No.401522

【ばとしす】ディアの受難【Battleship sisters】

前作を大幅に改訂したものです。
子供にやさしい全年齢対応です。

濡れ場が見たいと言う人は一言ください。
ちなみに濡れ場はディア1人しか登場しません。つまりそういうことだよ。

2012-04-02 02:16:12 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:852   閲覧ユーザー数:848

 
 

 

 

~プロローグ~

 

 

厳冬も過ぎ、例年ならば麗らかな春もその顔を見せ始める三月の中旬。

ここ数日、しとしとと降り続ける雨に彼女は辟易としていた。

雨も降っているせいか、外はいつもとは違うドス黒い空であった。

 

 

「もう、なんでこんな時期に雨なんか降るのよ・・・」

そんな悪態をついたところで雨なんぞやむわけがない、だがついつい口にしてしまう。

よほど飽き飽きしているのだろう。

 

―榛名は『てるてる坊主つるすんだ!』とか言ってたわね、いい年して何やってるんだか

 

「はぁ、明日も降るんだろうな・・・」

そう小さく呟き、窓辺から離れる。

心なしか部屋の中は寒く、彼女はベッドの中で身体を小さくする。

 

「早く・・・やんでほしい・・・な・・・」

なんとしても週末の本土上陸の日にまではやんでほしい、と深い眠りの井戸に落ちる意識の片隅でそう願った。

 

 

~翌日~

 

 

「・・・いや、早く止んでほしいとは言ったけど」

どういうことだろうか。驚いた事に、あれほど鬱陶しく続いた雨は翌日にはまるで嘘かのように止んでおり、待ってましたかとばかり太陽は燦燦と校舎全体を照らしていた。

 

―もう、洗濯物なんて全然乾かなかったじゃない!着替え、着替えは・・・・・・ぁ。これしかないのか

 

彼女は黒いそれを手にしたままため息をつく。

 

―これ普段はあんまり使いたくないんだけど、他が無いならしょうがないわ・・・

 

 

久しく見えなかった日の光を、学園はまるでめいっぱい抱くかのように受けて、雨の滴で輝いていた。

喜びに包まれながら、今日も彼女たちの一日が始まる。

 

 

「あら、春一番かしら?」

 

ざざあと揺れる木々が、金色の髪をした彼女の目に飛び込んでくる。

 

「今日はいい日になりそう♪」

 

 

 

~職員室~

 

この学園の教職員の朝は早い。

離島に位置するこの学園は、全寮制で、生徒はもちろん、教職員も生活を共にしている。

 

「山本先生、ちょっとよいかな」

 

「はいなんですか、東郷校長?」

 

「実は体育科の猪口先生が武蔵野に出張していてな」

 

「ぁー、そうでしたっけ?」

 

「うむ、だから君に本日の三時限目の、ぇーっと・・・二号生の体育を見てもらいたいのだが・・・?」

 

「そうですねぇ・・・ええ、その時間は空いてますから、まぁ大丈夫です」

 

「すまんねぇ」

 

「なに、良い運動になります」

 

 

この山本先生と言われた彼、山本悟郎は学園の新任教員である。

 

本土、即ち本州で言うところの女子高校である、ここ古鷹学園ではまず若い男性というのは目にしない。ただ一人彼、山本悟郎を除いては。

当然、若い故に彼は学生-女子生徒の間では人気の存在であった。

 

 

 

~一号生教室~

 

 

「ディアちゃん、ディアちゃん!晴れたよ!!」

 

教室に入るなり、大きい声で小さな女の子がある生徒の元へ近づいてくる。

一見しゃべり方やその容姿からすると、育ちのいい小学生くらいかと見間違えてしまいそうだ。

だが、彼女も立派な古鷹学園の生徒、上野榛名である。

そしてディアと呼ばれた、美しい金色の髪をした彼女は、イギリス人と日本人とのハーフ・・・ディアマンテ・ヴィッカース・サーストン。

 

 

「まったく、本当に晴れるとは思わなかったわ」

 

「えっへん!私のてるてる坊主おかげだぞぅ!!」

 

「はいはい、あんたは偉いわよ。てるてる坊主で晴れるなら気象庁はいらないわね」

 

「むっ!その言い方はひどいんだー!」

 

 

―やれやれ、でもこれだったら週末の天気も大丈夫かしら?この子も嬉しいのよね

 

 

「おいおい、そんなところで騒がないでくれよ、入れないだろ」

 

教室の入り口ではしゃぐ彼女らに一人の短髪な男子生徒が話しかける。

いや、違う。男はスカートなどは履かないし、何よりこの学園には男子生徒はいない。

彼女は霧島千里(せんり)。

榛名や、ディア同様に一号生、つまり高校三年生の女の子である。

 

「あら、千里ごめんなさいね。榛名が『我は太陽神!崇めよー』ってうるさいから」

 

「むきーっ!ディアちゃん!!」

 

「わかったわかった、いいからどいてくれ」

 

 

他愛もない談笑をしながら彼女らは席に着く。

間もなく担任教師が入り連絡事項を生徒に伝える。

が、まともに聞いている生徒を見つけるのは難しい。

誰しもが久しぶりの晴天に心躍らせ、上の空となっている。

 

 

「・・・・・・ぇー、というわけで連絡事項は以上です」

 

「起立、気を付け、礼」

 

いつも通りの挨拶も終わり、一時限目が始まる。

一時限目は古典・・・漢文の授業。ハーフのディアには頭の痛い教科だ。

担任と入れ替わり、古典担当の吉松老人が教室に入る。

始業のあいさつが終わると

 

「はい、では先日行った小テスト返却します」

 

今にも消え入りそうな小声でそう言うと・・・

 

「「「げぇっ!」」」

 

という驚愕の声がクラスの所々から発せられる。勿論、ディアもその一人である。

誰しも久しぶりの恵まれた天候に頭がいっぱいで、小テストの事など覚えてはいなかった。

 

 

ざわ・・・ざわ・・・

 

 

全体が騒がしくなる。

 

「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」

 

と誰かが言う。

まさにディアの心情を代弁しているかのようだ。

 

「・・・さん。ぇー、ディアマンテさん」

 

「は、はい」

 

帰ってきた答案を見てため息をつく。

正答は探してもそう多くはない。 

何度見ても点数は変わらないというのに、彼女はそれでも点数をじぃっと睨みつける。

 

―なんで漢文なんか授業でやるのかしら!?ここは中国ではなくってよ!!どう考えても使わないでしょ!!

 

など毒づくのはいつもの事である、20点満点中の6点であるというのだから情けのない話だ。

 

 

「今回点数の悪かった生徒は・・・ぇー・・・昼休みに職員室まで来て下さい。ペナルティとして史料整理の荷運びをやってもらいたいと思います。」

 

―マジ?

 

「ぇー、合格点は・・・んぇーっと5割ですから・・・」

 

―なんだ、なら千里に全部押しつければいいわね。脳筋バカの千里の事だし私より低いでしょ。トレーニングよ!とか言って発破かければ全部やってくれるわ。

 

「不合格者は・・・ディアマンテさんと・・・あら、ディアマンテさんだけですか」

 

吉松老人が少し驚く。が、それ以上に驚く生徒がいる。

彼女は勢いよく立ちあがり・・・

 

「うそでしょ!?ちょっと千里!あんた何で私より点数いいのよ!!」

 

斜め後ろに座る千里へと詰め寄る。

すると千里は意外そうな顔をして、切り返す。

 

「ゑっ?そんな事言ったってあたしだって10点でギリギリだし・・・。それによ、空手の心得でよ、漢文使ってるのがあるんだよな。それで見たやつがあったんだ」

 

「ぐぬぬ・・・」

 

―まさか私が千里に後れをとるとは。それに、なんで荷物運びなのよ!普通は書取とかプリントでしょ!

 

日頃、自ら脳筋脳筋と揶揄していた千里に負けたのであるから、プライドの高い彼女はさぞ悔しい事であろう。

今にもギシギシという音が聞こえそうなほど歯を噛み締めている。

 

「という訳で、ディアマンテさんよろしくお願いします」

 

―おのれ吉松のジジィめ、そういうは女の子に頼むものじゃないでしょ!

 

とうとう怒りの矛先は教師へと向かう。点数が悪いのを棚に上げ、とんだお門違いもいい所だ。

恨めしそうに、教壇に立つ髪のない老人を見つめていると・・・

千里の横に座っていた茶髪の女生徒が一言

 

「本日は快晴ですが、午前中から昼過ぎにかけて、一部地域には曇ところにより雷となるでしょう」

 

「こら!比叡!茶々入れない!!」

 

比叡と呼ばれた彼女は、比叡・Y・サーストン。

その名の通りディアの従姉妹にあたる。

 

「悔しかったら合格点でも取ってみるんだな」

 

どっとクラスに笑いが広がる。

晒し物になったディアは顔を赤らめ、それは悔しそうに席に着く。

 

―まったく、とんだ厄日じゃない!

 

 

 

~三時限目:グラウンド~

 

学園には大きなグラウンドがある。校舎はグラウンドを見下ろすかのように小高い丘の上に建っている。

そのグラウンドの一端に十数人だろうか、整然と並んだ人影が見える。

そして、その正面に立っている男性教師が喋りだす。

 

 

「この時間は猪口先生が本土に主張中でいないから、代わりに俺が担当する事になった」

 

「ほら、だから言ったでしょ、今日はお兄ちゃん先生だって」

 

「本当だ、お兄ちゃん先生だー」

 

「やったぜ」

 

と、一気に全体がガヤガヤと騒がしくなる。

彼は苦笑しつつ

 

「はいはい、出席確認するから静かにしろよー」

 

声をかけるとようやく静かになった。

 

「ぇーっと・・・お。今日は休みなしか」

 

事前に、山本先生が今日の体育担当よ!と誰かが嗅ぎつけたのだろう。

生徒達は誰しもが、さながら子供のように輝いた目をして彼を見ていた。

 

「山城、身体の調子は大丈夫なのか?」

 

「ようそろー」

 

「そうか、良かった良かった」

 

「・・・えへへ///」

 

「ねぇはぎのん。かどちゃんアレ狙ってたんじゃない?」

 

「策士ね・・・」

 

悟郎に褒められた長身な彼女は山城葛野(かどの)。

病弱な体質で普段は体育を休んでいる。

そしてひそひそと話をしている彼女達は、それぞれ伊勢鈴香と長門萩乃。

二人とも、特に眼鏡をかけている長門萩乃と言う生徒は年不相応な胸の持ち主である。

長門萩乃は成績優秀、容姿端麗、何より面倒見の良い、気のきく性格でり、そのせいか現水交会会長(いわゆる生徒会会長)である。

伊勢鈴香は燃えるような真紅の髪をポニーテールでまとめた、いかにも活発的な少女である。

 

「むぅ・・・」

 

と萩乃の隣で、ショートのボブカットの女の子が唸る。

彼女の名は田村陸奥。萩野同様、相当立派な胸の持ち主である。

 

「お兄ちゃん先生?チョコビンみたいに運動できるの?」

 

「あらあら~ふーちゃん、先生だって若いんだから出来るわよ~」

 

と眼鏡の(萩乃とは別の)少女が尋ね、それにピンクの髪をした少女が間延びした答えを返す。

彼女達は近藤扶桑と宮崎日向(ひむか)である。

ふーちゃん、つまり扶桑は普段は葛野と一緒におり、葛野同様運動は得意な方ではない。

日向はおっとりとしたのんびり屋さんで。しょっちゅう伊勢と行動を共にしている相方的存在だ。

 

因みにチョコビンと言うのは、体育科教師、猪口敏平の真ん中二文字を取って付けられた愛称である。

 

「今日は皆好きな競技してくれ。自由だ」

 

と、悟郎がそう言うや否や、生徒たちは目の色を変えて(さながら飢えた狼か、獲物を見つけた大鷲か)

 

「先生!一緒にドッヂボールしましょう!!」

 

「私と一緒に保健の実技を・・・」

 

「むっちゃん!?なんて事言ってるのよ!!」

 

「そんなことより野球しようぜ」

 

「やったぜ!父ちゃん、今日はホームランだ!」

 

それぞれ思い思いの事を口にして、悟郎へと迫ってきた。

 

「おいおい、俺の身体は一つなんだから、勘弁してくれよな」

 

と彼が言うと

 

「やっぱりサッカーよ!ボールは友達でしょ!」

 

「だから保健の実技」

 

「そんなことより野球しようぜ」

 

「もう全然話がまとまらないじゃない!」

 

喧々囂々の良い争いになる。

悟郎があきれ、頭を抱えていると

 

「こうなったら・・・」

 

「実力あるのみね・・・」

 

「ぇ?」

 

なんと、先ほどまで別々の意見を言い合っていた生徒たちが、突然足並みをそろえ、悟郎めがけ走ってくるではないか。

 

「「「せんせー!私と「サッカー」「保健の実技」「野球」しませんかぁ!」」」

 

「か、勘弁してくれ~」

 

 

結局この時間は、先生争奪!鬼ごっこと化した体育、となったのであった。(たまげたなぁ)

 

 

 

~昼休み:職員室~

 

 

「じゃぁこれを外の倉庫までね、よろしく」

 

「わかりました」

 

あれほど文句を言っていたにもかかわらず、律儀に定刻通り職員室に来るあたり、やはり彼女は真面目なのであろう。

 

―やれやれ、結構軽いから助かったわ。さっさと終わらせちゃいましょ。

 

中身は?と気にはなったが、早く終わらせたい、という気持ちによってすぐに打ち消された。

そして足取り早く、彼女はグラウンドの外れの資材庫へと向かう。

 

 

 

~同時刻:グラウンド~

 

 

「やれやれ、ひどい目に合った」

 

とボヤきながら山本悟郎はグラウンドから校舎へと続く階段を上る。

 

―まだ濡れているところもあるんだな

 

と足元を見ながら先日までの雨で、所々濡れている階段を上る。

丁度階段途中の踊り場に出たところで

 

「あら、奇遇ですわね」

 

という声に顔を上げる。

 

「ん?ディアじゃないか。どうしたんだその箱?」

 

「まぁ・・・イロイロあったのですわよ(遠い目)」

 

「ふむ・・・?どこまで持って行くんだ?代わるぞ?」

 

「構いませんわよ!あなたに助けられる筋合いなんてないですわ」

 

「素直じゃないなぁ」

 

「なんですって!?」

 

という傍から見ると微笑ましい、話をしていた時である。

直に訪れるであろう桃色の季節の兆しであろうか、突然として風が吹きあがり・・・。

当然の如く階段の上にいるディアのスカートが踊る。

 

「きゃーっ!」

 

両手で箱を持つ彼女は無防備なもので、隠す事ままならず、黒色をした下着が露わになる。

悟郎の眼には、一瞬ではあるが非常に印象深い、それがちらりと見えた。

両端にフリルのついた、黒い、やや薄めの生地のそれが、はっきりと見えたのである。

 

「!!」

 

「・・・今、見ましたわね?」

 

「黒色にあらせられました・・・いささか早いかと小生は存じ上げます、ディアさん」

 

ディアの気迫の前に思わず敬語になってしまう悟郎。

額には一筋の汗が、運動によるものではない汗が頬を伝う。

ディアは頬を紅潮させ、大きく息を吸い込む。

そして一歩踏み込み・・・

 

「このバカッ!・・・っていやぁぁー!!」

 

さっきとは違う悲鳴にハッと我に帰る悟郎。

 

「!! 危ないディア!」

 

ディアがまっすぐと落ちてくるのが、スローモーションのように悟郎の目に映る。

とっさに落ちてくるディアを受け止めようと両手を広げる。

おおよそ濡れているところで足を滑らしたんだな、という考えがふと頭をよぎった。

彼女の持っていた箱は宙を舞っているのが彼の目の端に見えた。

 

 

「ウゲェ!」

 

「きゃん!」

 

 

どんがらがっしゃーん

 

 

悟郎の胸板めがけまっすぐに突っ込んだ形となったディアは、諸共に倒れ込む。

もともとディアの胸は下着など必要のないほどの大きさではあったし、それに悟郎は体育の為に薄着である。

 

「イタタ、もう今日は一体どうなってのんよ!」

 

と顔を上げてディアが叫ぶ。いきなりのハプニングについつい地が出てしまう。

 

「く、苦しぃ・・・」

 

「・・・ぇ?キャー!何抱きついていてんのよ!?」

 

 

がばっと飛び退くディア。

羞恥により一瞬でその顔は赤くなる。

 

「くぅっ・・・!」

 

どうした事か、何やら彼女の両胸に小さな二つの影が見える。

いや、影ではない。突起によって影に見えるのだ。

勢いよく飛び退いたために彼女の性感帯は刺激され、自然と反応してしまったようだ。

そして男性の手前、いや想い人手前ということもあるのだろか、息遣いはだんだん荒くなる。

 

 

「やれやれ、お互い怪我はなくて幸いだったな。」

 

「はぁっ・・・」

 

「さて、さっき箱は・・・?なんだそばに落ちてるじゃないか。ディア、俺がもって行くぞ?いいな?」

 

「んっ・・・」

 

「おいディア?ディア!」

 

「ぇッ!?は、はいっ!」

 

「どうしたんだボーっとして、しっかりしてくれよな」

 

「ん・・・」

 

「じゃぁ俺が代わりに持って行くから、早く帰って飯でも食ってこい。倉庫だろ?」

 

「え?ええ・・・」

 

「よし、まかせとけ」

 

「ええ・・・お願いするわ・・・」

 

 

そう言って悟郎は箱を担ぎ、階段を下りて行く。

所々凹んだそのダンボール箱を気にしながらも、まっすぐ倉庫へと向かう。

 

彼女は、そんな彼の背中を熱っぽい目で見つめ、やがて火照った身体をもどかしくも、重たい足取りを引きずり教室へ帰るのであった。

 

 

~数分後:一号生教室~

 

 

「お、帰ってきた帰ってきた」

 

「おかえりー!災難だったねー。」

 

「日頃勉強してればこんなことせずに済むのだ」

 

「・・・・・・・」

 

「おいおい、どうした?だんまりしちゃってよ。さっさと飯食おうぜ」

 

「ええ・・・そうね」

 

「でさー、週末の上陸だけどさー・・・」

 

ディアを除く千里、榛名、比叡の三人は週末にある本土への上陸、つまり本州への定期便の話で盛り上がっている。

一方ディアはと言うと、食事などまともに喉を通らず、もとより味などまったくわからなかった。

その後の授業はまったく身に入らず、教師に当てられては解答するのに四苦八苦することとなる。

 

 

~放課後:ディアの部屋~

 

 

その日の日課も終わり、どうやって部屋に帰ったのなど覚えていない。

気が付けば部屋に着いていた。

 

―はぁ、今日は本当にどうしちゃったんだろ。思い出すだけで身体が・・・

 

花も恥じらう年頃。想い人との出来事を思い出すだけで、身体は自然と疼いてしまう。

ああそうだ、シャワーでも浴びて気分を変えよう、と服を脱いだ時である。

 

「ッ!?」

 

日頃はお粗末だとか貧しいものだと揶揄されるディアの女性としての象徴。繰り返すようになるが下着など付けてはいない。

敏感になっているのだろう、シャツが擦れて全身が震える。

 

「ゃ、やぁ・・・」

 

今日あった事を又思い出してしまう。

すると静まっていた劣情が顔を擡げ、理性に陰りが出てくる・・・。

 

「だ、だめよ・・・こんな・・・」

 

やっとの思いで全て脱ぎ終え、部屋に備え付けられているシャワールームへと力なく入る。

だがひんやりとした空気が、敏感になった彼女の全身を撫でまわし、ここぞと追い打ちをかける。

 

「んんっ!」

 

―ちょっと、どうなってるのよぉ・・・

 

今まで味わった事のない、この上ない快感が彼女の理性を徐々に蝕む。

朦朧とした意識の中、加減なくコックをひねり、シャワーから勢いよく水がでる。

勢いのある水先が胸にかかると、彼女の全身に電撃が走る。

 

「はぁはぁ・・・ぃゃぁ・・・」

 

―ダメよディア、ダメ!・・・だけど・・・だけど・・・

 

再び昼間の事を思い出す。

 

―彼とあんなに近くなれた・・・嫌じゃなかった、もっとああしていたかった・・・

 

積っていた彼への思いが一気に爆発しそうになる。

 

―胸も・・・当たってたのよね・・・

 

と彼女は自分の手で胸を触ってみる。

だが、それがいけなかった。

先端に指が触れた瞬間、関を切ったように快感の波が襲う。

 

「んんっ!!!」

 

軽く達してしまった。

とうとう理性のたがは外れ、彼女の華奢な手は更なる快楽を求めゆっくりと動きだす・・・。

彼女の指先が恥部に触れ、弄りだす。

すると水のそれとは違う、淫靡な液体が指先に絡みつく。

 

「こんなこと・・・ダメなのに・・・」

 

言葉とは裏腹にその手はだんだんと彼女の欲求を満たすべく動く。

ふと彼女の目に手に持ったシャワーのホースが目に映る。

恐る恐る足を上げ、シャワーホースを股下へと導く・・・。

 

「んっ!くっ!・・・んんっ!!」

 

「やぁ・・・これ・・・あっ!」

 

勢いよく出る水は胸に、そしてその白くやや硬質な塩化ビニルは卑猥な裂け目へと食い込む。

身体が悦楽により震える。

そして思わず手を、ホースを持ったその手を上げてしまう。

 

「ゃっ!!んんっ!!」

 

もはや止められはしない、一人きりという状況が彼女をさらに乱れさせる。

シャワーホースの網目は、彼女の恥部に刺激を加える・・・。

両手はより強い刺激を求めホースを前後に動かす。

 

「んっ、んっ、んっ・・・くっ!あっ!」

 

さらに動き激しくなる、ひじからではなく、腕全体、いや腰をも動かし快楽を貪る。

びちゃびちゃとシャワー先から出る水が辺り一面にまき散らされる。

 

水にぬれた長髪が彼女の艶めかしい身体に、赤く上気した顔にまとわりつく。

だがそのような事は気にも留めず、ひたすら腕を振り腰を振り、ホースを恥部へと恥部へと擦り付ける。

 

「んふぅっ!・・・あっ、あっ、あっ、んんッ!!」

 

もう直に達するのでろうか、ホースをより一層食い込ませ、激しく動かし始める。

力が加えられため、ホースは上にぴんと張られる。

 

「ん、ひッ!!あっ!!」

 

短い嬌声と共に彼女はつま先立ちとなり、顔は天井を仰ぎ、肩が小刻みに震える。

 

達した余韻に浸り、力なく壁に寄り掛かる。

髪が頬に艶めかしく貼りつく。

すると、彼女の股下からやや黄色がかった液体が、身体に当たるシャワーに混じり流れてくる。

 

「ぁ・・・だ、だめぇ」

 

彼女の達した恥部は緩くなり、思うようには止まらない。

止めようと足を動かす、すると又ホースがその割れ目へと絡む。

 

「んんぅっ!!」

 

と、再び達してしまい腰に力が自然と入ってしまった。

すると彼女のその淫猥に濡れた筋から聖水が勢いよく噴き出す。

拭き出た液体は当たりに飛び散り、ほんのりとアンモニア特有の臭いが彼女の鼻孔を突く。

 

―ぁ、まだ・・・

 

ちょろちょろと淫靡な液体はふとももを伝い、床へと流れる。

陸上部として活動している彼女のふとももは引き締まり、だがそれでいて肉付きはよく、艶めかしい。

張りのあるふとももを、ハーフ故の白い肌を、彼女の小水が汚してゆく。

 

 

壁にもたれかかり、大きく息を整える。

しばらくすると冷静になり、理性が思い出したかのように彼女の脳内を支配する。

顔から火が出るほど恥ずかしくなり、そそくさとシャワールームから出ると身体を拭き、ネグリジェに着替えてベッドへと入る。

 

―はぁ、私は一体何を・・・あんなはしたない事・・・

 

 

思い出さないようにすればするほど、思い出す。

彼女自身でもわかるくらいに熱が上がりだす。

やはり身体は正直なのであろう、恥部は再び濡れ始めた。

 

股へと滴りはじめ、初めて彼女はその反応に気付く。

 

「うそ・・・さっきもイッたのに・・・」

 

確かめるべく、いや頭は確かめるつもりだったかもしれないが、その手は紛れもなく弄るべく、疼く恥部を弄るべく動いていた。

 

―ああ、こんなに濡れてる。私ってこんなにやらしい女だったのね・・・

 

右手は下へ、そして左手は服の上から恥丘を弄ぶ。

 

「これで・・・最後に・・・これが最後よ・・・」

 

と自分で自分に言い聞かせながら、手を動かす。

自然に、ではなく自分の明確な意思で動かす。

指先は再び快楽を求め、部屋には卑猥な音が響く。

 

とうとう服の上から弄るのでは物足りなくなる。

もっと欲しい、もっと気持ちよくなりたい、と劣情が今一度頭の中一杯になる。

一度起き上がり、着ている服を全て乱暴に脱ぎ捨てる。

 

「・・・・・・・」

 

一瞬だけ息を飲み、そして淫らな行為を続ける。

 

「んん、くぅッ!・・・やぁ・・・」

 

恥部の割れ目をなぞる、愛液を広げ、指を滑らしてゆく。

同時に片方の手はそのささやかな恥丘の先端をなぞる。

円を描くように先端の周り指は動き、自分を焦らす。

 

「ふぅッ!・・・やはぁ・・・ひっ!!」

 

しばらく焦らし、この上なく気分は高まる。

両目は瞑られ、完全に自分の世界へとのめり込む。

 

「い、入れたい!はぁっ、先生!いれてぇ・・・」

 

妄想の中では彼女は想い人に弄られているようだ。

自ら声に出し、さらに気分を高める。

 

「やぁ、じらっ、じらさないでぇ・・・。欲しいのよぉ!」

 

しかし妄想の中の彼は彼女を言葉で責める。

 

―ディア、どこに入れてほしいんだ?はっきり言わないと分からないよ、さぁ誰のどこに何をいれてほしいのかな?

 

「い、いじわるっ!いじわるしないでぇ・・・」

 

―おいおい、何を言っているんだ。先生にそんな事言う悪い子にはもう何もしてあげないぞ。

 

「そ、それだけは、んっ!ごめんな・・・さぃ・・・。」

 

―さぁ、言う気になったかい?おねだりしてごらん?

 

「・・・ィあのぉ・・・ぉ、お・・・んこに・・・」

 

―んんー?何を言っているのかなぁ?声が小さくて聞こえないぞ?

 

「ぃ、いや・・・しぃ・・・」

 

―ほほう、いやだって?やめていいんだな?

 

「で、でぃあのぉ!ディアのいやらしい・・・あ、愛液でぐじゅぐじゅのっ!い、いやらしいおまんこをぉっ!いっぱいいっぱい弄ってくださいぃっ!」

 

よくできました、と彼は脳内で言う。

そうしてようやく中指が割れ目へと入る・・・そして親指は・・・割れ目の上部に位置する豆を弄りだす。

周辺をなぞるだけであった左手は乳首を弄び、摘まんでは転がし、摘まんでは転がしを繰り返す。

 

「あはっ!き、きたぁぁ・・・!」

 

中指が割れ目に沈む。親指が小刻みに動く。

指先が彼女の膣壁をなぞるように曲る、すると愛液が指の腹に絡みつき、陰唇から溢れだす。

淫猥な液体は彼女の右手を汚し、指が動くたびに糸を引く。

 

「せんせ・・・せんせぇ!」

 

―どうしたんだいディア?

 

「たりないよぉ・・・もっと・・・もっと気持ちよくさせてぇっ!」

 

―かわいいディア、それじゃぁもっと乱れた姿を見せてくれ。

 

体は一本などでは足りぬと求め出す。

そして、また妄想の中で彼は彼女を責め立てる。

 

―ほら、こんなに濡れてしまって・・・。お前は変態だな。それ、もう一本入れるぞ。

 

「ふぁぁ・・・二本は・・・だめっ!入らないわよぉ・・・」

 

―ほほう、下はそんな風じゃ無いぞ。欲しいんじゃないか?正直になれよ。

 

彼女の右手は人差し指を、愛液の滴る割れ目へと沈めてゆく。

 

「はぁはぁはぁ・・・イイ、これイイのぉ・・・」

 

淫らな秘所は彼女の薬指と中指を深々と根元まで深々と咥える。

二つの指は窮屈な膣内を満たし、彼女の最も敏感なところを刺激し、そして絶頂を促す。

近づく絶頂を、彼女の指は求める。

 

指先をなぞるだけだった動きは、前後の動きへと変わる。

ひとたび指を動かすと快楽の波は彼女へと押し寄せる。

 

止まらない。

やめられない。

まるで麻薬だ。右手は狂ったように踊る。

 

指の動きに合わせて、親指は剥き出しにされた陰核をリズムよく刺激する。

左手はそのささやかな恥丘の頂きを摘まむ。

人差し指と親指が乳輪から先端までを搾りとるように嬲る。

 

「んぁっ、あっ、あっ、あっ!」

 

―どうだ?もうイクんだろ?思いっきりイってみろ。

 

「ぁぁぁ、もぅ・・・ムリっ・・・!んあっ!」

 

左手は荒々しく胸を鷲掴みする。

右手は力強く膣壁を圧迫する。

 

「いい・・・イっちゃう、イっちゃうッッ!!」

 

「イクぅぅう!!」

 

大きく腰が浮き上がり、足はつま先まで延び切る。

恥部からは淫液が噴き出し、シーツを淫猥に汚してゆく。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

ふとももは飛び散った愛液に濡れ、手にかかったそれを指ごと口に含む。

口淫を行うかのように人差し指と中指を愛おしく舐める。

 

「んぐっ・・・んふぅっ・・・」

 

あれほど彼女を支配していた情欲はまるで嘘のように薄れてゆく。

と、同時に眠気が彼女を襲う。

後始末もままならぬまま、彼女は深い深い眠りへと落ちてゆく・・・。

 

 

 

~翌朝:ディアの部屋~

 

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああ」

 

朝、目が覚めると生まれたままの状態でベッドに横たわる自身と、乱れたベッドに驚いた。

 

―あのまま寝ちゃったんだ、うっわぁ・・・どーしよ

 

激しい自己嫌悪に苛まれながらも、散らかったベッドを急いで片づける。

汚れた身体を洗うべくシャワーを浴びに行く。

すると昨夜の淫行を思い出す。

顔から火が出るほど恥ずかしくなり、誰かに見られているわけでもないのに辺りを見回し、小さくうずくまりながらシャワーで全身を流す。

 

―なんであんなことしちゃかしら・・・ひょっとして私真正のド変・・・いえ、そんなはず無いわよ!

 

などと考えていると、気が付けば始業の時間が近づいていた。

 

「やばっ!急がないと遅刻しちゃうじゃない!!」

 

大雑把に身体を拭くと、急いで制服に着替る。

が、しかし・・・。

 

「あ゛っ」

 

昨日は呆然としており洗濯などしていなかった。

つまり・・・

 

「き、昨日のしか無いじゃん・・・。」

 

困った事に昨夜淫猥に汚してしまった下着しか残っていなかった。

 

―履かない・・・ねーよ。しょうがないから履くしかないわよ・・・ね?

 

「こ、これ・・・大丈夫かしら?色々と」

 

キーンコーン・・・

 

「あ゛ーっ!チャイム鳴り出したじゃないの!!」

 

迷ってはいられない、急いで淫猥に汚れいた先日の下着を履く。

部屋を勢いよく飛び出し、自慢の俊足で廊下を駆ける。

愛液に濡れたふとももは力強く躍動し、彼女を快楽へと導いた両手は風を切る。

教室へ滑り込んだのはチャイムが鳴り終わるのとほぼ同時であった。

 

_________________________________________________________________________________________

 

 

~アナザールート(エロくない)~

~放課後:ディアの部屋~

 

 

日課も終わり、どうやって部屋に帰ったのなど覚えていない。

気が付けば部屋に着いていた。

 

―はぁ、私どうしちゃったの?

 

昼の一件以来、何を考えてもまとまらないし、むしろボーっとするばかりであった。

普段の彼女とは違う様子に、千里や榛名、比叡を始めとするクラスメートはおろか、教師でさえ心配する始末であった。

 

―もういいわ、早く寝てしまいましょう

 

そう思いベッドに入る。

どうやら気付かないうちに体を清め、服を着替え、明日の授業の準備さえも終えたようだ。

だが中々寝付けず、時間を増すごとにあの人への思いばかりが募ってくる。

想いを振りほどこうとするほど、余計に考えてしまう。

 

優しく声をかけてくれた彼、いつもそうだった。

そんな彼と、事故とはいえ抱き合う形となったのだ。

無理もないだろう。

 

―明日は、明日からは・・・

 

素直になろう、そして今日あった事を謝ろうと誓った。

結局眠れたのは、草木も眠る丑三つ時をも過ぎた頃であった。

 

 

~翌朝:ディアの部屋~

 

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああ」

 

朝、彼女は目が覚め、お気に入りの時計を見て驚いた。

電池が切れてるのかと疑ったが、どうやらそうではないらしい。

 

「やばっ!急がないと遅刻しちゃうじゃない!!」

 

―もう散々だわ!

 

急いで制服へ着替え、筆記用具を乱暴に鞄に入れると、猛ダッシュで廊下を走る。

 

 

キーンコーン・・・

 

―あ゛ーっ!チャイム鳴り出したたじゃないの!!

 

さらに足を早く動かす。

教室へ滑り込んだのはチャイムが鳴り終わるのとほぼ同時であった。

 

~アナザールート終~

(エロくないと書く気が起きない)

_________________________________________________________________________

 

~同時刻:職員室~

 

 

「山本先生、ちょっと」

 

「なんですか東郷校長?もう体育は見ませんよ?」

 

又何か頼みに来たな、このタヌキジジイめと彼は内心邪見にしたが・・・

 

「なに、ただ運んでもらいたい物があってね」

 

「はぁ・・・?」

 

「いやね、これを運んでもらいたいのだよ」

 

「まな板?」

 

「そうそう、まな板。これ結構数あるけど、君なら大丈夫だろう。調理実習室へ頼むよ。これも暇な時で構わん」

 

なんだそんなことか、もう追いかけ回されるのは御免だからな、と安堵する。

 

「まぁそれなら大丈夫ですよ」

 

「うむ、頼むよ」

 

 

~HR:一号生教室~

 

 

「なぁなぁ、なんで朝遅れてたんだ?」

 

「ほっといてよ千里!もういいじゃない!!」

 

「どうせ寝坊したんだろう」

 

「ディアちゃんのおっちょこちょーい」

 

―まったく本当の事なんて言えるわけないじゃない!!

 

―私は昨夜・・・あ、あんな事してたなんて・・・

 

「でぃーあーちゃーん、頭突っ伏してどうしたのー?」

 

「うー、ほっといてよー」

 

「まぁそう落ち込むな、そういや今日は確か水交会の集まりがあったな?」

 

「ああ、放課後な。週末の上陸の話だろ?」

 

「えーっ!あれ放課後だったの!?てっきり昼休みかと思ってた!!」

 

「なんだぁ?何かあるのかよ」

 

「うん、それがもうすぐ山城ちゃんの誕生日でしょ?ちょっとプレゼントを作っているのだ」

 

 

後輩想いで、料理が得意な榛名のことだ。

恐らく何か手料理かお菓子かでも考えているのだろう。

 

 

 

~放課後:水交会~

 

一号生がいつもの部屋に入る。

中を見ると、お互い良く似た二人の生徒がいた。

二人とも萩野や陸奥をもしのぐ胸の持ち主であり、どちらかと言うと胸にコンプレックスを抱いている一号生からしてみれば、ある意味敵のような存在であった。

 

「あれ?ディア先輩どうしたんですか?」

 

「うー、大和も!だからほっといてー」

 

落ち込んでいるディアが大和と呼んだ彼女こそ、次期水交会会長と期待されるの大和吉野である。

成績優秀、容姿端麗、周囲に配慮のある気のきく性格である。(さながら萩乃のような人物)

 

「群議満腹」

 

「もう漢字はいーやー!!」

 

四字熟語で喋る、大和によく似た彼女は氷川武蔵。

双子か?と間違われるくらい大和に似ている。話してみると彼女は四字熟語を主に話すのですぐに区別がつく。

 

「一体何が・・・?あれ?そう言えば上野先輩は?」

 

大和は、いつもはしゃいでいる小さな先輩が見当たらない事に気付く。

 

「ん?ああ、ちょっと大事な用があるんだってさ」

 

 

 

~同時刻:調理実習室近くの階段~

 

 

「あ゛ー、重い。まな板だからって甘く見ていた・・・」

 

悟郎は荷物を担ぎながら調理実習室へと続く階段を上る。

 

―しかし、なんで職員室にこんなに大量のまな板があるんだ?

 

と思いながら登っていた矢先である。

 

「忘れ物忘れ物―!」

 

という声に気付く。

 

―ん?あの声は上野か?

 

ふと顔を上げると・・・

 

「ぎにゃあああああああああああ!あぶなーい!」

 

まっすぐ突っ込んでくる上野の姿が見えた・・・。

 

 

―あれ?これデジャブじゃぁ・・・

 

とっさに彼まな板をほっぽおりだすが・・・

 

 

「ウゲェ!」

 

「きゃん!」

 

 

どんがらがっしゃーん

 

 

悟郎の胸板めがけまっすぐに突っ込んだ形となった榛名は、諸共に倒れ込む。

そう、丁度胸と胸と胸が当たる格好で・・・。

 

 

終了

 

 
 

 
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