No.398491

桂花エンド外伝 魏兵士Aは見た part10

ついに最終回です。
本編はこちら http://www.tinami.com/view/362191
外伝の最初はこちら http://www.tinami.com/view/364430

2012-03-26 23:43:01 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:5059   閲覧ユーザー数:4151

 

~part9の続き~

 

 

 

    甑side

 

    俺は二年前のことを思い出すと、祭さまが声をかけてきた。

 

    祭「どうしたんじゃ、甑。どこか思いふけった顔をしおって。」

    甑「いえ、祭さまに出会ったときのことを思い出していたんです。」

    祭「そうか、約2年前じゃったかのぅ。」

    甑「はい、それで少し隊長のことを思い出してしまって……」

    祭「そうかそうか、では酒のつまみにあやつのことを聞かしてはくれんか?」

    甑「えぇ。ではあれは私が隊長に出会った時の話です。」

 

    俺は祭さまに昔、宴の席で話した話をした。

    それからは話が盛り上がり、ついつい長話をしてしまったが、

    それでも祭さまは気をよくしてしまったせいで、酒を飲まされ、

    目が覚めたら、夕刻の時間だった。

 

 

   ???side

 

???「ふぅ~、それにしても賑わってるな~、今日は

     御祭りでもしているのかな?よし、さっさと飯を食べよう。」

 

    そうして、俺は近くの飯屋に入った、炒飯が届くまでの間まで

    周囲の様子を見渡す。すると向かいの店のテラスの一席に黄蓋さんと甑の姿が見えた。

    よかった、そうそれだけを感じ、早く次に出会えることを祈った。

 

   店員「叉焼入り炒飯になります。」

   ???「ありがとう、それで今日はお祭りでもしているんですか?」

   店員「ええ、今日は"夏祭り"というものらしいですよ。なんでも、3年前に天の御使い様、

      北郷様が考えたらしく、今は居ない北郷様のことを忘れないためにも行われてるらしいです。」

   ???「……へぇ、そうなんですか。ありがとうございます。」

   店員「いえいえ、ではごゆっくりどうぞ。」

 

    俺は店員の言葉を聞いたとき、胸が熱くなるのを感じた。

    夏祭りは昔、蜀が攻めてくる前あたりに話していたのを覚えていてくれていたのだろう。

    俺はローブの部分を深く被りながら、炒飯を食べた。

 

 

   甑side

 

    甑「・・・ぅ、う~ん・・・って、あれ?なんで俺は寝てたんだっけ?てか、ね・て・た

      って、今は・・夕方・・・。終わったな、うん。終わった・・」

    祭「どうしたんじゃ?甑。確かに祭りはもう少したら終わりじゃが・・・」

    甑「祭さま!?居たんですか!居たんだったら起こしてくださいよ・・・って、祭さまが

      酒を飲ましたんじゃないですか!それに終わったっていう意味じゃなくて、于禁将軍に

      バレたら、罵声に例の特訓が・・。李典将軍にバレたら、お菊ちゃんばあじょん天の御使い

      でお菊を掘られる」ブルブル

    祭「そういえば、おぬしが寝ておるときに李典のやつが通ったぞ、それに

      なんじゃ、そのお菊ちゃんばあじょん『わーわーわー』なんじゃうるさいのお。」

    甑「言わないでください、祭さま。お願いしますから!

      それにしても終わったな、うん・・・最後に隊長に会いたかった・・・」

    祭「そんなに大声で言わんでもよかろうて。まあ、お菊ちゃんとは張り子のことじゃろ?

      まあ、男が掘られるのは嫌なのは分かるがのぅ。」

    甑「確かに張り子や掘られるのは嫌ですけど、祭さまはアレを見たことがないのですか?」

    祭「おぬしが言っておるのは見たことがないが、どんなのかは知っておるぞ。」

    甑「私も今まで見たことがなかったのですが、今日の昼すぎに警邏に周っていた時に

      李典将軍たちが屋台を開いていたのです。カラクリでも売っているのかと思い、

      覗いてみたのですが数量限定でさっき話したアレが売っていたんです。

      そのあまりの大きさに男として凹んでしまいまして・・・・」

    祭「・・・ごくり。まあ、なんじゃ諦めろ!ハッハッハ。」

    甑「いや、生唾ごくりしてる場合じゃないですって!それに笑い事でもないですよ、はぁ。」

 

 

      ???side

 

???「さて、飯も食ったし、みんなもブラブラしてるだろうし、俺も夜になるまで

      時間を潰すか・・・って、アレは沙和に真桜、凪の三人じゃないか。

      何を売ってるんだr・・って、ちょい待て・・・俺の目がおかしいのか!?

      ええと、お菊ちゃんばあじょん天の御使い・・・だと。

      よし、俺は何も見てない、ナニモミテナイ、ソウダオレハナニモミテナイ。」

   男1「あれが北郷さまの大きさ・・・負けた。」

   男2「やっぱり、天の御使いは伊達じゃないな。俺たちとは違うんだ、なあ一緒に

      酒を飲まないか?」

   男1「ああ、そうだな。今日はヤケ酒だぁぁあああ。」

   女1「あれが北郷さまの大きさ・・・ごくり。」

   女2「いいな~、曹操さまたちはあんなので愛されてたんだ、ごくり。」

   女1「いいわよね~、将軍さまや軍師さまたちが羨ましいです。」

   ???「アー、オレハナニモシラナイ。ソウ、ナニモキイテナイ。」

 

                 一刻後

 

   ???「はぁ~、あいつらは後でおしおきをしないとな。それにしても何を作ってんだ真桜め・・

     って、本屋かな、ここは?」

   店員「いらっしゃいませ~。」

   ???「なんか、面白いのないかな~・・・って、お!華佗の名前が・・・」

   女3「ねぇねぇ、これって、御使いさま攻めの華佗さま受けの最新作よね?」

   女4「そうそう、でも私は御使いさま受けの方が・・・・」

   ???「よし、この本屋からさっさと出よう。そうしよう・・・」

   ????「おや、ここに居たのですか?私も少し気になってたのですが・・・そうですか、

      あなたもついにこの道に入ることを決めたのですね、歓迎しますよ。」

   ???「いや、遠慮します。だから、近寄らないで~~~。」

 

   俺はアイツから逃げるために持てる氣を足に溜め、全力で扉に向かった。

   だが、その目の前にアイツが現れたので、眼鏡ごと顔面を殴って、逃げた。

   風になるのを感じて、そう俺は風になるんだ~と思いながら全力逃げた。

   余談ではあるが、街中の人が物凄い速さで走る黒い物体を見たとか見てないとか

 

 

    ~夕刻~

 

   ???「はぁ~、まったくアイツのせいで無駄に氣を消費しちまった。トホホ~。」

 

   もう夕刻か~、そろそろ華琳たちも城に帰ってるだろうし・・・・って、

   なんか柄の悪い奴が10人ほどが叫んでるけど、どうしたんだろ?

 

   ??「こんな・・し・・・だで済む・・・てんの!」

 

   女性の声だ、それにどっかで聞いたことあるような……って、桂花!?

   なんで、こんな奴らに絡まれてるんだ・・・って、それ以前にみんなが居ないのが不自然だろ?

   あっちに華琳たちが居るってことは、気づかなかったのかよ!

   それに襲われそうじゃんか、助けないと!

 

   桂花「助けて、助けてよ~~一刀ぉおおおおお」

 

   ぷっちん!、と俺の中で何かが切れるのを感じた。俺はそこから脚に氣を流し、走りながら

   抜刀をし、叫んだ。

 

        「俺の桂花に薄汚い手で触れんじゃねええええええ」

 

   俺は北郷流抜刀術、八咫烏を桂花の周りにいた奴らに放った。

   これは本来、相手の後ろに回りこみ、足の筋を斬り、立てなくなったところに突きを

   加える技なのだが、流石に殺すわけにもいかないので俺はとっさに柄を持ち替え、

   足を切りつけた後、峰のほうで刀を振り上げた。(まあ、速さが売りの技でこれが

   一番やり易かったので選んだのだが、爺ちゃんバレたら怒られるな、うん。)

   なんて、思っている間に決着が着いたのだが、そんなことよりも桂花が気になった。

 

     「怖いをさせてごめんね、そしてただいま桂花。」

 

   と、俺は優しく桂花を抱きしめた。すると桂花は大泣きしながら抱き返してくれた。

 

 

     甑side

 

   俺は祭さまにツッコミ終わると、一礼して警邏に戻った。

   俺はしばらくの間、李典将軍と于禁将軍に見つからないように祈りをしながら、周っていると

   柄の悪そうな奴が集団で円を囲むようにしているのを見つけた。

   そして、耳を傾けると下品な笑い声と女性の声が聞こえてきた。俺は急いでその場に

   向かおうとすると、その女性の叫び声が聞こえてきた。

 

     「助けて、助けてよ~~一刀ぉおおおおお」

 

   (この声は間違いなく、荀彧さまの声だ!)そう思った瞬間、背後から何も言えないような

   殺気を纏った風を感じた。そして、荀彧さまの方を見ると黒い服を纏った人が

   荀彧さまを守りながら、あの集団を吹き飛ばしていた。

   俺は急いでそこに向かい、礼を言おうとすると思いがけない顔を・・・・

   いや、再び会えることを望んでいた顔を見つけた。そう、この洛陽が、いや魏の民が、それに

   この大陸の民が還って来ることを望んだといえる人物、北郷一刀さまその人だった。

   俺は泣きそうになりながらも今できる最大限の笑みで隊長に告げる。

 

     「お帰りなさいませ、隊長。」

 

   そして、隊長は昔のような笑みで「ただいま。」と返してくれた。

   その後、俺は隊長が倒した集団を縄で縛り、仲間を呼んでくることにした。

 

   ここで曹操さまたちの邪魔をしたくなくて、全力でこの場から去ったのは言うまでもない。

 

 

     一刀side

 

   俺は甑に指示を出した後、こっちに向かって走ってくる華琳たちの姿を確認をした。

   (さて、華琳たちの驚く顔が楽しみだ。)そう、思いフードを深く被り直した。

 

   華琳「はぁはぁ、あ、貴方には桂花を助けてもらって感謝してるわ。なにか望みがあるかしら?」

   ???「そうだな~、俺の帰る場所が欲しいかな?」

   華琳「言ってる意味がわからないのだけれど、臣下にしてほs・・・って、え!」

   一刀「ふぅ~、これで分かるかな?」

   秋蘭「か、一刀なのか!?ほんとに一刀なのか!?」

   春蘭「なぁ、私は夢でも見ているのか秋蘭?」

   秋蘭「いや、これは現実だぞ、姉者!!」

    稟「ねぇ、風?これは夢ではないんですよね?」

    風「ぐぅ~~~」

  一・稟「寝るな!」

    風「おぉ~、二人同時に言われるのは久しぶりな気がしますね~。」

   真桜「た、隊長~やんな、一刀くん人形ちゃうやんな?」

   沙和「絶対違うの、この女たらしの感じは絶対隊長なの!」

    凪「た、隊長~~、う、うぇぇえええん。」

    霞「凪泣かすなんて、怒るでぇ~。それにウチとの約束忘れてないやろうな?」

   一刀「あぁ、一緒に羅馬に行くんだろ?」

    霞「さっすがは一刀や~、覚えてくれてるなんて。」

   流琉「本物の兄さまだよ、季衣!」

   季衣「そうだね、流琉。ねえねえ、兄ちゃんに話したい話がいっぱいあるんだよ?」

   華琳「それよりも言うことがあるでしょ?みんな。」

   一刀以外 「「「「「「「「「おかえり!」」」」」」」」」

   一刀「あぁ、ただいま。みんな」

 

   そこからが大変だった、まさに転校生に集る生徒のように俺に質問責めだった。

   また今度話すからと答えて、俺は桂花のほうに向かった。

 

  「遅いのよ、馬鹿一刀」

 

  「ごめんごめん、みんながなかなか離してくれなくて」

 

  「そんなことどうでもいいのよ、それをより他に言うことはないの?」

 

  「その浴衣、とっても似合ってるよ」

 

  「ふん、当たり前じゃない。惚れ直した?」

 

  「惚れ直さない方がおかしいだろ!」

 

  「じゃあ、二度と私を離さないでね」

 

  「あぁ、絶対だ」

 

   俺は絶対に二度と大切な人を悲しませないと誓い、笑顔で答えた。

 

   あとがき

 

   どうも~、ma0です。いや~、最終回も無事完成しましたね?ww

   本編の最後のページの内容とちょっと違いますが、すいません。

   これにはふか~い事情があるんです。今回、書いててまず質問内容が思い付かなかった

   そして、それを考えたら、たぶん2週間ぐらい掛かる!ってなわけで本当にすいません。

次回からはアフターに突入、興味ある人はぜひ見てください、いや本当にお願いします

   

   誤字脱字、感想等ございましたら、コメントください。励みになります。


 
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