No.401996

俺、遊戯王の世界で生き残れるかな…… 第三話

RYOさん

俺は何の変哲もない普通の高校生。なのに…… え?ここどこ? トイレ? 何故に? え?遊戯王の世界? ちょっ!? 俺そんなに強くないんですけどーーー!?

2012-04-03 07:34:27 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:13072   閲覧ユーザー数:12782

夜の女子寮。そこに俺は天上院明日香とその友人二人と一緒に居た。俺だけ手をロープで縛られてだが。そこに十代と翔がボートでやってくる。

 

「よう、十代。それと翔」

 

「涼太。これはどういう事なんだよ?」

 

「話せば長くなる」

 

何故俺がこんなことになっているのかそれはまず今日のクロノスの授業まで遡る。

 

 

ここはデュエルアカデミア。若きデュエリストがその力を研鑽練磨し未来のデュエルキングになるために日夜勉学に励んでいる。

その授業は1年生だからかかなり簡単な問題が多い。といっても俺はその問題に四苦八苦しているわけだが……

 

「シニョール・丸藤!」

 

「は、はい!」

 

「フィールド魔法の説明をお願いしますーノ」

 

説明……何て言えばいいのか……えっとたぶん特定の種族や属性のモンスターの攻撃力を上げるなど、フィールド全体に効果が及ぶ魔法カード……で良いのかな?

 

「フィ、フィールド魔法は……その……あの……えっと……」

 

翔は答えようとするが緊張して焦ってしまっているのかなかなか答えられない。

 

翔が答えられないとブルーの生徒から冷かしが入り、周りがドッと笑う。

皆の反応に翔は更に焦ってしまって何も答えられなくなってしまった。

 

「気にすんな。落ち着けよ翔」

 

十代もフォローするが翔は一向に焦ったままだった。

 

「よろしい。引っ込みなさいーネ。基本中の基本すら答えられなーイとは……さーすがオシリスレッド驚きですーノ」

 

クロノスの言葉にまた皆笑う。

その空気の中、十代がクロノスに向かって言った。

 

「でも先生、知識と実戦は関係ないですよね?」

 

いや、あるから。俺も翔の味方だけど言わせてもらう。関係あるから!

 

「だって、俺と涼太もオシリスレッドですけど先生にデュエルで勝っちゃったし」

 

ちょ!? 俺を巻き込むな十代! ほら! クロノスがハンカチ噛んで悔しそうにしてるから! また面倒ごとはイヤーーー!

 

 

そんなこんなで体育の授業の後。

 

「ん? 何だこれ? ……! て、手紙……まさか!?」

 

思い浮かぶのはあの一文。

 

『やっほ~~! ☆神☆様☆だよ~~!』

 

……見たくない。でも見なきゃいけない。

俺は出来るだけ手紙から顔を離して封を開いて……あれ? 何だこのキスマーク? もしかして神からの手紙じゃない? とりあえず俺は封を開け中の手紙を見た。

 

「えっと……なになに?『初めて会った時から貴方のことが好きでした。今夜女子寮の裏で待っています。天上院 明日香』……」

 

うっさんくっせーーーー! これ本当に天上院の手紙かよ!? 天上院が書いたにしては字が汚いしキスマークは下品だし! 女子寮の裏って行きたくねーな。……でもこれが天上院が書いたにしろ天上院じゃない人が書いたにしろ、行かなきゃダメなんだろうな。……はぁ。

 

 

そして夜。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛! メンドクセー!」

 

俺はボートを漕いで女子寮に向かっていた。何で女子寮って湖をボートで渡らなきゃいけないの!? 面倒なんだよ! 帰っちゃダメかな?いやマジで!

 

岸に着いた俺はボートから降りて女子寮の門へ向かう。その門に奇妙なものがあった。

 

「ん? 何だこれ? ……チェーンと錠? この門を閉めておくためのやつか? ……ますます怪しい。……帰るか」

 

俺は来た道を戻ろうとする。

 

「ん? 何か落ちてる。……手紙?」

 

俺は拾って手紙を読んだ。

 

『今回は早くしなきゃいけないからいつもの挨拶は無しね? ☆神☆様☆からのお願いは一つ。さっさと逝け♪』

 

「ですよねーー(涙)」

 

そうして俺はのこのこ女子寮に入っていき。見つかってつかまった。

 

「と、言う訳だ」

 

「涼太くん最低っス! 女子寮のお風呂を覗くなんて!」

 

「誰がリアル女なんかの風呂なんて覗くか!」

 

あいつらは面倒だし煩いし些細なことで喚きたてるようなやつらなんだぞ!

 

「涼太君は現実の女の人に興味が無いんすか!?」

 

「興味はある。が面倒だから係わり合いになりたくないだけ。ほら、今もバカ女のせいで面倒なことになっているだろう?」

 

「誰がバカですって!? このっ! このっ!」

 

「覗きをした人にそんなこと言われる筋合いはございませんわ!」

 

そう言って殴ってくるかしまし娘二人。

 

「痛い!? ちょっ! やめっ! 捕虜の扱いはジュネーヴ条約で! ぐふっ!」

 

「…………あの三人は放っておいて、私とデュエルしない? もし私に勝ったら風呂場覗きの件は多めに見てあげるわ」

 

覗いてぬぇーよ……

 

「なんだか分からないけどそのデュエル、受けてたつぜ!」

 

 

その後の展開は原作を見てくれ。

何故かボートで湖の中心に移動して十代と明日香がデュエルをして十代が『E・HERO サンダー・ジャイアント』で明日香に止めを刺した。

 

「約束どおり、涼太は連れて帰るぜ?」

 

「ええ、良いわ。でもそのためにはもう一つ条件があるの」

 

「条件?」

 

十代が明日香に聞くと明日香は俺のほうを向いて言った。

 

「涼太! 私とデュエルしなさい!」

 

ええ~?

 

「えっと……やらないって選択肢は……」

 

「別に良いけど……今日の事が口が滑って喋っちゃうかも知れないわね?」

 

そういう明日香の顔からは逃がさないと言う意思が伝わってきた。

 

「ですよね~(涙) 仕方ない。出来るだけがんばって期待に沿えるようにするよ」

 

「期待しているわ」

 

俺と明日香は向かい合う。

 

 

「「デュエル!」」

 

「俺の先攻だ! ドロー!」

 

やった! 初めて先攻取れた!

 

「俺は手札から『魔術師・間桐慎二』を召喚する! 効果は説明する必要は無いな!? 『魔術師・間藤慎二』の効果でデッキから『サーヴァント・ライダー』を特殊召喚!」

 

俺のフィールドにウザそうな男と古代の戦車に乗った騎士が現れた。

 

『魔術師・間桐慎二』

レベル3 闇 効果 魔法使い族

攻1000 守1000

このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。

 

『サーヴァント・ライダー』

レベル4 地 効果 戦士族

攻1300 守1000

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「俺は更にカードを二枚伏せてターンエンド!」

 

俺 ライフ4000 手札3枚

モンスター 『魔術師・間桐慎二』『サーヴァント・ライダー』

魔法・罠 二枚

 

明日香 ライフ4000 手札5枚

モンスター なし

魔法・罠 なし

 

 

「私のターン! ドロー! (涼太のフィールドの2枚のカード。これまでのデュエルから見てたぶん攻撃モンスターの除去カード)私は『エトワール・サイバー』を攻撃表示で召喚!」

 

明日香のフィールドバレリーナみたいな服を着た女性が現れる。

 

「更に、カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

俺 ライフ4000 手札3枚

モンスター 『魔術師・間桐慎二』『サーヴァント・ライダー』

魔法・罠 二枚

 

明日香 ライフ4000 手札4枚

モンスター 『エトワール・サイバー』

魔法・罠 1枚

 

 

む!? さっきのデュエルと同じ配置……じゃああのカードは『ドゥーブルパッセ』? ……いや。明日香が前のデュエルと同じにするとは思えない。でも、裏の裏をかいてという事も……ああもう! 止めだ止めだ!

 

「俺のターン! ドロー! 俺は『魔術師・バゼット』を召喚! 効果で『サーヴァント・ランサー』を特殊召喚!」

 

俺のフィールドに男性用スーツの女性と槍を持った騎士が現れる。

 

『魔術師・バゼット』

レベル4 地 効果 魔法使い族

攻1400 守1000

このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。

このカードが攻撃対象に選ばれた場合、ダメージステップ時このカードの攻撃力は500ポイントアップする。

 

『サーヴァント・ランサー』

レベル4 地 効果 戦士族

攻1500 守1000

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「この瞬間! トラップカードを発動!『激流葬』!」

 

「なにっ!?」

 

しまった! モンスターの召喚に反応するトラップカードだったか!

 

激流が発生しフィールドのモンスターを全て飲み込んだ。

 

「……俺は……ターンエンドだ」

 

俺 ライフ4000 手札3枚

モンスター なし

魔法・罠 二枚

 

明日香 ライフ4000 手札4枚

モンスター なし

魔法・罠 なし

 

 

「私のターン! ドロー! 私は手札から『エトワール・サイバー』を召喚!」

 

二枚あったのか! だが俺のフィールドにはトラップが二枚……

 

「私は手札から『ハリケーン』を発動!」

 

まずっ!

 

フィールドにある魔法・罠カードが持ち主の元に戻る。

 

「これで貴方のフィールドはがら空きよ!『エトワール・サイバー』で攻撃よ!」

 

『エトワール・サイバー』の効果はダイレクトアタックのときに攻撃力が500上がる!

 

『エトワール・サイバー』

攻1200→1700

 

「ぐぁ!」

 

俺 ライフ4000→2300

 

「私は更にカードを一枚伏せてターンエンド!」

 

俺 ライフ2300 手札5枚

モンスター なし

魔法・罠 なし

 

明日香 ライフ4000 手札3枚

モンスター 『エトワール・サイバー』

魔法・罠 1枚

 

 

……まずい。……このままでは、覗きの濡れ衣を着せられてしまう!?←明日香はそんなことは言っていません。

 

この手札なら……あのカードだ。

 

「来てくれよ~? 俺のターン! ドロー!」

 

……来た! まずはあの伏せカードを……

 

「俺は大嵐を発動!フィールドの魔法・罠カードを全て破壊!」

 

風が吹き明日香の伏せたカードが破壊される。さっきも持ってたけど俺の伏せカードが邪魔で発動できなかったからな。

 

「俺は『魔術師・衛宮士郎』を召喚! 『魔術師・衛宮士郎』効果発動! 特殊召喚するカードはもちろん『サーヴァント・セイバー』!」

 

『魔術師・衛宮士郎』

レベル3 地 効果 魔法使い族

攻1000 防1000

このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。このカードが戦闘で破壊されたターンの最後にこのカードをフィールドに守備表示で特殊召喚することが出来る。

 

『サーヴァント・セイバー』

レベル4 地 効果 戦士族

攻1500 防1000

このカードは魔法の効果で破壊されない。

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「更に手札から魔法カード『霊呪発動』を発動! デッキから『英霊・クー・フーリン』を特殊召喚!」

 

『霊呪発動』

魔法

このカードはフィールドに『魔術師』と名のついたモンスターが居るときにライフの半分を払い以下のいずれかの効果を発動できる。

・場に居る『英霊』『騎士王』『英霊王』と名のついたモンスター一体の攻撃力を500上げることが出来る。

・場に居る『英霊』『騎士王』『英霊王』と名のついたモンスター一体の守備力を500上げることが出来る。

・デッキまたは手札から『英霊』と名のついたモンスターを特殊召喚できる。

 

『英霊・クー・フーリン』

レベル7 風 効果 戦士族

攻1500 守2000

このカードは風属性のモンスターとの戦闘では破壊されず、ダメージも受けない。

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

俺 ライフ2300→1150

 

「更に手札から装備魔法『ゲイ・ボルク』を発動!『英霊・クー・フーリン』に装備する!」

 

『ゲイ・ボルク』

装備魔法

このカードを装備したモンスターは攻撃が1000アップする

1ターンに1度装備モンスターの攻撃力をそのターンのエンドフェイズまで1000ポイント下げることで相手のモンスターを一体破壊できる。

このカードは『英霊・クー・フーリン』『魔術師・衛宮士郎』『英霊・エミヤシロウ』しか装備できない。

 

『英霊・クー・フーリン』

攻1500→2500

 

「そんな!? ……っでも総攻撃しても私のライフは「このターンで終わりだ!」何ですって!?」

 

「『ゲイ・ボルク』の効果発動! 装備モンスターの攻撃力を1000下げることで相手のモンスターを一体破壊できる!」

 

「そんな!?」

 

「行け! クー・フーリン! 突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)!」

 

クー・フーリンが飛び上がりゲイボルグを投擲した。ゲイ・ボルクはまっすぐ飛んでゆき『エトワール・サイバー』に突き刺さり破壊した。

 

『英霊・クー・フーリン』

攻2500→1500

 

「これでお前のフィールドはがら空きだ! 行け! 総攻撃だ!」

 

俺のモンスター達が全員で明日香を攻撃した。

 

「きゃああああ!?」

 

明日香 ライフ4000→0

 

「ふぅ……楽しいデュエルだったぜ?」

 

「じゃあな? 約束どおり俺たちは帰るぜ?」

 

「ええ、今日のことは黙っていてあげる」

 

「ふん! あんた達! まぐれで勝ったからといっていい気にならないことね!?」

 

明日香の友人の気の強そうな方がそう言った。

 

「よしてジュンコ負けは負けよ。見苦しいことはしないでね?」

 

「いやそいつのいう通りかもしれないぜ?」

 

「十代?」

 

十代がそういう事を言うなんて珍しいな?

 

「あんた……強いよ」

 

どういう心境の変化だ?

 

「そう……あなたは? 私は……強かったかしら?」

 

「え!? 俺!? えっと……強かったよ。最後のドローで『霊呪発動』を引けてなきゃ俺の負けだった」

 

「そう……」

 

その言葉を聞いた明日香は満足そうな顔をしていた。

 

 

明日香たちと別れた俺たちは寮に向かって歩いていた。

 

「やれやれ……今回も大変なデュエルだったぜ……」

 

「そう言えば涼太君。本当に覗いてなかったんっすか?」

 

翔が俺の事をジト目で見てくる。

 

「へえ……信用してなかったのか? デュエルしろ翔!そんな事言う子はバーサーカーソウルをヘラクレスに使って無限コンボしてやる!」

 

「そ、それだけはゴメンッスよ~~~!」

 

「あ、待て! 翔!」

 

俺は翔を追いかける。

 

今日も生き残れたか。危うく死ぬところだったけどな(社会的な意味で)

 

 


 
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