演者一覧
彼氏♂:
彼女♀:
天気キャスター♀
雷様A♂
雷様B♂
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彼氏M: 今夜も雨が降る。しかし、ただの雨天というわけではない。この街の雨は変わっている。何と言っても『紅茶』が降ってくるのだから・・・
天気キャスター:「今夜もこの地域には『紅茶注意報』が出ております。洗濯物などは色がついて落ちなくなってしまう場合がありますので、できるだけ外干しは行わない方がよいでしょう」
(雨音SE)
彼女: 「あ~ホントに降ってきたぁ。なんで紅茶かなぁ、どうせならビールにしてくれたらみんな大喜びなのに」
彼氏: 「何オヤジ臭いこと言ってるんだよ。ビールなんか降ったら、そこいら中べとべとになって余計大変だろう。街中ありだらけになるぞ」
彼女: 「そうね、確かに。炭酸もぬけちゃってるだろうし。でも私、あんまり紅茶好きじゃないからなぁ。どっちかっていうとコーヒー派?ほら今月の雑誌でも特集組んであるでしょ、『流行のコーヒーを格好良く飲もう』って。」
(雑誌音SE)
彼氏: 「おい、この雑誌、先月は『これからは紅茶がトレンド』って言ってなかったか?別にどっちでもいいけど、空から降ってくるものなんか飲むなよ。ニュースでも言っていただろう、空気中の埃とかたくさん溶けてて結構汚いんだから」
彼氏M: 政府も空から降る紅茶を口に入れないように注意勧告を出していた。現在のところ原因は不明。一説には台風で巻き上げられた茶葉が上空で醗酵して、 雨雲の中にたまったためとか、環境汚染の影響で上空に上った化学物質が、たまたま紅茶のような味になっただけとか、さまざまな意見が取り交わされたが、ど れも決定的な原因とはならなかった。ま、俺的にはそんなことどうでもいいのだが……
彼女: 「これはきっと陰謀よ!悪意ある意思をびんびん感じるわ」
彼氏: 「お、おい、いきなりどうしたんだよ」
彼女: 「だって、普通に考えて、紅茶が降るなんてありえないでしょ。これは誰かがこの町を陥れようとしているのよ」
彼氏: 「いったい誰が好き好んで紅茶なんて降らせるっていうんだよ」
彼女: 「それは、東インド会社よ!」
(どどーん:SE)
彼女: 「紅茶といえばインド、インドといえば東インド会社よ。東インド会社は日本の紅茶販売の利権をすべて掌握するために、コマーシャルとして紅茶の雨を降らせているのよ!」
彼氏: 「別に紅茶の雨が降っても、東インド会社とやらがもうかるわけでもないだろう。だいたいその会社今もあるのか?ずいぶん昔に歴史の教科書で見た気はするけど」
彼女: 「うっ……うるさいわねっ!と、とにかく、いんぼーなのよっ」
彼氏: 「ハイハイ、そうだね、きっとインボーだね~」
彼女: 「あぁ、その顔は絶対馬鹿にしているでしょう」
彼氏: 「ははは、そんなことないよ。え、あ、あれ?」
彼女: 「え、なに、どうかしたの?外に何か見えるの?」
彼氏: 「あ、うん。なんか雨の色が濃くなった気がして」
(窓をあける音:SE)
彼氏M: 窓を開けると風に乗って、外から芳しい香りが漂ってきた。
彼氏: 「ははは、おい、お前の祈りは天に通じた見たいだぞ、今度はコーヒーの雨だぞ。」
彼女: 「これは…ブラジルのプランテーションの陰謀ね」
(雨の音:SE)
(舞台は高度五百メートルの雨雲の上)
雷様A 「あんれ、おめぇまたその如雨露で『紅茶』の雨降らせてんのけ?」
雷様B 「何言ってんだべさ、今ナウイのはやっぱ『コーシー』だべ」
雷様A 「でも、おめぇ、この前は『紅茶がとれんでぃ』とか言ってなかったけか?」
雷様B 「そげなこっちゃだめだぁ。ほれ、この雑誌にも書いてあるべ『流行のコーシーを格好良く飲もう』ってな。これで、俺たち雷様も地上のおなごにモテモテだべさ。」
彼氏M: かくして、この町には今日も雨が降る。願わくば来月の特集はミネラルウォーターにしてもらいたいところだ。
END
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部屋でテレビを眺めるカップルの家の外は今日も雨が降っていた。 しかしそれはただの雨ではなかった……
声劇用の台本として編集してみました。ご利用された際コメントいただけると嬉しいです。
(。-∀-)演じてくれたらできるだけ聞かせていただきます。