yukito side
中学二年の終業式が終わって俺は今日も部活をしていた。雛見沢はまだ寒く雪があまり降らない場所出身の俺は寒さで震えながらこの4年間部活をしていた。
俺は部活メンバーを見る。圭一は男らしさが上がっているし、レナと魅音はさらに魅力的になっている。梨花と沙都子も背も大きくなって色気も出てきている。ただ、沙都子の胸はかなり大きくなったが梨花は……くっ!
「雪人? 何を考えているの?」
「何でもないよ梨花」
梨花が俺を睨みながら聞いてくる。意外と気にしているようだ。一度、まじで殺されるかと思った時がある。
そして雛見沢にさらに変わった事がある。それは……
「雪人。女の子に失礼な事を考えちゃダメだよ?」
「分かってるよ悟史」
北条悟史が雛見沢症候群を克服したのだ。本当にギリギリだった。こればっかりは入江の腕のおかげだろう。沙都子などは本当に喜んで一日入江のメイドとして奉仕していたくらいだ。入江はその時寝不足で隈ができていたがとても嬉しそうだったのでよしとしよう。
ちなみに悟史と詩音は付き合っている。砂糖を吐きたくなるようなラブラブカップルだ。見せ付けるのは勘弁して欲しい。
俺はみんなの前に立つ。
「あーっと。こほん。本日は俺の送別会にお越し頂きまことにありがとうございます。私のような者にこれほどまでの人物が集まってくれた事、これほど嬉しい事はありません。と、前置きはここまでにして。部活やろうぜ!」
「「「「「「おーーーーーー!」」」」」」
俺の部活の開始の宣言を聞くとみんな眼の色が変わる。
そこから俺たちは色々な勝負をした。爺抜きから始まり。人生ゲーム鬼ごっこ缶蹴りマージャンダウト大貧民。とても楽しい時間だった。
そして、夜が明けた。
「…………」
これは……どういうことだ?
「おかしい。何かがおかしい」
「おかしくないよユキくんはかあいいよ」
レナがかあいいモードになりかけている。
「レナ。君のその言葉がすでにおかしい事に気が付いてほしいな」
「うんうん。やっぱりユキちゃんはこの格好じゃないとね」
「似合ってますよ。ユキちゃん」
「いや、やっぱりおかしい。」
園崎姉妹め。今日も色んなコスプレをさせてやろうと思ったのに。
「やっぱり雪人には白い色の服が……」
「いやいや。やっぱり黒と白い肌のコントラストが……」
「ほらそこの馬鹿二人。男の女装について談義するなー」
圭一と悟史が語り合っていた。悟史は圭一に毒されて……ダメだ。腐ってやがる。助けるのが遅すぎたんだ。まあ、こんな風になっても悟史と詩音はラブラブだけど。恋は盲目だな。ちなみに圭一はまだ彼女はいない。作ろうとはしているみたいだけど。幸せは周りにあるのにね。面白そうだからまだ言わないけど。
「何で俺はこの門出に女装してるんだよおおおお!?」
「おーっほっほ! 女装が雪人さんの宿命だからに決まっているじゃありませんか!」
沙都子が笑いながら言う。
「作者が意図的にやらせようとしているんですから諦めなさいな。最後のほうには女子こ、むぐっ!」
「ダメよ沙都子。それ以上はいけないわ」
メタ発言をしようとした沙都子を梨花が黙らせる。
「くそう! ここは俺が勝って皆に色々してああ、楽しかったで終わりじゃないのかよ!?」
「この部活がそんな甘い事するわけないでしょう」
「くそっ! なんて世界だ!」
俺は思わず頭を抱えてしまう。
「じゃあ、罰ゲームを言い渡すよ?」
今回の部活の一位の魅音が発表する。
「え? 女装が罰ゲームじゃなかったの?」
俺は魅音の言葉に思わず聞き返してしまう。
「この部活の罰ゲームがそんなに甘かった事って……あったっけ?」
言い返してきた魅音はとても”いい”笑顔をしていた。
俺の頭の中を色々な罰ゲームが駆け巡る。
油性ペンで落書きして下校。女装して下校。知恵先生にカレーの悪口を言う。洗脳された。校長先生の頭を触る。二十七回コンボからバスケされた。女装してナンパする。かなり声を低くしていたのにOKされた。女装して興宮で荷物もちをさせられた。
「絶望した! ろくでもない罰ゲームばかりで絶望した!」
畜生。なんて部活だ!
「じゃあ、罰ゲームを言い渡すよ。その服装のまま……」
「この服装のまま?」
「引越しした先でご近所さんにご挨拶する事!」
ゆきと は めのまえ が まっくら に なった ▼
「それじゃあ。行ってくるよ」
罰ゲームを言い渡された俺は荷物を持って皆とお別れしていた。
「おう! 行ってこい雪人!」
「いつでも来てね? 待ってるよ」
「部活の部員として向こうでも頑張ってきな」
「帰ってきたらそっちの話も聞かせてくださいね?」
「またね、雪人」
「まあ、私ほどではありませんが、あなたならどこに行っても大丈夫でしょう!」
圭一、レナ、魅音、詩音、悟史、沙都子が言ってくれる。
「雪人」
梨花が一歩前に出て話しかけてくる。
「ありがとう。あなたのおかげで誰も死なずに運命の袋小路を抜け出せた」
「いや、俺の力じゃないよ。梨花たちの力だ。梨花なら敵が鷹野だってわかったら次の世界で抜け出せたさ」
「それでも、ありがとう。私の救世主」
そう言った梨花はとても爽やかな笑顔だった。
「それじゃあ、行ってきます!」
俺は歩いて村を出る。
適当な場所で次の世界に行こうと思ったが俺は導かれるようにまっすぐ進んでいく。すると前のほうに人影が現れた。
「雪人」
「羽入」
人影の正体は羽入だった。
「お前も俺を見送りに?」
「はいなのです。ありがとうございます。梨花を救ってくれて」
そう言って羽入は頭を下げてくる。
「いや、梨花にも言ったけど俺は梨花が何時かやるだろう功績を前借させただけだ。俺の力じゃないよ」
「それでもなのです」
「それじゃあ、感謝されておくよ」
俺がそう言うと羽入は笑う。
「それじゃあな。羽入。梨花と皆ををちゃんと守るんだぞ?」
「当たり前なのです! 私は村の守り神なのですよ?」
「ははっ! じゃあ、またな」
俺はそう言って翼を生やす。翼が俺を包む。
「行きなさい人の子よ。これからあなたは幾度となく理不尽に襲われるでしょう。それでも自分を見失わず貫きなさい」
羽入が俺に言う。どういうことか聞く前に俺の転移が開始されてしまい聞けなかった。
わぁ! 今度は僕達の世界なんですね!
ええ? ちょっと勘弁してよ。先生が変わってドタバタに巻き込まれているって言うのに今度は男子学生がクラスに入ってくるの? 嫌よ、私は!
ええ!? 新しいクラスの仲間じゃないですか!
普通のクラスだったら良いけどここは女子中学校なのよ! 男子が入ってきたらダメに決まってるでしょう!
ああ! そっか!
しっかりしてよね! 嫌だけどあんたが私達の先生なんだから。
は、はい! 頑張ります!
次回
魔法生徒ユエま! 一時間目!
こんにちは。作者です。
ようやくひぐらしのなく頃にの世界も終了いたしました。
次回からはあの世界。本当ならエヴァンゲリオンも行きたかったのですがシンジくんを救えるイメージが出てこない。無理! という事で飛ばして次に行く予定だった世界へ。
それではまた次回に会いましょう。
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交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。