・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・ダメだ、眠れない・・・
まずったな・・・電車でブラックコーヒーを飲んだのがまずかったか・・・
仕方ない、眠くなるまで外で海でも見ながら散歩でもしよう
えっと、Ipodを持って・・・
ガチャン!
ん?やっぱ皆寝ているな、全部の部屋の明かりが消えている
さて、外に行くか
~別荘の外にて~
「うぅ・・・寒い・・・」
やはり夏とは言えど、夜中だから冷え込んでいるな
まあ我慢できないほどではないし大丈夫かな
今は午後の2時か・・・
暇だし海でも見に行こう
~海岸にて~
ザザーン・・・・・・・
今日皆と遊んだ浜辺に着いた
やっぱ昼と夜で人がいないのは全然違うものだな・・・
昼は静かである意味最高だけど、夜は静か過ぎて波の音しかしなくて不気味だ
鳥すらいないのもさらに不気味だ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そういや、律や唯達学園祭でメイド服とかいろいろ話していたな・・・
世間では、『かわいい』とか『萌え』とかそう言われているらしいけど
やはり俺にはよく分からない、いや分からなくなってきている
あの時か・・・魅音・・・ごめんな・・・
俺が臆病で内気だったから・・・
俺がお前と関わらなければ・・・俺があいつとも仲良くいていれば・・・
お前があんな事にならずに済んだのに・・・皆仲良く楽しい人生を生きていけたのに・・・
全ては俺のせいだ!俺のせいだ!俺のせいだ!
俺は今いくら罪滅ぼしをしてもいくら謝ってもお前にもう会うことは出来ない・・・
俺は・・・本当に・・・”あいつ”を・・・
「・・・俺は・・・何て情けないんだ・・・クソ!」
俺は涙を流してしまった
「ゴメンな、凛音・・・俺がお前を・・・守ってさえいれば・・・代わりに俺が・・・死んでいれば・・・」
「泰広君・・・」
「・・・紬!?それに澪まで・・・」
「悪いな、盗み聞きするつもりじゃなかったが・・・」
「ゴメンなさい・・・でも、泰広君が外へ行くところを偶然見かけたの」
「私も・・・ちょうどトイレに行こうとしたら泰広が外に出て行くところを見かけたんだ」
「2人とも・・・起きていたのかい・・・?」
「うん・・・私も寝付かなくて・・・」
「私はちょうど起きた所なんだ」
「そう・・・・・」
「それで泰広君・・・さっきの話は・・・」
「ゴメン、何のことだい?」
俺は涙を見せないように鼻を腕でぬぐうように涙を拭いた
「隠すな・・・もう聞いていたんだ」
「本当にゴメン、一体何の話なんだい?」
「隠さないで・・・!『凛音』さんって誰なの?」
「そうか・・・聞いてしまったのか・・・」
「ああ、悪いが大体聞いていたよ」
「ゴメン、誰にだって話したくはない事はあるんだ・・・」
「しかし、泰広!!」
「唯ちゃんの言っていた『あの日の事』って何なの?」
「・・・!!?なぜそれを・・・」
「泰広・・・お前が終了式の日保健室に行っただろ?その時唯がお前がいなくなった時正樹に話したんだよ。でも、正樹は答えなかった」
「これ以上は止めて欲しい、俺にだって話せない過去があるんだよ・・・」
「・・・分かったわ、でも泰広君・・・」
「・・・何だい?紬」
「私・・・・・泰広君の事が好きなの・・・」
「・・・・・は?」
「だから・・・泰広君の事が好きなの!」
「へぇ~・・・って、え?」
「な!・・・/////」
「私ね泰広君の事が好きなの。皆に優しくて、泰広君が好きなの!
いつも放課後に笑っている泰広君の笑顔が好きなの!
実は私昨日お昼あなたが澪ちゃんを説得する時の台詞聞いていたけどとてもかっこよかったわ!
それと私を名前で呼んでくれたときとても嬉しかったの!だから・・・泰広君!!」
「(私はここから離れよう・・・/////)」
「・・・ゴメン、紬・・・俺は君と付き合うことはできないんだ・・・過去の罪は消せないんだ・・・」
「私とじゃダメっていうの・・・?」
「違う、そういう事じゃない・・・ただ今は無理なんだ・・・簡単にいうなら俺は付き合う資格がないんだ、それじゃ・・・」
「待って!!お願い!!泰広君!!」
俺が部屋に戻ろうとした瞬間紬が俺の背中に抱きついてきた
こんな事言うのもなんだが、結構大胆だな・・・
「・・・紬・・・悪いがさっきの事は内緒にしてほしい」
「・・・・・分かったわ、じゃあせめて私の事を『ムギ』って呼んでほしい!!」
「分かったよ、じゃあ俺はもう寝るよ・・・ありがとう・・・ムギ」
「うん・・・おやすみなさい、泰広君。それといくら掛かってもいいからいつかは・・・!」
「・・・おやすみ、ムギ・・・」
「(ムギが泰広の事を好きだなんて・・・思ってもいなかった・・・何だろう・・・この複雑な気持ちは・・・それよりも、一体昔の泰広に何があったんだろう・・・明日正樹にでも聞いてみよう・・・)」
~翌日~
「・・・・・・・・ろ~!!泰!!」
「・・・・・・・・・・」
「起きろ~~~~~~!!泰!!」バンッ!
「やっくん!!起きろーーーーー!!」バンッ!
「・・・!!痛い!痛い!起きるから止めて!!2人とも!!」
唯と律が俺が寝ている所を起こしに来たみたいだ
そこはいいけど、布団を丸めて何も剣道みたいにバンバン叩かなくても・・・ね
「ふぁ~・・・おはよう、2人とも」
「何時だと思っているんだよ~!」
「今何時だい?」
「11時だよ~、やっくんお寝坊さんだね~」
「・・・普段ダラしない律と昨日遅刻しかけた唯には言われたくない」
「なんだとっー!コイツー!唯、やっちゃえ!!」バンッ!
「了解であります!!りっちゃん隊員!!」バンッ!
「うわー!!ちょ、ちょっと、2人とも!!ストップ!!」
「ハハハ!朝からお前ら元気だな~!!俺も混ぜろ~!」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・ねえ、ムギ」
「どうしたの?澪ちゃん」
「泰広の過去・・・追及しない方がいいのかな・・・」
「うん・・・私も知りたいのは山々なんだけど、本人は『話せない』って言っているし・・・」
「正樹がもしかしたら知ってるかもしれない」
「私も後で聞いてみるつもりよ」
「分かった、正樹と泰広が離れている間にな」
「うん・・・」
「もう止めて!3人とも~!」
「分かったよ、てか、お前早く朝飯食べて来いよ」
「はいはい、んじゃまた後で」
「おう!」
ガチャン!
「正樹、ちょっと話があるんだけど・・・」
「ん?どうしたんだ?澪に紬」
「とにかくりっちゃん達がいない所へ・・・」
「・・・分かった」
~違う部屋にて・・・~
~澪.ver~
ガチャン!カチッ!
「んで、話ってなんだよ?」
「実は・・・・その・・・泰広の昔についてなんだけど・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「私達に知っている限りでも教えてくれないかしら?」
「・・・・・・何でまたあいつの事を・・・?」
「実は昨日・・・・・」かくかくしかじか
私とムギは昨日の泰広について全て話した
正樹は教えてくれるんだろうか?過去について知っているのだろうか?
「・・・・・・・って事なの」
ムギが私の代わりに事情を説明してくれたみたいだ・・・
「・・・そういう事か・・・泰広まだ”あいつ”の事根に持っていたみたいだな」
「正樹君、”あいつ”って誰なの?」
「・・・俺と泰広の幼馴染であって泰広の事を最も理解してくれた人物だ」
「それで・・・『あの日の事』って?」
「悪いがそれについては話せない・・・泰広が話すなら別だが、俺は泰広の過去を話すことは出来ない」
「どうしてなの!!私達は軽音部でしょ!?仲間でしょ?」
「ムギ!!落ち着け!!正樹、少しでもいい!私達は泰広の力になれないのか?」
「分かっている!!お前達は最高の仲間だ、だがこればかりはどうする事もできねぇんだよ!俺だってあいつのために何とかしてやりてぇよ!でもな、これは泰広と”あいつ”の問題なんだよ!!!言ってしまうなら、俺もお前達もどちらかとというと他人の部類に入ってしまうんだよ!!」
「っ!・・・ゴメンなさい、私泰広君の気持ちすら知らないで・・・」
「ムギ・・・お前は悪くない!正樹私のほうこそゴメンな」
ダンダンダン!
やはり来たか・・・鍵掛けておいて正解だったな
『な~にやってんだよ!澪~!ムギ~!正樹!』
『3人とも何やってるんだい?』
『ゲームなら私達も入れて~』
律、泰広、唯だ
「・・・すまない、澪、ムギ・・・俺も怒鳴りすぎた・・・この話は保留&内緒だ」
「「分かった|(分かりました)」」
「それじゃ鍵解くぞ」
「「うん|(はい)」」
カチッ!ダダーン!
「お前ら騒ぐな・・・ってうわあぁぁぁ~---!!!!!」
3人は勢いよくドアの隙間から覗いていたらしく、3人は正樹を見事に押しつぶした
何やってんだか・・・
「何すんだよ!お前ら!!」
「「「ごめんなさい」」」
「てか、3人で何やっていたんだよ~!」
「え、えっと・・・それは・・・」
「正樹君に男の魅力について語ってもらっていたの!」汗汗
「なっ!ムギ・・・!/////」
「へぇ~・・・正樹がね~」ニヤニヤ
「てめぇ、どういう意味だよ?律~?調教(おしおき)が必要みてぇだな」ゴゴゴゴゴ
「ひっ!!澪~!泰~!助けて~!お願い!」
「「お前|(あんた)が悪い」」
「に、逃げろっーーーーーー!!!!」
「待ちやがれ!このカシューチャ女ーーーー!!!」
「あっ!待ってよ~まーくん!!」
「俺たちも追う?」
「そうだな、ここにいてもする事無いし・・・ってああ~!!練習~!!」
「澪・・・君忘れていたの?」
「うっ・・・・・」
「仕方ない・・・とりあえずあの3人を呼び戻そう」
「「そうだな|(そうですね)」」
こうして、この後やられた律と正樹、唯を見つけて午後から練習を再開した
そして、ようやくメンバー全員で合わせる事ができた
~午後・・・スタジオにて~
※引き続き澪.ver.~
「ふぅ・・・何とか全員合わさっているみたいだな」
「律も何とかリズムキープ出来ているし、唯がここまで上手くなっているだなんて知らなかった」
「そうだね、唯も毎日夜中まで練習していたなんて知らなかったよ」
「えへへへへ・・・/////|(やっくんに褒められた・・・///)」
「ん~?どうした~?顔が赤いぞ~」
「澪には悪いけど、これならまだ遊ぶ時間を費やしても良かったな」
「うっ・・・・・」
「まあ仕方ないんじゃないの?初日が律があんな様子だったし」
「なにおっー!!お前も言うようになったな~!」
「んじゃ、今日はもうお開きにするか?」
「そうだな、全員ここまで上達しているとは思わなかったし後はさらに技術向上を目指す事だな」
「「「「了解!!」」」」
「・・・・・・・・・・・・・」
ムギ以外が声を揃えた
「んじゃ、俺達は先に風呂入ってくる。お前らは?」
「私達は部屋に戻ろうぜ。なあ、澪?」
「え?ああ、いや私とムギはここでもう少し練習するよ」
「そう?分かったよ、それじゃ行こうぜ!唯」
「うん!!」
「あんまり無理するなよ」
「2人とも十分に上手いから大丈夫と思うけどなぁ~・・・」
こうして、4人はスタジオを出て行き私とムギだけがスタジオにいるような状況になったので・・・
「どうしたのムギ?さっきからションボリして・・・」
私はムギに尋ねてみる
「・・・ううん、なんでもないわ」
「(やっぱり泰広に昔何があったのか気になるんだな?)」
「(・・・ええ、泰広君1人でつらい事を背負うだなんて・・・)」
「(いつか泰広から問い出そう)」
「(ええ!泰広君1人だけに過去のことは負わせない!)」
~こうして、2泊3日の合宿は終了
泰広と唯はギターの腕はかなり上達していて、正樹もスラップが上手くなっていた
しかし、ただ1つだけが心残りとなった
つまり憂鬱が残ってしまった・・・
泰広・・・お前1人だけどんなにつらい過去だろうが隠したり、背負ったり、自分を責めたりするのは止めてくれよ・・・私達・・・仲間だろう?
じゃあ今日までの笑顔は偽りだっていうのか・・・?
さっきの笑顔だって・・・!
昨日の笑顔だって・・・!
入部する時の笑顔だって・・・!
正樹の誕生日の曲の練習中の笑顔だって・・・!
全て偽りだったのか・・・?
ねえ・・・・・教えてよ、泰広・・・
私たちに隠さないでよ・・・泰広・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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合宿編終了です
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