No.402265

《インフィニット・ストラトス》~二人の転生者~

菊一さん

ある世界で死亡した二人の兄妹、しかし転生して新たな生命を授けてもらった二人。そして転生先は《インフィニット・ストラトス》の世界だった。

これは弓弦イズル氏作「IS〈インフィニット・ストラトス〉」の二次創作です。どこにでもありそうな主人公最強設定の転生モノです。
「大丈夫、好きだから」という人も「しょうがねーなー、読んでやるよ」っていう人も「二次創作とかISとか嫌いだけど暇つぶし程度に読んでやるよ!」という人も、読んで頂くだけで自分にとっては喜びです。
読んで感想やコメント、要望などあればお願いします。批判?全然大丈夫です!w

2012-04-03 20:50:35 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2581   閲覧ユーザー数:2353

 

《インフィニット・ストラトス》~二人の転生者~

 

 

第一話 兄妹の死

「はあ…はあ…」

荒れ果てた大地、無造作に積み上がってる瓦礫の山、周りから臭う火薬や腐臭の匂い、鳴り止むことのない爆発音や発砲音、俺は今、戦場の真っ只中にいた。

深い緑色をした上衣にカーゴパンツ、ピストルベルトにブーツという服装でアサルトライフルをとハンドガン、サバイバルナイフを携帯し、《ある人物》を探すため、走る。

不意に物陰から出てきた人影にアサルトライフルの銃口を向け発砲。出てきた人影は一言も発することなく、所持していたアサルトライフルの引き金を引くことなく、崩れ落ちた。

俺はその人影に目もくれず、再びかけ出す。周辺を見渡しながら先へ進む。内心その人影が探していた人物だったら、と思ったが、すぐに頭から振り払い、再び探しだす。

俺の名前は《一ノ瀬 秋葉(イチノセ アキバ)》。幼少時代に親に捨てられ、少年兵として育成され、戦果の中で人殺しの日常を送っている。階級は少尉、現在十五歳。

そんな俺にはただ一人、肉親がいた。それが双子の妹の《一ノ瀬 春華(イチノセ ハルカ)》である。春華も少年兵(正確には少女兵)として育成され、同じように育ってきた。俺達はどんな辛い状況でも二人一緒だから生きてこれたといっても過言じゃない。寧ろ事実だからこそ今の俺は焦っていた。

現在、俺達には撤退命令が下っていた。しかし俺は嫌な予感がして春華を探しに単独で戦場の中を駆けている。少しして前から友軍の部隊が駆けてきた。丁度よかった。

「お前達、止まれ!!」

俺がそう言うと、見慣れた顔ぶれだった。よく見ると春華に指揮を任せた俺の小隊だった。

「これは一ノ瀬小隊長!どうされましたか?」

向こうが敬礼したので、こちらも敬礼を返し、すぐに話をすすめる。

「ああ、撤退命令が下っているのは知ってるな?よって撤退するんだが、春華――一ノ瀬准尉はどこにいる?」

「はっ!一ノ瀬准尉は追手の敵部隊を食い止めるといって自分たちを逃し――隊長!どこへっ!?」

「この先だな!!お前らは先に撤退しろ!俺も春華の連れてすぐに行く!」

「はっ!」

隊員たちは俺の指示にしたがい、敬礼した。

まってろよ春華!俺がすぐに迎えに行くからな!!

 

「良かったのでしょうか?」

「何がだ?」

俺達は一ノ瀬小隊長に言われた通り、撤退行動を取った。間違ったことは何もしてないと思う。

「いや、確かに撤退命令は下ってますが、隊長を置き去りにして部下だけが逃げるというのは…」

「それは違う。確かに俺達は軍人で一ノ瀬隊長の部下だが戦場ではそんなことは関係ない。上官でも戦場に出てしまえばただの兵と然程変らない。だから隊長も俺達に《先に撤退しろ》と言ったのだ。俺は隊長が幼少の頃からの部下だ。自分の妹を心配するのもわかるが、部下の命を見過ごして妹を助ける人物ではない。だから俺やお前は隊長の下についてるんだろう?」

「はい」

「ならば准尉は隊長に任せ、俺達は命令を完遂させなければ…じゃないと地獄の底にいても隊長の事だ。怒りに来るだろう?」

「確かに…」

そう言いながら俺達は撤退するのであった。

 

「春華ぁーー!!どこだぁーー!!返事しろぉーー!!」

くそっ!見つからねえ…どこにいやがる。

既にご分も探してるが一向に見つかる気配がしない。その代わり敵兵が出てくる。アサルトライフルは既に弾切れでハンドガンで粘っている。

「春華ぁーー!!」

「…おにいちゃーーん!!」

俺が名前を呼ぶと、右のほうから春華の声がした。

少し進むと瓦礫の影に脚から血を流して春華が座っていた。

「大丈夫か!?春華!!」

俺は近寄り、包帯を巻いていく。

「大丈夫、見た目ほどひどくはないから。それより撤退命令だよ!?早く逃げなきゃ!!」

「ああ、肩にしっかり掴まれ…行くぞ!!」

俺は春華に肩を貸し、立たせる。

「だ、駄目だよ!おにいちゃん!春華のことはいいからお兄ちゃんだけでも――」

「馬鹿野郎!!妹を放って逃げる兄貴がいるかよ!!」

俺が叫ぶと春華は一瞬間をおいてから俺を呼んだ。

「…お兄ちゃん…ッ!!カハッ!」

しかしその瞬間、背中を撃たれ、春華は倒れた。

「春華?…おい!春華!?しかっりしろ!!…ぐっ!!」

俺も脇腹を撃たれ、膝をつく。撃たれた方向を見ると、倒れている敵兵がハンドガンを手に狙っていた。

「くそ…がぁ!!」

俺はハンドガンを素早く構えると敵兵を撃ち殺した。

「春華!しっかりしろ!春華!!」

俺は何度も呼ぶが春華は起き上がろうとしない。

「おにいちゃん…どこ…真っ暗でなにも…みえないよ…」

「安心しろ!お兄ちゃんはここにいる!だから死ぬな!!」

俺は手を握って、存在を教えてやる。

「お兄ちゃん…いつもゴメンね…そしてアリガト…」

春華はそう言うと目を瞑り、その瞬間、手が暖かみと力を失い、俺の手から抜け落ちた。

「は、春華!!おい…嘘だろ?…嘘だといってくれっ!!春華ぁーーーー!!」

……暫くして俺も意識を失った。

 

「隊長!!どこですか!!隊長ーー!!」

「おい!!一ノ瀬少尉と一ノ瀬准尉が見つかったぞ!!」

俺は他の小隊の人間を押しのけ、一ノ瀬隊長へ駆け寄る――いや、駆け寄ろうとした。

「隊長!ご無事で――!!隊長?」

そこには一ノ瀬准尉を抱えながら空を見上げて死んでいる一ノ瀬隊長がいた。

 

 

 
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