No.401305

超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス

さん

そろそろ急がないとにじふぁんに消されるから今日は頑張って更新しようと思います!

2012-04-01 20:27:20 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1156   閲覧ユーザー数:1134

                    第二章『死霊のアベンジャー』その2

 

 

 

 

 

 

「突き立て、終末を呼ぶ天魔の槍(デストラクション・ペイン)

「焼き断て、『煉獄ヲ裁断スル切ッ先』!」

 

闇で編まれ世界を浸食する魔槍と世の災禍を具現した煉獄の一振りが衝突する。

その波動は水が打つ波紋のように広がり大地を破壊尽くす、そんな一撃が何度も何度もぶつかり破局を奏でる

 

「クスクスクスクスクス」

 

笑う、彼女は気味悪く世界の破滅の予言するように、だがその笑みを砕くように黄金の瞳は美しい軌跡を描きながら真紅の斬撃が空を駆ける

 

「さっきから笑ってばかりで頭がおかしくなったかなぁぁ!?」

 

太刀から噴き出す爆炎を放射させ身体を回転させその爆炎は不死鳥が飛ぶ立つように吹きあられる。

ティシフォネは闇で生成された槍を投擲するが煉獄の火焔は闇すらを食い破り目的目掛け飛翔する

 

(ぬる)いですわね……魔皇の漆黒掌(ゼブル・インパクト)

 

ティシフォネの手を中心に黒い瘴気が収縮し始めそれは巨大な魔の手となりそれを持って煉獄の火焔は堰止めされ徐々に火力は収まってきた

 

「でぇぇぇぇい!!!」

 

甲高い声と共に火焔より姿を現す銀の閃光、その手に持つのは七日七晩世界を燃やしつくす煉獄の炎を纏う魔刀を持つ夜天 空の姿、迷いなき斬閃が煌き牙をむくようにティシフォネが襲いかかる……だが

 

「蠅が飛んでいます、汚く、悪質に、私を穢そうとしていますわ」

「…………!」

 

だがそんな一撃は届かないなぜなら振るった一撃はティシフォネの二本の指(・・・・)によって静止されているからだ

 

「なんで、なんでお前がここにいる!?」

「破壊神……あなた遂にお歳に負けましたか」

 

その言葉に空の口元がこれまで以上に無い所まで引き攣った

 

「あぁ、そうでしたわ貴方には人間の感性もお持ちでありましたわね。知っていますか?頭はいずれ腐るものですのよ」

「そうかい、そうかい、お前は僕に喧嘩を売っているんだね。喜んで……買わせてもらうよ!!!」

 

空の思考を共鳴するように『煉獄ヲ裁断スル切ッ先』が唸り上げ爆炎を吹かす流石のティシフォネもそれを離し後退をするがそれを見るだけの空ではない空気を蹴り一瞬にしてティシフォネとの距離を殺す

 

「無像有像の存在を焼き尽くし、現世は煉獄によって染め上げられる!!!」

 

そして煉獄の業火が吼えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォオッォォォン……

 

「空さん、大丈夫でしょうか……」

 

何度も空を泣かせる不協和音が響くネプギアは祈るように両手を握る

 

「そうね……ヤバいかもね」

 

空が残した言葉、『強いよーーーゲイムギョウ界程度の世界なら一瞬で滅ぼせくらいに』それが先ほどから頭から離れない。

 

「まぁ、あのバクの塊でチートな空さんなら問題ないんじゃない?」

「空さんはすっごく強いです、敵さんなんているわけないです」

 

確かに自分達の知っている夜天 空という人物は皆揃えて無敵(チート)と評価するだろう。

だが彼と出会ってあれほどまで焦っているのをアイエフは肌で感じた

 

「えっ……」

「どうしたのよ、ネプ」

 

突如二人は空を仰いだまま止まった何事かとアイエフ達も空を見てみるとそこには……

 

「なによ……あれ」

 

アイエフ達の視線の先には破れていくように風穴が生成されていく空

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その、程度ですか?」

 

失望したような落胆した声が気味の悪いほど響くティシフォネは血だらけで太刀を支えに要約立っている空を見下ろしていた

 

「なぜ本気を出さないのです?」

 

その問いに空は答えることなく『煉獄ヲ裁断スル切ッ先』を戻し取り出したのは突撃槍のような、剣のような黄金の武器。空は無言で魔力をその武器に込めるそれに連動するようにその武器の刃の部分は回転し始め大気を揺らす

 

天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)ーーー!!!」

 

放たれたのは天と地の間に奈落を創造させる一撃、だがティシフォネはつまらない顔で

 

「潰せ、魔皇の漆黒掌(ゼブル・インパクト)

 

それをいとも簡単に片手(・・)で抑えた。そして……

 

 

パキン……!

 

 

捻り潰した。

 

 

「あぁ、なるほどそういうことですか(・・・・・・・・・・)

 

独りでにティシフォネは何かに感ずいたようにその琥珀色の瞳を細めた

 

「良いでしょう主様からほどほど(・・・・)と言われておりますので……次で終わりにしてあげますわよ」

 

見下ろすようにティシフォネは天空に向かって手を伸ばす、すると人々の悲鳴が怨嗟が憎悪が一斉に世界に放たれ収縮していく

 

「!ティシフォネーー!!!」

 

甲高く烈火のごとく怒りを込めた空の叫びが放たれるがティシフォネは狂気の笑顔で闇を集めて剣の形をしていくその数、およそーーー千個

 

「逝きなさい、千刃の悪意(サウザント・マリティア)

 

一斉に牙をむく千の刃その狙いは立っているのがやっとの空、そしてその威力はゲイムギョウ界の半分は消える(・・・)程の威力を内蔵していることを空は一瞬で詠んだ

 

 

「くっ、ごめんゲイムギョウ界ーーー耐えてよ(・・・・)!!!」

 

純白のコートは既に真紅に染まり全身は悲鳴を上げているが、それでも空は立った。

まるで生まれたりの小鳥のように千鳥足で、理由がある今亡き親友との約束、変革させると誓った女神達を見届ける使命、意識不明の友の為に今を守護する役目が

 

 

 

 

 

 

 

                     『破壊された世界(ムンデゥス・ジャガーノート)

 

 

 

 

 

 

その言葉と共に千の悪意は消え去りその場に合った天地は空は中心を球体に破壊された。

その亜空間とも呼べる虚空の場所には文字通り原子すら許されずそこにはそれを生み出した神の姿だけが残る

 

「きひひひひひひ、いいことが分かりましたわ。これはご主人様のいい土産話が出来ました」

 

巻き込まれた残ったティシフォネの身体の半分はごっそり削られているがそれを感じさせない滑稽な表情で空を見下ろす。

空は地面に倒れておりもはや指一本動かす程度の体力しか残されていなかった

 

「あなたはいずれ完膚なきまで殺して差し上げます。私とご主人様の間を壊したあなた、そしてご主人様を傷つけあなな出来そこないの如何物を作ってしまったこと」

「…………」

 

絶対に許されることない行為をしたことを空は分かっているそれでもそれが罪と分かっていても空はただ傍にいてほしかったその想いが行動へと移りあの事件が起こった事を知っている。

けど、それでも空はずっと誤りたかった自分が間違っていたと自分が愚かだと例えあの人にどれだけ言われようが覚悟はしているだからーーー会いたい

 

「そうそう、伝言です。あなたのような愚か者でどうしようもない、本来ご主人様の声を聞くことすら如何わしいあなたに……許さないと(・・・・・)

 

たった一言を残しティシフォネは不気味な笑い声と共に闇に還って行った。

 

 

「……ごめん、ごめんなさい、」

 

残された空の瞳からは涙を溢れだしただ、許しを得るように謝罪の言葉を口にしていた

 

 

 

 

 

 

 

そこには嵐の過ぎ去ったような残痕、洗うように寂しく綺麗になった大地の上には黒のコートと白のコートをした誰かが立っていた

 

ーーーお前にとっての俺は……誰なんだ?

 

ーーー…………

 

黒は問うが白は沈黙しその深く被ったフードからは表情は見えない

 

ーーー気付いたんだ俺、いままでの事、全部……お前のシナリオだったんだって

 

黒から今にでも泣きそうな声が呟かれる、いやもしかしたら白と同じように深く被ったフードの中では泣いているかもしれない

 

ーーーお前のおかげで俺は生きようと思えた、誰かを守ろうと、頑張れたけど全部、お前の計算のうちだったんだよな

 

ーーー…………うん

 

白は要約、口を開いた。その周辺には空間の穴が幾つも開かれそこからは剣や槍等の多種の武器が黒に剣先を向けていたんだ

 

 

ーーーうぅぅぅ、ぅぅぅぅ……!

 

 

嗚咽の声が隠された黒のフードから漏れ始める

信じていたのに

尊敬していたのに

目標にしていたのに、とした想いが燃やされたようで黒は力なく大地に膝を付けた

 

ーーー帰ろう?僕はただ、君の隣にいたいだけなんだ

 

言葉は丁重だったが白の回りに展開された武器は収まらずむしろ獲物を見つけた獣のように鈍く光った

 

ーーーいや、嫌だ!

 

黒は叫んだ生まれたての子供のように自分にそして白に世界に訴えるように

 

ーーーお前に造られる運命に従うのはもう、嫌なんだ!

 

どこからともなく黒の頭上には一冊の本が姿を現した、真っ黒で漆黒で暗黒なこの世のすべてすら喰い尽くす、深淵を形容したそれは(闇|・))

 

ーーー■■!ダメだよ!!それは!!!

 

ーーーうぁっぁぁぁあぁぁぁ!!!『原初にして始原の闇(ティシフォネ)』!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ以上に最悪な目覚めはないだろうね」

 

目が覚め、まず一番目に入ったものは白い天井、視線を横にずらすとそこにはガラスの瓶に入れられた華があった。全身を見ると所々に包帯が巻きつけられていて恐らくコンパが巻いてくれたんだろうと空は軽く頭を動かす

 

「………そうだ!」

 

寝ぼけたていた頭に紫電が走り空は近くの窓を全開に開いたその先には……ただ白く掛かった蒼い空が広がっていた

 

「……良かった、本当に良かった……!」

 

震えている自分自身を抱き空が予想していたもしも(・・・)の出来事は起きることなく安心が混じった嘆息を零したところでドアが開く音がした

 

「……空さん!目が覚めたんですか!!」

 

入ってきたのはネプギアだった。ネプギアはすぐに空に近寄り怪我を気にするが空にとっては要らぬ心配、死という概念すら突破した存在でありあの程度の怪我は既に完治している。

 

「皆さんも呼んできますね!」

 

と、ネプギアは元気よく部屋を後にするこういうところは姉に似ているような気がすると思いながら空は風穴が入っていない空を安息に満ちた顔で眺めていた

 

 

 

「っで、あんたがそんなにボロボロになるってよっぽどの奴みたいね」

「ん~~相手が相手だったからね」

 

聞いた話によると心配になったネプギアとユニを先行に戦闘地へ来ていたが既に戦闘は終了しそこには空が血だらけで倒れており半分パニックになりながらも空はこの病院まで運ばれたそうだ見た目は血だらけだったのでかなり騒がれたがその時にはすでに切り傷程度の小さい裂傷だけで医者は目を真ん丸くしてらしい

 

「それに途中から空に穴が入ってきてあれ一体何なの?」

 

 

ユニの疑問に空の肩が多きく跳ね上がった

 

「……あのね、あれは……あははははは」

 

 

誰がどう見ても怪しい様子で頭を掻く空にアイエフは目を鋭くした

 

「あれは貴方の知り合いがしたことじゃないの?」

「うう、まぁ、あれ僕の性です。はい」

 

アイエフの眼光に耐えられなくなり遂に空は折れた

 

 

「……話を聞かせてもらえるかしら?」

「ん、あの怒らないでね……?」

「空さんがきちんと話してくれればあいちゃんは怒らないですよ、なでなで」

「うにぁぁぁぁ……」

 

突如コンパは空の頭を撫で始める。コンパの手の中で空の綺麗で細い黄金の髪が踊り空の顔は紅潮し猫のような甘えた吐息を零す。もしこの姿を紅夜が見たならばあまりの異常さに首を吊るだろう。

 

「「「「(なにこれ可愛い)」」」」

 

アイエフ達がネコミミが欲しいと思った一瞬だった

 

 

 

 

 

神化(デウス・クレアトール)それは空の本来の姿になる変身と呼べるものだった。

空は本来の役職は、冥獄界の管理者ではなく世界の執行者といい世界に何らかのバグが入った場合それを削除するそれが空の本職である。

その仕事は転生者の抹殺だったり、世界に異常がないかその世界の情勢を調べたりするのが主だ。

そしてその実力は全世界№3……なのだがこれには一つ付け足しての№3なのだそれは周辺の被害を無視(・・・・・・・・)しての結果だった。

神の生まれは基本的に二通りで人々の信仰が形を持った神と世界の意思が生み出した神、だが空はそのどちらにも当てはまらない唯一無二の神であり事象から空の神としての能力は非常に不安定であり無条件に周辺のモノを破壊尽くしてしまう。

そのため空は普段最低限程度まで破壊の力を抑えている。そのため普段の力では限界がありその時は破壊の力を解放し全力全壊で空は戦う、しかしそれは世界そのものを破壊する行動でもある

 

「ーーーつまりあともう少しその神化(デウス・クレアトール)をしていたらゲイムギョウ界が崩壊していたということ、ね」

「……しゅいまぜん!」

 

平頭低頭……所謂土下座の体制で空はベットの上でその体制を取った。これを紅夜が見ればあまりの異常さに電柱が折れるまで顔面を打ちつけるだろう

 

「?それじゃ空さんが使っている破壊神化(ゼロハート)はどういう原理です?」

 

「あ、ああ、あれは……レイちゃんの形見で僕はレイちゃんの残りかすの力を利用して破壊神化(ゼロハート)になっていたんだ」

 

その発言にアイエフとコンパは思わず口を閉じるネプギアとユニは事情を知らないので頭を傾げているが嫌な空気が空たちを浸す

 

「そっ、そういえば空さんのその切り札使ってそのライバルは倒せたんですよね!」

「そうね、とりあえずそれで根本的解決にはなったんじゃない?」

 

ネプギアとユニの言葉にアイエフとコンパも顔色が良くなった。確かに空の強さは本物だそれを使ってということは当然倒せたという答えになる筈だ。

 

「ううん、確かに倒したけど。結果的には退いてもらったようなものだよ」

 

空の発言に周囲の空気は再び重くなった

 

「アレは殺すことも死なすことも倒すこともできない。アレは闇そのものだからね」

「どっ、どういうことなの?」

「アレの名前は『原初にして始原の闇』」

 

空が語り始めたのはまだ世界と呼ばれるモノが無かった時代の頃のお話、そのとき全ては『光』と『闇』しか存在しなかった。

光と闇はお互いの存在を敵意し無限に等しき時間の中で争っていただがその時、光と闇の衝突時に新たなる属性『無』が出来た。

無には何もなく故に敵も味方もない世界と言う概念が無いその時代光と闇と無の闘いが全てを理となっていた。

その戦いの終末は光と闇がバラバラになったことだった散らばった光は生命を創造され、闇は暗黒を作り、無はその境界線で停止し互いの干渉を阻止する無は触れなければ無害であるがゆえに境界線においてはその存在は争いの邪魔となる、とはいえ昔のようにバラバラになった光と闇には昔のような力はなくバラバラになった自分達の身体は独自の意思を持ち行動する為、再び一つになることは難しい光と闇は戦うことを辞め自分達から生まれた世界を守護そして管理するシステム『ユグドラシル』を作り眠りについた。

 

「結構は省いたけど世界の始りはこんな感じなんだよ」

「………なんか、スケールがデカ過ぎるっていうか」

「理解しがたい、話ね」

「まぁ、もっと詳しく言えばあと10時間はいるかもね」

「そっ、それは勘弁です~」

 

既に頭がオーバーヒート直前のコンパを見ながら空は長く説明しているのに疲れたのか自己空間から取り出した水で喉を潤わせていた

 

「あの、一つ質問いいですか」

「はい、ネプギア君」

 

いつの間にか眼鏡を付け先生みたいな口調になった空におかしく思いながらネプギアは思ったこと口に出す

 

「ユグドラシルって具体的にはどんなシステムなんですか?」

 

その質問に空は難しい表情で頬を数回掻いた

 

「それも説明すると一日は必要だし多分聞いても理解できないと思うよ?」

「……やめときます」

 

それが懸命だと思いながら空は言える範囲でまとめあげる

 

「まぁ、形状は巨大な木だね因果を司っているからどんなことでも出来るよ」

 

真なる意味でこの世に一つしかないあの大樹の守護しているのは自身の親とも言える人物

そういえばこの頃会ってないなと思いながら空は遂に本題を話すことに決めた

 

「さて、長くなったけど次が本題『原初にして始原の闇(ティシフォネ)』と僕の関係を教えるよ」

 

 

 

とある昔の話、まだそれはレインボーハートが生存していてその時のゲイムギョウ界も平和そのものだった時だった。

紅夜は力を心の底から力を渇望していた。それは誰かを守るため誰かを救うことができる絶対不変の力、だが力と言うものは直ぐに見に着くというモノではなく努力や持って生まれた才能が鍵となる。

紅夜はその前者であり後者でもあった戦闘の才能は空も唸るほどの成長ぶりだったがしかし紅夜は全く満足せずむしろ無理を重ね倒れる日も多々あるほどだ。

 

そんなことずっと見てきた空はある日、息抜きと言ういい無理やり紅夜に興味を誘う場所へと連れて行ったことがあった、そこがこの世のすべての始りである闇である『原初にして始原の闇(ティシフォネ)』と無である『原初にして虚無の零(ザイアス)』光である『破滅にして照臨する光(ルイルドル)』が眠っている場所である。

世の中で最も最古であるこの三つの存在の二つはバラバラになっているので、その力は全盛期と比べ天と地の差があるほどだが、

全てを無に変える力は絶大で触れた物がどんな概念でも法則でも無かったことにしていしまい

全てを闇に染める力は無限の底がありとあらゆるものを飲み込むその存在は再び光を見ぬことは不可能であり

全てを光で照らす力は無慈悲であり万物を破滅させるとともに勇気や希望の象徴として見る物を崇めさせる美しさ

だがその力は強大であり使用者を選ぶとされているが世界という概念が生まれそして神が生み出された遥か昔からその『光』『闇』『無』を扱える存在が出現することはなかった

使えない理由としたらそれはその力の大きさ(・・・)世界を支配できるほどの力だがそれを背負えるほどの()は世界創生から出現することなく、そのうち誰もが恐れ使おうと思う者はいなくなった。

そして、『原初にして始原の闇(ティシフォネ)』、『原初にして虚無の零(ザイアス)』、『破滅にして照臨する光(ルイルドル)』は始りの象徴として神の中で崇められていた……だが紅夜は誰も扱えないという『原初にして始原の闇(ティシフォネ)』と会話した。

 

それからは空の義理の父親でもあり世界№1の『アルゼント・ユグドラシル』でさえも自分の頬を抓るほどの出来事が起こった。

『((原初にして始原の闇|ティシフォネ)』が実体化し紅夜の前に現れ膝を着いたのであった……その瞬間、紅夜は全ての闇の支配者であり司る存在王神(・・)となったのだ。

空達含め神側はこのことに大きく震撼した神でもない者が世界そのもの、神すら生まれる前から誰も扱えない力を罪遺物(・・・)が所有者に選ばれたのだ。

もし紅夜が神側を攻めた場合、その被害は考えれないものであり紅夜自身も昔は世界に反逆(・・)した事例がある罪人であり一時は紅夜を暗殺しようとする動きもあったがそう提案した神達はその日に消えた(・・・)

 

何のまえぐれもなく忽然と存在そのものが無かったように、しかし誰がやったのかは誰もが分かって誰も言わなかった、もし言ってしまえば確実に消されることなんて誰もが予想できた。

その紅夜の暗殺(・・・・・)を企てた神達の持っていた道具を無邪気に壊して(・・・)遊ぶティシフォネの姿を見ながら誰もが思った。

 

ティシフォネは当初、感情すらあるかどうか怪しかったが紅夜がまるで親が子を学ばすように付き合い徐々に感情と言う者を構築していった。

それと同時に空と紅夜は一緒にいる時間が極端に無くなったどこで間違ったが紅夜に甘え紅夜に敵対する全ての存在を消滅されるティシフォネは空にとっても恐怖以外なにものでもなかった。

それに紅夜も空から遠ざかるようにお互い顔を合わせることも無くなった。

 

 

 

そしてーーー悲劇は起こった。

紅夜が『原初にして始原の闇(ティシフォネ)』の力に耐えきれず暴走(・・)したのだ。

何よりも人を救い守ることを信念としていた紅夜は異世界に赴き人を救う為、守る為、無理を重ね更に『原初にして始原の闇(ティシフォネ)』という強大な力と常に行動を一緒にして性で紅夜の身体は闇に犯され闇を制御できるほどもう精神も正常ではなくなっていたのだ。

 

一番先に動いたのは空だった。

そのとき空は狂喜していた自分の居場所(紅夜の隣)でもあった場所を取り戻せるかもしれないと神化(デウス・クレアト-ル)で真の姿に更に空自身の最後の切り札でもある証を使用し更に自分の命を賭ける覚悟で『破滅にして照臨する光(ルイドロル)』も使用し空は紅夜の正気を取り戻させティシフォネを退かすことが出来た。

それで終わりだと誰もが思ったが暴走した紅夜はいままでの記憶が闇に染まってしまい記憶喪失となってしまった。

しかし紅夜の精神は正常そのものだった為、いつか闇を祓ってくれるとくれると空は信じ異世界でどこにでもいる人間(・・)とおなじ生活をさせた。

 

 

戦いとは無縁に普通に生きて

無理もせず友達と勉強したり

そして誰もがする恋をしたり

監視していた空は嫉妬してしまうこともあったが記憶を失った紅夜はとても楽しそうだった。

 

 

そんな中、ティシフォネは再び現出したそして紅夜の恋人を殺して(・・・・・・)紅夜の友人も皆殺ししようとしたがなんとか空が駆け付け止めた。

その時、紅夜は記憶を取り戻しティシフォネを拒絶(・・)した。

例え記憶を失っていてもそれは思い出として紅夜に残っていて自分の恋人が目の前で殺される記憶が頭の中で何度もリピートされた結果だった。

良くも悪くも紅夜は人間であった為、それ以降ティシフォネは姿を現すことなくどこかへ消えていった……

 

 

 

「なにその昼ドラ的ドロドロ感」

「ユニ……って何気にキツイツッコミいれるね」

 

空はユニの言葉に冷や汗を掻きながら喋り疲れたのかお得意の空間操作から飲みモノを取りだし口に付けた。

 

「まぁ、ティシフォネと僕の関係は恋敵(・・)っていうのが近いね」

「ちょっと、待って紅夜はティシフォネを拒絶したんじゃないの?」

「……問題、紅夜は強くて、鈍感で?」

「お人好し……ですか?」

「そういうこと」

 

確かに紅夜はティシフォネを拒絶した、そして親に捨てられた子供のようにティシフォネは泣いたり、喚いたりとその場から動くことが無かった

 

「居場所が欲しかったんだ。ティシフォネは」

 

感情という概念を持ったティシフォネを襲ったモノは孤独感、紅夜と一緒にいるときは思ってもなかった想い

 

「最終的に紅夜はティシフォネを許すことはなかったけど怨むことを辞めた。ティシフォネを再度、受け入れた」

 

誰もがそのとき、正気かと訴えたが紅夜に既に迷いなくティシフォネの手を握った。

しかし二の舞を踏むことを恐れた紅夜はティシフォネと契約を交わした『なにがあっても俺のやることに干渉しないこと、俺の言うことを決して破らないこと、そしてお前は俺の家族(・・)だ』

 

「ほんと今もそうだけど昔はもっとすごかったよ鈍感さとか、お人好しとか」

 

そのとき、ティシフォネは子供のように泣きじゃくり紅夜に突進していたことを思い出す。

それから紅夜は無理をせず自分のペースで強くなった紅夜の実力は上級神と互角なレベルまで強くなった。

まだそのとき紅夜の信念は折れず新たに手に入れた最古の闇をコントロールするために修行にも力を込めた

 

「それじゃ、ティシフォネさんはなんでゲイムギョウ界に居るんですか?たしか紅夜さんは……」

「そう、そこが問題」

 

ティシフォネは紅夜に対して病んでる程の絶対服従だが逆に他人には興味すら持つことが奇跡と呼べるほど人物なのだ。

残念ながら今の紅夜は昔を思い出すこと自体を拒否している。

本当にティシフォネの目的が復讐なら周辺のことを考えず空はともかくゲイムギョウ界は既に闇に染まっているだろう

 

「紅夜って双子の兄弟とかいるの?」

「居ない、紅夜の存在は紅夜ただ一人」

 

平行世界(パラレルワールド)すら存在することが許されない紅夜程の罪を背負っている。だから紅夜が複数人いることは絶対にあり得ない

 

「それじゃ、ティシフォネさんが黙れているとか……」

「あのティシフォネを騙せる人物がいたら是非見てみたいよ、それにティシフォネの実力ならマジュコンヌなんてそこらで群れになっている蟻と同レベルだぞ?」

 

目標狙って足上げて振り下ろすだけ何と簡単

 

「はぁ、なんでラスボス以前よりそんな奴のこと考えないといけないのよ……」

「ははは……」

 

ティシフォネを退けてもゲイムギョウ界にはマジュコンヌそしてディスペア・ザ・ハードが居ること忘れてはいけない

 

「ティシフォネが出てきたら僕に任せて、あれは僕と同じ規則外(チート)だから」

「そうするわ。はぁ、あんたが起こした事件以上に大きくなりそうね」

 

それに対しては否定する要素がない空だった。

 

「とっ、とにかくケイに素材渡してゲイムキャラに会いに行こうよ」

 

空の掛け声に要約、話は終わり空も身支度をし外に出る。

眩しいほど輝く太陽が目を刺激しながら空はふと呟く

 

 

「ティシフォネとおなじ(・・・)ことをした僕を君は許してくれる?

 

 

 

 

 

 

ねぇーーー紅夜」

 

 

 

無造作に捨てられているゴミのようにモンスターが徘徊し辺りは畏怖を感じさせる黒い空が天上を支配している大地、そこは『ギョウカイ墓場』死んだものが招待され冥獄界へ堕ちていく場所

 

「…………」

 

目の前は光さえも飲み込むほどの暗黒さを感じさせる一冊の本と身体を覆い隠すような漆黒のコートを羽織った人物が近くの壁に体重を任せていた

 

『破壊神、そしてあの如何物、どうしますご主人様が望めば私は……』

 

本の中央に飾られている宝石がひとりでに声を上げ始めたこの本は無機物でなく生きている、そう感じさせる程、優しくて、心配そうな女性の声

 

「ーーー当分は放っておいてもいいと思うよ」

 

少しだけ考えて漆黒のコートを羽織った人物『レイス』は答える

自分達もその気になれば冥獄界へ行けるがその時は冥獄界で蠢くモンスターと戦わなければならないそれには時間も必要でありかなりの疲労も予想されあまりいい手とは思わない。

そして、いま女神候補生に同行している破壊神はたとえこの世界をごと滅ぼしても何事もなかったように脱出しこちらに牙を向けるだろう。

一番都合がいいのは冥獄界を支配しゲイムギョウ界へ一気に攻め滅ぼすのが簡単だが、そう簡単にできるわけもなく更にマジュコンヌは復活(・・)できたものの((器|・)にした肉体が今でも拒絶するので全く力を発揮できない状況で、決定的な手札がないままマジュコンヌ側は指を噛んでいる

 

『しかし、破壊神はご主人様の敵、時代遅れの婆豚を抹殺しその暁にこんな世界を如何物ごと闇で染め上げるのが最善だとティシフォネは考えております』

 

その発言にレイスはやっぱりこいつの思考は恐ろしいと思う。

要は裏切ってそのままこの世界を滅ぼして去ろうという考え方だ今の状況を考えればその計画も悪くはないのだが

 

「ティシフォネ……分かっているだろう?俺の身体」

『…………』

 

決して外れない鎖、それはレイスをいまでも縛り犯し続ける。今でもこれからも永遠に

 

「いまからでも、遅くないよ。お前と空亡だけでも……」

 

『嫌です。私はご主人様に魅入られ従者となった闇、もしご主人様が死ぬ時は私はこんな運命を決めた世界を呪います。あの娘もきっと反対すると思います』

 

レイスは隠したフードからも分かるほどの困ったため息を放つ。

最古の闇ティシフォネは全ての闇と何らかの形で繋がっているそんな彼女が世界を呪えば全ての闇が一斉に世界に攻撃し始める。

そうなると世界を守護する神が一斉に闇に対峙それは全ての世界を巻き込んでの戦争(・・・・・・・・・・・・・・)となる訳でもう被害とか考えるだけ身震いをしてしまう、そこまでティシフォネという存在は世界の均衡に関わっているだ

 

「まぁ、こいつら(・・・・)が助けられるのを待とうな、そうだ今日はお前が大好物なプリンを作ってやるよ」

『本当ですか!?ご主人様!クリームオニ盛りで頼みます!』

 

興奮しながらレイスに近付くその様子は兄の手料理に喜び妹のようだった

 

「食べたらちゃんと歯を磨けよ?」

『虫歯が怖くてプリンが食べられますか!!』

「……はぁ」

 

どこで教育を間違えたのか頭を抱えたままレイスは荒れた荒野をティシフォネと歩く

 

「……………」

 

ふと、足を止めレイスは振り向いたがいつの間にか実体化したティシフォネに手を引っ張られ闇に消えた

 

「う、ぅぅぅ……」

 

レイスが振り向いた視線の先には複雑に束縛された四女神の姿と

 

「つ、次は、負けねぇぇぇぇぇ…………」

 

上半身を地面に突き刺された状態でもがくジャッジ・ザ・ハードの姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……確かこの辺りだっけ?」

「はい、ここの辺りだという話です」

 

いくつもの巻貝のような建造物が立てられているダンジョン『セプテントリゾーン』その場所にネプギアは一同の姿があった目的の素材を手に入れ等価交換の形でケイにここにゲイムキャラが居るという情報を貰いやって来たのであった。

 

「ゲイムキャラさんどこにいらっしゃるんでしょう?」

「情報通りならこの辺りのはずよ。今さらウソの情報を渡すとも思わないし……」

「絶対あるわよ。ケイあんな性格だけど、嘘だけはついたことはないわ」

 

恐らくこの中で一番ケイを見てきたユニそう言うとアイエフ達の顔も安心した表情になる、空は初めからあのような人物は嘘を付くことは少ないと理解している為、不安要素は全くない……もし嘘なら空が少し手を滑らせて(・・・・・・・・)ケイのプライベートが四大陸全域に流れることになることになるだけだ

 

「あ、ありました!」

 

ネプギアが見ている方向へ一同そちらに視線が向くそこには祭壇らしきモノの中央にはめられている黒いディスクの姿

 

「はい!、…あれ?誰かいるです」

 

良く見れば途中で曲がっているパイプらしき武器を肩に置いた人物が祭壇の元へ口を吊りあげながら近付いていくが見えた

 

「あの人……!」

「確か、あいつと一緒にいた奴!」

 

なんの好意か自分達にゲイムキャラの欠片を渡してきた四女神を蹂躙した男の近くにいた女性だとネプギア達は思い出した

 

「まずい!あいつマジュコンヌ側だわ!!」

「へぇ、そうなんだねぇユニ」

 

今すぐにでも走りだそうとするネプギア達をしり目に空は横に居るユニに声を掛けた

 

「ここからーーーいけるよね(・・・・・)?」

「ちょ、なんの話をしているのよ!」

 

不敵な笑みを浮かべる空にユニは空の思考が分かったようで背中に背負っているアサルトライフルを素早く構えた

 

 

「----私を誰だと思って?」

「完璧な姉にコンプレックスを持つ小悪魔系ツンデレ」

「う、うっさいわね!」

 

そのの言葉と共にユニのアサルトライフルが火を噴き、今まさに振り下ろそうとしているリンダのパイプだけを弾いた(・・・)

 

「----!!」

 

弾かれ宙を舞うパイプそして腕に振動が来てその痛みからしゃがむリンダ

 

「す、すごいです……」

 

ユニが行ったのは狙撃、それも武器のみを狙っての正確な射撃だった。

 

「ユニちゃん凄い!!」

「ふ、ふん!紅夜に比べたらまだまだよ」

 

恐らくユニは置いて行かれたことを悔やみ更に努力を重ねたんだろうその結果、まだ射撃のみだが姉に勝っている(・・・・・)と空は内心そう確信した。

 

「はい、浮かれてないでないで行くよ」

 

褒められることに慣れていないユニは顔を真っ赤にするが残念ながら今は素直に褒めている状況ではない

 

 

「て、テメェらぁ……」

 

痛む手を抑えながら立ち上がるリンダその表情は怒りに満ちていた

 

「ゲイムキャラは傷つけません!」

「マジュコンヌ側のこと知っていること全部、話してもらうわよ!」

 

ネプギア達も武器を構えリンダその矛先を向ける女神候補生二人に破壊神、あと一般人の中で強いクラスにはいる二人と到底、下っ端であるリンダにとっては手に余る戦力だ

 

「ちっ、誰が話すかよ!!!」

 

痺れていない方の手をポケットに突っ込み取りだしたのは一見変哲もない一枚のディスクだがそれをアイエフ達は知っているモンスターを召喚する装置だということを、ディスクから不気味な魔法陣がいくつも出現しそこから黒く染まったモンスター達が現れネプギアとユニを視線に収めたとき一斉に牙をむき始めた

 

「頼むぜ、お前らぁ!!」

 

咆哮と共に汚染モンスターは血走った目でネプギア達へ飛びかかる。

呼びだしたモンスターは約30匹あの破壊神がいることを考慮してこれだけ出せば逃げる時間ぐらいは確保できると考えた結果だった……だがそれが幻想だったと思うのは空が太刀を抜いた時だった

 

「烈火燐」

 

鉛色の刃が露出した瞬間、火の影と共にモンスターは無残な屍と成り果てた

 

 

「さぁて、君には三つの選択肢をあるよ。ここで全部話して消えるか。忠誠を守る為にその下を噛み砕いて自害するか。それとも女性の身体で居られないような拷問でぐしゃぐしゃにされてから自白剤で洗いざらい話すか……どっちがいい?因み個人的には後者をやりたい」

「ひっ……」

 

首を浅く斬られ刃を通る自分の血、リンダは目の前の恐怖にまるで金縛りでもあったかのように身体が硬直する

 

「空さんやりすぎです!」

 

仲間の声に空はその刃を離しこちらとあちが両方みえるほど振り向き

 

「嘘だよ。ウ・ソ☆」

 

それそのものが嘘だとリンダは確信した。

破壊神の仲間らしき奴を見る目は、紳士のような穏やか顔そしてこちらを見る目はオモチャを見つけたような狂気の笑み

 

「(ヤバい、ヤバい……!)」

 

全身から脂汗が溢れ生殺与奪をされた気に思わせる鈍く不気味な黄金の瞳がリンダの心臓を掴まれたような感覚を覚える

 

『リンダそこから動くなよ』

「!」

 

頭に響く優しくそしてナイフのように尖った声、直ぐに誰かは理解し小さく深呼吸をする

 

「…………ん?」

 

空は不思議に思った多少、強い人物でも震え立たせるほどの眼力で睨み抵抗力を奪ったつもりだったが目の前の女性はまるで勇気づけられたように落ちついた表情になった

 

 

ーーーー紅蓮、激流、極冠、疾風、雷電、暗黒、聖光

 

 

「ちょ、えぇぇ!?」

 

突如として空間に魔法陣が展開されその中央に七色魔力が渦を巻き繭のような球状を構築していく

 

「ちっーーー!!!」

 

ネプギア達とこの下っ端らしき人物を見る。

希望は今ここで摘んではいけない更に近くにはゲイムキャラがいるそれに比べこれはいい情報があるかないかの賭け、つまりどちらを切り捨てる(・・・・・)かその答えは直ぐに決まった。

 

「ぐっ!」

 

捕らえている奴を蹴り飛ばし虚空を蹴り直ぐにネプギア達の元へ駆け寄る。

この魔法の威力は砲撃型殲滅魔法その威力は自分達がいるこのダンジョンは消える程の威力そしてその恐ろしさは作った自分(・・・・・)が良く知っている。

 

 

ーーーなんてね

 

 

「!?」

 

蓄えられた魔力は嘘であったかのように分解し七色の粒子が雪のように降り注ぐ

 

「一体なにが起きているの!?」

 

突然の展開にネプギア達は混乱している。それを横目に空は太刀を収める

 

「…………やられた」

 

先ほどの魔法はフェイク、初めっから目的はあの下っ端の救出にあったのだ。

見事にやられたと空は疲れたようなため息を吐いて

 

「あはは、そういうことか」

 

そう呟き空は悲しそうな嬉しそうな複雑な顔でネプギア達の元へ戻った

 

 

 

ネプギア達は頭を抱えた空の様子がいかにもおかしいのだ嬉しいような悲しいような言葉では言い表せないほど複雑で空を仰いでいた。

 

「あの空さん……?」

「……………」

 

ネプギアが心配し声を掛けるが結果は無視という沈黙

 

「空さん、頭を打ったんですか?」

 

普段の空なら考えれない沈黙にコンパはナースとして心配して空に近付くいたとき要約、銀の瞳を動かした

 

「どうしたのよ、顔いろが悪いわよ?」

「……なんでもないよ、僕あっちで潮風浴びて来る……」

 

知った真実は重く空はそれを整理することが苦くそして悲しくネプギア達に背を向けどこかに歩き出した

 

「……どうしたのかしら」

「さぁ?」

 

彼女達は知らない空の過去をそしてそれを助けてくれた人を敵として認識しなければならない絶望感を

 

 

 

 

離れていく空の背中をどうしたらいいか分らないまま見送るネプギア一同だったが本来の目的であったゲイムキャラのことを思い出しネプギアは先導に立ち祭壇に飾られている黒いディスクの前に立つ

 

『お前がプラネテューヌの女神候補生か……』

「はい。あの、私についてきてくれませんか?」

 

秩序と循環を司り有事の際には悪を祓う力を秘めているというゲイムキャラ、ネプギアパーティは今それを集めている

 

『だめだ』

「っ、なんでですか!?」

『私は女神無き時、この大陸を守護する使命がある』

 

ネプギアは思わず唇を噛むゲイムキャラの言っていることは正しい。

ゲイムキャラも女神と同じ少ない守護属性もし彼女が離れればこの大陸はマジュコンヌの魔の手に落ちるかもしれない

 

「では、どうすれば私達に着いてきてくれますか?」

『人の話を聞いていたが?私は無理だと言った』

 

執拗に迫るネプギアを鬱陶しく感じ始めるゲイムキャラ

 

「私は立ち止まるわけにはいかないんです。私の大事な人は、命を賭けて私を助けてくれました。だから……私は止まれない、止まってしまったら、絶対に後悔するから……!」

 

もし立ち止ってしまえば今度こそ空には絶望され命を賭けた紅夜に顔を合わすことすらできなくなるから、ネプギアはそれがどんな道であっても歩んでいかなければならない

 

『…………』

「だからゲイムギョウ界をみんなを守るために力を貸してください!」

 

空は未来をある程度知っているだからこそネプギアに対しては厳しい態度で当たる事があったその中で空はネプギアに口癖のように言っていたことが二つある“後悔してんも、苦悩しても、過去を悔やんでも、なにもしないことは愚かなこと”と“もし君がどれだけ強くなっても紅夜のように誰かを頼ること、じゃないと自分じゃどうしようもない壁に当たった時、過去を振り返ることしかできなくなる”それをネプギアはまだ理解してないところがあるが少なくても空の言っていることが間違いではないことは分っていた

 

『……私にも使命がある』

「…………」

『だが力の一部だけなら貸す事が出来る』

「!それは……」

『そなたの覚悟は分った。ならば私は私という個人の意思でお主に力を貸そう……受け取れ』

 

そういいゲイムキャラは光を放ち自分より小さめのディスクが生成されネプギアの手の中へ下りた

 

「……ありがとうございます!」

 

これで二つ目あとはルウィーとリーンボックスだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めれば見えるのは紅い色のオブジェ等が並ぶ貴族が棲んでいそうな高級感あふれる部屋……まぁ俺の部屋なんだが

 

実家がリーンボックスにあるからここは別にどうでもよかったからあんまり物は置かなかったが気づけば空が改造していた。

外すのが面倒だったから放置しておいたらいかにもこの禍々しい世界では不釣り合いな聖剣とかも飾りだしたグラムとかカリバーンとかレプリカらしいが本物に似せて作っているらしくその美しさにはたまに見惚れてしまう事がある。……あとはロンギヌスもあるのだが神殺しの武器を平気で持っている空を俺は突っ込むべきだったのか

 

ベットから降り直立に立ち軽くストレッチしながら身体の調子を確かめる。結果としては完全回復だ。

 

更に先ほど確認したが空は書き手紙残していて“紅夜が背負っているゲイムギョウ界の負の75%は只今僕が引き継いでいるから”ということらしいなのでさすがに残りの15%は余裕だ。

おかげで俺の身体に浮かび上がっていた負印は今はないので俺の身体は只今鎖から解き放たれたように軽い、傍に合った緋壊螺と紅曜日を装備しさっそくゲイムギョウ界にいく準備をする。

負印が退いた事でモンスターに悪影響を及ぼす原因が無くなったので安心してネプギアに会いに行くことが出来る。ただ……

 

 

「………冥狂紅魔獣(ブラッディハート・ベルゼルグ)

 

それは俺の可能性、世界を滅ぼす化物(モンスター)の姿、俺はその姿になる気は無い。

だけどあの黒いコートの闘いで俺は俺を見失っていた。

負に呑まれただ破壊衝動だけが記憶の中で刻まれている。いや身体にそう俺の右手は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――人ならず化物(モンスター)の手になっていた

 


 
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