに対して織斑一夏のSEは約9割程残っている。数字上で見れば私が有利だがそれは相手が防御のみに専念して攻撃していないからだ。そして私は防御のみに専念する相手を攻めあぐねていた。

 

「ですがこのままで勝てるとでも?」

 

私の攻撃は無駄に近いが相手も防御だけでは私のSEを削る事は出来ない。それをどうするのかを問い掛けると意外な返事が返って来た。

 

「このままじゃ難しいと言うか無理だけど……時間だ。」

 

笑みを浮かべそう呟くと共に織斑一夏を中心に光の柱が現れた。

 

「なんですの?」

 

いきなりの事に驚く私の耳にそれは聞こえてきた。

 

【シリウス!カノープス!アルクトゥルス!……スターズ…スターズ!!】

 

聞こえてきたのと同時に光の柱から発せられる光が少しずつ薄れてきたそこにソレは……黒いストレートの髪に頭部を守る様に兜を被り、背中には天使を思わせる二対四翼の純白の翼、左腕には表面に私の姿を映すほどに磨かれていた大型の盾を装着したISを纏った女性(・・)が居た。

 

「一次移行(ファーストシフト)!?まさかこの為に時間稼ぎを!!?」

「『星詠』の名の元に請う!!」

 

私が驚く間もなく、そこに居た女性は高らかに宣言する。

 

「星よ(アストラル)!!!」

 

 

 

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KANZASI:SIDE

 

一夏が時間を稼いでついに一次移行(ファーストシフト)した。したんだけど……

 

「ええっと・・・」

「あれって・・・」

 

山田先生とオリヴィエが何かを言っているけど誰も反応しない。うん、みんなが言いたい事は分かるけど信じられないんだよね。一次移行(ファーストシフト)したら一夏が女性になっているだなんてね。

 

「アレって一夏ですか?」

「データを見る限りだと間違いはないみたいなんだが……」

 

私に尋ねられた織斑先生も少し引き攣った表情で答えてくれたんだけど……やっぱり目の前の現実を認められないみたい。

 

 

 

そしてモニターに映る光景は先程までとはまるで変わっていた。

 

 

 

「BT兵器なのかな?」

「似たような物かもしれないけど……」

 

セシリアが動かすブルー・ティアーズと一夏?が操作しているのであろう9つの正八面体の透明結晶、あそらくBT兵器であろう物体による混戦が演じられていた。

 

「織斑君、なんで動かないんでしょうか?」

「制御に集中しているからじゃないでしょうか?」

 

その言葉が聞こえたのかセシリアのブルー・ティアーズが、一夏が操作しているBT兵器の攻撃を掻い潜り一夏に直撃コースのビームを放つが……

 

「シールドも造れるんですね。」

 

山田先生の言葉通り掻い潜られたBT兵器が一夏の元に向かいその内の3つが点となったビーム面が造られ放たれたビームが防がれた。

 

「だが、アレは不味いな。」

 

周りが驚く中で織斑先生がその言葉を口にした。

 

「何がですか?」

 

 

私達を代表してオリヴィエが織斑先生に尋ねた。

 

 

「今の織斑には……防御と攻撃を同時に出来ないみたいだな。」

 

 

 

††††††††††††††††††††††††

 

 

 

ICHIKA:SIDE

 

「(……さて、どうするかな。)」

 

取りあえず、なんで俺が女性になっているのかは一先ず置いとこう。

 

「(……一次移行(ファーストシフト)する前と比べると自分の意思通りに動かせる……アストラルだけはな。しかも動かせる数に制限が有るし本体(俺自身)が動けないってどういう事だ!?)」

 

今は気付かれてない事を祈るしかないか。

 

「(しかもアストラルの攻撃力はブルー・ティアーズより低いから1つに付き2つで対応しないといけないし……自由に動かせるのが1つだけって詰んでないか?)」

 

けど、このままじゃジリ貧だし……本当にどうしよう。

 

「こうなったら!」

 

そう言うと共にソレは放たれた。

 

「ミサイル!?隠していたのか?」

「これでフィナーレですわ!!」

 

その言葉に慌てて状況を把握するがアストラルはブルー・ティアーズの攻撃を防いでいて使えないし、イージスに至っては使い方が分からない。打つ手なしかと諦めかけたその時、それは俺の耳に聞こえた。

 

 

 

『単一仕様能力(ワンオフアビリィティー)・形態変化(フォルムチェンジ)』発動。

『転換(コンバート)』……『白式・鳳凰』

 

 

 

 

タカ!クジャク!コンドル!……タージャードル!!

 

 

 

 

そう聞こえると共に俺の周囲に現れた『色があるサークル』と『色の無いサークル』が踊り、俺の前に赤のサークルが並び……白式はその姿を変えた。

 

「姿が変わった!?」

 

周りが驚いているように自分の纏うISの姿に変化が起きていた。

先程までの白の重装甲の全身装甲(フルアーマー)から、装甲が軽量化され、頭部を守る様に被られた冑が消え両目を覆うようにハイパーセンサーがつけられ、背部の翼はクジャクの尾羽を模した三対六翼の紅の翼、クジャクウイングへと変わる。装甲に羽・爪状の外骨格が追加され、左腕にタジャスピナーが装着されたISへと変わった。

 

念の為に言っておくが『形態変化(フォルムチェンジ)』した際に身体は女性から男性に戻っている。

 

「戻れて良かった。」

 

心の底からそう思い、背部の翼はクジャクウイングを展開し上空へと飛翔しオルコットよりもさらに上へと駆け上る。

 

「さあ、ショータイムの始まりだ!!」

 

その言葉を合図にして、無数の羽手裏剣・クジャクフェザーを射出、ブルー・ティアーズを2機撃ち落とした。

 

「そんな!?」

「これで決める!」

 

動揺するオルコットを後目に呼び出したメダジャリバーを構え、『瞬時加速(イグニッションブースト)』を使い、懐に飛び込む。

 

 

「『瞬時加速(イグニッションブースト)』!?」

「悪いな、優秀な先生が2人も居たんでな!」

 

 

タカ!クジャク!コンドル!……スキニングチャージ!!

 

刀身が赤く染まったメダジャリバーを渾身の力を込めてブルー・ティアーズを纏うセシリア・オルコットに叩きつけた。

 

 

 

 

 

機体設定

 

 

・白式

 

・原作と違い此処では『一夏の体内に入れられたコアメダルの抑制・制御』を目的として鴻上ファンデーションから提供されたオーズのデータ等を参考に『篠乃之束』自ら作り上げた『第五世代機』に分類される性能を持つIS、搭載武装は原作同様『近接ブレード』のみだが使用する機会は無かった。

 

 

白式《我欲》

 

白式が一次移行(ファーストシフト)した状態。機体の装甲は原作の白の部分が黒に変わり胸部に装甲が追加されている。『単一仕様能力』は『形態変化』。この能力は簡単に説明するとISでオーズのコンボが再現可能になる能力。(亜種形態の方は現時点では不可能)と言ってもそれを可能にするにはコアメダルのデータと操縦者の経験が必要不可欠なので現時点ではコアメダルを所有しISを操縦出来る一夏以外のみ使用可能な能力となっている。

 

 

『形態変化』一覧。

 

白式・星詠

シリウス、カノープス、アルクトゥルスの3枚のコアメダルを使用したスターズコンボ(オリジナル)を再現した防御重視の重装甲のフォルム。

見た目は頭部を守る様に兜を被り、背中には天使を思わせる二対四翼の純白の翼が有り、左腕には表面に相手の姿を映すほどに磨かれていた大型の盾、『イージス』を装着している。

このフォーム時において近距離武装は存在しない。

主武装は正八面体の透明結晶のアストラル(見た目はウィザーズブレインに出てくるD3)と大型実体シールドのイージス。

アストラルの搭載数は14だが一度に9つしか操作出来ない(故に内5は予備)。

攻撃はアストラルから放たれる荷電粒子砲、防御はアストラル単体を使用して発動する小規模のビームフィールドとアストラルを複数使用して発動するビームシールドとイージスを使用する。

 

武装一覧

・多機能端末『アストラル』

・多機能搭載実体盾『イージス』

 

 

白式・鳳凰

タカ、クジャク、コンドルの3枚のコアメダルを使用したタジャドルコンボを再現した速度・近距離戦闘を重視したフォルム。

見た目は白式・星詠と違いフルアーマーではなく通常のISと同様に装甲は四肢のみ。

主武装は実体剣の鳳双剣とSEを使用する、クジャクフェザー、火焔弾、ブレイズクローの合計4つ。

 

防御は左腕に装備されたタジャスピナーを使用する。

 

 

武装一覧

 

・鳳双剣

・ブレイズクロー

・タジャスピナー

 

 

 


 
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