No.401511

【獣機特警K-9】激闘!シザーハンド対K-9隊【戦闘】

古淵工機さん

前回:http://www.tinami.com/view/401059

いよいよシザーハンド接触編も大詰め。
今回は機動力に長けるメンバーをメインに展開していきます。
女同士の修羅場が見れる…か!?(違)

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2012-04-02 01:19:44 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:896   閲覧ユーザー数:855

白昼のキャピタル・ハイウェイで激しいカーチェイスを繰り広げたローゼン海賊団とK-9隊。

逃走するトラックは、ハイウェイの出口から一般道へ降り、廃宇宙港へと向かっていた。

K-9隊はひたすらトラックを追い続ける…。

 

「このまま宇宙港に入られるわけにはいかん…悪いが、足止めさせてもらう!」

エルザが操縦するナインチョッパーが、ビームバルカンを放つ。

各トラックの駆動輪はタイヤが割れ、さらにその前方にあった宇宙港に通じるゲートも崩され、

壁と車両に挟まれてトラックは動きを封じられる格好となった。

エルザはそれを見届けると、ナインキャリアーの上面にナインチョッパーをランディングさせた。

「よし、犯人の確保に入るぞ。イシス、フィーア、ウー、クオンは私に続け!」

「「「「了解!!」」」」

 

5人はゆっくりとトラックの近くに近づいていく。

「いいか、相手が攻撃してくるまでは手を出すな。あくまでも目的は犯人の確保と金塊の奪還だ」

「でも隊長、ボクなんかイヤな予感がするんだけど…」

クオンの予感は的中する。突然一台のトラックから閃光が走ったかと思うと、

まるで蟹のハサミのような腕が飛び出してきたではないか。

 

「あー、もう少しだったのに…警察の犬チクショウどもがァ!!」

中から出てきたのは、そのハサミの持ち主…右腕にそれを持つテラナーの女性サイボーグだった。

 

「隊長、アイツは…!」

「ああ、ローゼン海賊団の女海賊シザーハンドだな…」

「へぇ、俺様の名前を知ってるとはたいしたもんじゃねえか、え?」

シザーハンドは挑発的な笑みを浮かべながらK-9隊を見つめている。

「海賊シザーハンド!強盗殺人、高速道路での危険運転、重火器等取締法違反の疑いでお前を逮捕する。おとなしく此方へ来て貰おう!」

と、啖呵を切るエルザ。しかしとうのシザーハンドは薄ら笑いを浮かべていた。

 

「ククク…ヒャハハハハハ…!」

「!?、何がおかしい!!」

「バカが!そう簡単に捕まってたまるかよ!!」

シザーハンドの右腕が開き、内部からレーザーキャノンがせり出した!

 

「っ!?」

「きゃぁ!?」

レーザー攻撃の標的になりかけたエルザとイシスだったが、咄嗟に飛び出したフィーアに抱きかかえられ何とか避けることが出来た。

「大丈夫ですか?隊長、イシスさん」

「ああ、何とかな…」

「あのレーザー砲が厄介ですね…」

三人が悩んでいたその時だった。

「隊長!オレに名案があるぜ!」

「名案だと?」

勢いよく叫んだのはウーだった。驚きを隠せなかったエルザだったが、今は信じてみるほかなさそうである。

「…わかった、話を聞こう」

そして5人は犯人に聞こえないよう、発声装置の音量を下げ、作戦の打ち合わせを始めた。

「まずオトリ役がそいつのビームを引きつける。しかしヤツの腕は一本だけだ。これがどういうことかはアホでもわかる」

「ああ、攻撃に使える腕は一本だけだからな」

「つまり後ろはがら空きに…?」

「そうだ、そこをぶん殴ればいいってワケだ」

「…よしわかった。ウー、イシス、フィーアはオトリとしてやつの攻撃を引きつけるんだ。油断しているところを私とクオンで叩く。いいな」

 

それを傍から見ていたシザーハンドは相変わらず挑発を続ける。

「どうしたー?何の話してんだ?入るお墓のご相談ですかァ?」

するとウーがシザーハンドのほうを向き、大声で叫んだ!

「へっ、バーカ!テメーみてーなセコイ女をブン殴ろうって話をしてたんだよ!!」

 

「…上等だコラァ!てめえら全員鉄くずにしてやらぁ!!」

ウーの言葉を真に受け、シザーハンドは逆上する。

だがそれすらも、作戦のうちだった。右腕のアームを使いウーたちを攻撃するシザーハンド。

だが、ウーの読み通りその背後はガラ空きだった。

 

「今だッ!クオン!!」

「まかせて!どりゃあぁぁぁっ!!」

エルザのトンファーがシザーハンドの右腕に、続いてクオンの電磁警棒が背中に命中する!!

「ぐあぁっ!?」

強烈な電撃と打撃を受け、吹き飛ばされるシザーハンド。

すぐさま、他のトラックからシャークロイドが降りてきて駆け寄る。

「シザーハンドのアネキ!」

「大丈夫ッスか!?」

「ぐぅ…!」

 

「さあ、観念するんだな」

すぐさまエルザは手錠を取り出し、シザーハンドを逮捕すべく近づいた。

シザーハンドの右腕は先ほどのダメージで、すぐに攻撃が出来る状態ではなかった。

しかし彼女は再び狂ったような笑みを浮かべ、

「ククク…観念?誰が?」

と、よろめきながら立ち上がると、シャークロイドに指示を出した。

「野郎ども!こうなったら数で勝負だ!」

「「「「おーっ!!」」」」

だが、シャークロイドの性能では特別な訓練を受けてきたK-9隊に敵うはずがない。

しかも、K-9隊はここにいる5人だけではないということをシザーハンドはすっかり忘れていた。

シャークロイドが飛び掛ろうとしたそのときである。

 

「ぎゃっ!?」

「ぐえっ!?」

アレクセイの精密射撃の腕がここでも披露された。

的確にシャークロイドの脚を撃ち抜いたのだ。

 

「隊長、これでヤツらは動けない。あのシザーハンドとかいうのも武器は使えない。逮捕するなら今のうちです」

「ありがとうアレク。さあ、来て貰うぞシザーハンド!」

しかし、シザーハンドは左ポケットからリモコンを取り出しスイッチを押した。

するとどうだろう、動けなくなっていたシャークロイドが自爆したではないか!!

 

「うっ…!?」

「バカな、こいつ自分の仲間を!!」

 

煙が晴れた頃には、シザーハンドの姿は跡形もなく消えていた。

あとには、金塊を積んだトラックが残されていただけだった。

 

「そんな、自分の仲間をいとも簡単に…」

爆破されたシャークロイドの破片を手に取り、涙ぐむフィーアに、ウーはそっと話しかけた。

「それがあいつらの恐ろしいところだ。邪魔な奴らはサッサと片付ける。例えそれが味方だったとしてもな」

「でも、いくらなんでも可哀想です!」

「そうだな…だが悲しいことにこいつらは、海賊団にとっちゃ『捨て駒』でしかねえのさ…。ロボット人権団体が黙っちゃいないぜ」

そう言いつつ、ウーは泣き崩れるフィーアをなだめていた。

 

「…隊長、金塊は無事か」

「ああ、確認してみたが数が減っているような痕跡はない。犯人に逃げられたのは惜しかったが、金塊は守り抜くことが出来たんだ…今はそれでよしとしよう。リク、輸送隊に連絡を」

「了解!」

 

…その後、連絡を受けたプラネットポリスの輸送隊により、強奪された金塊は無事セントラルバンクへと届けられた。

ともあれ今回もK-9隊の活躍によって、ファンガルド星の平和は守られたのである。

だが、何時どんな事件が起きるかは誰にもわからない。

そしてそうある限りK-9隊の戦いに終わりはない。彼らは今日も、そして明日もファンガルド星の平和のため戦い続けるのであろう。

 


 
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