No.395932

フォーゼマギカ 第1話 宇宙キターーーー!!!

フォーゼマギカ第1話!!
弦太朗とほむらの絡みキターーーーー!!!!

2012-03-21 22:45:19 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1473   閲覧ユーザー数:1433

 

「おーい!賢吾ー!!」

「だから名前で呼ぶなと言ってるだろ!?」

 

弦太朗がこの天の川学園高校に転入してきて、早1か月の月日が流れた。

転校初日からとてつもなくカッコいい先輩に苛められ、謎の怪物に襲われ、それを幼馴染の城嶋ユウキと謎の黄色いロボットに乗ったこの歌星賢吾に救われ……そして…、

 

「宇宙キターーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

『フォーゼ』に変身した。

『アストロスイッチ』と呼ばれる『コズミックエナジー』を利用した道具と専用のベルトを使い変身した宇宙の戦士は、この学園に出没するスイッチの怪物『ゾディアーツ』と戦う事に。

後に後輩である野座間友子の言葉がきっかけで弦太朗はこの学園をゾディアーツから守るための部活『仮面ライダー部』を設立し、現在に至る。

今では部員も増え、創設者の弦太朗、部長の風城美羽、部員第1号のユウキに加え、学園のキング『大文字隼』や、情報通の後輩『JK』、それとオカルト系の友子に賢吾と、中々愉快で個性的なメンバーが集まった。

ちなみに部室はライダー部設立よりもだいぶ前から賢吾が利用している『ラビットハッチ』と呼ばれる場所を利用しており、普段は使われていない倉庫のロッカーの中にアストロスイッチを使って生まれた空間を通り、月面に聳え立つこの場所にやってきている。

それとこの場所の所有者(?)であるはずの賢吾は『仮面ライダー部』を認めていない。

だがいくら否定しても弦太朗が引く訳が無いので、最近ではあまりそういう事を言わない。

彼らは今まさに、その仮面ライダー部の部室に行こうとしているところなのだ。

教室を出ようとする2人…すると弦太朗がある事に気付く。

 

「あれ?」

 

「どうした如月?」

「なぁ、あいつって…?」

「あいつ?…あぁ、暁美か。」

弦太朗が指差したのは同じクラスの少女、暁美ほむら。

彼女はいつも1人で本ばかり読んでおり、誰かと口を聞いているところなど見た事が無い。

放課後になっても教室で1人本を読んでいるほむら……『この学園の連中全員と友達になる事』を目指す弦太朗にとって、それはゆゆしき問題だった。

友達の友達は皆友達……それなのにクラスに孤立している存在がいる……と、なればするべき行動はただ一つ。

 

「賢吾!!!先に行っててくれ!!!」

 

「は?いや…お前何するつもりだ?」

「決まってんだろ!!あの暁美って奴と友達になってくる!!」

「いやいやいやいや待て待て待て待て!?放課後は新しいスイッチの試験をすると言っただろう!そんなの明日の朝にやれ!!」

「い~やダメだ!!俺はこの学園の連中全員と一刻も早く友達にならねぇといけねぇんだよ!!」

「何故だ!?」

「俺だからだ!!」

「いや意味わからない!!」

相変わらず弦太朗は時々わけのわからない事を言う…。

それに今まで付き合ってきたユウキの屈強さが痛いほどわかる、そんな歌星賢吾高校2年生の秋である。

ここで彼と揉めても全く得しないので、仕方なく賢吾は先にラビットハッチへと向かって行った。

賢吾が去っていくと、弦太朗は短すぎる学ランを羽織り直し、微妙なリーゼントを整えながらほむらの下へ。

ほむらが読んでいた本を覗き込みながら、彼は彼女に笑顔で話しかけた。

 

「何読んでんだ?」

「貴方には関係の無い物よ。」

「………。」

 

即答だった。

あまりにも即答すぎて何も言い返せない…弦太朗は実はかなりの口下手だったりする。

しかしそれでも彼は負けない……『友達マイスター(今命名)』の誇りに掛けて…!!

 

「それ面白いか?」

「えぇ、貴方と話しているよりずっと。」

「どういう本なんだ?」

「貴方とは一生無縁の本よ。」

「分厚いな?読むの辛くね?」

「私にとって貴方と話す方が辛いわ。」

「もしかして俺の事嫌い?」

「そうね、どちらかと言えば。」

 

今までに無い程の攻防戦……これはゾディアーツとの戦闘並みにスリルがある。

それでも弦太朗は負けない…否、負けたくない。

ここで負けては漢がすたる、以前に大文字や美羽に言われ通り、ただの『トラッシュ』だ。

だからこそ彼は立ち上がり、いつもの様に胸お何度か叩きほむらに手を向けた。

 

「俺は如月弦太朗!!この学園の連中全員と友達になる男だ!!暁美、お前ともぜってぇ友達になってやるからな!!」

 

ガタっ!!

 

弦太朗がそう言った瞬間、急にほむらが立ち上がった。

何事かと思い彼女の顔を見る弦太朗……その表情を見て、弦太朗はハッとしてしまった。

 

泣いている。

 

わんわん泣く…というか、涙だけを流しているという感じ。

彼女は弦太朗の胸蔵を掴むと、信じられないほど強い力で彼を教室の外へと放り投げた。

そして壁に叩きつけ、怒りの形相で彼に向かって呟く。

「二度と…、」

「え……え…?」

 

「二度と私に向かって……『友達』なんて言葉口にしないで…!!!」

 

それだけ言うと、ほむらは荷物を纏めて逃げるように帰って行った。

一体自分が何をしたのだろう……弦太朗はこの時、彼女の心の核心に触れてしまった事に全く気付かず、腑に落ちないまま彼も仮面ライダー部の部室へと向かって行った。

 

 

 

 

学園から500m程離れたマンションのとある一室

 

そこは天の川学園高校3年生である、巴マミの自宅だった。

彼女は4年ほど前に両親を事故で無くし、遠い親戚しかおらず身寄りもない。

だから中学生の時からここで1人暮らしを始め、アルバイトをしながら学校生活をそれなりに満喫している。

1年生の時から仲が良かった風城美羽は最近、チア部以外の謎の部活に入り鐚になっている為放課後はほとんど会っていない。

だから最近では自宅に直帰で、アルバイトがある日以外はここで勉強している。

 

主に3人で。

 

「お邪魔するわ。」

「あらほむらさん、いらっしゃい。」

「よう、ほむら!今日は早いな?」

一緒にいるのは同じ学年で別クラスの佐倉杏子。

一応マミから勉強を教えてもらうという口実で来ているのだが…来たらだいたい食うか寝るかしかしておらず、教科書なんか開いた試しが無い。

それでも学年末は基本的には10位以内に入るので、勉強は相当できる方だ。

「杏子、あなた勉強しないんなら帰ったらどうなの?」

「帰るっつってもあたしん家、この部屋の隣だもん。」

「杏子さん、実はここ最近毎日夜遅くまでいるのよ……おかげで夕飯作るのが楽しくてしょうがないわ♪」

「マミさん、そいつに付き合ってるとそのうち『太り』ますよ?」

「杏子さん、今すぐ帰ってくれるかしら?」

「ほむらてめぇ!!」

クスクスと笑いながら、自分も鞄を置いてマミと杏子の隣に座るほむら。

ここ3年間、毎日のように繰り返している日常だ。

はたから見れば彼女らはきっと『友達』に見えるのだろう。

だが、実際には違う。

 

彼女達は『同志』なのだ。

 

同じ秘密を共有し、同じ悩みを持ち、同じ目的の為に生きる『同志』。

だからこそほむらも彼女達と一緒にいられる。

彼女の友達はあくまでも1人だけ……。

 

『鹿目まどか』

 

それは誰も知らない、暁美ほむらだけの最初で最後の友達。

彼女の事を想うと、今でも胸が痛くなる。

だからこそ、ほむらは友達なんか作らない。

友達なんか作っても……結局最後には悲しい別れが待っているのだから……。

 

 

 

 

仮面ライダー部

 

「それは君が悪い。」

「えぇ~?何でだよ隼~?」

部室に着くなり先ほどのほむらとのやり取りの事を他の部員に相談してみた弦太朗。

それを聞くなり我らが大文字先輩が立ち上がり、弦太朗を叱り始めた。

何気に真面目に怒っている時の大文字は中々圧巻で、弦太朗も肩を小さくせざるを得ない。

「君はレディに対して無粋すぎるんだ。いいか?レディというのは…例えるならばそう!!まるでソフトクリームの様に柔らかく繊細で、それでいて儚い…。君の『友達になりたい』という気持ちもいいが、ここはレディファースト、女性に対してはソフトで……そしてあまk、」

「はいはいわかりましたわかりましたからそろそろアンタはすっこんでなさい隼。」

「なっ、み、美羽…まだ僕は言いたい事の5%も言い切っては…、」

「アンタ話すと長いんだからいいの。弦太朗にはスイッチの試験があるんだからそんなに長く話なんかしてられないでしょ?」

正論で何も言い返せないキング(笑)

しかしながら大文字の言葉で弦太朗も多少は反省したのか、かなり落ち込んでいる。

そんな彼を元気づけようと後輩のJKと友子がそれぞれエロ本となにやら意味不明な十字架(どこかのIXAのマークっぽい物)を差し出しているが、そこは美羽に止められた。

「でもさ弦ちゃん、あの暁美さんって……結構変な噂立ってるよ?」

「噂?」

そう言ってきたのは幼馴染であるユウキ。

彼女も友達から聞いた話だけど、と少し濁しながら、暁美ほむらという生徒について語り始めた。

 

「何でもあの子、夜な夜なこの辺を変なコスプレして出歩いているんだって!それで白い猫みたなの引き連れて…それでいきなり、『魔獣の気配がする……ッ!』…とか言い出しちゃうんだって!その直後に姿が消えたり、宙に浮かんだり……あーもう!言ってるこっちが怖くなってきちゃったよー!」

 

「ま…マママママジか…!?そそそりゃ、そりゃりゃりゃや、ヤベェなぁ…。」

「その話……もっと詳しく聞きたい…かも……。」

「え?うぎゃーーーー!!!!」

ビビっているユウキに追い打ちをかける(おもに上から)友子。

ただでさえオカルト&ユウキ好きな彼女…おそらくユウキは当分開放してもらえないだろう。

情報通のJkも知らない情報なので、彼も是非とも話が聞きたいとユウキにすがった。

その様子を今まで見ていた賢吾……彼ははぁ、とため息をつくと席を立ち、いまだにガタガタ震えている弦太朗の肩をポンッと叩いた。

「彼女が気になるのか如月?」

「あ?……あぁ、まぁな…。『友達』って言ってた時のあいつの顔…なんかすっげぇ寂しそうだった…。」

「………ってこい…。」

「え?」

 

 

 

「行って来い、如月。」

 

 

 

「行って来いって…え?賢吾?」

「君がそんな調子じゃ、スイッチの試験もうまくいくはずが無い。今回検証する予定だったこの『マグネットスイッチ』はまだ何もかもが不明な謎のスイッチなんだ。そんな危険な物を、精神不安定なお前に渡してフォーゼドライバーを壊されちゃ堪らないからな。さっさと暁美に謝るか何かして、早く戻って来い。」

「賢吾……うおぉおおおお!!!!やっぱりお前俺の親友だぁぁぁぁぁ!!!!」

「なっ!?だ、だから!!俺は君とは親友になった覚えは無いし、そもそもまだ友達になったとも言っていない!!」

「照れるな照れるな♪っしゃあ!!じゃあちょっくら行ってくるぜ!!!」

早速荷物を纏め、部室を出ていく弦太朗。

そう言えば、さっきほむらが教室に読んでいた本を忘れてたなと思いだし、弦太朗は一度教室へと向かっていた。

 

 

 

 

「!!……マミさん、杏子…!!」

「あぁ、わかってる。」

「『魔獣』の気配ね。」

マミの部屋で勉強をするどころか何故かチーズケーキを食べていた3人は同時に同じ気配に気づくと、全員で部屋を出た。

『魔獣』……それは、彼女達が戦うべき敵。

古来より存在する厄災の種であり、同時に彼女達『魔法少女』が戦うべき敵。

奴らは人に隠れて生き、人々の魂を喰らい続ける。

そうなる前に倒す……それこそが魔法少女の目的だ。

 

『皆、用意はいいかい?』

 

「あら淫獣、いたの?」

『相変わらず君は口が悪いねほむら。』

巴家の玄関先でスタンバっていた白い猫の様な生物。

それこそが魔法少女の生みの親とも言える存在、『キュゥべぇ』

真の名を『インキュベーター』ともいい、簡単に言えば『宇宙人』だ。

魔法少女は全て彼と契約してから生まれる、彼曰く自分がいなければ人類はとっくに滅亡しているか未だに洞穴暮らしで野生の動物を狩って生きていただろうとの事。

可愛い外見とは裏腹に信用できない胡散臭い奴だが、それでも彼女達とは3年間ずっと一緒に戦い続けてきた仲だ。

キュゥべぇと共に3人は『魔獣』の気配がする場所……『天の川学園高校2年B組の教室』へと向かった。

 

 

 

 

「何だ……こりゃ……?」

 

教室に入るや否や、弦太朗は信じられないものを目撃した。

何故か机や椅子が宙に浮いており、更に教室の中に階段があったり、今彼が入ってきたはずの入り口が無くなってたりしている…。

しかも極めつけがコレ。

 

『オ……オォォォォ……ッ…!』

『ウォ……ウエェェェェイ…ガラミゾ…!!』

『ウゴォ…ゴデ…グッデモイイガナ……?』

 

白いマントに身を包んだ身長5m近い男達。

常識で考えて普通の高校の教室の大きさに収まる様なサイズではなく…しかもところどころから一匹ずつ『生えてきてる』

気持ち悪いにも程がある……どうなってるんだろうこれは…?

「何だこいつら…?スイッチの化けもんでもねぇ!?」

『ウゴォ……ザ、ザヨゴォォォォォォォ…!!!』

「うわっ!?」

何と、一匹が舌を伸ばし、弦太朗を攻撃してきた。

彼はそれを何とかかわすが、次から次へと怪物たちは襲ってくる。

何がなんだかさっぱりわからない……彼が鞄の中に手を突っ込んだその時だった……、

 

 

 

 

 

 

 

「ティロ・フィナーレ!!」

 

 

 

 

 

 

 

ドカンッ!!!!

 

『ウオォォォォォォン…!!』

『オデノカダダダボドボドダァー……!!』

何と、いきなり弦太朗の後ろから巨大な大砲が放たれ、怪物を数匹纏めて消し去った。

彼が思わず振り返ると、そこには3人の変な格好の少女が。

1人はイギリスとフランスの洋服を足して割ったような恰好にベレー帽を被ったマスケット銃の少女。

もう1人は赤い騎士の様な服に長いランスを持った少女。

そしてもう一人は……、

 

「あ、暁美……?」

 

「!?……き、如月君……?」

 

何と、暁美ほむら。

先ほどまでの制服とは違い、黒い服に小さい丸い盾を装備していた。

赤い服の少女がほむらの肩を叩いて聞いてくる。

「何だお前?知り合いか?」

「え……えぇ、一応、クラスメイト……。」

「あらそうなの?なら、しっかり守ってあげないといけないわね♪」

そう言うと2人の少女…マミと杏子は弦太朗の前に立った。

迫りくる怪物…『魔獣』を薙ぎ払っていく2人。

ほむらも弦太朗に早く逃げるように促しながら、彼女の武器である弓矢を構える。

だが……、

 

 

「……女にばっか……守られるわけにもいかねぇよな……。」

 

 

「何を言ってるの!?早く逃げなさい!!…って、それは…!?」

魔獣からの攻撃を盾で防いでいたほむらが気付いたもの…それは弦太朗の腰のベルト。

大きいバックルに4つのスイッチが嵌め込まれており、彼はほむらの前に立ちながらベルトのスイッチを右から順に一つずつ入れていく。

「き、如月君…貴方なにを…!?」

「何だがよくわかんねぇけど……こいつら片づければいいんだな!!」

 

『3…、』

 

スイッチを全部入れると、続いてベルトからカウントが始まった。

徐々に手を胸の辺りに近づきながら、弦太朗はベルトについているレバーを握る。

 

 

『2…、』

 

「おぅ暁美、危ないからちょっと下がってろ!」

「何を言ってるの!?危なくて下がるのはあなたの……!?」

 

『1…、』

 

「変身ッッ!!!!!」

 

その叫びと共に弦太朗は勢いよくレバーを入れ、腕を天に突き上げた。

すると彼の体を白い光が包み込み…どうじにロケットの発射の時の様な激しい噴射が辺りに巻き起こる。

それに耐えきれずに吹っ飛ばされるほむら…その次に彼女が見たものは…、

 

「あ……あれは……!?」

 

 

「宇宙…キターーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」

 

 

ロケットの様な頭部に宇宙飛行士の様なボディ。

『仮面ライダーフォーゼ』が、魔法少女と魔獣に初めて邂逅した瞬間だった。

 

  第1話 宇宙キターーーーー!!!!

 

 
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