No.397106

IS<インフィニットストラトス>過去の女神と未来の天使 第零話 プロローグ

TBTさん

第十使徒との戦いでサードインパクトを起こした碇シンジ。ネウロイとの戦闘で撃たれた宮藤芳佳。気付けば二人は別の世界にいた。そこは《IS》という女性にしか扱えない兵器が存在する世界。
二人はこの世界で生きていけるのか?


IS、エヴァ、ストパン転生小説です。更新はかなり遅いですがよろしくお願いします

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2012-03-24 09:25:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2015   閲覧ユーザー数:1896

 

世界は壊れつつあった。

第10使徒の襲来により第三新東京市は壊滅、ジオフロントを守る計24層の特殊装甲もあっさり破壊された。

 

無断で2号機の凍結を解き、真希波・マリ・イラストリアスは単独で出撃した。

裏コード『ザ・ビースト』で一時は優勢になるが触手のような攻撃で活動不能に陥った。

 

 

そして入れ代わるようにファーストチルドレンこと綾波レイが乗る零号機がN2爆弾を抱えて使徒に突撃し、自爆を諮った。

だがこれも失敗に終わり、零号機とレイは使徒に取り込まれた。それにより識別信号が零号機になった使徒は一気にセントラルドグマを下降して司令室へ突入した。

 

 

避難していた碇シンジはマリの誘導で再び初号機に乗り、使徒に挑む。

片腕を失いながらも使徒を追い詰めるが活動限界に達し、動かなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「綾波を……返せ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジの心に反応した初号機は覚醒し、再び使徒に挑んだ。

圧倒的な力で使徒を撃滅し、レイを救うことに成功した。

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………

 

 

 

 

「数が揃わぬうちに初号機をトリガーにするとは…………碇指令、ゼーレが黙っちゃいませんよ」

 

 

加持リョウジが見上げながら呟く。

視線の先に浮かぶのは初号機と使徒の残骸で形成された綾波レイ。

 

 

 

 

碇ゲンドウと冬月コウゾウも同じように仰いでいた。

 

 

「やはりあの二人で初号機の覚醒はなったな」

 

「ああ、我々の計画にたどり着くまであと少しだ」

 

 

 

 

 

 

覚醒した初号機をミサト達は呆然と眺めていた。

 

 

「この世界の理を超えた新たな生命の誕生。代償として古の生命は滅びる」

 

「翼……15年前と同じ」

 

「そう、セカンドインパクトの続き。サードインパクトが始まる、世界が終るのよ」

 

 

 

 

 

 

「綾波、父さんのことありがとう」

 

「ごめんなさい。何もできなかった」

 

「いいんだ、もう。これでいいんだ」

 

 

シンジはそっとレイを抱き寄せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、二人を残して古の生命は全て滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジとレイは何も無い空間をウォータースライダーのように流されていたがお互いを離さないように必死に耐えていた。

しかし、レイの温もりが薄らいでいく。姿も砂の塔が風化するように崩れていく。

 

 

「綾波!」

「碇く――」

 

 

声は遠ざかるように掻き消えて、温かさも完全に失せた。

手を伸ばして求めるが空を切るように何も触れられなかった。

 

 

 

 

 

 

「綾波ぃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………

 

 

「攻撃開始!!」

 

 

ミーナの号令と共に第501航空団ことストライクウィッチーズは引き金を引いた。

 

ロマーニャ上空にネウロイが出撃し再び戦場へ駆り出されることになった。

 

 

今回のネウロイは今までに無い大きさを誇っていた。ネウロイを米びつのサイズとするなら人は米粒くらいの大きさ。誰もが「いくらなんでも馬鹿げてる……」と口にしたくなるほど巨大だ。

 

更に厄介なのは車サイズの分身ネウロイが200体以上いることだ。

 

 

「全方位からネウロイは攻撃してくる。油断するな」

「はい」

 

 

宮藤芳佳は銃をギュッと握りしめ、分身ネウロイに接近した。芳佳に気づいた分身ネウロイは蟻の軍隊のように囲み始める。

端からネウロイに狙いを定め引き金を弾いた。

 

簡単に貫通し、消えていく分身ネウロイ。

しかし本体にはまだ近づけない。本体からは分身と比べものにならない攻撃でウィッチ達を追い詰めていく。

 

 

「このままだとじり貧だ。弾が尽きたら死ぬぞ」

「その前にあの本体を叩かないと……ロマーニャが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余るほどいた分身は10分の1にまで減り、ウィッチ達が優勢になった。

 

 

「宮藤、ペリーヌ、リーネ!突撃するぞ!」

「はい!」

「了解!」

「分かりました!」

「援護するわ。気をつけて!」

 

 

坂本美緒に率いられ三人はネウロイ本体に突撃した。

ネウロイの攻撃は威力を増し、シールドを展開しても押し返されるくらいになった。なるべく張らずに間を縫うように四人はネウロイのコアへ近づく。コアは分かりやすいことに大きく剥き出しになっていた。

 

 

 

「撃て!」

 

 

三人は一斉に放った。

しかし少し距離があり中々命中しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「宮藤後ろ!!」

「!」

 

 

完全にコア破壊に集中していた芳佳が振り向くと撃滅し損ねた分身ネウロイがいた。

 

 

「こんなもの!」

 

 

芳佳は接近した分身を確実に撃った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして背後から撃たれた。

 

 

「え……っ」

「宮藤ぃぃぃ!!」

 

 

芳佳が撃墜した分身は囮だった。気を取られていた芳佳が本命の分身に背中を見せる形になっていた。

 

力を失った芳佳は銃を手放し真っ逆さまに墜ちていった。

 

シャーロット達は急いで助けようと向かうが分身が道を阻んだ。

 

 

「邪魔だ!」

「芳佳を返せ!!」

 

 

墜ち行く芳佳に止めを刺そうと分身が一体近づいた。死を覚悟した芳佳は静かに目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さよなら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

再びネウロイの攻撃が芳佳の華奢な身体を撃ち抜いた。

 

 

 

 

続く

 

 
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