No.400155

死にたがりの第四十二話 お泊りって緊張するね

お泊りかぁ……お泊りねぇ(ニヤッ

2012-03-30 17:53:22 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2914   閲覧ユーザー数:2783

「……よし、もう一度言ってみましょうかフェイトちゃん……」

 

 

「だ、だから……今日はもう遅いから、ここに泊まっていった方が良いって言ったんだけど……」

 

 

……えっと、これは何でだろうか。

俺フェイトにフラグ建ててましたっけ?いえ、俺はフラグなんぞとは無縁な男の娘。

恋愛フラグ何て建てていません!

 

 

※アニスは恋愛フラグ以外のヤバめなフラグばかり建てています、それを忘れないでください。

 

 

「いえ、今日は帰りますよ。流石に朝起きて俺が居ないって大騒ぎになっても、大変ですから」

 

 

「で、でも。今の時間外に出て、アニスが襲われでもしたら。そっちの方が大変だよ……(アニスは川いんだから、少しは自覚してほしいよ!)」

 

 

「ふぅーむ……別に男だって言えばどうとでもなりそうですけどね……」

 

 

「そう言う趣味を持った変態だっているかもしれないじゃないかい。だから今日は泊まっていきな」

 

 

「……アルフさん、中々マニアックな事知ってますね……」

 

 

「ど、どうだって良いじゃないか!」

 

 

「まぁ……そうですね……少し待ってください。電話して聞いてみますから」

 

 

俺はポケットから携帯を取り出して、アンクの番号をに掛ける。

まぁ、まだあいつは寝てないと思うから大丈夫だと思うけど……。

 

 

プルルル……プルルr。ガチャッ。

 

 

『家に居んのに電話掛けてくんじゃねぇ!』

 

 

「あらあら、ごめんごめん。お休み中だった?それともアンクったら……お盛んですなぁ」

 

 

『……今からお前の部屋に行って殴りかかっても良いか……?』

 

 

「あ、それそれ。俺は今家に居ません」

 

 

『……ハッ?』

 

 

「いや、ハッ?も何も、居ません」

 

 

『……てめぇ今どこに居んだよ!!』

 

 

「あ、友達の家でございます」

 

 

『ハァッ?友達だ?』

 

 

「うん、ちょっち用事があったから家抜け出してきちゃったんだ。それでその子が、もう夜も遅いから、泊まっていきなさいって。だから皆に言い訳しといて。お願い♪」

 

 

『……帰って来たらシバキ回す……!』

 

 

「いやん♪そんな過激な事言わんといて☆帰ったらお触りさせたげるから」

 

 

『それこそふざけんな!あぁ分かった!黙っとくからさっさと帰って来いよ!』

 

 

「あざまーす。んじゃお休み」

 

 

ピッ……。

 

 

うむ、何やかんやで優しいねアンクは。

これではやて達にはばれることは無いかな?……いや、それでも心配なんですけどもね。

俺の部屋に入って来たら一発でばれるなこれ……。

 

 

「アンタは普段どんな会話してんだい!」

 

 

「へっ?どんな会話って……普通ですけど?」

 

 

「そんな恋人みたいな会話があるかっ!何だい、さっきのお触りだとか!?」

 

 

「えっ?普通じゃないですか?」

 

 

「「何処が!?」」

 

 

二人して突っ込まれた……どうやら普通じゃないらしい。

普通だよね?

 

 

「じゃあ触る?ホラホラ、プニプニだよ?」

 

 

俺は服をたくし上げてお腹を見せる。

まぁ、そこまでプニプニではないんだけどね。すべすべだよ?

 

 

「アンタは少し恥じらいを持ちな!」

 

 

「ひゃん♪」

 

 

「絶対わかってないだろっ!?ってフェイト!?鼻血鼻血!」

 

 

「ア、アニスのプニプニのお腹……(駄目だよアニス!はしたないよ!)」

 

 

あれ?何かフェイトが変態に見えてきたのは気のせいだろうか?

しかも、何か口走ってるし。

 

 

「フェ、フェイト!少し落ち着きなよ!」

 

 

「ハッ……わ、私ッたら……」

 

 

どうやら正気に戻ったらしい……。

う、うむ。フェイトの前ではこんな真似はもうしないでおこう。食われるわ。

 

 

「さ、さぁって……それよりも、泊まる事になりましたけども。俺は何処に寝れば良いのでしょうか?やはりここはソファーでしょうか?分かりました、ではおやすみなさい」

 

 

「何言ってるんだい?私らと一緒に寝るに決まってるじゃんか」

 

 

「うん、そうだよ」

 

 

「……なん……だと……」

 

 

マジかよおい……。

ま、まぁ……何回かはやてと一緒に寝た事あるから、余り大差ないか……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

あれからフェイトとアルフはシャワーを浴びて来て、少し話をしてから布団に入る事となった。

ま、まぁ……緊張はしてるので、俺の事は気にしないでほしいんだ。

 

 

「それじゃあ寝ようかね」

 

 

「そ、そうですね……あはは……はぁ……」

 

 

いやはや、何でこんな緊張してんだろうか。

俺らしくないじゃん!……いや、らしいっちゃらしいか。

 

 

「……お、おやすみなさい……」

 

 

「う、うん……お休み……」

 

 

カチッ……。

 

 

電気が消され、各々布団の中に入る。

俺は……うん、フェイトと一緒に寝ています。

 

 

「……き、緊張するね……」

 

 

「そ、そうですね……あは、あはは……」

 

 

「……アニスはさ……寂しくないの?」

 

 

「寂しくないって……?」

 

 

「お父さんや、お母さんと離れて暮らす事」

 

 

……これは何ともハードな質問でございますな。

まぁ、寂しいっちゃ寂しいけど……。

 

 

「寂しいよ……でも、それ以上に、毎日が楽しいから、そんなんでも無いのかもね……」

 

 

「そう……なんだ……」

 

 

「……フェイトちゃんは寂しいの?」

 

 

「……うん、少しね」

 

 

「そう……。まぁ、フェイトちゃんは子供ですからね、仕方ないですよ」

 

 

「むっ、それってアニスが大人みたいな良い方だね……」

 

 

「いえいえ、そんな事は言ってませんよ。俺もまだまだ子供ですしねぇ……」

 

 

精神年齢は二十歳超えとるけどな。

それは言わない約束だぞ☆

 

 

「……私、お母さんのしてほしい事なら何だってする……それでお母さんが笑ってくれるなら、幸せになれるのなら」

 

 

「……フェイトちゃん……」

 

 

アニメで見てたとおり、純粋な子なんだな……。

……やっぱり、ここは俺がひと肌脱いだ方が良さげだね……。

でも、どうするか……死者を生き返らせる魔法や、魔法薬、技術何て俺にはない。

 

 

……やっぱりここは、ジュエルシードを使った方が良いかな?

 

 

サイフォジオ……アレはどんな傷でも魔力以外なら何でも治せる。

魔力も多少回復できるみたいだし……。

 

 

ジュエルシードを使って、やる……しかないか……。

でも、生き返るかどうかは分からない。もしできたとしても、最低でもジュエルシード四つか五つ……。

 

 

そして、その魔力に俺の体が耐えられるかどうかが問題。

そんな多大魔力を使えば、たちどころに俺の体に負担が掛かり、死ぬかもしれない……。

……まだ漁らない方が良い……サイフォジオを使う計画は今は考えないでおこう。

 

 

まだほかに打つ手があるかもしれない……。

 

 

「どうしたのアニス、急に黙っちゃって?」

 

 

「あ、いえ……何でもないですよ」

 

 

うむ、少し考え事にはまり過ぎた手……。

やっぱ魔法が使えないってのは、大きな障害だなこりゃ。

 

 

あー、何か俺、まともに魔法使ってねぇやな。

どうしましょ、このままじゃアニスは使えない子って言われそうで怖いは。

 

 

「んじゃ、もう寝ましょうか。フェイトちゃん、疲れてますしね」

 

 

「うん……ありがとうアニス。それじゃあ、お休み……」

 

 

「はいな、お休みです……」

 

 

こうして……夜は更けていく……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「朝だぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「もう昼だよ!」

 

 

「なん……だと……」

 

 

どうも、何か起きたらもう昼だった、アニスたんです。

そういや……、隣に妙な違和感が……。

 

 

「……ねぇアルフさん、これってどういう状況?」

 

 

「フェイトがアンタに抱き着いて寝ているね」

 

 

「……今昼だよね?」

 

 

「昼だよ」

 

 

「……それじゃあ二人して昼まで寝てたって事?」

 

 

「そうなるね」

 

 

「つか苦しんで何とかしてください」

 

 

「そこまで幸せそうな寝顔のフェイトを見るのは初めてだから、嫌だよ」

 

 

「なん……だと……」

 

 

「それじゃ、ごゆっくり」

 

 

そう言ってはけていくアルフ……ちょ、おい。

マジで行くのかよ!?

 

 

結局、夕方まで帰れませんでした。

 

のちに、フェイトはこう語る。

 

 

アニスって、柔らかくて気持ちいい、そして良い匂いがして可愛い……と……。


 
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