ここは、地球とは別の世界、フロニャルド
その一国、ビスコッティ共和国では隣国であるガレット獅子団との戦に負け続け後の無い状況、その為とある一室に大臣や騎士団長を集い、対策会議を開いていた
「・・・我がビスコッティの苦しい戦況、よく分かりました。今度は本当に負けることはできない戦です。ですから・・・最後の切り札を使おうと思います。」
ピンク色の髪をした少女がそう言うとその場にいた全員がざわめいた
「ビスコッティ共和国代表、ミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティの名において、我が国に勇者を召喚します!」
これが、一つの物語の始まりを告げる宣言だった
・・・・・・・・・・・・・・・
場所は移り、日本。 紀乃川市のとある中学校で終業式が行われている中、渡り廊下を颯爽と駆け抜ける金髪の少年がいた
「おいイズミ、どうした?」
途中少年は教師とすれ違う
「ちょっと飛行機があるので!」
振り返りそう答えるこの少年は「シンク イズミ」、アスレチックが大好きな13歳である
なぜシンクは走っているかというと里帰りの飛行機に乗る為、特別に早退して空港に向かっているからである
「そうか。気をつけていけよ。」
「はい!」
そう言ってシンクは再び駆け出した
程なくしてシンクは教室のスポーツバッグを肩に掛け、静かに窓を開けた
開けた窓から窓の縁に乗り、それを伝って出入口の屋根に乗った
「よっと!」
肩に掛けていたバッグを放り投げ、自身も高らかにジャンプした
そこにシンクが着地するであろう場所に犬が現れ咥えていた剣を地面に突き刺す
すると刺した場所から魔方陣が出現した
「って!えぇぇぇぇぇぇえ!?」
そのまま軌道を変えられるわけもなくシンクはバッグと共に魔方陣に吸い込まれていった
・・・・・・・・・・
「う、うーん・・・」
場所は戻って再び異世界フロニャルド、細かく言えばビスコッティ共和国フィリアンノ城から少し離れた浮島の1つ
そこに二人の少年が倒れていた
「ここは・・・?」
いち早く目が覚め、辺りを見回すバン
「俺は確かジンとバトルしていて・・・」
さっきまで地元のホビーショップにいたのにいつの間にか知らない場所に来ていて混乱するバン
「うっ・・・」
そこで近くで倒れていたジンも目を覚ました
「ジン!無事か?」
「あぁ、なんとか・・・ここは一体・・・」
ジンも見たことの無い場所、景色に辺りを見渡す、そこに
「・・・落ちてるぅーーーー!!」
上から金髪の少年が落ちてきているではないか
「ひ、人が降ってきた!?」
バンが驚いて見上げる、そうしている間にも彼とバン達の距離は縮まっていく
「受け止めよう!」
ジンがそう言うとバンは頷き少年を受け止める体制に入る
「うわぁぁぁぁあ!!」
バン達はなんとか少年を受け止めることに成功した
「いてて・・・君、大丈夫?」
受け止めた際倒れてしまい背中をさすりながら落ちてきた少年に声を掛ける
「あつつ・・・うん、ありがとう」
「なんとかなったようだね・・・」
少年も頭をぶつけたらしく頭をさすりながら答える、すると
「お待ちしておりました、勇者・・・さ、ま・・・?」
そこにピンク色の髪をした少女が現れた
「えっと・・・勇者?」
「い、犬耳?」
「な、なんで三人も・・・?」
ピンク色の髪の少女と金髪の少年、そしてバンとジンは唖然とした表情でお互いの顔を見詰め合った
「社長、失礼します」
ここはLBXを日本で最初に販売し、その後も日本で最も有名と言われている玩具メーカー「タイニーオービット」
そこの社長室に社長秘書の「霧野紗枝」がノックと共に入ってきた
「どうした、霧野君」
社長席に座り書類から目を離して霧野の方を向くのは「宇崎拓也」、タイニーオービットの現社長である
「アミさんとカズヤさんが社長に会わせてくれと」
「アミとカズが?通してくれ」
霧野は頷きドアの前に待機していた二人を招き入れた、するとアミとカズはものすごい血相で拓也に詰め寄る
「「拓也さん!」」
「どうした、そんなに慌てて」
「大変なんです、バンとジンが!」
「バンとジンがどうかしたのか?」
「いなくなっちまったんだよ!」
それを聞いた拓也と霧野は唖然とする
「いなくなったってどういうことだ・・・?」
「それが・・・」
拓也に聞かれ、アミとカズはバンとジンがいなくなった経緯を話した
「・・・なるほど、二人は必殺ファンクションのぶつかり合いの結果、君達の目の前から消えてしまったということか」
「はい」
「どうにかできないのか、拓也さん」
拓也は二人に言われ顎に拳を付け考える
「・・・わかった、まずは二人のCCM反応を調べよう、霧野君、準備を頼む」
「かしこまりました」
「私達にも手伝えることはありますか?」
「もちろん二人にも手伝ってもらう、シーカー本部で待機していてくれ」
「判りました」
拓也と霧野は社長室から出て行き、アミとカズはシーカー本部へと向かった
・・・・・・・・・・
「えっと・・・これはいったい・・・?」
ピンク色の髪の少女は金髪の少年とバン達を交互に見ながら唖然としていた
「あ、あのー」
「あ、申し訳ありません。 私はここビスコッティ共和国フィリアンノ領の領主を勤めさせていただいております、ミルヒオーレ・F・ビスコッティと申します」
ミルヒオーレと名乗る少女はそう言って頭を下げた
「あ、僕はシンク・イズミです」
シンクと名乗る少年もそう言って頭を下げる
「えっと、俺は山野バンです」
「・・・海道ジンです」
バン達も自分達の名前を伝える
「はいよろしくおねがいします、ひとまず勇者様、召喚に答えていただき、ここフロニャルドにお越しいただいて誠にありがとうございます」
「えっと・・・僕が勇者?」
「はい。 勇者様、それにバンさんとジンさん。 私の話を聞いていただけますか?」
ミルヒオーレの言葉に不安を抱きながらも頷くシンク達、そこに花火の音が上がった
「こんな昼間に花火?」
「いけない!もう始まっちゃってる」
「始まっちゃてるって?」
「なにが?」
何のことかわからないシンクとバンは首を傾げる
「我がビスコッティは隣国と戦をしています。 すいません、急ぎますので話は道中で」
ひとまずシンク達は駆け足で引き返すミルヒオーレの後を追う、その先には彼等が見たことの無い生物がいた
「「アヒル?」」
思わずセリフが被ったシンクとバン、ジンもその生物を見て少し驚いていた
「セルクルをご覧になるのは初めてですか?」
「すみません、地元にはいなかったもので」
「というよりは世界中探しても見つからないと思うが・・・」
のん気に答えるシンクに対しジンが返す
「私のセルクル、ハーランです。 どうぞ、お乗りください・・・と言いたいのですが流石に四人はきついかもしれませんね」
苦笑いしながらミルヒオーレがそう言う
そして話し合いの結果シンクが乗り、バンとジンは走ってそれを追いかけるという形になった
「それではできるだけスピードを落としますので着いてきて下さい」
バンとジンは頷きミルヒオーレとシンクはハーランに乗り、バン達も走り出した
「隣国ガレットと我が国ビスコッティはたびたび戦を行っているのですがここのところはずっと敗戦が続いていて、いくつもの砦と戦場を突破されて今日の戦では私たちの城を落とす勢いです。 ガレット獅子団領国の領主、百獣王の騎士レオンミシェリ様と渡り合える騎士も今は我が国にはなく……」
そこでミルヒオーレは俯いてしまった
「ですから勇者様に力を貸していただきたいんです!」
「あの、でも僕は戦士とか勇者じゃなくてその辺の中学生なんだけど……何か役に立てることはあるのかな?」
「そんなご謙遜を!勇者様のお力はよく存じ上げてございます」
ミルヒオーレがそう言ったところでハーランが崖の前に立ち止まった、ミルヒオーレとアミはハーランから降りシンク達とその先の光景を見る
それは何人もの人がアスレチックに挑んでいたり武器を交えていたりしていた。 そして攻撃を受けた者は毛玉のようなものに変化していた
「これは・・・」
「これが、戦?」
シンク達は戦という言葉から想像していたものとは全く違った戦に拍子抜けしてしまっていた
「はい、戦場をご覧になるのは初めてですか?」
「似たようなのなら見たことあるけど・・・」
そう言ってバンは小さい頃行ったアスレチックとLBXバトルを思い出した
「えぇっと、この戦で人が死んだり怪我したりは?」
「とんでもない! 戦は大陸全土にしかれたルールにのっとって正々堂々と行うものですから怪我や事故のないように努めるのは戦開催者の義務です。 もちろん、国と国との交渉手段ではありますから熱くなってしまうことも時にはありますが、だけどフロニャルドの戦は国民が健康的に運動や競争を楽しむための行事でもあるんです」
「ってことはLBXバトルのスタンダードレギュレーションみたいなものか?」
「えるびーえっくす?何ですかそれは?」
バンの言葉に疑問を持つミルヒオーレ、その疑問にバンは答える
「LBXっていうのは俺達の世界で流行してる小型ロボットなんだ」
「ろぼっと・・・?」
再びハテナマークを頭の上に浮かべるミルヒオーレ
「あのー、僕もロボットは知ってるけどそのLBXっていうのは知らないかな」
「え?」
そこに挙手しながら言ったシンクの言葉にバンは思わずシンクに振り向く
「ホント?ほら、こういうやつ、知らない?」
そう言いながらバンはバッグからイプシロンを取り出した
「うーん、こういうプラモデルなら見たことあるけど・・・やっぱりLBXっていうのは聞いたこと無いかな」
「これがLBXですか・・・」
ミルヒオーレは興味津々にイプシロンを見ていた
「・・・ハッ、こんなことをしている場合ではありませんでした!」
話の途中ということを思い出したミルヒオーレは再びシンクを見つめながら話を再開した
「それで敗戦が続いて我々ビスコッティの国民や騎士は寂しい思いをしています。 なによりお城まで攻められてしまったとなれば、ずっと頑張って来たみんなはとてもしょんぼりします」
「「しょんぼり?」」
「はい、しょんぼりです……」
そう言って本当にしょんぼりするミルヒオーレ、それを見てシンクとバンは何か考える仕草をした
「えぇっと、姫様」
「あ、はい!」
「僕はこの国の勇者?」
「はい!私たちが見つけて、私が迷うことなく決めたこの国の勇者様です!」
それを聞いたシンクは何か決意したような顔になった
「じゃあ姫様の召喚に応じてみんなをしょんぼりさせないように勇者シンク、がんばります!」
そうシンクが言うとミルヒオーレはパァっと明るい表情になった
「ありがとうございます!」
「あの・・・」
そこにバンが入り込む
「俺も、なにかできることあるかな?」
バンの提案に驚くシンクとミルヒオーレ
「そんなの聞いておいて黙って見てなんかいられないんだ」
「そんな、バンさんは私が召喚したわけでもないのでそんなことお願いするわけには・・・」
「そんなこと気にしないでいいよ、困ったときはお互い様だよ」
「ですが・・・」
そんなやり取りを見てジンはミルヒオーレに近づき耳打ちする
「姫様、バン君はそういう人なんです」
「え?」
「困っている人は放っておけない、それがバン君なんです」
「ジンさん・・・」
ジンにそう言われたミルヒオーレは少し考えそして
「・・・判りました、バンさん。 あなたの力も私達にお貸しください」
「はい!」
そう言って頭を下げるミルヒオーレにバンは強い返事をした
「もちろん僕も力になります、役に立つかはわかりませんが」
ジンもミルヒオーレに頭を下げながらそう告げた
「ジンさんも・・・ありがとうございます!」
ミルヒオーレはジンを見て頭を下げた
「では急いで城に戻りましょう。 勇者様の装備と武器は用意してあります、お二人のもすぐに用意させます。 行きますよ、ハーラン」
そう言いミルヒオーレはハーランに触れる、その手の甲には紋章が現れる
するとハーランの体が光り出し大きな翼を広げた
「すげぇ!ハーランかっこいい!」
「では、勇者様、乗ってください」
促されハーランに乗るシンク
「お二人とも、今度はハーランの体に捕まっていてください」
そう言われハーランの体に捕まるバンとジン
それを確認したハーランは助走を付け崖から飛び立つ
「すごい、飛んでる!」
「ハーランは飛ぶのすごく上手なんです」
「よーし、このまま一気に行こう!」
ミルヒオーレとシンク、そしてバンとジンを連れハーランはフィリアンノ城へと颯爽と飛んでいった
「ここが・・・」
「はい、ここが我が城、フィリアンノ城です」
ハーランに乗って飛んできたバン達は目的地であるフィリアンノ城に着いた
「では皆様こちらへ」
ミルヒオーレに促され城内に入っていく
「すごい、海道邸に侵入したのを思い出すな・・・」
その広さ、豪華さを見てバンはかつて進入した海道邸を思い出す、そこでジンの事情を思い出す
「あ・・・ごめん、ジン」
「いや、気にしてないよ」
そのジンは本当に気にしてないという態度で振舞った
ジンは事故により両親を失い、「海道義光」に引き取られて育てられてきた
だが今彼は海道家には住んでない、いや、既に海道家には誰もいないのだ
海道義光は世界征服を目論むイノベーターのボスであったが志半ばで殺され、今ジンの家族と呼べる人物は海道邸に住んでいた頃からの執事だけとなっている
「さぁ、着きました」
気まずい空気も流れたが城の中を歩くこと数分、バン達はとある部屋に連れてこられた
そこには七人のメイドが待ち構えていた
『お待ちしておりました、勇者様!』
「え?・・・ちょっ!えー!?」
メイド達はシンクを確認するとシンクを取り囲み布で囲む
「ひ、姫様~!?」
「服は用意させておきましたのでご安心ください」
布の中ではシンクがメイド達によって着替えさせられていた
「では改めてルールの説明と最終確認をさせてもらいますね」
ミルヒオーレは着替え中のシンクとバン達に戦の説明を始めた
「まず、襲ってくる相手選手はどんどん倒して行っちゃいましょう。 相手選手は武器で強打を与えられればノックアウト~! ノックアウトされた方々はけものだま、獅子団の方々はねこだまに変化、一定時間無力化します」
「それでさっき攻撃を受けていた人たちはあんな姿になったのか」
バンがミルヒオーレの説明で先ほど見た光景を納得した
「相手の頭部か背中に手のひらでタッチすることでもノックアウトです。 タッチアウトはちょっと危険が伴う分、タッチボーナスがはいります」
「・・・逆にタッチアウトを狙ってポイントを稼ぐって手もあるわけか」
続いてジンが自分の考察を述べる
「戦場は平野や山の中のこともありますしつり橋や足場の不安定なところもありますが落ちても大丈夫なのでご安心を」
そこまで言うとシンクが着替えを済ませその姿を現す
「うわぁ、シンク似合ってるよ」
「そうかな、ありがとう、バン」
そんな話をしているとミルヒオーレがシンクの人差し指に指輪をはめる
「これが勇者様の武器、ビスコッティの宝、神剣パラディオン。 勇者様が望めばどんな形にでも変わりますよ」
「じゃあ棒!」
シンクがそう言うとパラディオンが光り、棒が現れる
「また漠然とされた武器ですが、それで大丈夫ですか?」
「平気です、長さもちょうどいいし」
「バンさん達にも後で武器をお渡しします」
「ホント!?だったら俺槍がいい!」
「ふふ、判りました、用意いたします」
喜ぶバンを見てミルヒオーレはクスリと笑って答えた
「では、最後に紋章術のご説明です。 紋章術とはこのフロニャルドの大地と空に眠るフロニャ力を集めて使う技術。 フロニャ力を自分の紋章に集めて自分の命の力と混ぜ合わせることで・・・」
言いながらミルヒオーレは手の甲に紋章を出現させた、そして人差し指を伸ばすとそこに光が集まった
「こんなふうに輝力というエネルギーに変換できるんです」
「へぇ・・・」
それを見たバン達は感心する
「姫様、これは僕等のような別の世界から来た人でもできるのですか?」
そこでジンがミルヒオーレに質問した、横でシンクとバンも頷いていた
「もちろんです。 この輝力を使えばいろんなことができるのですが勇者様が一番使うのはきっと紋章砲。 その紋章砲の扱いは前線で戦っている私の親衛隊隊長のエクレールが上手だから教えてもらってください。 バンさん達のことはこれから考えましょう」
ミルヒオーレの提案に全員頷いた
「それでは初めての戦、大変だと思われますがどうか気をつけてがんばってきてください」
「はい!」
「がんばれよシンク!俺達も後で行くからな!」
「うん!先に行ってるよ、バン!」
そう言ってバンとシンクはハイタッチし、シンクは一足先に戦場へ向かった
「それでは、バンさん達にはまず動きやすい服を用意します」
再びミルヒオーレに促され、バン達はいくつもの服が置いてある部屋へと招かれた
「うわぁ、こんなにたくさん・・・」
そこにはいくつもの服があった
「うーん、じゃあ俺はこれで」
「僕は・・・これにしよう」
二人とも服を選び早速着替え始める
「そういえばさっきの輝力って本当に俺達に使えるのかな?」
「どうだろう、試してみたらどうだい?」
「そうだな、よし!」
バンは見よう見まねで輝力を出そうと試みる
「うーん・・・・・だめだ、コツとかあるのかな?」
「いきなりは難しいのかもしれない、あとで姫様に聞くとしよう」
「そうだな、それに俺達には・・・これがあるんだし」
そう言ってバンはバッグから自身のLBX、イプシロンを取り出す
「・・・バン君、LBXで人を傷つける気かい?」
「ってそうだ、いくら安全でもこんなことにLBX使っちゃまずいよな」
それを聞いたジンは溜め息をついた
「あはは、とりあえず、イプシロン起動」
バンはCCMを操作してイプシロンを起動させようとするが
「・・・あれ?動かない」
なんどもCCMのボタン打ち込むがイプシロンはピクリとも動かない、不思議に思いバンはイプシロンを拾い上げた、するとバンの手の甲に紋章が現れる
「えっ?」
そしてバンとイプシロンを光が包み込む
「う、うわあああああ!」
「ぐ、大丈夫かバン君・・・!バン君、その姿は!?」
光が収まるとそこにはさっきまでと全く違うバンの姿があった
「隙ありー!」
「そう簡単にはやられないよ!」
戦場にてシンクは相手の兵士をねこだまにしていく
「さて、はやくエクレールって人に会わなくちゃ」
シンクはそう言って走り出すが
「そこまでだ勇者!」
そこに何人もの兵士がシンクを取り囲んだ
「うえぇ!流石にこの数は・・・」
流石のシンクもこの大人数相手では分が悪く、後ずさる
「勇者覚悟ー!」
一斉に襲い掛かろうとする兵士達、思わずシンクは身構えた。 そこにオレンジの閃光が走った
「うわぁあ!」
「えっ?」
閃光が走った後、兵士達の半分以上がねこだまに変わる、何が起きたのか判らず閃光の先を目で追う
「あ、あれって・・・」
そこにはさっきシンクがバンに見せてもらったLBXによく似た格好をした少年が立っていた
「・・・お待たせ、シンク」
少年は名を呼びながら振り返る
「ば、バン!?」
そこにはさっきまで彼と一緒にいたバンがいた
バンの手足にはイプシロンと同じものが装着され、頭部にはイプシロンの兜を連想させる装飾品を被り
その手にはオレンジ色に輝く双槍「イプシロングレイブ」と、ビームシールド「イプシロンガーダー」を装備していた
「どうしたのその装備!?まるでさっきのLBXじゃないか!」
「あぁ、そうさ、これはイプシロンそのものなんだ」
「イプシロン、そのもの・・・?」
「後で説明するよ、それより今は・・・」
バンは構える兵士を見た、それを見たシンクも同じく兵士を見る
「ここを突破しよう!」
「うん!」
その掛け声と共にバンとシンクは兵士に向かって行った
数秒後、何人もいた兵士は全てねこだまと化しており、二人は先に進んでいた
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